離婚時の不動産売却はどうすればいい?注意するべきポイントとは

離婚時に住んでいた住宅を不動産売却する際には、住宅ローンや財産分与に気を配る必要があります。

離婚をした後も夫か妻がそのまま住み続ける、もしくは一緒に住み続けるというケースもありますが、その際には名義や住宅ローンの返済、連帯保証人の責任など難しい問題が発生する可能性があります。

その点不動産売却をすれば、名義人や連帯保証人の問題からは解放されますが、注意点を把握して後々問題が発生しないようにすることが大切です。

執筆者 丹拓也執筆者 丹拓也
株式会社イエツグ代表取締役。
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

現在の日本の離婚率は?

現在の日本の離婚数は、厚生労働省の「平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況」によると、212,262組と報告されています[1]。

それに対して同じ年の婚姻数は606,866組。

ここから算出した日本の離婚率は、約34.9%となり、結婚をした3組に1組が離婚をしているという結果です。

上記の統計データは平成29年のものですが、平成28年の統計を確認しても婚姻数が620,531組に対して離婚数が216,798組となっています。

つまり、毎年の離婚率はほとんど変わらない数値を推移しており、離婚時に不動産売却を考える方は非常に多いと考えられるでしょう。

一説によると、不動産売却の理由として最も多いものが「離婚」だとも言われていますが、厚生労働省の統計を見るとその説にも納得できます。

離婚後もそのままの住宅に住み続ける場合

離婚後、婚姻中に購入した住宅にそのまま住み続ける場合は、4つのパターンに分けられます。

なお、このパターン分けでは「夫名義で住宅を購入した」ことを前提としていますが、もしも妻名義で購入している場合は反対として読み替えてください。

そのまま住宅に住み続ける場合は、財産分与の問題、名義の問題など、さまざまな要素が複雑に絡みます。

夫だけそのまま住み続ける

夫名義の住宅に夫だけそのまま住み続ける場合は、妻への財産分与を考える必要があります。

不動産は資産価値から住宅ローンの残債を差し引いた金額が、夫婦で共有する財産とされるからです。

例えば、資産価値が3,000万円の住宅を持っていて住宅ローンの残債が1,500万円だった場合は、1,500万円が夫婦共有の財産となります。

そのため、夫名義の住宅に夫だけ住み続ける場合は1,500万円の1/2である750万円を離婚時に妻に支払わなければなりません。

夫名義で妻だけそのまま住み続ける

夫名義の住宅に妻だけそのまま住み続ける場合は、夫婦間での協議が必要となります。

住宅ローンの残債がある場合は、夫と妻のどちらが支払うのか、夫が支払う場合は負担が大きくなるためその調整をどうするかなどについて話し合いをします。

夫が住宅ローンを支払うことになった場合、夫と妻、両方の住宅にかかる費用を支払わなければならなくなるため、養育費の金額や財産分与の割合を調整して、負担が大きくなりすぎないようにします。

もし、夫が住宅ローンを返済できなくなった場合、妻は住むところがなくなってしまうからです。

また、妻が住宅ローンの連帯保証人になっていた場合は、返済不能になった際に支払い義務が生じます。

融資をする際に、金融機関は将来的な相続人である妻を連帯保証人とする条件を出す場合が多いため、離婚時には連帯保証人になっているかどうかをはっきりさせておくべきです。

妻名義で妻だけそのまま住み続ける

妻名義の住宅に妻だけが住み続ける場合は、まず不動産の名義変更が必要です。

しかし、不動産の名義を妻に変更するということは妻が住宅ローンの返済をするということになります。

住宅ローンの返済期間中に名義を変更する場合は金融機関からの承諾が必要であり、妻の年収が住宅ローン返済に届かないと判断された場合名義変更は行なえません。

夫も妻もそのまま住み続ける

夫名義の住宅に、離婚後も夫と妻が一緒に住み続けるというケースも少なくありません。

そのまま一緒に住み続ける場合は離婚前と全く変わらず、夫名義の住宅に住みながら夫が住宅ローンを支払います。

ただし、法律上は離婚しているため財産分与をする必要があります。

最初に解説した「夫名義の住宅に夫だけが住み続けるとき」と同様、住宅の資産価値から住宅ローンの残債を差し引き、その半分の金額を妻に支払わなければなりません。

離婚時に不動産売却をする場合

離婚後に不動産売却をする場合は、売却で得た資金で住宅ローンを返済することができ、名義の問題、返済不能になった場合の連帯保証人の責任など多くの問題を解決することができます。

また、不動産として住宅を所持している場合の財産分与は計算が面倒ですが、不動産売却で現金に変えてしまえばシンプルに行なうことができるという点もメリットです。

不動産売却を行なう場合も、3パターンにわか分かれるため、それぞれを詳しく解説していきます。

不動産売却額が住宅ローンの残債を上回った場合

不動産売却額が住宅ローンの残債を上回った場合は「アンダーローン」と呼ばれており、売却で得た資金で住宅ローンを完済しても手元に現金が残ります。

アンダーローンの状態では手元に残った現金が財産分与の対象です。

つまり、3,000万円で不動産売却できる住宅で、住宅ローンの残債が1,500万円だった場合は1,500万円を夫婦で分与します。

不動産売却額が住宅ローンの残債を下回った場合

不動産売却額が住宅ローンの残債を下回った場合は「オーバーローン」と呼ばれており、売却で得た資金で住宅ローンを返済してもまだ住宅ローンが残ります。

オーバーローンの状態では、住宅に価値がないものとみなされて、財産分与の対象とはなりません。

つまり、3,000万円で不動産売却できる住宅で住宅ローンの残債が4,000万円だった場合は、残りの1,000万円は住宅ローンの名義人が支払います。

1,000万円の残債を夫婦で分け合うということはありません。

しかし、そもそも不動産売却を行なうためには、住宅ローンを完済できる状態になることが必要です。

抵当権を設定したまま不動産売却は行なえないため、オーバーローンの場合は完済までの不足分を夫婦で補うなどの補填をします。

任意売却をする場合

任意売却というのは、金融機関と話し合って、住宅ローンの残債を残したまま抵当権を抹消してもらい不動産売却を行なうことです。

通常、抵当権は不動産を担保としている証明なので、住宅ローンを完済するまでは設定されたままになります。

そして、万が一返済ができなくなれば金融機関から不動産が差し押さえられ、競売が申し立てられるという仕組みです。

しかし、競売は時間や手間がかかり市場価格よりも安価な売却価格になるため、金融機関としてもメリットはありません。

そこで、金融機関は債権者との話し合いによって、競売を避けるために抵当権を抹消して不動産売却をしてもらい、少しでも負債の軽減をしようとするのが任意売却です。

任意売却ではオーバーローンの状態でも不動産売却が行なえますがデメリットもあります。

それは、金融機関との交渉中は住宅ローンの返済を行なわないため、個人信用情報に登録されるということです。

個人信用情報に返済の遅延という情報が登録されれば、その後5~6年間は新たなローンを組むことはできません。

不動産売却で発生する財産分与の注意点

不動産売却で財産分与を行なう場合には、不動産の資産価値や住宅ローンの内容、名義、抵当権など、さまざまな情報を把握しておく必要があります。

そして、財産分与では譲渡所得税が課せられるため納税額も念頭に置いて考えましょう。

不動産の名義や抵当権を確認する

不動産売却をする前に必要な準備として、不動産の名義人や抵当権など現在の不動産の状態を調べておきましょう。

売却する不動産に関する情報がなければ財産分与の話も進みません。

法務局には不動産の登記簿謄本があるので登記簿謄本を見て情報を集めてください。

住宅ローンの内容を把握する

住宅ローンの残債は、財産分与の対象金額に大きく関わります。

住宅ローンの契約書には、残債の金額、債務を負っている人の名前、連帯保証人の名前が記載されているので、不動産売却を検討する際には必ず確認しておきましょう。

また、途中で契約内容が変更になっている場合もあるので、契約書類一式を用意して確認します。

不動産の資産価値を調査しておく

不動産の資産価値も、住宅ローンの残債と同様に財産分与の対象金額に大きく関わる情報です。

資産価値を知るためには複数の不動産会社に査定をしてもらい、その平均額を出すことが一番でしょう。

多くの不動産会社に査定をしてもらっていると、おおよその資産価値の相場と相場以上で売却が可能な不動産会社がわかってくるので、不動産売却を依頼する不動産会社選びのためにも役立つプロセスです。

売却にかかる費用が少ない不動産会社を選ぶ

不動産売却では、仲介手数料や司法書士報酬、登記費用などの費用が発生します。

当然かかる費用が大きくなれば、住宅ローンの返済に充てられる金額は少なくなるため、できる限り費用は抑えるべきです。

特に仲介手数料は不動産会社によって異なり指定された割合で算出されるため、売却金額が高額になるほど高額な仲介手数料を請求されます。

多くの不動産会社を比較して、仲介手数料が安価に抑えられているところを探しましょう。

財産分与は離婚後2年以内に行なう

財産分与を離婚時に行なう場合は問題ありませんが、後々で良いと考えている場合、離婚後2年間しか請求できないことに注意が必要です。

もちろん、2年を過ぎた後も話し合いによって解決することはできるでしょうが、法的に請求できるわけではないのでできる限り早めに行なっておくようにしてください。

譲渡所得税について

譲渡所得税は、不動産売却によって利益が出て財産分与の対象となった時点で必ず課せられます。

譲渡所得税の金額は、「譲渡価額 – (取得費 + 譲渡費用 ) – 特別控除額」の計算式で算出可能です。

財産分与をする際に分与の割合が大きくなればなるほど、譲渡所得税の納税金額も大きくなるため納税のことを念頭に置いて財産分与を行ないましょう。

ただし、マイホームを売却した場合に「マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例」が適用されれば、譲渡所得税課税対象額から3,000万円が控除されます。

そのためかなり資産価値の高い住宅を売却するとき以外には、ほとんど発生しない税金です。

マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例<

特例の適用を受けるためにはいくつかの条件があります。

居住用の不動産であることは当然ですが、居住しなくなった日から3年が経過する年の12月31日までに不動産売却を行なうこと、3年以内に同特例やその他のマイホーム関連の特例を受けていないこと、売り手と買い手が親族などの関係でないことなどです。

そして、一時的な居住用家屋や別荘には適用されないので注意してください。

離婚時の住宅は不動産売却が一番の選択肢

不動産売却をする理由として最も多いものが離婚だと言われていますが、実際に離婚後も住宅に住み続けるよりは、不動産売却をしたほうがシンプルに財産分与を行なえます。

また、不動産売却をすれば住宅ローンの返済義務や連帯保証人の問題、名義人の問題など、多くの問題を解決することが可能です。

不動産売却を行なう際には、住宅やローンに関する情報の収集や譲渡所得税の計算なども大切ですが、住宅ローンの返済に充てられる金額を多くするためには不動産会社選びが最も重要です。

仲介手数料は多くの不動産会社が割合で定めていますが、稀に定額制で安価に抑えている不動産会社も存在します。

イエツグは仲介手数料が定額なので、資産価値の高い不動産を売却するのに最適です。

不動産売却ならイエツグにご相談ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA