マイホーム購入に失敗しないための資金計画とは?立て方や注意点をわかりやすく解説!

初めてマイホームを購入される方は「いくらまでの家を購入して良いのか分からない」と、悩まれるケースが非常に多いものです。

ご自身が購入できる住宅の価格を知るためには、資金計画を立てなければなりません。

住宅は人生でもっとも大きな買い物ですから、資金計画を怠ってしまえば、将来的に家計が苦しくなったり、最悪の場合、住宅ローンが返済できなくなったりする恐れがあります。

そこで本記事では、「マイホーム購入に伴う資金計画の立て方や注意点」について解説します。

この記事で分かること
  • マイホーム購入時の資金計画の立て方
  • 資金計画を立てる際の注意点
  • 資金計画を立てる前に確認すべきこと
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
イエツグくん
『気に入った物件が予算に合わなくて買えない!』なんてことにならないためにも、資金計画にまず取り掛かるべきだよ。

マイホームの資金計画とは資金調達から返済完了までの計画

住宅購入における資金計画とは、資金の調達から返済完了までのお金の動きを計画することです。「予算立て」だけではなく、返済のための資金調達と、返済完了までの具体的なスケジュールなども含まれます。

資金計画は非常に細かい作業ですので、途中で面倒になってしまい、どんぶり勘定感覚で資金計画を進めてしまう方も少なくありません。

しかし資金計画が雑だと、後々の返済で行き詰ってしまったり、そもそも住宅ローンを融資してもらえないなど、様々な壁に突き当たってしまいます。

そのため資金計画は、現状と照らし合わせながら注意深く立てることが大切です。

マイホーム購入における資金計画の立て方をシミュレーションと併せて解説

まずは、資金計画の立て方について、次の7つの手順に分けて順番に解説していきます。

  1. 現時点と将来の収支を明確にする
  2. 月々に返済できるローン費用をシミュレーションする
  3. 返済期間と照らし合わせる
  4. 借入可能額を計算する
  5. 諸費用についてシミュレーションする
  6. 予算を設定する
  7. 希望の住まいの費用と予算を照らし合わせる

1.現時点と将来の収支を明確にする

住宅ローンは、35年など長期にわたって返済していくものです。そのため、ローンを借り入れる時点のみならず、将来の収支まで明確にしておくとマイホーム購入の予算が分かりやすくなります。

  • 現時点でどれくらいの収入があるのか
  • 今後収入が上がる見込みはあるのか
  • 子供のライフイベントでお金がかかることはあるか

また収支を明確にするときは、以下のようにライフイベントやライフスタイルの変化に伴う収支を忘れないようにします。

  • 車を買う
  • 手術の予定がある
  • 〇年後は収入やボーナスがアップする
  • 児童手当など、国からの援助が終了する

現時点で想定できる収支の変動も視野に入れたうえで、資金計画をスタートしましょう。

2.月々に返済できるローン費用をシミュレーションする

次に、現在の年収をもとに、月々に返済できる金額をシミュレーションしましょう。資金計画においては、住宅ローンを毎月どれだけ返せるのか考えることが非常に重要です。

住宅ローンの年間返済額は、額面年収の25%以下の返済比率が目安とされています。

返済比率とは
返済比率とは年収のうち住宅ローンの返済に充ててもよい割合のこと

しかし住宅の購入後は、ローンの返済だけでなく食費や光熱費などの生活費がかかります。お子さんがいるご家庭では、教育費についても考慮しなければなりません。

そのため住宅ローンの返済額を考えるときは、ご家庭の状況に応じた返済比率の設定が必要です。

【年収と返済比率に伴う毎月の返済額】

年収
返済比率 300万円 400万円 500万円 600万円 700万円 800万円
15% 37,500円 50,000円 62,500円 75,000円 87,500円 100,000円
20% 50,000円 66,667円 83,333円 100,000円 116,667円 133,333円
25% 62,500円 83,333円 104,167円 125,000円 145,833円 166,667円

上記の金額をもとに「今の収入であれば月々〇万円までなら返済できる」「仮に収入が下がっても月々〇万円の返済であれば問題ない」など、それぞれの事情と照らし合わせたうえで月々の返済額を考えてみましょう。

ただし、住宅を購入したあとの住居費は、ローンの返済と併せて、以下の諸経費を考慮する必要があります。

マンション 戸建て
・管理費
・修繕積立金
・駐車場代
・将来発生する物件の修繕に備えた積立金

たとえば、年収500万円、返済比率20%の場合は、毎月の返済額の目安は83,333円です。しかしマンションを購入する場合は、83,333円から管理費や修繕積立金などを差し引く必要があります。

そのため、管理費や修繕積立金を月々2万円と考えた場合、理想の返済額は毎月63,333円となります。

また住宅ローンの返済シミュレーションは、「転職」「転勤」「配偶者の退職」などのライフイベントが、将来起こる可能性も視野に入れましょう。

3.返済期間と照らし合わせる

月々の希望返済額が決まったら、続いて「返済期間」を決めます。

返済期間を決めるときには、「とりあえず最長の35年!」とは決めず、「いつまでに返済を終えたいか」を考えるようにしましょう。

  • 子ども大学に進学するまで
  • 定年まで
  • 80歳まで

希望の完済時期は各ご家庭によってさまざまでしょうが、定年後も返済しなければならない場合には、公的年金や貯蓄、退職金など、なにをローンの返済に充てるのかも考えておかなければなりません。

4.借入可能額を計算する

月々の返済希望額と希望の返済期間が決まったら、続いては「借入可能額」を計算します。

返済比率には、住宅ローン以外の借り入れも含まれ、また金利によっても月々の返済額は変わってくるため、借入可能額を算出するには以下の計算式が用いられます。

・借入可能額=(年収×返済比率÷12−他の借入返済額)÷「審査金利◯%で100万円を◯年借りた場合の毎月の返済額」×100万円
※「審査金利◯%で100万円を◯年借りた場合の毎月の返済額」はこちらの表で確認できます

審査金利とは
審査金利とは、金融機関が住宅ローンの審査をする際に用いる金利です。
審査金利の値は金融機関によって異なりますが、2020年6月時点は3〜4%ほど。住宅ローンの利息を計算する際に用いる金利(適用金利)よりも高くなります。

ここで、以下の条件における借入可能額を計算してみましょう。

  • 年収:550万円
  • 返済比率:25%
  • 返済期間:35年
  • 審査金利:3.1%
  • 審査金利3.1%で100万円を35年借りた場合の毎月の返済額:3,904円
  • 他の借り入れ返済額:なし

・借入可能額=(年収×返済比率÷12−他の借入返済額)÷「審査金利で100万円を○年借りた場合の毎月の返済額」×100万円
=114,583円÷3,904円×1,000,000円
≠2,930万円

住宅ローンの借入可能額の計算方法をどこよりもわかりやすく解説!

5.諸費用についてシミュレーションする

住宅を購入する際は、以下のような諸費用が必要になります。諸費用は決して安い金額ではありませんので、資金計画時に把握しておかなければなりません。

住宅購入に必要な諸費用の例 住宅ローンに必要な諸費用の例 その他の諸費用の例
・仲介手数料
・手付金
・印紙税
・登記費用
・保険料(火災保険 地震保険)
・保証料
・事務手数料
・団体信用生命保険料
・引っ越し費用
・新調する家具家電の購入費用

上記のうち手付金は、住宅を予定通り購入した場合は、住宅の購入代金に充当されるのが一般的です。しかし手付金を支払ったあとに、住宅の売買契約を破棄すると、手付金は戻ってきません。

諸費用は、中古戸建てや中古マンションを購入する場合、物件価格の6〜9%ほどかかります。例えば、3,000万円の物件を購入する場合の諸費用は、180〜270万円が目安です。

6.予算を設定する

借入可能額と諸費用に自己資金や援助してもらえるお金を加えて、適切な予算を設定します。具体的な計算式は、以下の通りです。

・住宅購入予算=(借入可能額+自己資金・援助資金)÷(1+諸経費の割合)

ここで、以下の条件における予算を計算してみましょう。

  • 借入可能額:3,000万円
  • 自己資金・援助資金600万円
  • 諸経費の割合:住宅本体価格の7%

・住宅購入予算=(借入可能額+自己資金・援助資金)÷(1+諸経費の割合)
=(3,000万円+600万円)÷1.07
=約3,364万円

予算はあくまでも「可能な範囲」で設定することが大切。現時点の家計に大きな影響が出ないよう考慮して予算を設定してください。

7.希望の住まいの費用と予算を照らし合わせる

希望の住まいの費用と予算を照らし合わせてみましょう。

予算内であれば問題はありません。しかし予算をオーバーしたは「予算を増やす」か「住宅の希望条件を見直す」必要があります。

予算を増やす場合は、ローンの返済額が住宅購入後の生活を圧迫しない範囲で調整しましょう。

また、住宅の希望条件の見直し例は、以下の通りです。

  • 駅から距離のある物件も視野に入れる
  • 築年数が経過している物件も考慮に入れる
  • 床面積の狭くしたり部屋数を少なくしたりする など

住宅購入後の生活に支障が出ない範囲で、条件を見直してみてください。

また、これから住宅を探される方は、不動産会社に見積もりを作成してもらうことで、予算と照らし合わられます。

なお、住宅購入にかかる諸費用や手付金は現金で用意しなければならないので注意しましょう。

不動産の売買契約で手付金の支払いが必要な理由は?相場や返還される事例も解説

マイホーム購入の資金計画は何に注意が必要?

ここからは、マイホーム購入において失敗の原因になりやすい「注意点」についてご紹介します。

金利タイプは慎重に選ぶ

住宅ローンの金利タイプには、大きく分けて以下の3種類です。

特徴 借入当初の金利 適用金利の目安
(2020年6月時点)
変動金利 返済期間中に金利が変動する可能性がある 最も低い 0.4%~0.875%
固定金利 返済期間中の金利は固定 最も高い 1.1~1.75%
固定期間選択型 3〜10年ほどの固定期間の後に変動金利に移行する 変動金利以上
固定金利以下
0.55〜1.60%

※適用金利とは実際に住宅ローンの利息額を計算するときに用いられる金利

このように金利の値だけを比較すると、変動金利が最も低いです。そのため変動金利を選ぶと、金利が低い間は効率的に返済元金を減らしていけます。

しかし変動金利は、返済期間中に状況に応じて金利が上下します。そのため、途中で金利が上昇した場合、計画通りに住宅ローンを返済できなくなる可能性があるのです。

また「返済期間中に金利が上がって返済負担が上がったらどうしよう」と不安を抱えながら暮らしたくない人は、固定金利を選択した方が安心でしょう。

このように住宅ローンの金利を選ぶときは、金利タイプそれぞれの良い面と悪い面を理解したうえで、自分にとってどれが一番良いか考えることが大切です。

住宅ローンの「金利タイプ」による違いを徹底解説!withコロナ時代のおすすめは?

ボーナスや臨時収入の利用も検討する

住宅ローンの返済に、ボーナスや臨時収入が充てられないか考えてみてください。

ボーナスや副業などの臨時収入で、繰り上げ返済をすると返済期間が短くなることで、ローンの利息負担を軽減できます。

さらに繰り上げ返済を行うと、住宅の購入時に支払った住宅ローンの保証料が、いくらか戻ってくることもあります。

定期的にボーナスがある方や、臨時収入が期待できる方は、積極的に資金計画に取り込みましょう。

返済期間中も定期的に返済計画を見直す

返済がスタートしても、資金計画は完了しません。ライフスタイルの変化やライフイベントなどで資金計画を立てた当時と将来の状況は異なります。

そのため、返済期間中も定期的に返済計画の見直しましょう。状況によっては、月々の返済額を調整したり、住宅ローンの返済方法を変更したりした方が良いこともあります。

また返済計画を見直すタイミングは、1~3年に1回が目安です。

マイホームの資金計画を立てる前に確認するとよいこと

最後に「資金計画を立てる前に確認しておくと良いこと」を解説します。

援助の有無や具体的な金額

両親や親戚などからの資金援助は、貴重な資金調達手段です。援助の有無や、援助の具体的な金額について確認し、援助が受けられそうであれば資金計画に組み込みましょう。

また親や祖父母のような血の繋がりのある人から、住宅購入の資金提供を受けると、贈与税の税負担を軽減できます。

住宅購入時に限らず、1月1日〜12月31日までの間に、他人から贈与された財産の合計金額が非課税枠である110万円を超えると、超過した財産は贈与税の課税対象です。

しかし住宅を購入する際に、親や祖父母などから住宅購入資金の援助を受けた場合、購入する住宅の種類や契約を結んだ日に応じて贈与税の非課税枠が拡大されます。

契約を締結した日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
2020年4月1日~2021年3月31日 1,500万円 1,000万円
2021年4月1日~2021年12月31日 1,200万円 700万円

このような非課税枠を上手く活用することで、余計な税金を支払うことなく、住宅の購入が可能です。

増税後に不動産を賢く購入するための4つの支援制度

住宅購入の特例措置や優遇制度を確認する

住宅を購入すると、以下のような制度を利用して減税を受けられたり、給付金を受け取れたりします。

内容
住宅ローン控除 ・年末時点の借入残高の最大1%を所得税や住民税から差し引いてくれる制度

・控除期間は最大10年だが、消費税10%が適用される住宅を購入し所定の期間までに入居すると住宅ローンの控除期間が13年に延長される

すまい給付金 ・所得税の金額が低く住宅ローン控除の恩恵を十分に受けられない人に対して給付金を支給する制度

・所定の条件を満たすとすまい給付金の支給額と支給対象となる年収が拡充される

住宅ローン控除が13年間に延長中!節税効果の違いをシミュレーションしてみた

利用できる制度や、制度の利用によって得られる効果は個人によって大きく異なるため、資金計画を立てる前に活用できるものがないか確認してみましょう

まとめ:マイホーム購入の資金計画もイエツグにおまかせ

マイホームは、人生でもっとも大きな買い物です。だからこそ、資金計画は慎重に行い注意深く精査することが大切だといえます。

マイホームの購入を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしながら資金計画を進めてみてください。

また弊社イエツグには、FPや住宅ローンアドバイザーの有資格者が在籍しておりますので、物件選びのみならず、あなたにとって無理のない資金計画を立てるお手伝いもさせていただきます。ご予算を決めかねていらっしゃる方も、どうぞお気軽にご相談ください。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。



監修者 品木彰
監修者 小林だいさく金融ライター、ファイナンシャルプランナー。
大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。