「住宅ローンがまだ残っているけど、この家、売ることはできるんだろうか…」
「もし売れても、ローンを返しきれなかったらどうなるの?」
転勤、住み替え、家族構成の変化など、様々な理由でローン返済中の家の売却を考えたとき、多くの方がこのような大きな不安に直面します。複雑そうな手続きやお金のことを考えると、一歩を踏み出せなくなってしまうのも無理はありません。
ですが、ご安心ください。結論から言えば、住宅ローンが残っていても家を売却することは、まったくもって可能です。
この記事では、あなたが抱える漠然とした不安を解消し、自信を持って売却活動を進めるための「完全ガイド」として、
- ローン中の家を売却するための絶対条件とは?
- あなたの状況を判断する「運命の分かれ道」
- ローンが残っても利益が出るケース、足りなくなるケース別の具体的な手順
- 万が一、ローンを返済しきれない場合の4つの解決策
これら全てを、専門家がゼロから徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたは自分のやるべきことを明確に理解し、成功への最短ルートを歩み始められます。
目次
【第1章】なぜ「ローン完済」が絶対条件?全ての鍵を握る”抵当権”の正体
ローン中の家を売却する上で、まず理解しなければならない、たった一つの重要なルールがあります。それは「売却と同時に、住宅ローンを全額返済しなければならない」というルールです。なぜ、このようなルールが存在するのでしょうか。その鍵は、「抵当権(ていとうけん)」という言葉に隠されています。
あなたの家には「金融機関の予約席」がある?抵当権を分かりやすく解説
あなたが住宅ローンを組んだとき、金融機関はただお金を貸してくれたわけではありません。万が一あなたがローンを返せなくなった場合に備え、購入した家を「担保」にとっています。この「万が一のときに、家を売却して貸したお金を回収できる権利」のことを抵当権と呼びます。これは法的な権利であり、あなたの家の登記簿に「この家は〇〇銀行の担保ですよ」としっかりと記録されています。
結論:ローンを完済し、「抵当権を抹消」しない限り、家は売れない
あなたが家を売るということは、買主はその家の新しい所有者になります。当然、買主は誰の権利もついていない、まっさらでクリーンな状態の家を手に入れたいと考えます。もし抵当権がついたまま売却してしまうと、買主は「前の所有者のローンのせいで、いつかこの家を取り上げられるかもしれない」という、とんでもないリスクを背負うことになります。そんな危険な物件を買う人はいません。だからこそ、家を売却して所有権を新しい買主に移すためには、ローンを完済して金融機関の「予約席」である抵当権を消し去る(=抹消する)手続きが、絶対的な条件となるのです。
この抵当権抹消の手続は、売却の最終段階で司法書士など専門家のサポートのもと行われます。まずはご自身の状況で売却が可能か、専門家に相談してみましょう。
株式会社イエツグの無料相談はこちら
【第2章】あなたの運命の分かれ道。「アンダーローン」か「オーバーローン」か?
ローンを完済しなければ家は売れない。この絶対ルールを理解した上で、次にあなたがやるべきことは、ご自身の状況を正確に把握することです。具体的には、「家の売却価格で、ローンを全て返しきれるのか?」という一点を確認します。この結果によって、あなたの売却計画の難易度と進め方が大きく変わる、まさに運命の分かれ道です。
ステップ1:まずは敵を知る!「住宅ローン残高」の正確な確認方法
まずは、返済すべき住宅ローンの残高が、現時点で正確にいくらなのかを確認しましょう。確認方法はいくつかありますが、最も手軽なのは、年に一度金融機関から送られてくる「返済予定表」や「残高証明書(年末調整で使う書類)」を見ることです。より正確な最新の金額が知りたい場合は、お借入先の金融機関に問い合わせれば、すぐに教えてもらえます。
ステップ2:己を知る!「家の売却価格」の相場を調べる方法
次に、あなたの家がいくらで売れそうか、その相場価格を把握します。ご自身で近隣の物件を調べる方法もありますが、最も確実なのは、不動産会社に「査定」を依頼することです。プロの目であなたの家の価値を評価してもらい、具体的な売却予想価格を出してもらいましょう。この段階では、1社だけでなく複数の会社に査定を依頼し、比較検討することが重要です。
ステップ3:運命の診断!「売却価格」と「ローン残高」を比べる
ステップ1と2で判明した2つの金額を、いよいよ比較します。ここで、あなたの進むべき道が決まります。
【アンダーローン】おめでとうございます!
計算式:家の売却価格 >(ローン残高 + 売却の諸費用)
これは、家を売ったお金でローンを全て返し、さらに仲介手数料などの諸費用を支払っても、手元にお金が残る状態です。売却はスムーズに進められる可能性が高く、残ったお金は新生活の資金などに充てることができます。
【オーバーローン】まだ慌てないで!
計算式:家の売却価格 <(ローン残高 + 売却の諸費用)
こちらは、家を売ったお金だけではローンを返しきれず、不足金が出てしまう状態です。このままでは抵当権が抹消できず、売却はできません。しかし、決して売却を諦める必要はありません。この不足分をどう解決するかが、この先の計画の鍵となります。
まずはご自身の家の価値を正確に把握することが、全てのスタートラインです。イエツグでは、お客様の状況に寄り添った無料査定を行っています。
株式会社イエツグの無料査定・相談はこちら
【第3章】【アンダーローン編】おめでとうございます!利益を最大化するスムーズな売却手順
前章の診断で「アンダーローン」と分かったあなた、おめでとうございます。売却への道筋は、非常に明るいものになりました。ここでは、売却をスムーズに進め、さらに手元に残る利益を最大化するための手順とポイントを解説します。
基本的な流れは、ローンがない家の売却と同じ
アンダーローンの場合、売却の基本的なプロセスは、ローンが完済されている家の売却とほとんど変わりません。不動産会社と媒介契約を結び、販売活動を行い、買主が見つかれば売買契約を結ぶ。そして、最終的に決済と物件の引き渡しを行います。ローンがあるからといって、特別な難しい手続きが増えるわけではないのでご安心ください。
決済日に何が行われる?お金と権利の流れ
ローン中の家売却で唯一特徴的なのが、「決済日」の動きです。この日、買主から売買代金が支払われると、そのお金の流れは以下のようになります。
- あなたの口座に、買主から売買代金が振り込まれる。
- そのお金を使って、あなたは金融機関に住宅ローンを一括返済する。
- ローン完済を確認した金融機関が、抵当権を抹消するための書類を発行する。
- 司法書士がその書類を使い、法務局で「抵当権抹消」と「買主への所有権移転」の登記手続きを同時に申請する。
これらの手続きは通常、半日程度で完了します。複数の手続きが同時に行われるため、不動産会社や司法書士がしっかりとサポートしてくれます。
ポイント:手元に残る利益を最大化する
アンダーローンで最も重要なのは、「いかに手元に残るお金を増やすか」という視点です。そのためには、2つの戦略が考えられます。一つは、内覧の準備を徹底するなどして、少しでも高く売るための努力をすること。そしてもう一つ、見落としがちですが非常に重要なのが、売却にかかる「諸費用」、特に金額の大きい「仲介手数料」を削減することです。売却価格が同じでも、この手数料が安ければ、あなたの利益は確実に増えるのです。
イエツグの仲介手数料定額制なら、一般的な手数料と比較して100万円以上の差が生まれることも。あなたの利益を最大化するお手伝いをします。
イエツグの仲介手数料について詳しく見る
【第4章】【オーバーローン編】まだ諦めないで!ローンが完済できない場合の4つの解決策
「オーバーローン」と診断されても、決して悲観する必要はありません。売却を諦めるのはまだ早いです。ローン残高に売却価格が届かない場合でも、不足分を解決し、売却を成功させるための方法は複数存在します。ここでは、その具体的な4つの解決策を見ていきましょう。
解決策1:自己資金で不足分を補填する
最もシンプルで確実な方法が、預貯金などの自己資金で不足額を支払うことです。例えば、ローン残高が3,200万円、売却価格が3,000万円、諸費用が100万円の場合、不足する300万円を自己資金で用意できれば、問題なくローンを完済し、売却を進めることができます。
解決策2:「住み替えローン」を利用する
もし、次の家への住み替えを計画しているなら、「住み替えローン」という選択肢があります。これは、今の家のローン残債の不足分と、新しく購入する家の購入資金を、一つにまとめて借り入れることができるローン商品です。
- メリット:自己資金がなくても住み替えが可能になる。
- デメリット:借入総額が大きくなるため、通常の住宅ローンよりも審査が厳しくなる傾向にある。
解決策3:売却時期を延期する
売却を急いでいないのであれば、今は売らずに返済を続け、ローン残高が減るのを待つというのも一つの戦略です。数年後、ローン残高が減り、不動産市況が好転していれば、オーバーローン状態を解消できる可能性があります。ただし、その間に家の価値が下落してしまうリスクも考慮する必要があります。
解決策4:最終手段「任意売却」とは?
上記のどの方法も難しく、すでにローンの返済が苦しい状況にある場合の最終手段が「任意売却(にんいばいきゃく)」です。これは、金融機関の合意を得た上で、ローンが残ったまま家を売却する方法です。強制的に家を売られてしまう「競売」と違い、市場に近い価格で売却できる可能性が高く、残った債務の返済方法についても柔軟に交渉できる場合があります。ただし、信用情報に影響が出るなどのデメリットもあるため、実行には専門家との慎重な相談が不可欠です。
これらの解決策に加え、実はもう一つ、オーバーローンの不足額を減らすための強力な方法があります。次の章で、その「裏ワザ」を詳しく解説します。
まずは専門家に相談して、ご自身の状況に合う解決策を見つけましょう
【第5章】【プロの裏ワザ】手残りを増やし、オーバーローンを解決に導く「仲介手数料」という最後の砦
オーバーローンの不足額を前に、「もう自己資金を出すしかないのか…」と肩を落としているかもしれません。しかし、まだ諦めるのは早いです。ほとんどの人が見落としている、しかし最も効果的に手元資金を増やすことができる「最後の砦」が存在します。それが、売却にかかる最大の経費、「仲介手数料」の削減です。
見落とされがちな最大の諸費用「仲介手数料」
家の売却では、仲介手数料、印紙税、登記費用など様々な諸費用がかかります。その中でも、仲介手数料は売却価格の3%以上かかることもあり、圧倒的に大きな割合を占めます。多くの人は、売却価格を上げることに注力しますが、この「出ていくお金」を減らすことも、手残りを増やす上で同じくらい重要なのです。
【シミュレーション】仲介手数料削減が、あなたの運命を変える
具体的に、仲介手数料を削減することがどれほどのインパクトを持つのか、シミュレーションで見てみましょう。仮に、売却価格が3,000万円、ローン残高と諸費用の合計が3,050万円で、「50万円の不足金(オーバーローン)」が発生しているとします。
一般的な不動産会社 | イエツグ(定額制) | |
仲介手数料(税別) | 約96万円 | 182,900円 |
必要な自己資金 | 146万円(不足金50万円 + 手数料96万円) | 約68万円(不足金50万円 + 手数料約18万円) |
削減効果 | 自己資金の負担が、78万円も減る! |
この通り、仲介手数料を見直すだけで、自己資金の負担が半分以下になるのです。これは、まさに「運命を変える」ほどのインパクトと言えるでしょう。
結論:手数料削減は、アンダーローンの利益を増やし、オーバーローンの不足分を減らす最強の戦略
この戦略は、オーバーローンの場合に限らず、アンダーローンの人にとっても有効です。手元に残る利益が、単純に数十万円単位で増えるのですから。家の売却を考えたとき、売却価格だけでなく、「最終的にいくら手元に残るのか」という視点を持ち、仲介手数料という最大のコストに目を向けること。それが、ローン中の家売却を成功させる、最強の戦略なのです。
あなたの状況を好転させる、この「最強の戦略」。イエツグなら、最初からこの戦略を実行できます。まずはお気軽にご相談ください。
株式会社イエツグの無料相談で、あなたの手残りがいくら変わるか確認する
【まとめ】ローン中の家売却は、正しい知識とパートナー選びが全て
家のローンが残っていても、売却を諦める必要はまったくありません。大切なのは、ご自身の状況を正確に把握し、正しい手順と解決策を知ることです。
この記事で解説したポイントを、もう一度おさらいしましょう。
- まずは「ローン残高」と「家の査定額」を確認し、あなたが「アンダーローン」か「オーバーローン」かを知ること。
- アンダーローンなら、スムーズな売却と利益の最大化を目指すこと。
- オーバーローンでも、自己資金や住み替えローンなど、解決策は複数あること。
- そして、仲介手数料を抑えることが、状況を好転させる強力な一手になること。
何より重要なのは、一人で悩まず、信頼できるプロに相談することです。イエツグは、住宅ローンが残っているお客様の売却サポート実績も豊富です。あなたの状況に合わせた最適なプランを、誠心誠意ご提案します。
▼ローン中の家の売却、まずはお気軽にご相談ください
株式会社イエツグ お問い合わせフォーム
▼サービス内容を詳しく知りたい方はこちら
株式会社イエツグ 公式サイト
お客様専用ダイヤル: 0800-222-1829
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士