IT重説対応物件とは?見分け方・探し方と確認ポイント

不動産売買の重要事項説明を、パソコンやスマートフォンなどを使ってオンラインで受ける「IT重説」は、2021年3月30日から本格運用されています。現在は社会実験ではなく、一定の条件を満たせば売買取引でも利用できます。 IT重説は特定の種類の物件だけに付く制度ではありません。利用できるかどうかは、不動産会社の対応体制、取引当事者の同意、通信環境、書面の準備などで決まります。 この記事では、IT重説に対応できる取引の確認方法に加え、IT重説・電子書面・電子契約の違いを2026年時点の実務に合わせて解説します。
この記事でわかること
  • IT重説可能な売買物件の条件
  • IT重説対応物件の見分け方
  • IT重説対応物件はどう探す?
イエツグくん
売買のIT重説は本格運用済み。ただし、不動産会社の準備状況によって対応可否が違うので、先に確認しよう!
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役 不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。 保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・賃貸不動産経営管理士・外壁診断士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

不動産売買のIT重説は本格運用済み|対応可否は物件名だけで決まらない

IT重説対応物件を確認するための不動産購入イメージ IT重説とは「IT(インターネット)」「重説(重要事項説明)」を行う行為を指す造語です。IT重説は賃貸に限らず、売買でも2021年3月30日から本格運用されています。物件の種類だけで決まるものではなく、対応する不動産会社の体制、取引当事者の同意、通信環境、書面の準備などを確認します。

IT重説に対応できる不動産会社へ確認する

売買取引のIT重説は、国土交通省の社会実験を経て、2021年3月30日から本格運用されています。以前のように「実験事業者へ登録された会社だけ」という制度ではありません。 ただし、すべての不動産会社が必ずIT重説を提供しているわけではありません。宅地建物取引士がオンライン説明に対応できる体制、映像と音声を双方向で確認できる環境、説明前の書面送付などが必要です。利用したい場合は、物件探しの早い段階で担当会社へ確認しましょう。 また、2022年5月からは宅地建物取引業法上の書面を電磁的方法で提供できるようになりました。とはいえ、IT重説、電子書面の交付、売買契約の電子契約は別の手続きです。IT重説に対応していても、契約書への署名や一部の書類が紙で残る場合があります。
IT重説の実施方法や必要な準備は、取引内容と不動産会社の運用によって異なります。希望する場合は、利用端末、通信環境、書面の受け取り方法、当日の本人確認方法を事前に確認してください。

取引当事者の意向と通信環境も確認する

IT重説は「対応物件」という表示だけで決まるものではありません。買主と不動産会社がオンライン説明を行えることに加え、取引の進め方によっては売主側や関係者との調整も必要です。 実施時は、宅地建物取引士証を画面上で確認できる映像品質、説明を聞き取れる音声品質、双方向で質問できる通信環境が求められます。通信が不安定で説明を継続できない場合は、中断や対面説明への切り替えになることがあります。 遠方の物件だから自動的にオンラインになるわけではありません。問い合わせ時に「IT重説を希望している」「電子書面や電子契約にも対応しているか」と、それぞれ分けて確認するのが実務的です。
イエツグくん
IT重説の対応物件はどうやって探せばいいんだろう?

不動産購入時にIT重説を利用できるか確認する方法

IT重説を利用できる不動産売買の確認ポイント 不動産購入時にIT重説を活用できれば、重要事項説明のためだけに遠方から不動産会社を訪れる必要はなくなり、買主の負担が大きく軽減されます。買主が、海外や地方在住、病気、けが、高齢…などの理由で不動産取引が難しいときにも、IT重説は不動産購入を可能にしてくれるでしょう。 IT重説を利用したい場合には、まずIT重説に対応できる事業者を探し、その上で希望の物件がIT重説に対応しているかを確認しましょう。

1.不動産会社へIT重説の対応可否を確認する

まず、物件を扱う不動産会社へ、売買取引のIT重説に対応しているか確認します。古い記事にある「実験事業者一覧」から探す必要はありません。 確認する際は、IT重説だけでなく、重要事項説明書の電子交付、売買契約の電子契約、本人確認の方法、利用できる端末も聞いておくと、後から「そこは紙でした」と慌てずに済みます。

2.物件資料と取引条件を準備する

IT重説を行うには、重要事項説明書などを説明前に確認できる状態にしておく必要があります。電子書面で受け取る場合は、ファイルを開けるか、保存できるか、必要に応じて印刷できるかも確認します。
IT重説前の確認ポイント
  • 映像と音声を双方向で確認できる端末・通信環境がある
  • 重要事項説明書などを事前に受け取っている
  • 宅地建物取引士証を画面で確認できる
  • 説明中に質問でき、通信不良時の連絡方法が決まっている
  • 電子書面・電子契約の対応範囲を別々に確認している

IT重説・電子書面・電子契約の違い

手続き内容確認点
IT重説重要事項説明を映像・音声を使ってオンラインで行う宅建士証の提示、双方向通信、書面の事前準備
電子書面重要事項説明書や契約時書面を電子データで提供する受取側の承諾、保存・閲覧できる環境
電子契約売買契約書などを電子署名等で締結する当事者・関係者の対応状況、対象書類

制度の詳細は、国土交通省「ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について」および「重要事項説明書等の電磁的方法による提供」をご確認ください。

まとめ:IT重説は物件名ではなく、取引体制と準備で確認する

IT重説は、不動産売買でもすでに本格運用されています。ただし「IT重説対応物件」という物件種別があるわけではなく、不動産会社の対応体制、当事者の意向、通信環境、書面の受け取り方法などを確認して利用します。 オンラインで完結できる範囲は取引ごとに違います。IT重説ができても、電子書面や電子契約には対応していない場合があります。遠方からの購入などで利用を希望する方は、物件を決める前に担当会社へ相談し、必要な手続きを整理しておきましょう。 イエツグへ購入相談をいただく場合も、IT重説を希望している旨を早めにお知らせください。物件と取引関係者の状況を確認したうえで、利用できる手続きと紙で残る手続きをご案内します。
イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。 イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
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監修者 亀梨奈美
監修者 亀梨奈美大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。株式会社real wave代表取締役。「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、機関紙から情報サイトまで不動産ジャンルのあらゆる文章を執筆・監修。

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