不動産会社が内見時に現地集合させてくれない理由とは?

「気になる物件があるけれど時間があまりとれない」「自家用車で物件周辺の交通状況を確認したい」などの理由で、現地集合で内見をしたいと思ったことはありませんか?

しかし不動産会社の中には、内見を希望するお客様との現地集合を避けたがるところもあるため注意が必要です。

不動産会社が、内見時に現地集合させてくれない理由は、5つあると考えられます。不動産会社側の事情も含めて解説しますので、これから不動産探しを始めようと考えている方は、ぜひご一読ください。


執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

内見時に現地集合できない理由1.おとり物件だから

現地集合できない理由の1つ目は、お客様が内見を希望した物件が、実はおとり物件であるためです。おとり物件とは、すでに成約しているなどの理由で契約できない物件にもかかわらず、不動産情報サイトに掲載されたままの物件です。

不動産を探す方の多くは、SUUMOやat home、homesなどの不動産情報サイトで物件情報を検索して、広告を掲載している不動産会社に連絡し内見を予約します。つまり不動産情報サイトは、不動産会社にとって大事な集客の道具なのです。

もし、魅力的な物件が売りに出されていた場合、その物件が成約してもすぐに広告の掲載を停止しない不動産会社が存在します。集客が望める物件の広告を停止すると、不動産会社に問い合わせてくるお客様の数が減ってしまうからです。

おとり物件の掲載は犯罪行為!

契約できない架空の物件を掲載する「おとり広告」は、不当表示という犯罪行為です。不当表示が発覚すると、不動産会社は法律により罰せられる可能性があります。

ではなぜ、不動産会社はリスクを取ってまでおとり広告を掲載するのでしょうか?それは不動産会社にとって集客が、最優先の課題だからです。

不動産会社は、コンビニの数より多いです。しかし不動産の契約を検討しているお客様の数は、コンビニの利用者数ほど多くはありません。そのため不動産会社は、必死に集客するのです。

このような不動産会社に所属する営業マンは、お客様が内覧を希望した物件がすでに契約済みであっても「お問い合わせの段階ではまだ物件はあります」と言います。

そして、お客様が来店すると「ちょうど今お申し込みが入ってしまったので別の物件を紹介します」と言ってきます。

内見時に現地集合できない理由2.キャンセルを防止したいから

内見時に現地集合させてくれない理由の2つ目は、お客様からの内見のキャンセルを防ぐためです。

内見予定の物件に現地集合する場合、不動産営業マンはお客様に物件の所在地を伝える必要があります。

もしあなたが、内見を希望する物件の所在地を教えてもらった場合、Googleマップなどで事前に場所を確認するのではないでしょうか?そして確認した結果、想像していた立地条件と違った場合、室内まで見る必要はないと判断して、内見をキャンセルするでしょう。

よって現地集合を認めてしまうと、お客様が事前に立地を確認し、内見自体がなくなってしまうかもしれないのです。

そのため営業マンは、内見を希望するお客様に対して「ご内見希望の方は、会社のルールで一度来店していただく決まりとなっています」と言って、現地集合を阻止しようとします。

内見時に現地集合できない理由3.不動産会社が戦略を立てるため

現地集合させない3つめの理由は、内見を希望するお客様が契約してくれるような戦略を、入念に立てるためです。

不動産営業マンは基本的に歩合制が多く、毎月厳しいノルマが課せられています。そのため営業マンは、より高い売上が見込める物件を、お客様に気に入ってもらえるよう入念に準備をしてから、ご案内に挑みたがるのです。

お客様が気に入りそうな物件を選定するためには、希望条件を詳細に把握する必要があります。しかしお客様の希望条件を、お問合せの電話やメールだけで、すべて把握できるとは限りません。

そこで不動産営業マンは、少しでも成約率を上げるために、お客様にわざわざ来店してもらって物件の希望条件を詳細に聞きだします。そして本命物件と回し物件の選定、物件を案内する順番を決めるのです。

本命物件と回し物件
本命物件とは、お客様が気に入りそうな物件の中でも最も不動産会社が儲かる物件
回し物件とは、本命物件が良く見えるような引き立て役の物件のこと

もしお客様が、不動産会社があまり儲からない物件や、成約に至りにくそうな物件の内覧を希望した場合、店頭でニーズを聞き出して他の物件を紹介するのです。

内見時に現地集合できない理由4.営業車で案内するため

4つ目の理由は、不動産営業マンが営業車を使い、お客様がより魅力的に感じるルートで本命物件を案内するためです。

内見前に来店を促す不動産会社のほとんどは、営業車にお客様を乗せて物件へと向かいます。これは、車でご案内したほうが速いわけでも、お客様に楽をしてもらうためでもありません。

本当の理由は、不動産会社が儲かる物件をお客様が気に入るように、広い道や坂道の少ないルートで物件へ向かうためです。

反対に、本命物件の引き立て役である回し物件を案内するときは、あえて狭い道や急な坂道、雰囲気の悪いルートを選びます

ほとんどの不動産会社は、地域の情報を知り尽くしています。つまり、営業車で物件を案内することでお客様の物件に対する印象を操作できるのです。

内見時に現地集合できない理由5.現地解散させたくないから

現地集合させたくない最後の理由は、お客様との現地解散を防ぐためです。

お客様と内見を実施する物件で現地集合してしまった場合、内見終了後に来店させることが難しくなります。現地集合の場合、お客様が物件に自転車や車で来る可能性が高いからです。

もし内見した物件を、お客様が気に入らなかった場合、そのまま自家用車で帰ってしまい、来店してもらえなくなるでしょう。

しかし、お客様が内見前に不動産会社に自家用車を置き、物件まで営業車で向かった場合、現地解散される心配はありません。お客様が帰るためには、車を取りに不動産会社へ戻る必要があるからです。

また、電車を利用して訪れたお客様に対しては、あえて駅から遠い物件を最後に見せることで、「さきほど新着物件の情報が入ったようなので、いったん会社に戻りますね」といえます。

ではなぜ不動産会社は、内見後に現地解散させたがらないのでしょうか?その理由は、こちらの記事にまとめてありますので、併せてご確認ください。

不動産会社が内見だけで帰らせてくれない理由とは?

まとめ:現地集合させたがらない不動産会社には要注意!

不動産営業マンが内見時に現地集合させない理由は、どれもお客様より優位に立つためです。不動産営業マンは、住宅を売るプロ。厳しいノルマを達成するために、お客様に悟られないように自らの土俵に誘導し、契約に至ろうと全力を尽くします。

もしあなたが、「良い物件を自ら選択して購入したい!」と考えるならば、時には営業マンの提案を断る勇気も必要です。

ただし不動産営業マンの中には、お客様のために必死で頑張っている人もいます。限られた時間の中で、理想の住宅を探すためには、不動産会社や営業マンが何を考えているのか理解することが大切です。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。



監修者 品木彰
監修者 小林だいさく金融ライター、ファイナンシャルプランナー。
大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。