つなぎ融資とは?仕組み・借入方法・金利の値・利息の計算方法をまとめて解説!

つなぎ融資とは、住まいの買い替え時、あるいは住宅を新築する場合、住宅ローンの融資前に発生する一時的な資金不足を補填するローンです。

大変便利な融資制度ではありますが、資金が不足しているからといってよく検討せずにつなぎ融資を利用するのはおすすめできません。それは、つなぎ融資を利用すると、マイホーム購入後の生活が金銭的に苦しくなってしまう可能性があるためです。

本記事では、つなぎ融資の特徴や利用時の注意点を解説しています。つなぎ融資を利用せずとも、資金を準備する方法もご紹介しているのでぜひご一読ください。

この記事で分かること
  • つなぎ融資の仕組みや特徴
  • つなぎ融資を利用する際の注意点
  • つなぎ融資を使わずに資金を調達する方法
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

つなぎ融資とは住宅ローンの融資実行前の支払いに充てられる融資

つなぎ融資とは、住宅が引き渡されるまでに必要な資金を準備できる融資です。

住み替えの「タイムラグ」をつなぐための融資

住まいを買い替える際、今住んでいる家の売却に先行して新居を購入すると、予算不足に陥ることがあります。それは、旧居の売却金を受領する前に新居の決済をしなければならないためです。

しかし、新居の引き渡しを旧居の引き渡しまでの間、旧居の売却見込み金額の融資を受けられるとすれば、新居の購入を先行させることが可能です。これが、つなぎ融資。つまり、住み替えのタイムラグを“つなぐ”ための融資です。

注文住宅購入時にもつなぎ融資が利用されることが多い

建物や間取りを自由にデザインできる注文住宅を購入する場合、引渡時に一括で代金を支払うのではなく、以下のように複数回に分けて支払うのが一般的です。

支払うタイミング 金額の目安
手付金(契約金) 建設業者と工事請負契約を結ぶとき 工事代金の10%
着工金 建物の建築工事が開始されるとき 工事代金の30%
中間金(上棟金) 建物の基本構造が完成したとき 工事代金の30%
残代金 建物の引き渡し時 工事代金の30%

もし工事代金が2,000万円であった場合、手付金に200万円、着工金〜残代金にそれぞれ600万円ずつ支払わなければなりません。また土地を先に購入する場合は、数千万円ほどの売買代金を支払う必要があります。

数百万円や数千万円もの大金を、すべて自己資金で支払える方は多くありません。

つなぎ融資を利用すると、住宅ローンの融資が実行される前に必要な費用を支払えます。そしてつなぎ融資で借り入れたお金は、住宅の引渡後に住宅ローンで完済される仕組みです。

また、建物がすでに完成している分譲住宅を購入する場合も、つなぎ融資を利用することがあります。たとえば、住宅の引渡時に住宅ローンの融資の実行が間に合わず、購入代金を精算できないケースです。

また住宅の買い替えにおいて物件の売却金を受領する前に、新居の購入代金の支払いが必要となった場合もつなぎ融資で資金を準備できます。

つなぎ融資の借り入れから完済までの流れ

つなぎ融資の難しいところは、いつ融資を受けていつ返済するのか?ということです。

ここでは、住み替え時と注文住宅購入時、つなぎ融資を受ける可能性がある2つのケースで、つなぎ融資を受ける流れを解説します。

住み替えでつなぎ融資を受ける流れ

住み替え時につなぎ融資を受ける流れは、まず新居の売買契約を経て、新居の購入費(残代金)支払日に融資を受けます。この時点では、今まで住んでいた家の売却金を受領していないため、不足している資金をつなぎ融資によって補うということです。

そして、つなぎ融資を返済するのは、旧居の売買代金を受領したとき。つなぎ融資は、分割して返済していくものではなく、売買代金受領時に一括返済します。

たとえば、4月1日に新居の決済、6月1日に旧居の決済をするとすれば、2か月という期間のみ、旧居の売却見込み額を前借りするような形で融資を受けられます。

注文住宅でつなぎ融資を受ける流れ

注文住宅を建てる場合、土地を購入して工務店に住宅建築を依頼し、建設工事請負契約を結びます。工務店から着工金を請求されたら、金融機関で住宅ローンとつなぎ融資を申し込んで審査を受けましょう

融資が承認されたら、請負契約にもとづき着工金や中間金の支払いが必要なタイミングでつなぎ融資が実行されて、住宅の建築工事が進んでいきます。

住宅が完成し業者から買主に引き渡されて、登記登録をしたら次は住宅ローンの本審査です。住宅ローンを申し込んだあとに、転職したり新たな借入をしたりしていなければ、本審査に落ちる可能性は低いでしょう。

本審査に通過すると、住宅ローンの融資が実行されてつなぎ融資が完済されます。

もし土地の購入代金をつなぎ融資で準備するのであれば、融資の申込時に土地の不動産売買契約書だけでなく建築請負契約書などの提出も必要です。そのため購入する土地を選ぶと同時に、建築工事を依頼する業者も選定し建築工事請負契約を結ばなければなりません。

つなぎ融資を申し込む場合の注意点

住宅ローンとつなぎ融資は、同じ金融機関で申し込む必要があります。金融機関によっては、つなぎ融資を取り扱っていません。そのため、つなぎ融資を利用する場合、住宅ローンを組める金融機関の選択肢が減ってしまう点に注意しましょう。

また、不動産会社と提携している金融機関で、不動産会社による「売却保証(買取保証)」が付いていないとつなぎ融資を受けられないこともあるので注意が必要です。

売却保証(買取保証)とは?

一定期間売れなかったときに、あらかじめ決められた金額で不動産会社が買い取ること。

つなぎ融資は、旧居の売却金額の前借りするようなものですので、金融機関が最も困るのは、債務者が売ろうとしている不動産が売れないこと。そのため、基本的には売却が保証されていないことには融資してくれないんですね。

注文住宅を建てる際のつなぎ融資は「融資額は住宅ローン借入金額の3〜4割まで」「融資回数は最大3回まで」となどの借入条件が定められています。借入条件は、金融機関によって異なるため、つなぎ融資を申し込む前に入念の確認しましょう。

つなぎ融資の金利は住宅ローンと比較して割高!諸費用の支払いも別途必要

つなぎ融資の金利は、約2〜4%が相場です。 2020年8月現在の住宅ローン金利が約0.4〜1.8%であるため、つなぎ融資の方がかなりの程度、高金利といえます。そのため、つなぎ融資を利用すると、住宅ローンのみを借り入れた場合と比較して利息負担が増えるのです。

また、つなぎ融資の金利タイプは、以下2種類のどちらかであり金融機関によって異なるため、契約前に確認しましょう。

  • 固定金利:借入から返済まで値が一定の金利タイプ
  • 変動金利:金利が毎月見直される金利タイプ

加えて、つなぎ融資を借り入れるためには、住宅ローンの借入と同様に印紙税や保証料、事務手数料、団体信用生命保険の保険料などの諸費用を別途支払う必要があります。

つなぎ融資を利用した場合、融資の際に借り入れた人の口座に振り込まれるのは、借入額から利息と諸費用を差し引いた金額です。そのため実際は、利息と諸費用に相当する金額を自己資金で支払わなければなりません。

利息と諸費用の合計金額は、借入額によっては数十万円ほどになります。そのため、事前に返済シミュレーションで、返済負担や諸費用額を確認したうえで借り入れるかどうか判断しましょう

つなぎ融資の利息の計算方法をわかりやすく解説

つなぎ融資は、元金と利息を合わせて返済しなければなりません。利息額は、以下のように借入額に日割り計算した金利をかけて計算します。

つなぎ融資の利息額=借入額×金利÷365日×借入期間

仮に、以下の条件でつなぎ融資を利用した場合の利息額を計算してみましょう。

【住み替えの場合】

  • 旧居の売却見込み額(あるいは買取保証額):3,000万円
  • 新居引き渡しと旧居引き渡しのタイムラグ180日(6カ月)
  • つなぎ融資の金利:3%

利息=3,000万円×金利÷365日×180日(6カ月)

約44.4万円

【注文住宅の場合】

  • 土地の購入価格:2,000万円
  • 建物の購入価格:2,400万円
  • 着工金:720万円(建物価格の30%)
  • 中間金:720万円(建物価格の30%)
  • 完成までの期間:土地の購入から5カ月、着工から4カ月
  • 中間金を支払うタイミング:着工から2カ月
  • つなぎ融資の金利:3%

土地の購入代金の利息=2,000万円×金利÷365日×150日(5カ月)
約24.6万円

着工金の利息=720万円×金利÷365日×120日(4カ月)
約7.1万円

中間金の利息=720万円×金利÷365日×60日(2カ月)
約3.6万円
※計算しやすいように1ヶ月は30日で計算しています

合計で約35.3万円の利息を上乗せして返済が必要な結果となりました。

融資額が同じでも、借入期間が長いと利息額は高くなります。そのため、もし住宅の引き渡しや感性が遅れて、借入期間が長くなると利息負担はさらに増えてしまいます。

つなぎ融資を使わないで資金を準備する方法

つなぎ融資を利用すると、利息や諸費用の支払いで金銭的な負担が増えます。そのためつなぎ融資を受けることだけを考えて住まいを購入することはおすすめできません

ここでは、つなぎ融資を利用せずに資金を確保する方法をご紹介します。

旧居の売却を先行する

住み替え時のつなぎ融資は、購入を先行させたことによる資金不足を補うための融資です。

旧居の売却を先行させ、売却金を受領した後に新居の決済を迎えれば、つなぎ融資は不要となります。

親族から資金提供してもらう

贈与された財産が年間で110万円を超えると、贈与税を支払わなければなりません。

しかし両親や祖父母から住宅の購入を目的に資金提供を受けた場合、所定の条件を満たすと「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税の特例」が適用されて、以下の金額まで贈与税が非課税となります。

契約の締結日 消費税率10%が適用される住宅 土地、個人間売買された住宅
省エネ等住宅 左記以外 省エネ等住宅 左記以外
2020年4月1日~2021年3月31日 1,500万円 1,000万円 1,000万円 500万円
2021年4月1日~2021年12月31日 1,200万円 700万円 800万円 300万円

※省エネ等住宅とは省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性が一定基準を満たした高性能な住宅

このように住宅の購入資金に関する贈与は、非課税枠を利用できるため、可能であれば両親や祖父母に資金を提供してもらえないか相談してみてはいかがでしょうか

ただし非課税制度の適用を受けるためには、資金提供を受けた翌年の2月1日から3月15日までに、贈与税の申告書や登記事項証明書などの書類を税務署に提出する必要があります。

申告が1日でも遅れると非課税制度を利用できないため、親族から資金提供を受けた場合は忘れずに申告しましょう。

生命保険で資金を準備する

終身保険や個人年金保険のような貯蓄型の生命保険に加入している場合、解約すると支払った保険料以上の解約返戻金を受け取れる場合があります。解約しても将来のライフプランに大きな影響がない場合は、貯蓄型保険の解約返戻金を支払いに充てるのも一つの方法です。

また貯蓄型保険は、契約者貸付を利用するとつなぎ融資よりも低金利で借り入れできる可能性があります。

契約者貸付で借り入れられる金額は、解約返戻金の90%程度です。貯蓄型保険に加入している人は、生命保険会社に契約者貸付で借り入れられる金額と、金利を問い合わせてみましょう。

注文住宅の場合は住宅ローンの土地先行融資・分割融資が利用できることも

金融機関によっては、土地先行融資や分割融資を取り扱っており、住宅ローンの融資実行前に資金を準備できる場合があります。

  • 土地先行融資:土地の購入価格に相当する金額だけ先に融資してくれる制度
  • 分割融資:住宅ローンを複数回に分けて融資してくれる制度
土地先行融資や分割融資は、住宅ローンの低い金利で借り入れられる点がメリットです。ただし金融機関によって借入条件は異なり、必ずしもつなぎ融資より有利に借り入れられるとは限らないため、返済シミュレーションを比較して慎重に選びましょう。

まとめ:つなぎ融資の利用時は借入条件や返済シミュレーションの確認が必須

つなぎ融資は、住宅ローンと比べると高金利であり、諸費用の支払いも別途必要です。よく検討せずに借り入れると、金銭的な負担が増えてマイホームの購入後に家計が苦しくなるかもしれません。

そのため、つなぎ融資を本当に利用すべきかどうかは、借入条件や返済シミュレーションを確認して慎重に判断しましょう。

しかし、ご自身だけでつなぎ融資の利用が適切かどうかを判断するのは、なかなか難しいはずです。もしあなたが、注文住宅だけでなく分譲住宅や中古住宅の購入も検討されているのであれば、ぜひ弊社イエツグにご相談ください。

イエツグには、知識が豊富なFP住宅ローンアドバイザーが在籍しており、お客様にとって最適な資金計画をサポートいたします。またイエツグの仲介手数料は、物件の価格にかかわらず182,900円です。今なら、条件を満たすと「仲介手数料無料+現金キャッシュバック」となるキャンペーンを実施しています。

これからの日本は、withコロナという先行きが不透明な時代となります。より金銭的な負担を抑えてマイホームを購入したいと考えている方は、弊社までお気軽にご連絡ください。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。



監修者 品木彰
監修者 小林だいさく金融ライター、ファイナンシャルプランナー。
大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。