2022年度税制改正大綱が発表されてから数年が経ち、住宅ローン控除の内容も変化しています。
2025年度の税制改正では、子育て世帯や若者夫婦世帯、そして省エネ住宅への優遇措置が注目されています。この記事では、2025年の住宅ローン控除の最新情報をわかりやすく解説します。
- 2025年度税制改正による住宅ローン控除の変更点
- 住宅の性能や世帯で、控除額はこんなに違う!
- 朗報!中古住宅購入者も必見
- 得する住宅購入のベストタイミング
目次
【知らないと損!】2025年度 住宅ローン控除の変更点

2025年度税制改正により、住宅ローン控除(住宅ローン減税)制度は、より環境性能と子育て支援に重点を置いた内容に変わりました。主なポイントは以下の通りです。
1.住宅ローン控除の控除率0.7%は死守!
2022年度から引き続き、控除率は0.7%です。住宅ローンの金利が低い現在、住宅ローン控除による「逆ざや」現象(控除額が支払利息を上回る状態)は、条件によっては継続します。
ただし、逆ざや解消のために、将来的には控除率が見直される可能性もあります。
2.ここが肝心!借入限度額は住宅性能と家族構成で大きく変わる!
住宅の省エネ性能や世帯構成(子育て世帯、若者夫婦世帯かどうか)によって、借入限度額が細かく設定されています。
住宅の性能 | 通常世帯 | 子育て・若者夫婦世帯 |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 |
省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 4,000万円 |
その他の住宅 | 3,000万円 | — |
※子育て世帯・若者夫婦世帯とは: 19歳未満の子どもがいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯。
例1)長期優良住宅(新築)で5,000万円借り入れた場合(子育て世帯):年間最大35万円控除(5,000万円×0.7%)
例2)省エネ基準適合住宅(新築)で3,000万円借り入れた場合(一般世帯):年間最大21万円控除(3,000万円×0.7%)
3.朗報!中古住宅の築年数要件が緩和!
中古住宅に関する築年数要件は、「昭和57(1982)年以降に建築された新耐震基準適合住宅」に緩和されています。
- 登記簿謄本上の新築年月日で判断されます。
- 2025年度においては、中古住宅の借入限度額はいずれの住宅も3,000万円です。
- 中古住宅取得後にリフォームを行う場合、一定の条件を満たせば、リフォーム費用も控除対象となる場合があります
4.控除期間は原則死守!
原則として、新築住宅は13年間、中古住宅は10年間です。
2024年以前は、特例で控除期間が延長されていましたが、2025年度は原則の期間に戻りました。
住民税からの控除上限は9.75万円/年(前年課税所得の5%)
所得税から控除しきれない場合には住民税からも控除されます。
5.朗報!子育て・若者夫婦世帯は床面積要件が緩和!
子育て世帯や若者夫婦世帯に対しては、床面積要件が50㎡から40㎡に緩和。
ただし、合計所得金額が1,000万円以下の世帯に限ります。
所得制限の1,000万には給与所得の他、不動産所得なども含まれます。
所得制限:住宅ローン控除を受けるには、年間所得が2,000万円以下である必要があります。
(注意点)
所得は、給与所得だけでなく、不動産所得、事業所得なども合算した金額です。
夫婦で住宅ローンを組む場合(ペアローンなど)は、それぞれに所得制限が適用されます。
【早見表】住宅性能で控除額はこんなに違う!最大控除額をチェック!
控除期間 | 年間最大控除額 | 最大総控除額 | |
通常世帯 | |||
長期優良住宅・低炭素住宅 | 13年 | 31.5万円 | 409.5万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 13年 | 24.5万円 | 318.5万円 |
省エネ基準適合住宅 | 13年 | 21万円 | 273万円 |
その他の住宅 | 13年 | 21万円 | 273万円 |
中古住宅 | 10年 | 21万円 | 210万円 |
子育て・若者夫婦世帯 | |||
長期優良住宅・低炭素住宅 | 13年 | 35万円 | 455万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 13年 | 31.5万円 | 409.5万円 |
省エネ基準適合住宅 | 13年 | 28万円 | 409.5万円 |
(具体例)
ケース1: 長期優良住宅(新築)を5,000万円で取得(子育て世帯)
年間最大控除額:35万円(5,000万円 × 0.7%)
13年間の最大総控除額:455万円
ケース2: 中古住宅を2,500万円で取得、その後500万円かけて省エネリフォーム
年間最大控除額:住宅取得分:17.5万円(2,500万円 × 0.7%)
リフォーム分:リフォームの内容によって別途控除を受けられる場合がある(子育て対応リフォームなど)。最大で50万円(500万円×10%)
最大総控除額: 175万円+リフォームによる控除

これからの住宅ローン控除を考えれば、2025年に不動産売買するメリットは大きいとも考えられるんだよ!
【2026年以降】住宅ローン控除はどうなる?制度廃止の可能性は?
2026年度以降の住宅ローン控除については、現時点では未定です。
ただし、政府は省エネ住宅の普及を推進しており、省エネ性能の高い住宅を優遇する方向性は継続される可能性が高いと予測されています。

「住宅ローン控除は頻繁に改正されるため、常に最新情報を確認することが重要です。特に省エネ基準は厳しくなる傾向にあるため、早めの情報収集と対応をお勧めします。」
【必見】住宅ローン控除を受けるための手続き|必要書類・期限を解説
住宅ローン控除を受けるには、確定申告が必要です。
初年度
必要書類
- 住宅ローン残高証明書(金融機関から発行)
- 登記事項証明書(法務局で取得)
- 売買契約書または請負契約書のコピー
- (中古住宅の場合)耐震基準適合証明書、既存住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書のいずれか
- (認定住宅の場合)認定通知書のコピー
- 源泉徴収票(会社員の場合)
- (リフォームの場合)増改築等工事証明書
提出先: 住所地を管轄する税務署
提出期限: 原則として、住宅を取得した年の翌年の2月16日から3月15日まで
2年目以降
会社員の場合は、年末調整で手続きが可能です。
必要書類:
住宅ローン残高証明書
給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書(税務署から送付)
【落とし穴に注意!】住宅ローン控除の適用で失敗しないための5つのポイント
- 所得税額が少ない場合、控除額を全額控除しきれない場合があります。
- 住宅ローン控除とふるさと納税を併用する場合、住民税からの控除額に上限があるため、ふるさと納税の控除額が減額される可能性があります。
- 住宅ローン控除の申告を忘れていた場合でも、5年以内であれば遡って申告(還付申告)が可能です。
- 所得制限は必ず確認しましょう
- 省エネ基準を満たしているか必ず確認しましょう。
困ったときはプロに相談!住宅ローン控除の相談窓口
金融機関: 住宅ローンの相談窓口で、住宅ローン控除についても相談できます。
税理士: 住宅ローン控除の適用条件や手続きについて、専門的なアドバイスを受けられます。
国税局電話相談センター: 住宅ローン控除に関する一般的な質問に回答してくれます。
電話番号:各地域の国税局にお問い合わせください。
国税庁HP: https://www.nta.go.jp/
まとめ:2025年度住宅ローン控除は、子育て・省エネ重視!最大455万円の減税を勝ち取ろう!
2025年度の住宅ローン控除は、控除率や控除期間は維持しつつ、子育て世帯・若者夫婦世帯や省エネ住宅への優遇を強化する内容となっています。
住宅の購入やリフォームを検討している方は、ご自身の状況に合わせて、この制度を最大限に活用しましょう。不明な点がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。
住宅ローン控除の適用要件については複雑なため、私の方で誰でも簡単にローン控除の適用可否を判断できる簡易ツールを作成しました。
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