マンションの「購入」と「賃貸」どちらにすべき?という問題は、住宅選びの永遠のテーマともいえるでしょう。
もちろん、ご家族それぞれの希望や事情がある中、「購入が絶対得」「賃貸の方が確実にいい」ということは決してできません。しかし、どちらか悩んでしまう方は、両者を比較してみるといいでしょう。
マンションの購入も賃貸も、それぞれにメリットがある一方、デメリットも存在します。それらは、仕事や家族構成など住む側の条件によっては、無視できない大きなものになることも。そこで本記事では、マンションを購入した場合と賃貸マンションを借りた場合、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
- マンションを購入するメリット・デメリット
- 賃貸マンションのメリット・デメリット
- マンション購入のデメリットを解消するための方法
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
目次
マンションを購入するメリット
マンションを購入すると、多くの場合毎月ローンの返済が発生します。向こう数十年の間、ずっと支払い続けるローンを抱えることになりますが、それを踏まえても分譲マンションの購入は、マンションを借り続ける上ではない大きなメリットがあります。
自分の資産になる
分譲マンションの購入は、そのマンションを自分の持ち物にするということです。
マンション購入の際にはローンの返済という形で、毎月支払いが発生します。賃貸物件も毎月家賃を支払いますが、賃貸の家賃はあくまで賃料、いわば部屋の使用料金です。
一方でローンの返済は購入代金の支払いですので、代金を支払い終われば、手元に分譲マンションが残ります。
購入したマンションは自分の持ち物ですので、使い方も自由です。将来地域の地価が高騰し、マンション価格も上がるようなら売却してもよし。転勤などで一時的に住めないなら、賃貸に出すこともできるでしょう。
また、同じような立地・築年数・広さのマンションなら、「賃料」より「ローン返済」の方が安くなるのが一般的。もちろん住宅ローンの返済期間や借り入れ状況にもよるところではありますが、たとえば「5万円の家賃」では賃貸住宅の選択肢が狭いですが、「月々5万円のローン返済」という条件で購入するマンションを選べば、選択肢が広がるだけでなく、多くの場合でより好条件のマンションに住めるはずです。
部屋を改修できる
購入したマンションならば、部屋の中を自由に改修することができます。
賃貸マンションは、あくまで借り物。所有権者である大家や管理会社の許可無しでは、壁に釘を打つことや、インターネットの回線を引くための工事も行う事ができません。もし賃貸マンションで大規模な改修を行ってしまうと、退去時に高額の原状回復費用を請求されてしまうこともあります。
一方で購入したマンションは、所有権が自分自身にあります。壁紙の張り替えや、畳からフローリングへの張り替えなど、自分が思うとおりに改修しても問題ありません。個性や多様性が求められるこの時代に、住まいを改修できることは、大きなメリットだといえるでしょう。
ただし、マンションは多くの世帯が暮らす集合住宅です。改修によって耐震性が下がってしまったりすれば、一大事。そのため、壁を取り払うなど大規模な改修は、マンションの管理規約によって認められないこともあります。改修前には、どこまで改修してもよいのか、管理会社などに確認しておきましょう。また、改修には騒音や振動が伴うこともあるため、上下左右にお住まいの方には、事前にご挨拶に伺うといいですよ。
団体信用生命保険に加入できる
マンションを購入すると、住宅ローンの保障制度の一つである「団体信用生命保険(団信)」に加入することができます。
団信は、住宅ローン支払中の加入者が死亡や高度障害などにより返済ができなくなった場合、残りの住宅ローンを弁済する保険制度です。
住宅ローンは、数十年という長期間に渡って返済していくものです。この長い期間の中、ローンの契約者が事故や病気といったトラブルに見舞われることは、特別珍しいことではありません。
万一のとき、加入者や遺された家族の力になるのが団信。団信に加入していれば、ローンの残債を弁済してくれるため、購入したマンションを手放さずに住み続けられます。賃貸住宅に住み続けるとなると、一家の大黒柱の方に何かあったときも、その後の住まいは保障されません。
団信は、死亡・高度障害に備える基本的なプランの保険料は無料です。ただし、別途追加で保険料を支払うことで、特定の疾病を対象とした特約をつけることもできますので、家族の健康状態などに合ったローン対策を取ることができるでしょう。
ローン返済額の調整ができる
長期にわたる住宅ローンの返済が不安で、なかなかマンション購入に踏み切れない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
たしかに、住宅ローンの返済は35年など長期にわたるもの。その間に、収入が維持できるか、支払いが継続できるか不安ですよね。しかし、収入減や病気などによって住宅ローンの返済が厳しくなってしまった場合には、返済額の調整を申請できます。
住宅ローンの返済が難しい場合には、ローンを組んでいる金融機関に相談すると、現在の経済状態に応じて、毎月のローンの返済額調整やボーナス払いの撤廃など、ローンの計画変更に応じてもらえる場合があります。
画像引用:金融庁
とくに、昨今の新型コロナウイルスの影響による住宅ローン返済難に対しては、金融庁から各金融機関へ、顧客の要望に柔軟に対応するよう要請が出されています。
マンションを賃貸するメリット・デメリット
家賃を支払って借りる賃貸マンションは、分譲マンションと異なり、いくら家賃を支払ってもその部屋は自分のものにはなりません。
しかし、購入マンションにはないメリットもあり、好んで賃貸マンションを選ぶ人も多くいます。
マンションを賃貸するメリット
好きな時に引っ越せる
賃貸マンションの最大のメリットとも言える点は、住まいの自由度が高いことです。
- 急な転勤が決まった
- 部屋が手狭になってきた
- もっと住みたい地域が見つかった
- なんとなく今の住まいに飽きた
- 親と同居が決まった
- 離婚
メンテナンス費がかからない
賃貸マンションでは、住まいにかかる費用は家賃だけ。賃貸マンションの修繕費は、原則としてその物件のオーナーや管理会社が負担します。また、部屋に備え付けられたエアコンやキッチンなどの設備が故障した場合の修理は、オーナーや管理会社が対応してくれます。もちろんわざと手荒に扱ってはいけませんが、設備に対する出費を心配しなくてよいのは嬉しいメリットです。
一方で、マンションを購入すると、住宅ローンの返済のみならず、管理費や修繕積立金、固定資産税など、継続的にかかる費用がけっこうあります。これとは別に、居室内の設備の故障ももちろん所有者負担です。
初期費用が安い
住み始める際の初期費用が安い点も、賃貸マンションならではの大きなメリットといえるでしょう。
賃貸マンションに住み始めるときには、契約に関する諸経費や一部家賃の前払いなどで、ある程度まとまったお金を払わなければなりません。
その初期費用はおよそ家賃の4~6ヶ月分程度。しかし、マンションを購入するとなると、初期費用としてマンションの価格の7%ほど(中古物件の場合)がかかります。初期費用を考えれば、賃貸マンションに住むためのハードルは非常に低いといえるでしょう。
賃貸の場合、初期費用には敷金・礼金の他、仲介する不動産会社への仲介手数料も含まれます。仲介手数料が安い不動産会社で礼金無しの物件を選ぶなど、工夫次第ではさらに初期費用を安く抑えられるはずです。
賃貸マンションのデメリット
身軽さ、手軽さが大きなメリットに見える賃貸マンションですが、借りている物件であるために生まれるデメリットも少なからず存在します。
自由に改修できない
賃貸マンションは原則として、自由に改修することはできません。
長い時間を過ごす部屋の中を、自分好みにアレンジしたいと思う人は多いでしょう。カーテンやカーペットを取り替えるだけでなく、時には大改修が必要なアレンジを求める人もいます。
しかし賃貸マンションはあくまでオーナーの持ち物であるため、借主が自由に改修することはできません。許可をとらずに壁に釘を打ってしまえば、それを理由に多額の原状回復費用が求められることもあります。
原状回復の費用負担は、賃貸物件に関するトラブルの中でも代表的といわれるほど頻発しています。賃貸マンションを借りるなら、あくまで部屋を借りているということを強く意識し、元に戻しやすい範囲での改修に留めておきましょう。
家賃支払い額の調整がしにくい
画像引用:厚生労働省
何らかの理由により家賃の支払いが難しくなった場合、支払い額の調整をしにくいのが賃貸マンションの特徴の一つです。
家賃は一般的に、毎月月末に翌月分の賃貸料を支払う契約となっています。その金額は毎月一定ですが、借主の経済状態が悪化して規定額の支払いが難しい場合でも、減額・免除は原則として受けられません。
なお、新型コロナウイルスを理由に収入が減少した場合「住宅確保給付金」の支援を受けることができます。もし家賃を滞納してしまう恐れがあるなら、その他の給付や無利子の貸付なども併用し、住居を失わないような対策をとりましょう。
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マンションを購入するデメリットと解決策
マンションの購入には、一定のデメリットも存在します。
場合によっては生活スタイルが大きく制限されることもあるため、マンションを購入することが必ずしも正解とはいえません。
転居しにくい
マンションを購入すると、転居が難しくなります。
せっかくマンションを購入したのに、急な転勤や家庭の事情など、何らかの理由でその場所に住めなくなってしまうこともあるでしょう。そのような場合、もし賃貸なら契約を解除して引っ越すこともできます。しかし購入したマンションに住んでいるなら、簡単に手放して気軽に引っ越しすることは困難だといえるでしょう。
解決策
マンションを所有していても転居しやすくする秘訣は、資産価値が低下しにくいマンションを選ぶことです。
購入したマンションが手放しにくい要因となるのは、住宅ローンが完済できないことや売却損が発生してしまうこと。たとえば、3,000万円でマンションを購入し、5年後に転居しなければならなくなったとしても、ローン残債2,500万円に対して2,800万円で売れるとすれば、問題なく売却し、転居できますよね。
では、資産価値が低下しにくいマンションとはどんなマンションなのでしょうか?
一概には言えませんが、資産価値が低下しにくいマンションは以下のような条件を持つマンションです。
- 駅近(できれば駅から徒歩5分以内)
- 築浅(立地さえよければある程度築年数が経っていてもOK)
- ブランドマンション
- タワーマンション
維持費が高額
分譲マンションは、ローンの返済とは別に管理費や修繕積立金、固定資産税がかかります。この点を、デメリットと捉える人もいらっしゃることでしょう。
賃貸マンションなら修繕費用は管理会社やオーナーが負担しますが、分譲マンションの場合には各部屋の権利者が分担して負担しなければなりません。マンションは10年から15年程度の周期で、大規模な修繕を行う必要があります。マンションの修繕費は高額になるため、長い期間で少しずつ積み立てる必要があるんですね。
解決策
購入したマンションの維持費は、決して安くありません。しかし、先述したように、同等の条件のマンションを借りる場合と買う場合では、「家賃>ローン返済額」になることがほとんど。管理費や修繕積立金、固定資産税を加えたとしても、年間支払額は、年間家賃総額と変わらない、もしくは家賃の方が高額なくらいです。
マンションを購入するということは、マンションが「住まい」だけでなく、「資産」にもなるわけです。マンションを購入した場合の維持費は、「住まいの維持」とともに「資産の維持」にかかる費用だということ。マンション購入に際し、これらの費用を含めて予算を決定すれば、維持費が大きな負担になることはないはずです。
初期費用が高額
マンションを購入する際には、多額の初期費用が必要です。その金額は今後の人生にも大きく影響を及ぼしかねない大きな額のため、マンションを購入するための壁となっています。
マンション購入時には、およそマンション本体価格の7%程度の諸経費がかかるといわれています。その内訳は税金や手数料など。仮にマンションが3000万円だとすれば、200万円程度の費用が必要です。
手付金を含めれば、さらに初期費用は倍増。一度に数百万円が必要になるため、気軽に購入に踏み切るわけにはいかないでしょう。
解決策
マンション購入の諸費用のうち、大部分を占めるのは不動産会社に支払う仲介手数料です。
仲介手数料額は不動産会社が自由に定めていいことになっていますが、上限額だけ法律で決まっています。
マンション価格×3%+6万円
ただし、不動産会社の多くは、上記「上限額」で仲介手数料を請求してくることがほとんど。不動産業界では、価格競争があまりされていないのが現状なのです。
弊社イエツグは、そんな不動産業界に疑問を呈し、仲介手数料の定額制を取り入れております。
具体的に言えば、イエツグの仲介手数料は182,900円(税別)の定額制。さらに売主から仲介手数料を受領できるマンションについては、買主様の仲介手数料はゼロ+キャッシュバックにて仲介させていただいてております。
マンション購入の初期費用を抑えるには、仲介手数料を抑えるしかありません。その他、不動産取得税や登録免許税は節約できない費用ですからね。お得にマンション購入したいという方は、ぜひイエツグにご相談ください。
まとめ:マンションの購入と賃貸にはそれぞれメリット・デメリットがある
住まい選びは、人生の中でもっとも大きな選択の一つです。マンションの購入・賃貸の選択次第で、将来は大きく変わります。どんな生活を送りたいか、どんな人生設計を考えているのかを踏まえて、慎重に選択するようにしてください。
弊社イエツグでは、宅建士はもちろん、FPや住宅ローンアドバイザーなど資金計画のご助言もできる専門家が在籍しております。マンション購入と賃貸のどちらがよいかなど、お客様のライフスタイルに合わせたご提案をさせていただきます。マンション選びでお悩みの際には、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
マンションを買うか借りるかの選択は、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、家族の希望やライフスタイルに合わせて選ぼうね!