手付金とは?不動産購入前に把握すべき「定義」と「概要」について解説

「手付金ってなに?」「手付金の定義とは?」など、不動産購入における手付金について疑問を感じている方はいらっしゃいませんか?
初めて耳にする方も多い「手付金」という存在。
そもそもどのようなお金なのか理解していない方も少なくありません。
そこで、本ページでは手付金の定義や概要について詳しく解説。
不動産購入時に慌てないためにも、ぜひこれを機に理解を深めておきましょう。

執筆者 丹拓也執筆者 丹拓也
株式会社イエツグ代表取締役。
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

手付金の定義とは

手付金の定義とは何なのかについて詳しくみていきましょう。

解約権を認めることが目的

手付金の定義は、「解約権を認めることが目的」で、損害賠償などとして売買契約相手に支払いを命じるお金です。
何らかの理由により、売買契約を解約したいという場合はあるもの。
このとき、問題を起こした相手側に対して、手付金の支払いを求めることができます。

違約金としての支払われるお金

手付金は、上記のように「損害賠償」としてだけではなく、「違約金」として支払われることもあります。
売買契約の内容によっては、解約を求めることで違約金として手付金を支払う義務が発生するため、必要に応じて契約者は相手方に規定の金額を支払わなければなりません。

契約の成立を表す意味合いも持つ

手付金は、契約の成立を表す意味合いも持ちます。
日本の不動産は、売買契約時ではなく、売買契約後の一定期間が経過してから残金の支払いや不動産の引き渡しが行われます。
この空白期間の法律関係を明確にするために、買主が売主に対して手付金として金銭が支払われるのです。
このとき支払われる手付金は、契約の成立を表す意味を持ち、買主・売主共に売買契約の締結を表すとされています。

手付金の役割

手付金は、「契約成立を明確にする」という重要な役割を担っています。
上述した通り、日本の不動産取引は空白期間が生じてしまうことから、法律関係が不安定化してしまうのが難点。
手付金の支払いを行うことによって、不動産売買契約が成立したことを明確にすることができるのです。
また、万が一買主・売主いずれかが契約解除を申し出ることになった場合は、買主は手付金を放棄しなければなりません。
そして、売主h支払われた手付金の2倍の額を買主に返す必要があり、これらの支払いを済ませたうえで契約の解除へと進めることができます。
一見、手付金は複雑なシステムに見えますが、簡単にいうと「違約金」「損害賠償」といったイメージです。
契約に沿って、受け取ったりもしくは支払ったりして、買主・売主間でやりとりをします。

手付金の相場

手付金の相場はだいたいいくらくらいなのでしょうか。
ここからは、手付金の相場について触れていきます。

一般的には売買代金の5~10%

不動産購入における手付金の相場は、売買代金の5~10%といわれています。
仮に3,000万円が売買代金であった場合は、単純計算で150万~300万円ということになります。
金額だけを見ると、非常に高額な出費ではありますが、この手付金があらゆるトラブル解消の糸口となるのです。
不動産購入には、様々なトラブルが潜んでいるのが事実。
何らかの事情で契約解除などの対応をする場合、この手付金の存在が重要となってきます。
手付金は、売買代金の5~10%を目安に資金計画にも取り入れておきましょう。

売主が不動産会社の場合は売買代金の20%以内

売主が不動産会社である場合は、売買代金の20%以内として法律で定められています。
上述した一般的な手付金の金額と比較すると、やや高額となっているのが特徴。
そのため、具体的な金額については、契約書などの書面をしっかりと確認したうえで、支払いを検討しなければなりません。

手付金の支払い方法

手付金の支払い方法は、主に「振込」が一般的です。
売主と連絡をとりながら、手付金の支払い日時を共有し銀行から振り込み手続きを行います。
この時、定めるのは「日程」だけではなく「時間」も細かく指定されることがあるため、必要に応じて銀行前で待機していなければなりません。
そのため、可能であればネットバンクを利用するのがおすすめです。
日時を指定して振り込み手続きを行えるだけでなく、わざわざ銀行に足を運ばなくても振り込み手続きを完了させることができるからです。
必要に応じてネットバンクの利用も視野に入れながら、手付金の支払い方法を検討してみてください。

手付金の種類について

手付金には大きく3種類があり、それぞれ意味合いや授受のシーンが異なります。
ここからは、「違約手付」「解約手付」「証約手付」の3つの手付金について、概要や特徴などについて解説します。

違約手付

違約手付とは、債務不履行の際に必要となる手付金です。
買主による違約の場合、支払った手付金は違約金として没収されます。
これが「違約手付」と呼ばれるものです。
また、売主による違約の場合は、買主に対して手付金を返還しなければならず、そのうえで変換した手付金とは別に手付金と同額の違約金を支払わなければなりません。
売買契約書には「違約手付」といった記載がない場合もありますが、基本的に売買契約上の手付金は「違約手付」といった意味が含まれていることがほとんどです。

解約手付

解約手付とは、解約権の保持を意味する手付金です。
解約手付として手付金の支払い・受け取りが完了している場合、仮に契約成立後であったとしても、買主もしくは売主一方の意思で契約解除を完了させることができます。
もちろん、支払って手付金が「解約手付」の意味合いを持つ場合は、それぞれ損害賠償や違約金などとして手付金の支払い・返還の必要がありません。
ただし、この場合は支払う手付金が「解約手付」であることを明確にしておくことが大切です。
お互いに「解約手付であるとは認識していなかった」といった問題が生じると、解約時に損害賠償や違約金などとして手付金の支払いや返還が必要となってしまいます。
書面に残すなどして、第三者でも確認できるように準備をしておくと、万が一の事態でも安心です。

証約手付

証約手付は、契約の成立を表す意思決定として支払う手付金のことです。
買主から売主に支払われる手付金で、支払いが完了した時点で、両者が「契約内容に同意のうえ契約成立」ということになります。
そのため、買主は証約手付を支払う前に、契約内容を十分に確認し、不備や疑問点などがないかをチェックしておくことが大切です。

手付解除の方法

手付解除の方法は「買主側」と「売主側」とで異なります。
それぞれの方法は次の通りです。

買主側の場合

買主側の手付解除の場合は、「手付金を返還してもらえる権利」を放棄するだけです。
買主側が売主側に支払った手付金は、契約解除などで返還されるのが一般的です。
しかし、この返還される権利を放棄することで、手付解除となります。

売主側の場合

売主側が手付解除をする場合は、買主から受け取った手付金を返還します。
そして、返還した手付金とは他に、受け取った手付金と同額のお金を買主に対して支払ったら手付解除の完了です。

手付金におけるリスク

買主側から売主側への手付金の支払いには1点大きなリスクがあります。
それが「手付金が返還されない」というものです。
手付解除をしていない限り、一定期間中であれば契約成立後も契約解除を実施することができ、その際に手付金の返還を求めることができます。
しかし、悪質な売主の場合、様々な理由を付けて手付金の返還をしないといったケースが実際に存在しています。
金銭トラブルとして揉めることになるものの、解決に至るケースは少なく、「結局最後まで返還は無かった」「忙しくて揉め事に対応できず、途中で諦めた」といった経験をした方もいらっしゃいます。
手付金は、買主と売主の両者の間で、「契約成立の意思表明」などとして必要な金銭。
「支払わない」といった選択肢は一般的ではないため、不動産を購入する以上手付金の支払いは回避できないといえます。
とはいえ、こうしたリスクが潜んでいる以上、リスク対策は徹底しておきたいもの。
次項から手付金のリスク対策について解説します。

手付金におけるリスク対策

手付金におけるリスク対策として効果的なのは、仲介業者などから「手付金の返還条件」について明確に説明してもらうことです。
悪質な売主の場合は、手付金の返還条件を曖昧にして返還から逃げる場合があります。
これは、手付金の返還条件が不明確であることを盾に、自身に都合の良い理由を付けて返還を拒否するのです。
また、仮に悪質な売主ではなかったとしても、両者の認識の違いや誤解、勘違いなどで返還を拒否されることがあります。
いずれにせよ、買主としては不利益を被ることになってしまうのです。
こうした事態に陥らないよう、契約前に手付金の返還条件について、口頭と書面できちんと記してもらうことが大切。
こうした書面は証拠にもなるため、弁護士への相談もしやすくなります。
必要に応じて専門機関への相談ができるよう、契約前にきちんと手付金の返還条件について確認しておきましょう。

手付金について正しく理解しよう

今回は「手付金」の定義や概要などについて詳しく解説しました。
手付金は、不動産の購入において重要な意味合いを持つ存在です。
契約に直接関係するものではないものの、契約成立や契約解除といった場合に機能するお金で、「支払わない」といった選択肢は基本的にありません。
現在、不動産の購入を検討中の方は、今一度手付金の定義や概要などについて理解を深め、適切な金額の支払いを目指しましょう。

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