「家を売ったけど、買ったときより値段が下がって赤字だった。利益が出ていないから、確定申告はしなくていいんだよね?」
「確定申告って手続きが面倒そうだし、不要ならやり過ごしたいな…」
不動産を売却して利益が出なかった場合、多くの方がこう考えるのではないでしょうか。確かに、利益(譲渡所得)がなければ確定申告の「義務」はありません。しかし、その判断だけで何もしないでいると、本来なら手元に戻るはずの数十万円(還付金)を、みすみす逃してしまうかもしれません。
この記事を読めば、不動産売却後の確定申告が「本当に不要なケース」と、申告義務はなくても「絶対に申告した方が得するケース」の違いが明確にわかります。
税金の専門知識がない方でも理解できるよう、難しい計算や専門用語は一切使いません。「損失が出たからこそお金が戻ってくる」仕組みをこの記事で理解し、ご自身が取るべき最善の行動を見つけましょう。
目次
結論!利益がなければ確定申告は不要。でも何もしないと数十万円損する可能性も
不動産を売却した後の確定申告について、結論からお伝えします。売却によって利益(譲渡所得)が出ていなければ、確定申告を行う法的な「義務」はありません。しかし、それで安心して何もしないと、実は大きな損をしてしまうケースがあるのです。まずは基本となる3つのポイントを押さえましょう。
1. 原則、不動産を売却したら確定申告は必要
大前提として、不動産のような大きな資産を売却した場合、原則として確定申告が必要です。
特に、売却によって1円でも利益が出た場合は、必ず確定申告を行い、所得税や住民税を納めなければなりません。
2. 確定申告が「不要」になる唯一の条件とは
確定申告が法的に「不要」になるのは、売却で利益が全く出ず(譲渡所得がゼロかマイナス)、かつ損失に関する特例も利用しない場合に限られます。
つまり、「赤字だったので、税金を納める必要もなければ、特に何の手続きもしない」というケースです。この場合のみ、何もしなくてもペナルティを受けることはありません。
3.【要注意】不要だと思って何もしないと、戻ってくるはずのお金(還付金)を逃すケース
ここが最も重要なポイントです。売却で損失が出ても確定申告の義務はありませんが、あえて申告することで、給与などから天引きされた所得税が戻ってくる「還付申告」という制度があるのです。
この制度を知らずに「不要だから何もしない」を選択すると、本来受け取れるはずだった数十万円の還付金を放棄してしまうことになります。
STEP1. あなたは申告不要?まずは「譲渡所得」を計算しよう
確定申告が必要か不要かを判断する最初のステップは、「譲渡所得」の計算です。譲渡所得とは、不動産売却で得られた利益のこと。この計算結果がプラスかマイナスかで、やるべきことが大きく変わります。
1. 譲渡所得の超簡単計算式【売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)】
譲渡所得は、以下のシンプルな式で計算できます。
譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)
例えば、3,000万円で売れた家の取得費が2,800万円、譲渡費用が100万円だった場合、譲渡所得は「3,000万円 – (2,800万円 + 100万円) = 100万円」となり、利益が出ているので確定申告が「必要」です。
2. 「取得費」とは?買ったときの値段がわからない場合の対処法
「取得費」とは、売却した不動産を購入したときの代金や建築費、購入時にかかった仲介手数料などの合計額です。建物の場合は、年数に応じた減価償却費を差し引いて計算します。
もし購入時の売買契約書などを紛失して取得費が不明な場合は、「売却価格の5%」を概算の取得費として計算するルールがあります。しかし、実際の取得費より大幅に低くなることが多いため、注意が必要です。
3. 「譲渡費用」とは?仲介手数料や印紙税も経費になる
「譲渡費用」とは、不動産を売るために直接かかった費用のことです。具体的には、不動産会社に支払った仲介手数料、売買契約書に貼った印紙税、建物の解体費用などが含まれます。
これらの費用を漏れなく計上することで、譲渡所得を正しく計算し、納める税金を抑えることができます。領収書などをしっかり保管しておきましょう。
4. 計算結果がマイナスなら、申告義務はなし
上記の計算式で、譲渡所得がゼロまたはマイナス(赤字)になった場合、確定申告の義務はありません。税金を納める必要がないため、何もしなくても法的には問題ありません。
ただし、ここですぐに「何もしない」と決めるのは早計です。次のステップで、あなたが損をしないための重要な情報をお伝えします。
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【この記事の核心】申告不要でも「した方が得」になる還付申告の仕組み
ここからが本題です。譲渡所得がマイナス(損失)だった方は、確定申告の義務はありませんが、「還付申告」という手続きをすることで、払い過ぎた税金を取り戻せる可能性があります。
1. 損失が出た人だけが使える!「損益通算」と「繰越控除」とは
マイホームの売却で損失が出た場合、「損益通算」と「繰越控除」という特例を利用できます。これは、以下の2つの効果を持つ特例です。
- 損益通算:不動産売却の損失を、その年の給与所得や事業所得など他の所得と相殺すること。
- 繰越控除:その年だけでは相殺しきれなかった損失を、翌年以降最大3年間にわたって繰り越せること。
これらの特例を利用するには、損失が出た年(売却した年)に必ず確定申告(還付申告)をする必要があります。
2. 給与から天引きされた所得税が戻ってくる「損益通算」
「損益通算」を行うと、不動産売却の損失分だけ、その年の所得が少なかったものとして再計算されます。その結果、すでに給与などから天引きされていた所得税が「払い過ぎ」の状態になり、その差額が還付金として戻ってくるのです。
さらに、所得が減ることで、翌年の住民税も安くなるというメリットもあります。
3. 損失を最大3年間持ち越せる「繰越控除」
不動産売却の損失が大きく、その年の所得だけでは相殺しきれない場合、残った損失を翌年以降最大3年間にわたって繰り越すことができます。
これにより、2年目、3年目、4年目の所得からも損失を差し引くことができ、継続的に所得税や住民税の負担を軽減できます。ただし、この特例の適用を受けるには、損失が出た年だけでなく、翌年以降も毎年確定申告が必要です。
4. 具体例で解説!年収500万円の人が300万円の損失を出したら、いくら戻る?
例えば、給与所得が500万円のAさんが、マイホームを売却して300万円の譲渡損失を出したとします。
確定申告で損益通算を行うと、その年の所得は「500万円 – 300万円 = 200万円」として再計算されます。本来500万円の所得に対して課されるはずだった所得税が、200万円の所得に対する税額で済むため、その差額である約30万円(所得税・住民税合計)が還付・減額されるのです。
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逆に確定申告が「必要」になるケースと忘れた場合の重いペナルティ
ここまで「不要なケース」「した方が得なケース」を見てきましたが、改めて「必ず必要なケース」とその注意点も確認しておきましょう。申告義務があるのに放置すると、重いペナルティが課せられます。
1. 譲渡所得がプラス(利益が出た)場合は申告が必須
譲渡所得の計算結果がプラスになった場合は、金額の大小にかかわらず、必ず確定申告をして納税しなければなりません。これは法律で定められた義務です。
申告を怠ると、税務署の調査で発覚し、本来納めるべき税金に加えて、後述するペナルティ(加算税や延滞税)を支払うことになります。
2. 利益が出た場合に使える「3,000万円特別控除」とは
マイホームの売却で利益が出た場合でも、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける「3,000万円特別控除」という特例があります。
例えば、利益が2,000万円だった場合、この特例を使えば譲渡所得はゼロになり、税金はかかりません。しかし、この特例を利用するためには、たとえ税額がゼロになるとしても、必ず確定申告を行う必要があります。
3. 確定申告を忘れるとどうなる?無申告加算税と延滞税のリスク
申告義務があるにもかかわらず確定申告を期限内に行わなかった場合、本来の税額に加えて「無申告加算税」が課せられます。税率は、納付すべき税額に応じて15%〜20%と非常に高率です。
さらに、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて「延滞税」も発生します。「知らなかった」では済まされない重いペナルティなので、必ず期限内に申告しましょう。
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3分でわかる!確定申告「必要?」「不要?」「した方が得?」自己診断フローチャート
ご自身の状況に合わせて、やるべきことをフローチャートで確認しましょう。
▼ スタート ▼
[質問1] 不動産を売却して利益(譲渡所得)は出ましたか?
- → はい(利益が出た)
- [診断結果A] 確定申告が「必要」です。3,000万円特別控除などの特例を確認し、必ず期限内に申告しましょう。
- → いいえ(損失が出た、または利益ゼロ)
- [質問2] 売却したのはマイホーム(自分が住んでいた家)ですか?
- → はい(マイホームの売却で損失)
- [診断結果B] 申告義務はありませんが、「還付申告をしないと損」です。「損益通算」や「繰越控除」の特例を使い、所得税の還付を受けましょう。
- → いいえ(投資用物件など)
- [診断結果C] 確定申告は「不要」です。基本的に何もしなくて問題ありません。
- → はい(マイホームの売却で損失)
- [質問2] 売却したのはマイホーム(自分が住んでいた家)ですか?
不動産売却の確定申告に関するよくある質問
最後に、不動産売却の確定申告に関してよくある疑問点をまとめました。
Q1. 確定申告の期間はいつからいつまでですか?
A. 通常の確定申告は、不動産を売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。
ただし、損失が出て還付申告をする場合は、翌年1月1日から5年間、いつでも申告することが可能です。
Q2. 取得費がわかる書類(売買契約書など)を紛失しました。どうすればいいですか?
A. すぐに諦める必要はありません。購入時のパンフレットや、不動産会社、司法書士の記録などから取得費を証明できる場合があります。どうしても不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として計上しますが、税務署に相談してみることをお勧めします。
Q3. 損失の繰越控除の特例を受ける場合、2年目以降も確定申告は必要ですか?
A. はい、必ず毎年確定申告が必要です。
繰越控除の適用を受ける期間中は、会社員の方で他に申告するものがなくても、毎年確定申告をしないと特例が打ち切られてしまいますので、ご注意ください。
まとめ:「利益なし=申告不要」は正解。しかし「損失あり=何もしない」は大きな損!
不動産を売却した後の確定申告について解説しました。本記事のポイントをまとめます。
- 利益が出た(譲渡所得がプラス)→ 確定申告が「必須」
- 利益なし(譲渡所得がゼロかマイナス)→ 確定申告は「不要」
このルールは間違いではありません。しかし、この記事で最もお伝えしたかったのは、マイホームの売却で損失が出た場合、申告義務はなくても「還付申告をした方が断然お得」だということです。
「損益通算」や「繰越控除」の特例を活用すれば、給与から天引きされた所得税が還付され、翌年以降の住民税も安くなる可能性があります。「不要だから何もしない」という選択は、大きな機会損失になりかねません。ご自身の状況を正しく把握し、賢い選択をしましょう。
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不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士