不動産を売却する方法には、いくつかの選択肢があります。
特にその中で、
買取り保証という方法を検討されている方はぜひ読んでください。
買取り保証のメリット・デメリットを理解しないで、不動産業者に言われるがままにお任せしていないでしょうか?
もしかしたら悪徳な不動産会社に騙されているかもしれません。
後悔する不動産売却とならないように、買取り保証のメリット・デメリットを解説いたします。
必ず最後まで読んでいただき、ご自身に合った売却方法を選びましょう。
目次
不動産売却の方法

不動産の売却といっても、服やバッグのような物と違って売ろうと思ってお店に持って行けば、すぐに売却できるというわけではありません。
売却方法も複数あり、それぞれ良い点と悪い点があります。
今回は数ある売却方法を紹介させてもらうと同時に、買取り保証に焦点を当ててご説明いたします。
仲介
一般的には馴染みのない言葉で、実際どのような事をするのか分からない方も多いかと思います。
身近な例で言えば、
仲人や恋のキューピッドを思い出してもらえれば、分かりやすいと思います。
A君はB子ちゃんのことが気になっているけれど、話したこともない。
そこでA君はB子ちゃんの知り合いであり、自分の友人であるC子ちゃんに挨拶ができるようにして欲しいと頼みます。
この場合、
A君とB子ちゃんの間に入って仲を取り持つC子ちゃんが、恋のキューピッドになりますね。
仲介とは不動産を売りたい人、不動産を買いたい人を紹介してうまくマッチングさせて売買成立に導くことです。
その仲介業務を主な仕事として取り扱っているのが、不動産仲介業者です。
不動産を売却したい人の依頼を受けて、物件の調査や査定や写真を撮って資料を作り、ネット媒体やタウン誌のような不動産情報誌へと情報を一般公開します。
その後一般公開した広告を見て、不動産を買いたい人が問い合わせをし、物件を紹介するというのが一般的な流れです。
一般的に不動産の売却をする際は、この仲介か次に説明する買取りを比較検討することが多いです。
仲介のメリットは買取りに比べて、市場に出回ることもあって一番高値で売却できる可能性がある売却方法だということです。
買取り
売りたい人・買いたい人・仲介の不動産会社の3者が関わってくる仲介と違って、買取りをする不動産会社との2者間だけで成立する売却方式です。
身近な例で言えば、
古本屋に本を持って行き、買い取ってもらった経験がある人も多いはずです。
この場合は本を売りたい人と、本を買い取る業者の2者間のみで成り立ちます。
仲介では物件を一般公開して、広く色々な方を対象に販売活動を行いますが、買取りは不動産会社が直接物件を買い取る売却方法です。
仲介では、広告の掲載をしたり、物件の内覧会の対応など手間が掛かります。
しかし、
買取りの場合は業者が「この値段で買います」と言うだけで終わりますので、現金化までが早いです。
個人間売買
ご自身の親戚や友人、知人などに直接売却する方法です。
例えば自宅売却をしたいと親戚や友人に話した時に
「売却するつもりがあるなら、不動産屋に査定してもらってその金額で買いたいな。仲介手数料も掛からないし。」
と言った話になり、個人間で売買を進めていくのが個人間売買です。
不動産売買では、必ず不動産会社を通さないといけないという決まりはありません。
個人間売買の方法などは、インターネットで検索すると出てきます。
手間や個人間のトラブルに巻き込まれるリスクはありますが、不動産業者に支払う仲介手数料が掛かりません。
その他(リースバック)
何らかの事情でお金が必要になり、自宅を売却するしかないなどの特別な事情がある時に、
「あと4年間だけは賃料払うから住みたい」
といった条件を付けて売却します。
「売却しないといけないけど、でも住み続けたい」という場合などに使用される事が多いです。
買取り保証とは

ほとんどの方は不動産を売却するのに、仲介か買取りを選択します。
この仲介と買取りの二つの性質を持った買取り保証というものがあります。
それでは買取り保証について細かく解説していきます。
買取り保証とは別名「買取り保証付き仲介」の略称であり、具体的には次のような販売方法をいいます。
例えば、
不動産会社が3か月間は仲介にて販売活動を行います。
その3か月の間に販売できなかった場合に、不動産会社が買取りをする販売方式となります。
方法だけを見ると確実に売却できる夢のような方法ですが、当然メリット・デメリットがあります。
買取り保証のメリット

まず買取り保証のメリットについて説明していきます。
仲介で相場価格にて売れる可能性が増える
売却方法を買取りのみで検討されていた場合に、3ヶ月間仲介での販売活動を挟むので、相場価格で売却できるチャンスがあります。
買取りのみを行っている不動産会社に依頼を検討している場合は、一度買取り保証を行っている不動産会社に切り替えてみることをオススメします。
時間に猶予があれば、
最初は仲介での販売活動をして最終手段として買取り保証を利用しましょう。
買い先行で住み替える場合、二重ローン(ダブルローン)の心配がなくなる
買い先行とは今住んでいる物件を売却して、新たに物件購入後に住み替える際、先に新しく住む物件を購入する事です。
買い先行について詳しくはこちらの記事でご紹介しております。
もし仮に上手く自宅の売却日と購入する物件の入居日が同日であれば、ダブルローンの心配はありません。
しかし、
なかなか上手くはいきません。
この場合、新しく購入した物件の住宅ローンの支払いと、今お住まいの物件の住宅ローンの支払いが一時的に2重に発生するため、家計を非常に圧迫します。
仲介での売却がまだできていない状態で、購入した物件の入居日が来てしまった場合は2重ローンが発生してしまいます。
そこで、
仲介している物件を買取りへ切り替えてしまえば、2重ローンの心配もありません。
自分の都合の良いタイミングで売却ができる事も、買取り保証のメリットの1つです。
契約不適合責任が免除される
仲介で物件の売買をした際に売主は買主に対して、基本的に3ヶ月の契約不適合責任があり、不具合が見つかった際には補修費用を負担しなければいけません。
しかし、
仲介の販売期間を超えて不動産会社に買い取って貰った場合は、売主が契約不適合責任を負う必要がなくなることが大半です。
不動産会社が物件を確認と調査をして買取りを行い、瑕疵を考慮した金額で買取りします。
そのため、
引渡し後に瑕疵が見つかったとしても買い取った不動産業者の過失となります。
仲介手数料が不要
仲介で物件を売買した場合には、不動産会社に仲介手数料を支払います。
買取りの場合、仲介は行っておりませんので仲介手数料はかかりません。
物件の金額によっては仲介手数料は高額になるため、かなりの節約が見込めます。
内覧の準備が不要
もし売却物件が遠方だった場合は内覧の度に、物件内の掃除や邪魔な物を片付けたりすることは、かなり面倒な事です。
仲介での売買にこだわらなければ、最終的に不動産会社が買い取ってくれるので、無理に内覧の対応をしなくて済みます。
買取り保証のデメリット

買取り保証では不動産会社が販売できなかった場合に、必ず買取りしますといった約束をしますが、金額の約束はしません。
つまり、
販売価格のまま買い取るわけではなく、販売価格よりも安く買い取られてしまうということです。
買取り保証を行う全ての不動産会社が悪いわけではありませんが、悪用する会社もあるので十分注意してください。
3か月後には相場の6~8割
不動産会社が物件を買い取る主な理由は、転売をして利益を出すためです。
付加価値をつけて転売するためには、リフォーム費用や販売活動を行うための諸経費が必要です。
更に転売目的での購入になるため、買い取る不動産会社は基本的に減免措置が受けられない額の不動産取得税が掛かってきます。
経費が掛かる中で物件を買取り、利益を出す為に相場価格と同じ金額とはならず、相場価格の6~8割程度に金額での買取りとなることが多いです。
そのため、
希望金額とはならない場合があります。
例えば、
市場価格が3000万円であれば、2000万円~2500万円となるのが一般的です。
専属専任媒介契約
買取り保証付き仲介は売却できるまで、1つの不動産会社が面倒を見るという事になります。
そのため他の不動産会社にも売却活動を依頼できる一般媒介契約ではなく、専属専任媒介契約を結びます。
同じく1社のみで販売活動を行う専任媒介契約よりも、専属選任媒介契約は不動産会社との制約が強くなります。
例えば、
専任媒介契約では売主が買い手を自ら見つけた場合は、個人間売買を行う事ができます。
しかし、
専属専任媒介契約では、売主自ら買い手を見つけても個人間で売買はできず、手続きを不動産会社に依頼して仲介手数料を支払うという契約となります。
専属専任媒介契約を結んだ不動産会社がいい動きをしてくれればよいですが、そうではなかった場合に不動産会社を切り替えることが難しいです。
仲介での売却に注力しない場合がある
ここが1番危険なところであり、不動産業界の闇です。
買取保証付仲介の場合、仲介「での」販売に注力をしない可能性があります。
仲介手数料には、売却価格の3%+60,000円+消費税と上限額が法令で定められています。
仲介で売却できた場合、不動産会社に入る売上はこの仲介手数料の上限額が最大金額になります。
例えば、
売却価格3000万円の物件の場合は、税抜で3000万円×3%+60,000円=96万円が不動産会社が得ることの出来る売上の上限です。
買主、売主両方から仲介手数料をもらった両手取引の場合でも、税抜で96万円×2=192万円が売上です。
ちなみにイエツグでは1億円以下の物件であれば、定額の18万2,900円(税別)で行わせていただいております。
詳しくはこちらをご覧ください。
しかし、
買取りにした場合、不動産会社が得られる売上に上限は法令などでも定められておりません。
極端な例ですが、
オークションなどで運よく1円で商品を買う事ができて、それを別のフリーマーケットのサイトなどで10,000円で売れれば利益が9,999円も出ます。
いくらで仕入れて、いくらで売るかが不動産業者のさじ加減になります。
つまり、
売上が青天井になります。
もっとも、
一般的には仕入れ価格の10%~20%の利益がでれば良いとされています。
例えば、
3,000万円の物件であれば600万円程度の利益が見込めますし、ほとんどの不動産会社が300万円~500万円程度の利益が見込める買取り価格を設定しています。
不動産会社の利益のみを考えると仲介と買取りのどちらが儲かるかは明白です。
だからこそ、
仲介より買取りの方が利益が多いために、仲介の販売活動に注力せずに仲介期間である3ヶ月間をやり過ごし、買取りで売却させようとする不動産会社があるということなのです。
不動産会社に騙されないためには

では売却しなければいけない期日があり、買取りを検討している。
しかし、
できれば仲介を使って相場価格で売りたい場合は、どうすれば騙される事なく売買できるのでしょうか。
仲介と買い取りを別の不動産会社に依頼する
結論として、
1社のみの買取り保証付き仲介は利用しない事です。
仲介で販売活動を依頼した不動産会社とは別に、売却しなければいけない時期に差し迫ったら、買取りをしてもらう不動産会社を探しましょう。
そうすることによって、
損得関係なく仲介で販売活動をする不動産会社は買取りになってしまわないよう、限られた期間で最大の努力をしてくれるはずです。
信頼できる不動産買取業者を見つける
買取りで失敗しないためには、信頼できる不動産会社を選ぶ必要があります。
信頼できる不動産会社を選ぶためのポイントを紹介します。
不動産会社には自社の得意な営業エリア、得意分野があります。
早く、高く売却したいのであれば、不動産取引・販売を得意としている不動産会社を探しましょう。
査定の時や売却相談の際に担当者に話を聞き、どの分野の営業が得意なのかを把握しましょう。
売却物件があるエリアで長年活動している老舗の不動産会社など、地元に強い業者を探すことも大切です。
不動産会社独自のネットワークがあり、高額で買い取ってもらえる可能性もあります。
地元に強い不動産会社を探すには、ホームページなどを検索して買取り実績を調べましょう。
買取り実績が売却物件のエリアで多ければ、それだけ売却物件のエリアに強いという事になります。
また、
査定は必ず複数の会社に依頼することが大切です。
売却物件の依頼を出す前には物件の査定をします。
基本的にはその査定額が買取り金額となりますので、より高額での買取りを希望する方は、査定を最低でも3社へ依頼しましょう。
悪徳業者の事例

買取り保証付き仲介で、3,000万円で販売活動をしている物件があるとします。
仲介での販売活動中に自社で買い手が見つかり、売れそうなりました。
通常の不動産業者であれば、このまま取引きを続けて売主に喜んでもらえる取引を心掛けます。
しかし、
悪徳業者は仲介の契約期限が、もうすぐ切れる事に目を付けます。
仲介での販売ができないように買い手を断り、仲介での販売価格より700万円も安い金額で買取りをすることを考えます。
買い取った物件を転売することで、悪徳業者の利益を増やすことを優先している場合があるのです。
まとめ

買取り保証と聞くと
「売れなかった時にわが社が買取りします」
といったように責任感があるように聞こえます。
しかし、
中には自社の転売利益を優先した悪徳な会社もあります。
これは不動産業界の闇の1つでもあり、実態です。
対策としては、
売却しないといけない時期が決まっている場合に、焦って買取り保証を利用しないようにしましょう。
こういった不動産会社に騙されないためにも、買取り保証付き仲介を利用せずに期日までは仲介で販売活動を依頼し、期日が差し迫ったら別の不動産会社に買取りを依頼してみることが大事です。
もし希望日までに仲介で販売することができれば、希望価格で売却できる可能性は高くなります。
希望日までに売れなかった時でも、その時に別の不動産会社に買取り依頼をすれば安心です。
査定の依頼を出す時には、最低でも3社に査定依頼を出して比較するようにしましょう。
悪徳な不動産会社から自衛する知識や手段を身に付けて、後悔しない不動産売却ができる事が1番大切な事となります。
弊社イエツグでも買取保証付き仲介を実施しております。
買取だけ!仲介だけ!のご依頼も歓迎です。
その場合、売却時の仲介手数料は定額(低額)18万2,900円(税抜)となっております。
不動産売却時の諸費用を抑えることは、実質的に売却時の手取り金額を増やせるということです。
自宅売却でお困りの方はお気軽にお問合せ下さい!
仲介と買取りを比較した際に仲介の方が市場価格で売れるというメリットがある