不動産の売買契約で手付金の支払いが必要な理由は?相場や返還される事例も解説

「住宅を購入する時に、なぜ手付金を支払う必要があるのだろうか?」と、疑問に思われる方は少なくありません。手付金の存在は知っていても、支払う理由相場がいくらなのかをご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

手付金の金額は、数百万円になることもあります。なんのためにあるのか分からないものに、高いお金を払うのは怖いですよね。

そこで今回は、手付金が存在する理由などや相場をわかりやすく解説していきます。

この記事で分かること
  • 不動産契約で手付金を支払う理由
  • 手付金の相場
  • 売買契約を解除しても手付金が返還される事例
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
イエツグくん
手付金は現金で用意しなければならない費用だよ!どれだけ必要なのか、確認しておこう!

手付金とは不動産の契約時に買主が支払う費用

手付金とは、不動産の売買契約時に、買主が売主に対して支払う費用のことです。手付金には、契約が解除された場合の担保や不動産の売買契約が成立した証拠など、さまざまな意味合いがあります。

解約手付

解約手付とは、手付金の支払いによって不動産の売買契約を解除できる権利が、売主と買主の双方に与えられる手付のことです。日本の不動産の売買契約における手付金とは、多くの場合で解約手付を指します。

解約手付として手付金が買主から売主に支払われている場合、買主もしくは売主どちらかの意思のみで契約の解除(手付解除)が可能です。

たとえば買主が、売買契約の成立後に契約を解除する場合は、手付金を放棄する必要があります。そのため支払った手付金は、戻ってきません。反対に、売主が契約解除を希望する場合は、受け取った手付金を2倍にして買主に返還します。

不動産の売買契約を結んでから物件の引き渡しまでは、1〜2ヶ月ほどかかります。しかし手付金の存在によって、買主と売主は双方とも気軽に売買契約を解除できない状態になるのです。

また手付解除ができる期間は、売主と買主のどちらか一方が契約の履行に着手したときまでとされています。契約の履行とは、たとえば以下のような行為です。

  • 買主が残代金を支払った
  • 売主が物件の所有権移転登記を行った
しかし上記は物件の引き渡し時にまとめて行われることが多いため、売買契約書に手付解除できる期日が明記されているケースがほとんどです。

証約手付

証約手付は、不動産の売買契約が成立した証拠として支払われる手付のことです。

手付金が買主から売主に支払われることで、双方が合意して売買契約が成立したとみなされます。

違約手付

違約手付とは、債務不履行によって売買契約が解除されたときに、手付金を違約金として扱う手付のことです。

たとえば、買主が売買代金を支払わなかったために売買契約が解除された場合、手付金は違約金として売主に没収されます。

反対に、買主が代金を支払ったにもかかわらず売主が物件を引き渡さなかった場合は、買主に手付金を返還したうえで手付金と同額の違約金を支払わなければなりません

不動産の売買契約における手付金の相場と上限

手付金の相場は、売買代金の5~10%程度とされています。たとえば売買代金が3,000万円であった場合の手付金は、150万~300万円です。場合によっては、50万円や100万円などの定額に設定されていることもあります。

また手付金は、売主が不動産会社の場合、「売買代金の20%以内」と法律で定められています。そのため売買代金が3,000万円の場合、設定できる手付金の金額は最大600万円です。

しかし手付金を高額にすると、売主と買主のどちらも売買契約を解除できる権利を行使しづらくなります。反対に手付金の金額を、5万円や10万円などの低い金額にすると、双方とも気軽に解約できてしまいますよね。

そのため手付金の金額は、解約手付としての機能を果たせるように、5〜10%程度に設定されるのが一般的です。

ここで皆様からよくいただく質問事項を1つ紹介します。
「手元に資金が無いので、手付金の額はなるべく抑えたく、10万円の手付金で契約できないか」
とご質問を受けることが多々あります。

もちろん売主様や仲介会社によっては10万円という極端に低い金額の手付金で契約を進めるところもあります。

ただし、大手不動産会社になればなるほど、手付金の額は5%以上ないと契約ができないケースが多くなります。
もしすぐに用意できる手付金が100万円にも満たない場合は、
素直に貯金をしてから住宅探しをしたほうが無難です。

手付金は残代金の精算時に売買代金へ充当される

手付金は、物件が買主に引き渡され残代金を精算するタイミングで、売買代金に充当されるのが一般的です。

本来、手付金は、物件の引き渡し時に売主から買主に返還されます。しかし手付金を売主から買主に返還する手間を省くため、ほとんどの契約で売買代金に充当されるのです。

特約があれば住宅ローンの審査に落ちると手付金は買主に返還される

住宅ローン申請で悩む人

買主が住宅ローンの本審査に落ちてしまった場合、手付金は返還されます。ほとんどの売買契約で、買主が住宅ローンを借り入れられない場合は違約金などを負担することなく解約できる、住宅ローン特約が設定されているからです。

住宅ローンを利用するためには、審査に通過しなければなりません。住宅ローンの審査は、売買契約を結ぶ前におこなわれる事前審査と、売買契約を結んで住宅ローンを契約したあとの本審査に分かれています。

手付金の支払いが行われる売買契約時には、買主は住宅ローンの事前審査に通過しています。しかし以下のようなケースでは、買主が事前審査に通過していても本審査で落とされてしまう可能性があるのです。

住宅ローンの本審査に通過できない事例
  • 事前審査から本審査までのあいだに自動車ローンや教育ローンなど新たな借入をした
  • 事前審査から本審査までのあいだに転職をした
  • 事前審査で申告した内容と事実に相違があった

ただし買主が記載した住宅ローンの申込書に不備があった場合や、審査の結果、変更された金利や借入額などの条件に買主が納得せず、借入を拒否した場合は住宅ローン特約の対象外となります。

他にもある!不動産売買で手付金が返金される事例

住宅ローン対策

住宅ローンの審査のように、買主が自らの意思ではどうにもできない事情によって売買契約を解除する場合、手付金を売主から返還してもらえることがあります。

たとえば買主が現在居住中の自宅を売却できず、物件を新たに購入できない場合は、手付金が戻ってくる可能性が高いです。

また地震や津波といった天変地異で、契約した物件が大きな損傷を負ったときも、多くの場合で売買契約が解除されて手付金が返還されます。

一方で買主の転勤による売買契約の解除は自己都合であるとみなされるため、売買契約を解除する場合は手付金を放棄しなければなりません

いずれにしても、売買契約を解除しても手付金が戻ってくるのは、売買契約書に記載された手付金の返還条件に該当した場合です。そのため売買契約時に手付金を支払う際は、手付金の返還条件を必ず確認しましょう

手付金の返還条件を確認すると売主とのトラブルも避けられる

売主の中には、さまざまな理由で手付金を返還しない人がいます。実際に「結局最後まで返還は無かった」「忙しくて揉め事に対応できず、途中で諦めた」という経験をされた買主もいらっしゃるのです。

とくに悪質な売主は、自身にとって都合良く解釈して手付金の返還から逃れやすくするために、返還条件をあいまいにしていることがあります。

手付金の返還条件を確認していないと、買主が不利益を被ることになるため、契約前に手付金の返還条件を書面で確認するだけでなく、不動産会社にも口頭で説明してもらいましょう

まとめ:不動産の購入時は手付金の支払いも考慮して資金計画を立てましょう

不動産の売買契約を結んでから、物件の引き渡しまでに1〜2ヶ月ほどかかります。この期間内に、売買契約が簡単に解除されないよう、買主は売主に手付金を支払う必要があるのです。

手付金の金額は売買代金の5〜10%が相場で、数百万円になることも珍しくありません。そのため不動産を購入する際は、手付金が高額であっても支払えるように資金計画を立てることが大切です。

弊社イエツグには、FP住宅ローンアドバイザーなどの専門資格を持ったスタッフが在籍しています。そのため弊社にご相談頂くことで、無理のない資金計画を立てられます

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またイエツグの仲介手数料は、安心の一律182,900円。また売主様より仲介手数料を受領できる物件は、買主様の仲介手数料が無料になるだけでなく現金をキャッシュバックいたします。安心かつお得に住宅を購入したい方は、ぜひ弊社イエツグまでご相談ください。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。



監修者 品木彰
監修者 小林だいさく金融ライター、ファイナンシャルプランナー。
大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。