住宅ローン控除「特例」2年延長が決定か?「2022年末までの入居」が対象で調整

消費税10%への増税の対策として導入された、住宅ローン控除期間「13年」への延長措置。この特例は当初「2020年末までの入居」が適用要件でしたが、コロナの影響を受け、現状は「2020年9月末までに契約を交わし、2021年末までに入居」という弾力化措置が設けられています。

そしてこの度、この特例自体を「2年延長」することで財務省・国土交通省が調整に入っているとのことです。

財務・国土交通両省は消費増税対策として導入した住宅ローン減税の特例措置について、適用対象となる入居期限を2年延長する方向で調整に入った。(2020/10/27日経新聞

この記事でわかること
  • 住宅ローン控除の「特例」の内容
  • 住宅ローン控除の「特例」の注意点
  • 結局、住宅ローン控除の「特例」っていつまで使えるの?対象者は?

【動画目次】
00:00 はじめに
01:46 1.そもそも住宅ローン控除の「特例」ってなに?
03:02 2.コロナによる「弾力化措置」ってなに?
04:17 3.住宅ローン控除を13年間受けるには、いつまでに住宅を購入すればいいの?
06:55 今回のまとめ
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

住宅ローン控除の「特例」とは控除期間が10年から「13年」に延長する制度

住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高の最大1%を所得税・住民税から控除する制度です。

基本的に控除期間は「10年」ですが、2019年の消費税10%への増税の対応策として、控除期間を「13年」に延長する措置が取られました。

【注意】11年目~13年目までは控除額の算出方法が異なる

住宅ローン控除が13年に延長された場合、11年目以降の年間控除額算出方法は10年目までと異なります。

10年目まで
①住宅ローン残高の1%
②最大控除額(長期優良住宅:50万円 一般住宅40万円)
③所得税+住民税額
→①②③のうちもっとも小さい額がその年の控除額に

(出典:国土交通省

11年目~13年目

①住宅ローン残高の1%
②最大控除額(長期優良住宅:50万円 一般住宅40万円)
③所得税+住民税額
④建物の取得価格(上限4,000万円)の2%÷3
①②③④のうちいずれか小さい額が控除

住宅ローン控除が13年間に延長中!節税効果の違いをシミュレーションしてみた

コロナの影響で住宅ローン控除の特例は「弾力化措置」が取られている

住宅ローン控除期間の延長は、2019年10月の消費税10%への引き上げで住宅の需要を減退さないために取られた対策です。当初の適用要件は、「2020年末まで」に住宅に入居することでした。

しかし、2020年に入ってからの新型コロナウイルス感染拡大により、「工事が遅延した」「住宅資材が届かない」「住宅の引き渡しが遅れる」といったことが相次いだため、弾力化措置として入居期限を「2021年末まで」に引き伸ばしています。

コロナで入居が延期になっても住宅ローン控除の期間は延長される?入居要件の緩和措置を分かりやすく解説

2020年10月現在、入居要件が「2021年末まで」に緩和されるのは、以下の期日までに契約が締結された場合に限られます。

  • 注文住宅を新築:2020年9月末
  • 分譲住宅・既存住宅を取得する場合や増改築等:2020年11月末

たとえば、2020年の7月1日に注文住宅の建築工事請負契約を締結した場合、契約日が2020年9月末より前の日であるため緩和措置の対象です。この場合、新型コロナウイルスの影響で建築工事が遅れて、入居日が令和3年の2月1日となってたとしても、住宅ローン控除の控除期間が13年に延長されます。

一方、2020年の11月1日に注文住宅の建築工事請負契約を締結すると、契約日が2020年9月末以降ですので、緩和措置の対象となりません。

住宅ローン控除の「特例」が2年延長決定か?対象者は?

2020年10月現在、住宅ローン控除を13年間に延長するための特例は、間もなく終了するということです。

ただここに来て国土交通省と財務省は、2021年度税制改正にこの特例を2年間延長することを盛り込む方向で調整に入っています。

結局、いつまでに契約して、いつまでに入居すればいいの?

当初、住宅ローン控除の期間延長の特例は、「2020年末までの入居」が適用要件でした。それがコロナの影響で「2021年末までの入居」となり、さらに2021年度の税制改正で再延長が決まった……となっていることで、皆さん「で、結局いつまでこの特例は使えるんだ???」と疑問に思っているのではないでしょうか。

結論から申し上げると、住宅ローン控除が10年から13年まで伸びる特例は、「2021年9月まで」に契約して、「2022年末まで」に入居という適用要件で調整が進んでいるようです。

ただし、住宅ローン控除特例の「2年延長」は2021年度の税制改正で実施される予定です。つまり、それまでは現状の弾力措置である「2021年末までの入居」かつ「注文住宅は2020年9月末までの契約」「分譲住宅・既存住宅を取得する場合や増改築等は2020年11月末までの契約」という条件を満たさなければ特例は適用となりませんのでご注意ください。

住宅ローン控除の「広さ」の要件が緩和されて対象者が増える可能性も

住宅ローン控除には、「床面積が50㎡以上」という広さの要件があります。

2021年度の税制改正では、この「広さ」の要件についても緩和することが検討されています。

50㎡というと、やや小ぶりなファミリータイプのマンションくらいの大きさ。ご夫婦2人や単身者用など小規模な住宅でも住宅ローン控除が適用になるようにと、国土交通省は要件緩和を求めています。

速報
11月18日、日経新聞が以下のように伝えました。

2021年度税制改正の焦点である住宅ローン減税の見直しをめぐり、減税対象となる物件の面積要件の緩和案が浮上した。政府・与党で議論し、結論が得られれば今年12月にまとめる与党税制改正大綱に盛り込む。現在は戸建て、マンションを問わず床面積50平方メートル以上が要件。これを40平方メートル以上に対象を広げる案を軸に検討する。

(引用:日経新聞

住宅ローン控除の広さ要件が、「50㎡以上」から「40㎡以上」に緩和される可能性が浮上しています!

【2021年税制改正】住宅ローン控除「40㎡以上」に対象拡大か?!

まとめ:住宅ローン控除期間が13年になる特例が「2年間」延長の見込み

消費税増税の対策として導入された住宅ローン控除期間の延長ですが、新型コロナウイルス感染拡大による住宅需要の減退を危惧し、2021年度の税制改正で「2年間」延長する見通しとなりました。

いまだ調整中ですが、“「2021年9月末」までの契約かつ「2022年末」までの入居”が適用要件になるとみられています。

特例の入居期限や契約期限は、複数回、変わっています。「ちょっとよくわからない……」という方は、お気軽に弊社イエツグまでお問合せください。弊社には、FPや住宅ローンアドバイザーといった資金計画のプロが在籍しております。中古住宅の中には、そもそも住宅ローン控除が適用されない物件もございます。「住宅ローン控除の対象物件か?」「結局いくら控除されるのか?」「いつまでに購入するべきか?」など、なんでもご相談くださいませ。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。



編集長・監修者 亀梨奈美
監修者 亀梨奈美大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
機関紙から情報サイトまで不動産ジャンルのあらゆる文章を執筆・監修。