【2020年上期マーケット情報から見る】2020年後半の首都圏中古住宅流通予測

2020年上半期は、新型コロナウィルスに脅かされた半年でした。

オリンピック開催延期決定や緊急事態宣言、学校の休業など、過去に例を見ないこと続き。いまだ収束が見通せないコロナにより、2020年後半もまだまだ予断を許さない状況です。

不動産市場においても、コロナの蔓延は逆風だったと言わざるを得ません。では、緊急事態宣言が解除され、日常の生活を取り戻しつつあるも、第2波が懸念される2020年後半の不動産市場はどうなっていくのでしょうか?

本記事では、2020年上期の不動産マーケット情報をもとに2020年の中古住宅流通を予測してみたいと思います。

執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
イエツグくん
2020年6月から中古住滝市場は復調傾向にあるんだよ!

コロナ禍の2020年4~6月期の中古住宅流通を振り返る

まずは、コロナ禍の中古住宅流通の動きを振り返ってみましょう。

中古マンション

(出典:東日本レインズ

首都圏中古マンションの2020年4~6月期のレポートを見ると、成約件数は6,428件、前年同月比-33.6%。平米単価は、52.47万円/㎡で前年同月比-0.4%となっています。

成約件数については「大幅減」といえるでしょう。やはり4~6月は緊急事態宣言の影響が強く、物理的に「人と人とが接触できない」「内見できない」「契約手続きも難しい」といったことが大きな要因だと考えられます。

ただ価格については、同年前月比-0.4%とほぼ変わらず。これは同時期の新築マンションの成約件数が大幅に落ち、中古マンションに需要が流れたことが要因の1つになっていると見られます。

首都圏新築マンションの供給数は、2020年上半期7,497戸、前年同月比-44.2%。上半期に供給数1万戸を下回ったことは、かつてありません。2020年全体の供給数予測も3万戸を下回ると見られており、バブル直後以来の水準に落ち込むことが確実視されています。

不況の折には、「収入が減少した人」や「将来に不安を抱える人」が増えるため、高額な新築マンションより中古マンションの需要が上がることはあります。

2008年のリーマンショック後も、新築マンションの取引件数が格段に減少し、価格も5%前後落ちました。その一方で、中古マンションの取引件数が落ちたのは一時的であり、すぐにリーマンショック前を上回る水準まで復調したという事実があります。

中古戸建

(出典:東日本レインズ

2020年4~6月期の中古戸建は、取引件数が2,638件で前年同月比-22.1%。価格も前年同月比-10.0%まで落ち込みました。

とくに一戸建ての需要減は東京区部で顕著に現れており、成約件数は前年比-40.4%にまで落ち込んでいます。

2020年6月時点で中古住宅市場は復調の兆し

2020年4~6月のマーケット情報を見ると、コロナによる影響は「大打撃」だったと言わざるをえません。

しかし、6月のレポートをクローズアップして見てみると、2020年後半に向けて復調の兆しが見られます。

中古マンション

(出典:東日本レインズ

上記グラフは、首都圏中古マンションの成約件数や新規登録件数の推移を表したものです。赤線が成約数の推移ですが、2020年4月がガクンと落ち込み、6月に向けて急激に回復していることがわかります。

2020年4月の成約数は、前年同月比-50%以上でしたが、6月は-11.0%にまで回復しています。

(出典:東日本レインズ

価格はこれまでも大幅な下落は見られませんでしたが、6月期は前年同月比で微増の前年同月比+1.4%。

(出典:東日本レインズ

エリア別で見ると、6月の成約件数は、横浜・川崎市以外の神奈川県、東京多摩地区、埼玉県、千葉県で前年同月比-10%を下回っています。

一方、成約平米単価は、首都圏全てのエリアで前年同月を上回る水準にまで回復しています。

中古戸建

(出典:東日本レインズ

中古戸建もまた、4月から6月にかけて成約数が急激に伸びていることがわかります。

(出典:東日本レインズ

4~6月期の数値では、成約価格が前年同月比-10%でしたが、6月単体で見れば-4.4%。コロナ前の水準に戻りつつあるといえるでしょう。

(出典:東日本レインズ

ただエリア別の成約状況を見ると、東京区部は、成約件数・成約価格ともにいまだコロナ前の水準に戻ったとはいえません。

2020年後半の中古住宅流通予測

2020年上期は、中古マンション・中古戸建ともに年明けから徐々に成約数が落ち、3月から4月にかけては過去に例を見ないほどの落ち込みを記録。しかし、緊急事態宣言明けの5月、6月は復調傾向にあるといえます。

価格については、東京、埼玉の中古戸建など一部がいまだコロナ前の水準に戻っていませんが、6月の中古マンション価格は全てのエリアで前年同月の水準を上回っています。

さて、では2020年後半の中古住宅市場はどうなっていくのでしょうか?

株価はコロナ前の水準に戻りつつある

コロナの影響で一時16,000円代まで落ち込んだ日経平均株価。2020年7月21日現在、ここ数日は22,000円前後で推移しています。上記グラフを見ていただければわかるように、株価はコロナ前の水準に戻りつつあるといえるでしょう。

(出典:日本経済新聞

“「株価」と「不動産価格」は連動する”とうのがセオリーです。

このまま株価が安定すれば、中古マンションの価格も安定していくというのが大方の見方ではありますが、ここに来てコロナウィルス感染者は急激に増えており、第2波も懸念されています。

株価については、“大きな反発後には「2番底」が来る”というのが1つのセオリー。1980年代後半のブラックマンデーのときも、2008年リーマンショックのときも、株価が反発し、安定したと思われた矢先に二番底がありました。株価同様、不動産価格も今後、乱高下する可能性を秘めているということです。

住宅ローン金利動向

不動産価格を占う上では、住宅ローン水準が今後どのように推移していくかも考えなければなりません。

(出典:日本経済新聞

コロナ禍になるまで微増で推移していたフラット35の金利ですが、5月、6月はやや下降し、7月にはまたやや微増しています。変動金利については、ほぼ横ばいといっていいでしょう。

【2020年7月住宅ローン金利】コロナの影響は?今後はどう推移する?

とはいえ、変動金利、固定金利ともに史上最低の水準で推移している昨今は、不動産の売り時・買い時であることに間違いはありません。

気になる住宅ローン金利の今後の推移ですが、上記記事でも解説している通り、景気次第。変動金利、固定金利の水準の指標となる「新発10年物国債(長期金利)」「無担保コールレート(オーバーナイト物)」は、いずれも日銀による金融政策の影響を大きく受けます。金融政策は、基本的に景気が上向けば「引締め」に、悪化すれば「緩和」するもの。今の金融緩和政策は、消費者物価の上昇率(インフレ率)を年2%とする「物価安定の目標」を掲げて実施されています。

(出典:統計局

しかし、今の状況を見れば「2%の物価上昇」には到底及ばず、さらにコロナショックによる日本経済への影響も懸念される状況に鑑みると、金融の引き締めや住宅ローン水準の大幅な上昇となるシナリオは一定期間考えにくいといえそうです。

つまり金利面からすれば、2020年後半も不動産は買い時が継続すると見られます。

日本経済が「ハイパーインフレ」を迎えた場合

ところで皆さん、株価が上向いている今の状況を疑問には思いませんか?

アフターコロナでは、倒産する企業が続出し、職を失う人も後が絶たないと報道されています。日本政府はあらゆる政策で国民を支援していますが、これだけ大規模な支援策を実施するとなると国の財政状況も不安視されます。

「経済の停滞」は、すなわち「株価の下落」となるのが基本です。そんな中、日本の株価がコロナ前に迫る勢いで回復傾向にある背景には、日本銀行の株の爆買いがあります。

つまり、自由市場である株価には政府の介入があるということ。そして日本の株価は、実需によるものではないということです。

このような日本の仕組みでは、今後「ハイパーインフレ」になることも懸念されます。詳しくは以下の記事で解説していますので、よろしければご覧ください。

1年以内に不動産を買わないと、一生買えなくなるかもしれない理由

まとめ:2020年後半の中古住宅流通は油断できないが6月時点では復調の兆し

2020年上期の不動産市場は、新型コロナウィルス蔓延の影響をダイレクトに受け、成約数はかつてないほど減少しました。しかし2020年5月、6月の緊急事態宣言明けには、徐々に成約数は伸びており、価格ともにコロナ前の水準に戻りつつあるといえるでしょう。

とはいえ、エリアや物件種別によってはいまだ動きが鈍かったり、価格の下落が続いていたりすることはあります。もちろん、逆にコロナによって需要が向上するエリアも今後現れるでしょう。

重要なのは、あなたが売る物件、買う物件の適切な売買時期を探ること。そのためには実際に売買する時期より前に、不動産業者に相談しておく必要があります。

弊社イエツグは、首都圏の不動産取引をメインに扱っております。今の時期とくに重要な資金計画も、弊社のFPや住宅ローンアドバイザーがしっかりサポートさせていただきます。イエツグの仲介手数料は、物件価格に関係なく一律182,900円。また売主から仲介手数料を受領できる物件は、仲介手数料が無料になるだけでなく、仲介手数料55%を購入者へキャッシュバックいたします。



売り時・買い時に悩んでいる方も、どうぞお気軽にお問合せください。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。

編集長・監修者 亀梨奈美
監修者 亀梨奈美大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
機関紙から情報サイトまで不動産ジャンルのあらゆる文章を執筆・監修。