住宅ローンの「金利タイプ」による違いを徹底解説!

金利の低いうちに住宅を購入したい!だけど住宅ローンの金利をどのように選べば良いかわからない…と悩まれる方は非常に多くいらっしゃいます。

住宅ローンは、金利タイプの選択によって毎月の返済負担が数万円、総返済額で数百万円も変わることもあるため、悩んでしまうのも無理はありません。

加えて2020年は、新型コロナウイルスの影響で先行きが不透明な状況。さらに今後は新型コロナと共存するwithコロナの時代になるともいわれているため、住宅を購入に伴う住宅ローンの選択では、より慎重な判断が求められるといえるでしょう。

そこで今回は、withコロナ時代における住宅ローンの選び方についてわかりやすく解説していきます。

この記事でわかること
  • 住宅ローンの金利の種類と特徴
  • withコロナ時代の住宅ローンの金利の選び方は?
  • 住宅ローン金利を選ぶ際の注意点
イエツグくん
住宅ローン選びは、物件選びと同じくらい慎重に行うべきだよ!
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

住宅ローンにはどのような金利タイプがある?

住宅ローンの金利タイプには、大きく分けて以下の3種類があります。

  • 変動金利
  • 固定金利
  • 固定期間選択型
住宅ローンの金利を選ぶときは、それぞれの金利タイプの仕組みや特徴、違いを理解することが大切です。

変動金利

変動金利は、借り入れた後に金利や返済額が変わる金利タイプです。

金利や返済額が見直されるタイミングは、以下の通りです。

  • 金利:半年に1度
    ※毎月見直される場合もあります
  • 返済額:5年に1度(5年ルール)
変動金利で返済額が見直される際は、見直し前の125%までしか上昇しないという125%ルールがあります。

変動金利は、住宅ローンを借り入れた当初の金利が固定金利よりも低く設定されている点がメリットです。2020年6月における変動金利は、どの金融機関も1%未満。最小値は0.399%と固定金利よりも低い値となっています。

そのため、金利が低いうちに変動金利を選んで住宅ローンを返済すると、効率よく元金を減らしていけます。しかし返済途中で金利が上昇すると、借入時に固定金利を選択した場合よりも返済負担が増える可能性がある点に注意が必要です。

固定金利

固定金利は、返済が終了するまで金利が固定される金利タイプです。

住宅ローンの返済額が返済期間中ずっと変わらないため、家庭の収支計画が立てやすくなるだけでなく、金利上昇に対する不安を抱えることなくローンを返済していけます。

一方で固定金利は、変動金利よりも金利が高く設定されているため、返済期間中に金利が変動しなかった場合、返済総額は変動金利よりも高くなります。

2020年時点6月時点での固定金利は約1〜1.75%ですが、団体信用生命保険を付加しないフラット35Sでは金利が1%を切ることもあり、変動金利との差がさらに縮まってきました。

固定期間選択型

固定期間選択型とは、借り入れた当初から一定期間の金利を固定する金利タイプです。金利の固定期間終了後は、変動金利に移行します。

固定期間中の金利は、全期間固定型の金利よりも低く設定されているため、借り入れから一定期間は金利上昇に対する不安を感じることなく、効率的に元金を減らせる点がメリットです。

固定期間終了後の変動金利は、移行するときの市場金利によって適用される金利の値が決まります。変動金利に移行するときには、住宅ローンの元金がいくらか減っている状態ですが、状況によっては返済負担が増える可能性もある点に注意が必要です。

加えて固定期間選択型の変動金利には、5年ルールや125%ルールが存在しないものもあるため、契約時に内容を入念に確認しましょう。

2020年6月現在における固定期間選択型の最小値は0.55%ですが、金融機関や金利の固定期間によって数値は大きく異なります。

イエツグくん
ふむふむ…それぞれの金利タイプの特徴はわかったけど、どうやって選べばいいんだろう?

固定金利?変動金利?後悔しない金利タイプの選び方

住宅ローンの金利タイプにはそれぞれにメリットとデメリットがあり、簡単に優劣を付けられるものではないため、安易な選択はおすすめできません。

とくに今は、新型コロナウイルスの蔓延により今後が予想しにくい状況であるため、住宅ローンの金利タイプも慎重に選ぶ必要があります。

ここでは、withコロナ時代に突入しても後悔しないように、住宅ローン選びにおける注意点をご紹介します。

金利の低さだけで選ばない

住宅ローンの金利を選ぶときは、金利の値だけを比較しないようにしましょう。それは、他の要素を考慮せずに金利の値だけで住宅ローンを選ぶと、住宅購入後に後悔したり不安を感じたりする可能性があるからです。

借り入れ当初の金利は、変動金利の方が固定金利よりも低いのが一般的です。しかし、変動金利の金利や返済額は所定のタイミングで見直されるため、将来的には返済負担が上昇する可能性があります。

未来のことは誰にもわかりません。「将来金利が上がったらどうしよう」と不安を感じる恐れがある場合は、返済期間中に金利が変わらない固定金利を選んだほうが安心です。

また、ネット銀行と大手銀行の住宅ローン金利を比較すると、全体的にネット銀行の方が低く設定されています。

しかしネット銀行の住宅ローンには、以下のような大手銀行や地方銀行が取り扱う住宅ローンにはないデメリットがあるのです。

  • 変動金利に5年ルールや125%ルールがない
  • 審査に融通が効かにくい
  • 審査期間が長い
  • 事務手数料が高額な場合がある など
5年ルールや125%ルールがないとなれば、返済額が突然大きく増えてしまう恐れもあるでしょう。またネット銀行は、保証料を取らない代わりに事務手数料を高くしていることがあります。事務手数料は、保証料のように繰り上げ返済をした場合に戻ってくるお金がありません。そのため事務手数料が高額なネット銀行で住宅ローンを組むと、手元のお金を増やせる手段が一つ減ることになります。

このように住宅ローンの金利を選ぶときは、金利の高低だけではなく、さまざまな要素を比較しましょう。

固定金利が正解とは限らない

「金利が低いうちは固定金利を選ぶのが正解」という意見を聞かれたことはないでしょうか?しかし低金利の時代であるからといって、固定金利が必ずしも正解とは限りません。

固定金利は、返済期間中の金利が固定される一方で、借り入れ当初の金利は変動金利よりも高く設定されています。

たとえば、3,500万円の住宅購入資金を、返済期間35年(元利均等方式)で借り入れる場合、固定金利と変動金利で毎月の返済額や返済総額に以下のような差が出ます。

固定金利(1.3%) 変動金利(0.5%)
毎月の返済額 103,768円 90,855円 12,914円
返済総額 43,582,881円 38,159,050円 5,423,831円

このように返済期間中の金利が変わらなかった場合、毎月の返済額は1万円以上、返済総額は500万円以上違ってきます。

しかし固定金利と変動金利の返済額の差をどう捉えるか、その結果どの金利タイプを選択するか、は人によって異なります。

「月々1万円ほどの差なら、金利上昇の不安がない固定金利にしよう」と考える人もいるでしょう。一方で「月に1万円以上も変わるのであれば、これから金利が上がるとも思えないから変動金利にしよう」と判断する人もいるはずです。

どの金利が正解なのかは、個人の考え方や状況によって変わるため、低金利の時代だからといって一概に固定金利が正解であるとはいいきれません。

金利が上昇するケースも想定し対策をする

変動金利や固定期間選択型を選ぶ場合は、金利が上昇したときに備えてお金を準備しておくと安心です。

たとえば、変動金利を選んだ場合、ローンを返済しつつ将来金利が上がったときに借入額の一部または全部を繰り上げ返済できるように、貯蓄をしておくのも一つの方法です。

また固定期間選択型では、金利の固定期間が終了した後に変動金利に移行するのではなく残高を一括で返済する方法もあります。

日本銀行の金融緩和政策が続く限り、住宅ローンの金利が上がる可能性は低いでしょう。しかし新型コロナにより今後の予想は困難な状況であるため、中長期的に見れば金利が上がる可能性もゼロではありません。

そのため、変動金利や固定期間選択型を選ぶ場合は、金利の上昇に備えて対策資金を準備しておくと、金利上昇に対する不安を減らせます。

住宅ローンの金利タイプ変更も視野に考える

2020年現在は、固定金利も変動金利も低水準で推移しています。

その中でも変動金利は著しく低く、月々の返済額を考えれば変動金利を選択したいという方も多いでしょう。

しかし、忘れてはいけないのは、変動金利は金利が上がる可能性もあるということ。変動金利タイプの住宅ローンの多くは、金利水準が急激にあがらないよう「125%ルール」や「5年ルール」があります。

しかし、長期的にみれば大幅に金利が上昇するリスクとは隣り合わせです。

「将来的には不安があるけど、今の変動金利の水準も捨てがたい……」

という方は、将来的に柔軟に金利タイプを変更する覚悟で借り入れるのも1つの手です。具体的には、「金利が上昇する局面になったら固定金利に借り換える」あるいは「当初から変動金利と固定金利の住宅ローンを組み合わせて借り入れリスクを減らす」などの選択肢もあります。

35年など長期に住宅ローンを組んだとしても、返済途中で借り換えや返済条件の変更は可能です。

住宅ローンのご相談はイエツグまで!

ここまで住宅ローン金利の選び方について解説しました。しかし実際に金利タイプを選ぶとなると、自分自身にとってどれが良いかわからなくなる人も少なくありません。

自分自身にとって最適な住宅ローンの組み方がわからない方は、弊社イエツグまでぜひご相談ください。

イエツグにはFP住宅ローンアドバイザーの有資格者が在籍してるため、物件選びとともにあなたの住宅ローン選択を徹底サポートいたします。

また弊社イエツグの仲介手数料は、182,900円(税別)の定額制です。さらに売主様から注意手数料を頂ける物件については、仲介手数料が無料になるだけでなく現金をキャッシュバック。金銭的な負担を抑えてよりお得に、より安心して住まいをご購入いただけます。

まとめ:住宅ローンの金利タイプの選択は慎重に

住宅ローンの金利には、固定金利・変動金利・固定期間選択型がありますが、どの金利タイプにも長所と短所がそれぞれ存在します。

そのため「金利が低いから変動金利にした」「金利が低いときは固定金利がセオリーだから固定金利にする」など安易に決めるのはおすすめできません。

とくに今は、新型コロナウイルスの影響で今後の日本経済や世界情勢がどうなるかわからない状況です。住宅ローンは、それぞれの金利タイプの特徴を理解し、さまざまな視点から比較して選びましょう。さらに、必要に応じて金利が上昇したときの対策資金を準備しておくと安心です。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。 イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
監修者 品木彰
監修者 小林だいさく金融ライター、ファイナンシャルプランナー。
大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。

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