【2025年最新】マイホーム買い替え特例を世界一わかりやすく解説!3000万円控除とどっちが得か徹底比較

※この記事は2025年10月時点の法令に基づき執筆しています。

子どもの独立やライフスタイルの変化を機に、マイホームの住み替えを検討しているあなた。「今の家が、買ったときより高く売れそう」なのは嬉しいものの、その利益(譲渡所得)にかかる高額な税金が心配の種ではないでしょうか。

そんなときに頼りになるのが、税金の負担を軽くしてくれる特例制度です。その中でも特に「買い替え(買換え)特例」は、大きな節税効果が期待できる一方で、仕組みが複雑なのが難点です。

この記事では、税金の専門用語が苦手な方でもスラスラ読めるように、「買い替え特例」の仕組みから利用条件、メリット・デメリットまでを徹底的に解説します。よく比較される「3,000万円特別控除」との違いも明確にし、ご自身の状況に合わせてどちらを選ぶべきか判断できるよう、この記事がサポートします。

税金の不安を解消し、手元資金を最大化して理想の住み替えを実現するための一歩を、ここから踏み出しましょう。

目次

まずは結論!「買い替え特例」と「3,000万円特別控除」の違いが一目でわかる比較表

住み替え時の税金を抑える特例には、主に「特定の居住用財産の買換えの特例(買い替え特例)」と「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除(3,000万円特別控除)」の2つがあります。どちらを選ぶかで納税額や将来の税負担が大きく変わるため、違いを正確に理解することが重要です。まずは、両者の特徴を比較表で確認しましょう。

項目買い替え特例3,000万円特別控除
制度の概要課税の繰り延べ(先送り)課税の免除(非課税)
売却益の上限上限なし3,000万円まで
所有期間の条件10年超制限なし
住宅ローン控除併用不可併用可能
こんな人におすすめ売却益が3,000万円を大幅に超える人売却益が3,000万円以下の人

買い替え特例は「将来への税金の先送り(繰り延べ)」

買い替え特例の最大の特徴は、売却時点では課税されず、買い替えた家を将来売却するまで納税を「先送り」できる点です。あくまで納税を先延ばしにする制度であり、税金が免除されるわけではない点を理解しておきましょう。

売却時に支払う税金がゼロになるため、手元に残る資金が多くなり、新しい家の購入資金に充てやすいのが大きなメリットです。

3,000万円特別控除は「その場の利益を非課税にする」

3,000万円特別控除は、売却益から最大3,000万円を控除(差し引く)できる制度です。売却益が3,000万円以下であれば、その場で納税額がゼロになります。こちらは「繰り延べ」ではなく「免除」なので、将来の税負担を気にする必要はありません。

多くの場合、この特例で十分に対応できるケースが多く、非常に使い勝手の良い制度です。

あなたはどっち?フローチャートで簡単診断

「自分はどちらを使えばいいの?」という方のために、簡単なフローチャートをご用意しました。まずは大まかな方針を掴んでみましょう。

【診断スタート】
Q1. マイホームの売却益は3,000万円を超えそうですか?
→ NO:「3,000万円特別控除」がおすすめです。
→ YES:Q2へ

Q2. 新しく買う家の価格は、売る家の価格より高いですか?
→ YES:「買い替え特例」が有利になる可能性が高いです。
→ NO:「3,000万円特別控除」を使い、3,000万円を超えた部分だけ納税する方法も検討しましょう。

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そもそも「特定の居住用財産の買換えの特例」とは?3分でわかる基本の仕組み

買い替え特例の正式名称は「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」です。ポイントさえ押さえれば、決して難しい話ではありません。ここでは、この特例の基本的な仕組みを3つのポイントで解説します。

1. 利益(譲渡所得)への課税を、次の家に持ち越せる制度

家を売って出た利益(譲渡所得)には、通常、所得税と住民税がかかります。買い替え特例は、この利益への課税を、今回の売却時ではなく、次に買い替えた家を将来売却する時点まで持ち越す(繰り延べる)ことができる制度です。

例えば、5,000万円の利益が出たとしても、売却した年にはその5,000万円に対する税金を払わなくて済みます。

2. ポイントは「免除」ではなく「繰り延べ」であること

最も重要なのは、この特例が税金の「免除」ではなく、あくまで「繰り延べ」である点です。つまり、納税の義務が消えてなくなるわけではありません。今回払わなかった税金は、将来、買い替えた家を売却したときに上乗せして支払うことになります。

「一生この家に住み続ける」と決めているなら実質的に納税は不要ですが、将来的に再度売却する可能性がある場合は、その時の負担を考慮する必要があります。

3. 課税が繰り延べられるとは、どういうこと?

「課税の繰り延べ」を、具体的な例で見てみましょう。
【状況】
・3,000万円で買った家Aを、8,000万円で売却(利益5,000万円)
・新たに9,000万円の家Bに買い替え

【買い替え特例を使った場合】
1. 家Aの売却時点では、利益5,000万円に対する税金はかからない(繰り延べ)。
2. 新しい家Bの取得費は、本来の9,000万円ではなく、繰り延べた利益5,000万円を差し引いた4,000万円として扱われる。
3. 将来、家Bを1億円で売却した場合、利益は「1億円 – 4,000万円 = 6,000万円」として計算され、この6,000万円に対して課税される。

このように、本来の利益を次の家の取得費から差し引く形で、課税を将来に持ち越すのがこの制度の仕組みです。

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【チェックリスト付】買い替え特例を使うための8つの条件(2025年10月時点)

買い替え特例は、誰でも使えるわけではありません。節税効果が大きい分、適用要件は厳しく設定されています。ここでは、「売る家」「買う家」「人物」に関する8つの主要な条件をチェックリスト形式でまとめました。ご自身の状況と照らし合わせて確認してみましょう。

1.【売る家】の条件:所有期間10年超など4つのハードル

  • □ 自分が住んでいる家であること(または住まなくなってから3年以内)
  • □ 売却した年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えていること
  • □ 売却した年の1月1日時点で、土地の所有期間も10年を超えていること
  • □ 売却代金が1億円以下であること

2.【買う家】の条件:床面積50㎡以上など2つのポイント

  • □ 床面積が50平方メートル以上であること
  • □ 中古住宅の場合は、一定の耐震基準を満たしていること(築25年以内など)

3.【人物】に関する条件:居住用であることなど2つの約束

  • □ 家を売った年の、前年から翌年までの3年間に新しい家を買うこと
  • □ 新しい家には、取得した年の翌年末までに居住すること

4.【注意】親族間売買や贈与された家は対象外になるケースも

上記の条件をすべて満たしていても、親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却の場合は、この特例を使えません。また、過去に居住用の他の特例(3,000万円特別控除や住宅ローン控除など)を利用している場合、一定期間この特例は使えないため注意が必要です。

詳細は国税庁のウェブサイトで確認するか、税務署や専門家にご相談ください。

ご自身のケースで特例が使えるか不安な方は、イエツグが無料でご相談に乗ります。

お客様専用ダイヤル: 0800-222-1829

買い替え特例のメリット・デメリット|将来のライフプランから考える

買い替え特例を使うべきかは、目先の税負担だけでなく、将来のライフプランまで含めて慎重に判断する必要があります。ここでは、この特例のメリットと見落としがちなデメリットを解説します。両方を天秤にかけ、ご自身にとって最適な選択をしましょう。

1. メリット:売却時の手元資金が最大化できる

最大のメリットは、売却時に支払うべき税金がゼロになるため、手元に残る資金を最大化できることです。特に売却益が数千万円と高額になる場合、本来なら数百万円以上の納税が必要になるケースも珍しくありません。

この納税資金を新しい家の購入費用や諸経費に充てられるため、よりグレードの高い物件を選んだり、自己資金の割合を増やして住宅ローンの借入額を減らしたりといった選択肢が生まれます。

2. デメリット①:将来、買い替えた家を売るときの税金が高くなる

最大のデメリットは、課税を繰り延べた分、将来買い替えた家を売却するときの税金が高くなる可能性がある点です。前述の通り、売却益が新しい家の取得費から差し引かれるため、将来の売却時の利益がその分だけ大きくなってしまいます。

「この家に一生住み続ける」と決めているなら問題ありませんが、将来的に再度住み替えや売却の可能性がある場合は、将来の税負担増を覚悟しておく必要があります。

3. デメリット②:住宅ローン控除との併用ができない

買い替え特例を適用すると、原則として住宅ローン控除(住宅ローン減税)と併用できません。住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%が最大13年間にわたって所得税などから控除される、非常に節税効果の高い制度です。

買い替え特例による納税繰り延べ額と、住宅ローン控除で得られる減税額の総額を比較し、どちらがよりメリットが大きいかシミュレーションすることが重要です。

4. デメリット③:買い替え後の家の取得価額が引き継がれる

これはデメリット①と関連しますが、税務上、買い替えた家の取得価額が、実際に支払った金額よりも低く記録されることを意味します。これにより、減価償却費の計算などにも影響が出る場合があります。

少し専門的な話になりますが、帳簿上の資産価値が低くなるという点は、デメリットとして認識しておきましょう。

住み替え(買い替え)の費用や税金について、プロの解説記事でさらに詳しく学べます。

住み替え成功のコツ

【ケース別シミュレーション】3,000万円控除と買い替え特例、どちらを選ぶべきか

「では、自分の場合はどちらが得なのか?」という疑問に答えるため、具体的なケースでシミュレーションしてみましょう。

1. 売却益が3,000万円以下の場合 → 迷わず「3,000万円特別控除」

マイホームを売却して出た利益(譲渡所得)が3,000万円以下であれば、迷わず「3,000万円特別控除」を選びましょう。この特例を使えば、利益の全額が非課税になり、納税額はゼロになります。

しかも、これは課税の「免除」なので、将来の税負担を心配する必要もありません。さらに、住宅ローン控除との併用も可能です。買い替え特例を選ぶメリットは全くありません。

2. 売却益が3,000万円を超え、買い替える家の方が「高い」場合 → 「買い替え特例」が有利

売却益が3,000万円を大幅に超え、かつ売却代金以上の価格の家に買い替える場合は、「買い替え特例」の利用が有利になる可能性が高いです。

例えば、売却益が5,000万円出た場合、3,000万円特別控除を使っても残りの2,000万円には課税されます。しかし、買い替え特例ならその年の納税額はゼロになります。住宅ローン控除が使えないデメリットを考慮しても、買い替え特例のメリットが上回ることが多いでしょう。

3. 売却益が3,000万円を超え、買い替える家の方が「安い」場合 → 差額に課税されるため要検討

売却代金よりも安い価格の家に買い替える場合、買い替え特例を使っても、その差額分は課税対象となります。例えば、8,000万円で家を売り、7,000万円の家に買い替えた場合、差額の1,000万円は利益とみなされ、課税されます。

このケースでは、3,000万円特別控除を使った方が納税額が少なくなる可能性もあります。どちらが得になるかは個別の計算が必要なため、専門家への相談をおすすめします。

4.【Aさん一家の例】5,000万円で売却、6,000万円の家に買い替えた場合の税金は?

【状況】
・売却した家の取得費・経費:3,000万円
・売却価格:5,000万円(→売却益2,000万円)
・買い替えた家の価格:6,000万円

この場合、売却益は2,000万円で3,000万円以下です。したがって、迷わず「3,000万円特別控除」を選択すべきです。納税額はゼロになり、かつ住宅ローン控除も併用できます。

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買い替え特例を利用するための手続きと必要書類

買い替え特例の適用を受けるためには、必ず確定申告が必要です。会社員の方でも、年末調整だけでは手続きは完了しません。ここでは、確定申告のタイミングや必要書類について解説します。

1. 手続きのタイミングは「売却した翌年の確定申告」

買い替え特例を利用する手続きは、家を売却した年の翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間中に行います。税務署に必要書類を提出して申請します。

例えば、2025年10月に家を売却した場合、2026年の確定申告期間中に手続きをする必要があります。この期間を過ぎると特例を受けられなくなる可能性があるので、注意しましょう。

2. 確定申告書に添付する必要書類一覧

確定申告の際には、申告書に加えて以下の書類を添付する必要があります。事前に準備を進めておきましょう。
・譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
・売却した家の登記事項証明書、売買契約書のコピーなど
・買い替えた家の登記事項証明書、売買契約書のコピーなど
・(中古住宅の場合)耐震基準適合証明書など

3. もし期限内に買い替えできなかった場合の対処法

家を売却した年の翌年末までに新しい家を取得できない場合でも、税務署長の承認を受ければ、適用期限を1年延長できる可能性があります。やむを得ない事情がある場合は、諦めずに税務署に相談してみましょう。

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買い替え特例に関するよくある質問

ここでは、買い替え特例についてお客様から特によくいただく質問とその回答をまとめました。細かい疑問点を解消し、制度への理解をさらに深めましょう。

Q1. 買い替え特例と住宅ローン控除は併用できますか?

A. いいえ、原則として併用できません。買い替え特例を適用した年には、住宅ローン控除は受けられません。どちらの節税メリットが大きいかを十分に比較検討する必要があります。

Q2. 3,000万円特別控除と間違えて申請してしまったらどうなりますか?

A. 確定申告の期限内であれば、「更正の請求」という手続きで修正が可能です。ただし、一度選択した特例の変更は手続きが煩雑になるため、最初の申告で間違えないことが最も重要です。

Q3. 買い替えた家を将来、賃貸に出すことは可能ですか?

A. 可能です。ただし、その家を売却する際には、居住用の特例(3,000万円特別控除など)が使えなくなる可能性があります。また、繰り延べた税金が将来の売却時に課税されることを覚えておきましょう。

Q4. 共有名義の不動産でも、買い替え特例は使えますか?

A. はい、使えます。共有者それぞれが自身の持ち分に対して、要件を満たせば特例を適用できます。例えば、夫と妻がそれぞれ要件を満たしていれば、二人ともこの特例を利用することが可能です。

その他、不動産売買に関する疑問は「よくある質問」ページで解決できるかもしれません。

よくある質問

まとめ:買い替え特例は万能ではない!将来を見据えた慎重な判断を

本記事では、マイホームの買い替え特例について、その仕組みや注意点を詳しく解説しました。買い替え特例は、売却時の納税を先延ばしにできる強力な制度ですが、将来の税負担増、住宅ローン控除が使えないといったデメリットも併せ持つ制度です。

ご自身の売却益の額や将来のライフプランを総合的に考慮し、「3,000万円特別控除」と比較して、どちらが本当に有利になるのかを慎重に判断することが重要です。

税金の話は複雑で、個別の状況によって最適な選択は異なります。最終的な判断に迷った場合は、税務署や税理士、そして信頼できる不動産会社に相談することをおすすめします。

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