「とりあえず売って、お金ができたら買い戻せばいい」
リースバックの営業担当者にそう言われて、安易に契約しようとしていませんか?実は、リースバックで最もトラブルが多いのが、この「買い戻し」の局面です。「いざ買い戻そうとしたら、売った金額よりもはるかに高い金額を請求された」という相談が後を絶ちません。
売却した家を取り戻すには、正しい知識と事前の対策が不可欠です。この記事では、買い戻し価格が決まる仕組みや相場、そして価格を抑えるための交渉テクニックを、不動産のプロが包み隠さず解説します。あなたの大切な家を守るために、ぜひ最後までお読みください。
リースバックの買い戻し価格は「1.1倍」などの一律相場で決まるものではありません
国土交通省のガイドブックでも、買戻しは当然の権利ではなく、契約前に「いつまでに」「いくらで」買い戻せるのか、買戻し価格を自分が支払えるのかを確認するよう案内されています。売却価格、賃料、契約期間、買戻し条件は事業者や契約ごとに異なるため、提示された計算根拠を確認しましょう。
- 売買契約と賃貸借契約を別々に確認する
- 買戻しの期限・金額・行使条件を書面で確認する
- 通常売却や複数事業者の査定とも比較する
出典:国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」、国土交通省「リースバックに関するガイドライン」、消費者庁「資産の運用・処分は取引の仕組みや目的がきちんと納得できてから!」、e-Gov法令検索「民法」
目次
結論:買い戻し価格は一律ではない。契約前に条件を確認する
買戻し価格が売却価格と同額になるとは限らず、上乗せや諸費用を含む条件が設定される場合があります。ただし、買戻し価格の決め方は契約ごとに異なるため、売買契約書と買戻し条件を確認しましょう。
1.買い戻しに必要な金額は契約書の計算方法で確認する
買い戻し価格は、売却価格に一定の倍率を掛ければ一律に決まるものではありません。事業者、物件、賃料、契約期間、買戻し条件などで異なるため、契約書に記載された金額と算定方法を確認しましょう。
売却価格が2,000万円でも、買戻し価格が同額になるとは限りません。契約書に記載された買戻し価格、算定式、諸費用、期限を確認し、将来の資金計画に無理がないかを計算しましょう。
- 契約書に記載された買戻し価格
- 価格の算定方法、諸費用、買戻し期限
- 売却価格・賃料・通常売却の条件との比較
売却して手元に入ったお金を使わずに取っておいたとしても、数百万円足りない計算になります。これが「買い戻しは難しい」と言われる最大の理由です。
2.売却価格と買戻し価格が異なる理由を整理する
なぜ、こんなに高くなるのでしょうか。業者が不当に儲けているわけではなく、構造的な理由があります。
所有権移転に伴う費用や保有コストなどが買戻し条件に反映される場合がありますが、契約ごとに異なります。
- 購入時の諸費用:業者があなたの家を買う時、登記費用や不動産取得税を払っています。
- 保有コスト:業者が家を持っている間、固定資産税を負担しています。
- 業者の利益:ボランティアではないので、事業利益を確保する必要があります。
どの費用や利益が価格に含まれるのか、内訳と計算根拠を事業者に確認しましょう。
3.契約期間・賃料・買戻し価格の関係は商品ごとに確認する
買戻し価格が時間の経過で変わる設計が用意されている場合もありますが、すべての契約に当てはまるわけではありません。価格の変動条件、賃料との関係、契約期間を契約書で確認しましょう。
家賃の一部が買戻し価格に充当される設計や、居住期間によって価格が変わる設計がある場合もあります。適用条件は商品ごとに異なるため、賃料と買戻し価格の関係を契約書で確認しましょう。
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足元を見られないために!買い戻し価格を安く抑える2つの交渉テクニック
買戻し価格は契約ごとに異なるため、言いなりになる前に、価格の根拠と他の選択肢を確認しましょう。契約前の交渉次第で、買い戻し価格を抑えることは可能です。プロが使うテクニックを伝授します。
1.【逆転の発想】あえて「買取価格」を下げて、家賃と買い戻し価格を圧縮する
多くの人は「少しでも高く売りたい」と考えます。将来買い戻す予定がある場合は、売却価格だけでなく、賃料、買戻し条件、手元資金をセットで比較しましょう。
売却価格を下げると、買戻し価格や賃料が下がる設計もありますが、一律に正解とは限りません。
必要な資金額に合わせて売却価格を交渉する方法が検討できる場合もあります。ただし、売却価格を下げれば手元資金も減るため、通常売却の査定額、賃料、買戻し価格、生活費を比較して判断しましょう。
2.買戻し特約と再売買の予約は契約内容を専門家に確認する
民法上の買戻しの特約と、再売買の予約などの契約設計は、法的性質や効果が異なります。名称だけで有利不利を判断せず、価格、期限、登記、賃貸借契約との関係を司法書士や弁護士などに確認しましょう。
- 民法上の買戻しの特約:要件や期間、返還額などのルールがありますが、リースバックの契約全体にそのまま当てはまるとは限りません。
- 再売買の予約など:価格、期限、行使条件を当事者間で定めるため、契約書の内容と登記の扱いを個別に確認します。
価格を最優先するなら「買戻し特約」での契約を交渉してみましょう。ただし、業者が嫌がることも多いです。
3.諸費用を節約するなら「仲介手数料無料」の業者を選ぶのが鉄則
リースバックの取引でも、間に不動産会社が入ると「仲介手数料」が発生します。売る時と買い戻す時、往復で手数料がかかると大きな負担です。
自社で直接買い取ってくれる業者や、仲介手数料を無料にしている会社を選びましょう。例えば2,000万円の取引なら、片道で約70万円、往復で約140万円もの節約になります。これが買い戻し資金の一部になります。
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【警告】「いつか買い戻せる」という口約束は絶対に信じるな!3つのリスク
一番怖いのは、契約書に書かれていない「口約束」です。「余裕ができたら買い戻していいですよ」という言葉を信じて、家を失った人は数え切れません。以下の3点は必ず確認してください。
1.契約書に「金額」と「期限」が書かれているか確認する
「時価で買い戻せる」といった表現だけでは、将来の支払額を見通しにくいことがあります。金額の決め方、期限、行使条件、諸費用を契約書で確認し、分からない点は専門家に相談しましょう。
必ず「〇〇年〇月〇日までは、金〇〇万円で買い戻すことができる」と、具体的な数字と日付が入った契約書(再売買予約契約書など)を作成してもらいましょう。これがないと、法的に権利を主張できません。
2.転売や第三者との関係は登記・契約形態を含めて確認する
リースバック業者が、あなたの家を別の投資家に転売してしまうことがあります。新しい持ち主から「買い戻しの話なんて聞いていない、出て行ってくれ」と言われたら、対抗できません。
第三者への対抗関係は、買戻しの特約を登記しているか、再売買の予約などどの契約を結んでいるかによって整理が必要です。登記の要否や効果は個別契約で異なるため、司法書士に確認しましょう。
3.家賃滞納時の買戻しへの影響を契約条項で確認する
契約書には、家賃滞納時の解除、買戻しへの影響、遅延損害金などが定められていることがあります。影響は契約ごとに異なるため、「一度でも滞納したら必ず権利が消える」と決めつけず、条項を確認しましょう。
たった一度のうっかりミスや、数日の遅れで、家を取り戻す夢が消えてしまいます。リースバック期間中は、何があっても家賃の支払いを最優先にしなければなりません。
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いざ買い戻す時の「お金」はどうする?住宅ローン利用の厳しい現実
契約上の準備ができても、最後にお金の問題が立ちはだかります。数千万円の現金をどう用意するか。多くの人がここでつまずきます。
1.買戻し資金に住宅ローンを使えるか事前に確認する
「買い戻す時にまた住宅ローンを組めばいい」と考えているなら、それは甘い見通しです。
リースバックを利用した時点で、年齢が高くなっていることが多いでしょう。また、過去に債務整理などをしていると信用情報に傷がついています。住宅ローンの利用可否は、年齢、収入、既存借入、物件評価、借入期間などで審査されます。買戻しを前提にするなら、契約前に金融機関へ相談し、借入可能性を確認しましょう。
2.子供に協力してもらう「親子間売買」ならローンの可能性がある
現実的な解決策は、お子さんにローンを組んでもらい、名義をお子さんにする方法です。
ただし、銀行は「親子間売買」の融資に消極的です(相続税逃れなどを疑うため)。それでも、一部の地方銀行や信用金庫など、事情を汲んで融資してくれる金融機関はあります。粘り強く探す必要があります。
3.金利は高いが「ノンバンク」や「不動産担保ローン」を活用する
銀行がダメな場合、ノンバンク(貸金業者)の不動産担保ローンを利用する手があります。
金利、審査基準、担保条件、手数料は商品や事業者ごとに異なります。高金利の商品を利用すると返済負担が大きくなるため、総返済額を比較しましょう。まずはノンバンクで買い戻し、その後、実績を作ってから低金利のローンに借り換えるという「二段階作戦」も検討の価値があります。
親子間売買でも仲介手数料は発生します。
親族間の取引こそ、定額制で無駄なコストを削減しましょう。
リースバックの買い戻しに関するよくある質問
最後に、よく寄せられる疑問にお答えします。後悔のない選択をするために確認しておきましょう。
Q1. 買い戻し価格は分割払いできますか?
A. 分割払いの可否は、契約相手の条件と資金調達方法によって異なります。買戻し価格だけでなく、支払時期、ローンの利用可否、諸費用を契約前に確認しましょう。
業者は不動産を売却して資金を回収したいので、分割払いに応じるメリットがありません。そのため、住宅ローンなどを利用して一括で支払う必要があります。
Q2. 買い戻しを断念したら、そのまま住み続けることはできますか?
A. 賃貸契約が続いていれば可能です。
「普通借家契約(更新できる契約)」であれば、家賃を払い続ける限り住み続けられます。ただし、「定期借家契約(期限が決まっている契約)」の場合は、契約満了時に退去しなければなりません。契約の種類を必ず確認してください。
Q3. リースバックと「任意売却」はどちらが得ですか?
A. 「住み続けたい」ならリースバック、「借金を減らしたい」なら任意売却です。
リースバックは家賃が発生しますが、住み続けられます。任意売却は家を手放すことになりますが、市場価格に近い価格で売れるため、ローン残債を大きく減らせます。目的によって使い分けましょう。
不動産売却や資金調達に関する疑問は、FAQページでも詳しく解説しています。
後悔しない選択のために、ぜひご覧ください。
まとめ:買い戻しは「契約」が全て。相場の仕組みを理解し、書面で権利を守ろう
リースバックで家を買い戻せるかどうかは、契約条件と将来の資金計画に大きく左右されます。
- 買戻し価格は契約ごとに異なるため、算定方法を確認する。
- 売却価格、賃料、買戻し価格を合わせて比較する。
- 口約束ではなく、金額・期限・行使条件を書面で確認する。
- 買い戻し資金の調達は、親子間売買も視野に入れる。
「家を守りたい」というあなたの気持ちを逆手に取るような契約には注意してください。イエツグでは、お客様の利益を最優先に考え、無理のないプランをご提案します。契約書にハンコを押す前に、ぜひ一度ご相談ください。
リースバックか、売却して住み替えか。
あなたのライフプランに最適な選択肢を、イエツグが一緒に考えます。



























不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士