不動産買取のデメリット7選|「仲介より8割安い」は本当?後悔しないための注意点

「すぐに現金化できる」「手間がかからない」そんな魅力的な言葉で語られる不動産の「買取」

しかし、その手軽さの裏には、あなたが必ず知っておくべき重大なデメリットがいくつも潜んでいます。

特に、買取の最大のデメリットである「売却価格の安さ」は、時に数百万円単位の損失に繋がることもあります。「早く売りたい」という焦りから、この事実を知らずに買取を選んでしまい、「もっと高く売れたはずなのに…」と後悔する方は後を絶ちません。

この記事では、不動産買取が持つデメリットの本当の理由から、具体的な注意点、そして悪質な業者から身を守る方法まで、専門家が徹底的に解説します。この記事を最後まで読めば、あなたは「買取」と「仲介」のどちらを選ぶべきか、後悔のない、賢い決断を下せるようになります。

目次

【結論】不動産買取、最大のデメリットは「売却価格の安さ」

不動産買取を検討する上で、最初に、そして絶対に受け入れなければならない事実があります。それは、売却価格が、一般市場で個人に売る「仲介」に比べて大幅に安くなるという点です。一般的に、買取価格は仲介で売れるであろう市場価格の6割〜8割程度が目安と言われています。

なぜこれほど安くなるのか?~買取業者のビジネスモデルを解剖~

この大きな価格差は、買取業者がボランティアではなく、利益を追求する「事業」としてあなたの不動産を買い取っているために生じます。業者は、買い取った物件をそのまま誰かに貸すわけではありません。リフォームやリノベーションを施して付加価値を高め、きれいな状態で再び市場で販売する、「買取再販」というビジネスを行っているのです。

そのため、あなたに提示される買取価格は、業者が将来的に得られるであろう「再販価格」から、以下のコストやリスク、そして自社の利益をあらかじめ差し引いた金額になります。

【価格差シミュレーション】仲介と買取、手取り額はいくら違う?

では、実際にどれくらいの差が出るのでしょうか。例えば、仲介なら3,000万円で売れると予想される物件があったとします。

買取業者がこの物件を査定し、リフォーム費用に300万円、再販売時の経費や自社の利益として600万円を見込んだ場合、あなたに提示される買取価格は「3,000万円 – 300万円 – 600万円 = 2,100万円」となります。たとえ仲介手数料(約100万円)を差し引いたとしても、仲介で売った場合の手取り額(約2,900万円)とは、実に800万円もの差が生まれるのです。これが、買取を選ぶ際にあなたが受け入れる可能性のある「スピードと手間の対価」の正体です。

不動産買取は、すぐに現金化できるという大きなメリットがありますが、価格面でのデメリットは無視できません。イエツグでは、お客様の状況を第一に考え、まずは仲介による高値売却を目指すことを基本としています。買取が本当に最適な選択肢か、まずは私たちにご相談ください。
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価格だけじゃない!知っておくべき買取のデメリット

売却価格の安さが最大のデメリットであることは間違いありませんが、不動産買取には他にもいくつかの知っておくべき注意点が存在します。これらを総合的に理解した上で、買取という選択肢を評価しましょう。

デメリット②:そもそも買取を断られるケースがある

すべての物件が買取の対象となるわけではありません。買取業者は、買い取った後にリフォームなどをして再販売できなければ利益になりません。そのため、あまりに老朽化が激しく再生が困難な物件や、法律上「再建築不可」となっている物件などは、「事業として成り立たない」という理由で買取を断られることがあります。

デメリット③:買取業者の数が少なく、比較検討が難しい

買取事業は、物件を仕入れるための潤沢な自己資金が必要になるため、どの不動産会社でも行っているわけではありません。特に地方や郊外では、比較検討できるほどの業者が見つからず、結果的に1社の言い値で話を進めざるを得ない、という状況に陥るリスクがあります。

デメリット④:仲介のような価格交渉の余地は、ほぼない

買取価格は、業者が事業計画に基づいて合理的に算出しているため、仲介のように「もう少し高く買ってくれる人が現れるかもしれない」という期待を込めた価格交渉の余地はほとんどありません。提示された価格が、基本的には最終価格に近いと考えるべきです。

デメリット⑤:思い出の家が、跡形もなくなる可能性がある

買取業者は、利益を最大化することを目的としています。そのため、買い取った家をリフォームして再販するだけでなく、取り壊して更地にし、新築の建売住宅を建てて販売することも少なくありません。あなたが大切にしてきた家の歴史や思い出は、残念ながら業者の事業計画の中では評価されない、という点は心に留めておく必要があります。

これらのデメリットを踏まえた上で、本当に「買取」があなたにとってベストな選択肢でしょうか。イエツグでは、仲介と買取の両方の視点から、お客様の状況にとって最も有利な売却方法を正直にご提案します。まずはあなたの希望や不安をお聞かせください。
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【要注意】悪質な買取業者に騙されないための防衛策

残念ながら、不動産買取の業界には、売主の知識不足や「早く売りたい」という焦りに付け込む悪質な業者が存在するのも事実です。その典型的な手口を知り、あなたの資産を守るための防衛策を身につけましょう。

手口①:高額査定で契約させ、後から一方的に減額する

最初に相場よりも魅力的な査定額を提示して媒介契約や売買契約を結び、その後「物件を詳しく調査したら、欠陥が見つかった」などと、もっともらしい理由をつけて最終的な買取価格を大幅に下げてくる手口です。一度契約してしまえば、売主は他の業者に相談しにくくなるという心理を利用した、非常に悪質な手法です。


【対策】契約前に「提示された査定額から減額される可能性はありますか?その場合の条件を契約書に明記してください」と明確に要求しましょう。

手口②:相場より著しく低い価格を提示し、買い叩く

特に、相続した古い家や、地方の物件などで相場が分かりにくい場合に、「この物件は普通では売れませんよ」などと売主の不安を煽り、市場価格の5割以下といった不当に低い価格を提示して買い叩こうとするケースです。


【対策】この手口への唯一の対抗策が、複数社への査定依頼です。1社の情報だけでは、その価格が異常であることにすら気づけません。

手口③:「仲介手数料無料」をうたい、別の名目で費用を請求する

買取では仲介手数料がかからないのが原則です。それを逆手に取り、「仲介手数料は無料ですが、代わりにコンサルティング料が必要です」といったように、本来は業者が負担すべき測量費や各種手続き費用を、不当に請求してくる業者もいます。

 【対策】契約前に、見積書に含まれる費用項目を徹底的に確認し、仲介手数料以外に支払いが必要な費用が一切ないか、書面での確認を求めましょう。

このような悪質な業者を避ける最も確実な方法は、透明性の高い料金体系と、誠実な顧客対応を徹底している会社を選ぶことです。イエツグは、お客様の不利益になるような取引は一切行いません。他社の査定や条件に少しでも不安を感じたら、セカンドオピニオンとして私たちにご相談ください。
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デメリットを理解した上で、それでも「買取」が最適なケースとは?

ここまで不動産買取の多くのデメリットを解説してきましたが、買取は決して「悪い選択肢」というわけではありません。買取価格が安くなるというデメリットは、いわば「サービス利用料」のようなものです。その料金を支払ってでも手に入れたい価値があるのか、という視点でご自身の状況を判断してみましょう。

ケース1:「スピード」と「確実性」が価格よりも重要な場合

相続税の納税期限、離婚による財産分与、住み替え先の購入契約など、「いつまでに、いくら必要か」が明確に決まっている状況では、買取が提供する「スピード」と「計画の確実性」という価値が、価格差を上回ることがあります。いつ売れるか分からない仲介のリスクを避け、計画通りに資金を確保したい場合に、買取は最適な解決策となります。

ケース2:「仲介」では買い手がつかない「訳あり物件」の場合

一般の買い手は、雨漏りがひどい、再建築ができないといった、何らかの問題を抱える「訳あり物件」を敬遠します。こうした物件は、仲介市場では価値がほぼゼロに近く、専門家である買取業者が唯一の買い手となることが少なくありません。価格が安くなるのは当然ですが、そもそも「売却できる」ということ自体が大きなメリットになります。

ケース3:「手間」と「精神的負担」を一切なくしたい場合

「内覧のために何度も家を掃除するのは面倒」「近所に知られずに静かに売却したい」「売却後の欠陥トラブル(契約不適合責任)が心配で夜も眠れない」…。こうした金銭以外の「手間」や「精神的負担」から解放されることも、買取が提供する重要な価値です。特に、遠方に住んでいる実家の売却などでは、大きなメリットと感じるでしょう。

ご自身の状況が買取に向いているのか、それとも仲介でじっくり高値を目指すべきか、判断に迷っていませんか?イエツグでは、お客様一人ひとりのご事情を最優先に考え、最適な売却プランをご提案します。無理に買取をお勧めすることは決してありませんので、安心してご相談ください。
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【ハイブリッド戦略】「買取保証」という第三の選択肢

「仲介で、できるだけ高く売りたい。でも、万が一売れ残ったら困る…」不動産売却では、多くの人がこのジレンマを抱えます。そんな悩みに応えるために生まれたのが、仲介と買取の”良いとこ取り”とも言える「買取保証」というサービスです。一見すると完璧なサービスに見えますが、そこには注意すべき「仕組み上の罠」が潜んでいます。

「買取保証」の仕組みとは?

買取保証とは、不動産会社と結ぶ契約の一種です。まず、一定期間(通常3ヶ月程度)は「仲介」として、一般の購入希望者を探すために最大限の売却活動を行います。そして、もしその期間内に買い手が見つからなかった場合に、あらかじめ約束しておいた「保証価格」で、その不動産会社が責任を持って物件を買い取ってくれる、という制度です。

最大のメリットは「安心感」

この制度の最大のメリットは、仲介による高値売却の可能性に挑戦しつつ、「最終的には必ず売れる」という確実なセーフティネットも同時に手に入れられる点です。売却期限が決まっている住み替えなどのケースでは、この安心感は非常に大きな価値を持ちます。

注意すべきは「利益相反」という罠

一方で、この制度には構造的なデメリットが存在します。それは、不動産会社の営業担当者のモチベーションが、「あなたの物件を高く売ること」から「期間内に売れ残らせて、会社として安く仕入れること」にすり替わってしまう危険性です。これを「利益相反」と呼びます。

このリスクから身を守るためには、契約を結ぶ前に「仲介期間中、どのような販売活動を行ってくれるのか」を具体的に確認し、契約後も定期的に活動報告を求めることが重要です。また、提示された「保証価格」が妥当な金額か、他の買取業者の査定額とも比較してみるべきでしょう。

買取保証は便利なサービスですが、その裏にあるリスクも正しく理解する必要があります。イエツグでは、お客様にとって不利益になる可能性のあるサービスを、安易にお勧めすることはありません。メリットとデメリットを公平にご説明し、お客様にとって最善の選択を一緒に考えます。
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【まとめ】買取のデメリットを正しく理解し、後悔のない選択を

今回は、不動産買取のデメリットについて、その理由から具体的な対策までを徹底的に解説しました。売却価格が仲介より安くなるという最大のデメリットは、買取業者があなたの代わりにリスクやコストを負担するための、いわば「サービス利用料」である、という構造をご理解いただけたと思います。

結局のところ、「仲介」と「買取」のどちらが良いという絶対的な正解はありません。重要なのは、あなた自身の判断基準です。

あなたは、「価格の安さ」という対価を支払ってでも、「スピード」や「手間のかからなさ」「将来の責任からの解放」といった価値を得たいのでしょうか。それとも、時間はかかっても、少しでも「高い価格」での売却を追求したいのでしょうか。その答えは、あなたの状況と価値観の中にしかありません。

この記事が、その答えを見つけるための一助となり、あなたが後悔のない決断を下せることを心から願っています。

あなたの状況にとって、仲介と買取、どちらが本当に最適な選択肢なのか。私たちイエツグが、専門家の視点から、そしてお客様の立場に立って、一緒に考えます。無理な営業は一切いたしません。まずはお気軽にお客様のお話をお聞かせください。
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