フラット35の賢い借り方とは?種類や向いている人などをわかりやすく解説

フラット35とは、住宅金融支援機構と民間の金融機関が共同で提供する住宅ローンです。金利は、返済期間を通じて固定される全期間固定型であるため、毎月の返済額は借入から完済まで変わりません。

フラット35にはさまざまな種類があり、住宅の環境性能や購入するエリア、返済期間などに応じて借入金利が変わる仕組みです。またフラット35のような全期間固定金利型の住宅ローンは、借り入れる際に注意すべき点や確認すべき点がいくつか存在します。

そこで本記事では、後悔しないためにフラット35の種類や注意点、フラット35の借り入れがおすすめな人を詳しく解説しますので、ぜひご一読ください。

この記事でわかること
  • フラット35の種類
  • 全期間固定金利の注意点
  • フラット35に向いているのはこんな人!
執筆者 丹拓也
株式会社イエツグ代表取締役 不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。 保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

後悔しないためにフラット35の種類を知ろう

フラット35には、さまざまな種類があります。違いを理解し、ご自身に合ったフラット35を選ぶことで後悔を防げるでしょう。

フラット35S

フラット35には、所定の条件を満たすと借入時の金利が引き下げられる制度があります。代表的なのが、認定優良住宅を購入する際に適用できる「フラット35S」です。フラット35Sを適用できると、借り入れから一定期間の金利が0.25%引き下げられます

認定優良住宅とは、省エネルギー性能やバリアフリー性能などが一定の基準以上である高性能な住宅です。

※画像引用:住宅金融支援機構【フラット35】

フラット35Sには、引き下げ期間が10年である「金利Aプラン」と期間が5年である「金利Bプラン」の2種類があります。どちらの金利プランが適用されるのかは、購入する住宅の住宅の構造や耐震性などの技術基準によって決まります。

※画像引用:住宅金融支援機構【フラット35】

フラット35リノベ

フラット35リノベとは、所定のリフォーム工事をした場合に、フラット35の金利が借入から一定期間0.5%引き下げられる制度です。金利の引き下げ期間は、金利Aプランと金利Bプランによって異なります。

リフォーム工事費用金利引き下げ期間金利引き下げ幅
金利Aプラン300万円以上当初10年間0.5%
金利Bプラン200万円以上当初5年間0.5%

※スマホの方は表を横にスクロールできます

フラット35リノベの場合、工事後の住宅の技術基準だけでなく、リフォームの工事費用によっても、どちらの金利プランが適用されるか変わります。

フラット35子育て支援型・フラット35地域活性化型

フラット35子育て支援型とフラット35地域活性化型は、所定の自治体で住宅を購入した場合に受けられる金利引き下げ制度です。

フラット35子育て支援型・フラット35地域活性化型
  • フラット35子育て支援型:子育て支援に積極的な自治体で住宅を購入した場合
  • フラット35地域活性化型:地域の活性化事業に力を入れている自治体で住宅を購入した場合

どちらも金利の引き下げ幅は0.25%引き下げ期間は5年です。フラット35子育て支援型やフラット35地域活性化型の対象となる地域は、フラット35の公式サイトで調べられます。

またフラット35子育て支援型とフラット35地域活性化型は、フラット35Sと重複して適用できる場合があります

画像引用住宅金融支援機構【フラット35】

例えば、フラット35子育て支援型の対象となる地域で、フラット35Sの金利Aプランが適用される住宅を建てると、借り入れから5年間は0.5%、6年目から10年目までは0.25%が、それぞれ借入金利から差し引かれます。

フラット35・フラット20・フラット50

フラット35は、以下のように返済期間に応じて種類が分かれています。返済期間が長いほど、借入時の金利が高くなる傾向にあります。

フラット35・フラット20・フラット50
  • フラット35:返済期間が21年以上35年以下
  • フラット20:返済期間が15年以上20年以下
  • フラット50:返済期間が36年以上50年以下

ただしフラット50は、フラット35Sと同じく省エネ性能や耐震性能が一定の条件を満たさなければ借り入れできません

全期間固定金利で住宅ローンを借り入れる場合の注意点3選

フラット35を含む全期間固定金利型の住宅ローンは、返済途中に金利が変わらないというメリットがある一方で、借り入れ時に注意すべき点が3つあります。

なお、全期間固定金利型住宅ローンのうち、フラット35を借り入れるときの注意点については、以下の動画でさらに詳しく解説していますので、ぜひご視聴ください。

1.金融機関によって全期間固定金利の内容が異なる

フラット35は、借り入れる金融機関によって金利が異なります。また民間の金融機関が独自で取り扱う全期間固定金利型住宅ローンは、フラット35とは金利だけでなく融資条件も異なるのです。

フラット35を含む全期間固定金利型の住宅ローンを借りるときは、金融機関同士の金利や借入条件をよく確認・比較することが大切です。

2.低金利の時代であっても固定金利が正解とは限らない

2021年3月現在、住宅ローン金利は底値ともいえる非常に低い値です。しかし低金利であっても、全期間固定金利型の住宅ローンが必ずしも正解とはいえません変動金利と固定金利には、2倍以上の金利差があるためです。

ここで、変動金利と固定金利にどれほどの差があるのか、2021年3月現在の金利水準をもとにシミュレーションでそれぞれの返済負担を比較してみましょう。条件は以下の通りです。

  • 借入額4,000万円
  • 返済期間35年(元利均等方式)
  • 変動金利:0.475%
  • 固定金利(フラット35):1.35%
変動金利(0.475%)固定金利(1.35%)差額
毎月の返済額103,392円119,555円+16,163円
利息総額3,424,985円10,213,515円+6,788,530円

シミュレーションの結果、毎月の返済額は約16,000円利息総額にいたっては約680万円も増えました

実は、日本がバブル経済を彷彿とさせるような好景気がきたり、これから金利がじわじわと上がり初めて将来的にバブルのような状態となったりしない限り、変動金利の返済負担は全期間固定金利を上回りません。

2021年3月現在は、たしかに低金利の状態であり今後金利が上昇する可能性のほうが高いといわれています。しかしながら、金利が上昇しても、全期間固定金利での借り入れると損をするケースはあるのです。

変動金利で住宅ローンを借りても大丈夫?返済額が固定金利より高くなるケースとは

3.融資が実行されるタイミングによって金利が異なる

フラット35のような全期間固定金利は、融資が実行されるタイミングによって金利が異なる場合があります。全期間固定金利の借入金利は、株式と同じように市場で取引されている長期国債の金利を指標にして決められているためです。

住宅ローンの金利が決まるのは、融資が実行されたとき。マイホームを購入する場合、売買契約を結んだ日から融資が実行されるまで1ヵ月以上かかることもあります。そのため、実際の返済額と売買契約時に確認した返済額が異なる可能性があるのです。

実際に、フラット35の借入金利は、長期国債の金利上昇により、2021年2月に1.32%であったのが同年3月には1.35%まで0.03%上昇しました。仮に借入額が4,000万円、返済期間が35年(元利均等方式)であった場合、支払う利息の総額に約24万円増えてしまいます。

変動金利にすればよかったと後悔しない!フラット35の利用が向いている人4選

最後に、フラット35が向いている人の例を4つご紹介します。

1.金利上昇の不安を感じたくない人

フラット35は、借入時に毎月の返済額と返済総額が確定します。変動金利のように返済途中で金利が上昇して、返済負担が増える心配はありません。

「金利が上昇したらどうしよう」という不安が残り、マイホーム暮らしに支障が出る可能性がある方は、フラット35の借り入れを検討すると良いでしょう。ただし、フラット35の借り入れを検討するときに、変動金利で借り入れた場合の返済負担と比較する必要があります。

2.民間金融機関の審査に通過しにくい人

フラット35は、以下のような民間金融機関の住宅ローン審査に通過しにくいといわれている人でも、融資が承認される可能性があります。

民間金融機関の住宅ローン審査に通過しにくい人
  • 自営業・フリーランス
  • 転職して間もない人
  • 契約社員・パート など

勤続年数が長い方や大手企業に勤めている方など、安定した収入を得ており、返済を滞納するリスクが低いと考えられる人のほうが、住宅ローンの審査では有利です。

しかしフラット35であれば、年収に占める返済額の割合や購入する住宅の技術基準などの融資条件に該当していれば、転職後間もない方や契約社員の方なども審査に通過できる可能性があります。自営業者の場合、直近1期分が黒字であれば、フラット35を借り入れられる可能性があるのです。

3.フラット35の金利引き下げ制度に該当する可能性がある人

フラット35Sやフラット35子育て支援型など、借入当初の金利が引き下げられる制度を適用できると、借入時の金利が高く返済負担が重くなるというフラット35のデメリットを緩和できます。

また購入する住宅に、フラット35Sを適用できるような耐震性能が備わっていると、地震保険料が最大で50%割引され、金銭的な負担をさらに抑えられます。

※出典:住宅金融支援機構【フラット35】

フラット35Sやフラット35子育て支援型、フラット35地域活性化型の要件に該当する可能性がある方は、フラット35を検討してみてはいかがでしょうか。

4.団体信用生命保険に加入できない人

団体信用生命保険(以下、団信)は、住宅ローンを借り入れた人が亡くなったり所定の高度障害状態になってしまったりした場合に、住宅ローンの残高が0円となる保険です。

団信の加入時には、保険会社に健康状態を告知する必要があります。すでに病気を抱えていたり、過去に大病を患った経験があったりすると、団信に加入できない場合があるのです。

一般的な住宅ローンでは、融資条件となっていることもあり、団信の加入は必須です。しかしフラット35は、団信への加入が任意となっているため、健康状態に不安がある方でも借り入れできる可能性があります

ただし、団信に加入せずに住宅ローンを借り入れると、万一の場合、残された家族は返済を継続しなければなりません。返済する人に不測の事態が発生したときに、民間の生命保険や配偶者の収入などで、カバーできるのかを踏まえて慎重に借り入れを検討しましょう

まとめ:注意点を理解し商品を比較してフラット35を借り入れると後悔しない

フラット35には、フラット35Sやフラット35子育て支援型など、さまざまな種類があります。金融機関が独自に取り扱う全期間固定金利もあるため、注意点を理解したうえで、もっとも借入条件が有利な商品を選ぶことで、借り入れたあとの後悔を防げます。

また住宅ローンは、金利タイプだけでなく借入額や返済期間なども慎重に検討しなければなりません。ご自身だけで判断が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーのような有資格者に相談すると良いでしょう。

弊社イエツグでは、FPによる無料のキャッシュフロー表作成サービスを提供しているため、どうぞお気軽にご相談ください。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。 イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。

監修者 品木彰
金融ライター、ファイナンシャルプランナー。
大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。