不動産売却を仲介する不動産会社は、物件を売りたい売主にとって心強いパートナーです。信頼があってこそ成り立つ関係といえますが、中には売主の利益を二の次に考えている不誠実な仲介会社も紛れています。
そんな会社との取引を避けるためには、会社の本質を見抜く目が必要です。今回はパートナーにふさわしくない悪い会社を見抜くための3つのポイントと新たな会社へ乗り換える際の注意点をお伝えいたします。
- 悪質な不動産会社を見抜くポイント3つ
- トラブルにならない不動産会社の乗り換え方
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
とにかく「売主の利益につながる動き」が遅い傾向にあるんだよ。
目次
悪い不動産会社の見分け方1.物件情報の登録が遅い
自社の利益を優先する不誠実な会社は、不動産物件情報データベース「REINS(レインズ)」への登録が遅いという特徴があります。
他社からの物件購入の問い合わせを遅らせるのが目的
全国の不動産会社が扱う物件は、共通のデータベースであるレインズへの登録が義務づけられています。レインズへ登録された物件は他社も取り扱えるようになるため、より買い手がつきやすくなります。
売主からすれば購入希望者は広く募集してもらうのがベスト。しかし売主と媒介契約を結んだ不動産会社は、他社を利用する買主に購入されてしまうと、買主側も自社で仲介するチャンスを失います。
不誠実な会社は、早く売れて欲しいという売主の希望よりも、売主と買主の両方を仲介し、2倍の仲介手数料を受け取る「両手取引」の実現を優先させます。
そのため専属専任媒介契約なら5営業日、専任媒介契約なら7営業日の登録期日ギリギリまでレインズへ登録せず、自社だけで買主を探してしまうのです。
「レインズ登録証明書」を発行してもらいましょう
不動産会社の中には、専属専任媒介契約なら4営業日、専任媒介契約なら6営業日は登録しなくてもよいと解釈する会社も多くあります。
確かに法律的には問題ないのですが、レインズへの登録は、資料さえ揃っていれば10分もあれば完了します。もし媒介契約を結んだ会社がなかなかレインズへ登録してくれないようなら、売主側からの登録要求が有効です。また口先だけで登録したと言い逃れされないよう、登録証明書の発行も請求しましょう。
怪しいと思ったら「販売図面」をチェックしよう!
悪い不動産会社の見分け方2.販売図面を登録しない
悪い不動産会社は、部屋の情報が集約されている「販売図面」をレインズへ登録しないという特徴があります。
図面がない物件情報は閲覧されない
購入する不動産の物件や、賃貸で借りたい部屋を調べる際、部屋の写真や図面がない物件の閲覧を飛ばした経験はないでしょうか。
販売図面がない物件は、買主が購入後の生活をイメージできないため、一般的には情報が閲覧されにくくなります。
レインズに物件を登録したとしても、販売図面がない限り他社はその物件を扱いません。そのため結果的にその物件を扱うのは1社のみとなり、両手取引につながりやすくなります。
不動産会社からすれば仲介手数料を多く得られるチャンスになりますが、売主からすれば販売ルートが狭くなるだけで、何の利益にもなりません。もし販売図面がない物件情報を登録している会社があるとすれば、それは100%自社の利益のみを考えているといえます。
「レインズ変更登録証明書」を発行してもらいましょう
不動産会社から発行してもらう登録証明書は、販売図面登録の有無が記載されます。
販売図面の登録は画像をレインズへアップロードするだけですので、手間がかかるから後回しにするという理屈は通用しません。もし登録証明書で販売図面の登録が確認できないようなら、掲載を催促した上で変更登録証明書を発行してもらいましょう。
ちゃんと活動してるか確認しよう!
悪い不動産会社の見分け方3.営業活動報告がない
悪い不動産会社は、媒介契約で義務づけられている定期的な報告を怠る傾向があります。
最初しか報告しない不動産会社には要注意
専属専任媒介契約なら1週間に1回以上、専任媒介契約なら2週間に1回以上の営業活動報告が義務づけられています。
契約当初ばかり意気込みを語っていたとしても、その後満足に報告されないようでは媒介契約の意味がありません。定期的な報告をできないようなら、売主にとって不利益になるような活動をしているか、営業活動そのものを満足に行っていないといった理由が考えられるでしょう。
報告は書面で受け取りましょう
一般的な不動産物件は、土日や祝日にあわせた内見の問い合わせが多いため、専任媒介契約であっても1週間に1回は報告をしてもいいほど、販売に向けた動きが多いはずです。
専属専任媒介契約なら6日、専任媒介契約なら13日は報告をしなくてもいいと考える不動産会社もいますが、1週間および2週間という期日は、最低限の報告義務に過ぎません。そのため売れれば仲介手数料を払う立場である売主から、頻繁に営業活動報告を出すように要求してもよいでしょう。
なお、報告の際は電話で簡単に済ませるのではなく、書面に残るような形で報告するように依頼しましょう。
乗り換えでトラブルにならないように注意しよう!
信頼できない不動産会社は変更が◎
もし仲介を依頼した不動産会社が信頼できないようなら、新しい不動産会社への乗り換えを検討しましょう。
ただし変更の際にはいくつかのポイントを抑えておかなければ、損害賠償請求をされるリスクが生まれかねません。
注意点1.契約期間中の変更は難しい場合も
専属専任媒介契約および専任媒介契約は、契約期間が3ヶ月と定められています。この間は売主側からの通告だけで契約を解除できないため、他社に媒介契約依頼はできません。
契約を結んでしまった以上、不動産会社の営業活動に満足できないとしても、改善要求以上はできません。契約期間が残っている間は乗り換えの準備にとどめておき、契約解除のタイミングで他社へ変更しましょう。
注意点2.不要な売却依頼はしない
不動産売買の報酬である仲介手数料は原則として成功報酬と定められています。そのため契約期間中に、不動産会社が営業活動にどれだけ費用を使っても、売買が成立しなければ売主は一円も払う必要はありません。
ただし成功報酬の制度を売主が悪用するようなら話は別です。無理な要求を通した上で他社へ乗り換えてしまうと、制度を意図的に悪用したとして損害賠償を請求される可能性があります。
将来的に仲介会社を変更するかどうかにかかわらず、売主側も誠実な取引を行うように心がけましょう。
注意点3.変更の意思表示は書面やメールで残す
専属専任媒介契約および専任媒介契約は、原則として契約期間の自動更新はされません。
しかしはっきりと契約解除の意思を示さないと、不動産会社側が契約延長を前提とした営業活動を行ってしまい、トラブルにつながる場合があります。
媒介契約期間終了時には、明確な解約の意思表示が必要です。売主からの意思表示はメールや書面で残し、不動産会社側からの解約を認める意思も、記録に残る形で受け取るようにしましょう。
まとめ:知識を身につけ不誠実な不動産会社を見抜きましょう
不動産売買の現場ではほとんどの場合、売主よりも不動産会社側の知識が勝っています。そのため、売主の知識不足につけ込み、制度内で自社の利益を最優先する不動産会社も後を絶ちません。
売主の不利益につながる悪質な不動産会社に会わないよう、また会ってもしっかり解約できるよう、売主側も不動産売買に関する知識を身につけ、不誠実な会社を見抜けるようにしておきましょう。
弊社イエツグは誠実な取引をモットーに、お客様の利益を最優先に据えた営業活動を行っております。仲介手数料は一律182,900円(税抜)。両手取引となった際には、買主側からの仲介手数料はいただかないため、利益を優先にした両手取引を進めることもありません。
不動産を売買する機会は、一生のうち何度もございません。安心して不動産の仲介を任せられる会社をお探しの際には、ぜひ弊社イエツグも候補の一つとしてご検討ください。