住宅を購入するときは、「町内会費(町会費)」「自治会費」の支払いが必要なケースがあります。
しかし「町内会費や自治会費を支払う理由が分からない」「いくらかかるのか認識していない」という方も多いのではないでしょうか?
町内会費等は1年分まとめて現金払いしなければならないことも多いので、さまざまな諸費用が発生する不動産購入時には必ず知っておくべきことの1つです。
こちらでは、不動産購入時の重要事項説明項目でもある「町内会費」について解説していきます。
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本編の内容は「10:48」からお話させていただいています。
「町内会」や「自治会」と似たものに、「マンションの管理組合」が挙げられます。マンションにお住まいの方やマンション購入を検討されている方は、以下の記事もご参照ください。

不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・賃貸不動産経営管理士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
目次
自治会費・町会費は自治会・町内会が活動するための費用

町内会費は、町内会が活動していくために集められるお金です。集められた町内会費は、以下のような親睦を深める活動や、防災・防災活動、施設管理のための費用に充てられます。
- お祭りなどの行事
- ゴミ収集場の管理
- 防災訓練などの共同活動
- 広報誌の配布
- 町の照明、防災灯の管理
- 子ども会、老人会の運営
また、町内会と自治会は基本的に名称が違うだけで、活動内容にはほぼ変わりがありません。
町内会の会費やルールは地域によって異なる
町内会のルールは組織毎に決められています。そのため会費の金額だけでなく、活動の内容や当番の決め方などは、住んでいる地域によって大きく異なります。
町内会費の相場は、月々200円〜2,000円程度。基本的には月々200円〜300円のところが一番多いですが、地域によっては1円のところも存在します。逆にさらに高額だったり、町内会にある施設の改修などのため、一時的に高額な費用が徴収されたりする町内会もあるようです。基本的には世帯数が多い都心部では費用が安く、逆に世帯数が少ない地方では高い傾向にあります。
町内会費の支払い方法として、毎月納めるところもあれば、1年分を一括納付しなければならないところもあり、地域によってさまざまです。例えば町内会費が月々2,000円の地域で、一括納付が必要な場合、負担額は24,000円と高額になります。
一括納付の場合は住宅購入の諸費用と併せて支払いが必要なケースもあるので、事前に不動産会社に確認するとよいでしょう。
なお、町内会への加入は任意ですが、マンションによっては町内会への加入が半強制のような形になっていることもあります。一戸建ての場合には、「引っ越してきたときに加入・非加入を聞かれる」あるいはこちらも半強制的に町会費を徴収されることもあります。とはいえ、本来、町内会への加入は強制できないもの。これから解説するメリット・デメリットを踏まえ、「絶対加入したくない」という場合にはしっかり町内会に伝えることが大切です。
町内会に加入するメリット

町内会に加入するメリットは、以下の点が挙げられます。
- 町内会の行事やイベントに参加できる
- 住んでいる地域の人とコミュニケーションを取れる
- 人と人との繋がりを強化できる
地域で“つながる”重要性
コロナ禍では、地域コミュニティの重要性が増しました。
災害時や有事の際には、自助・公助・共助が大切になります。要は、自分のことは自分で助けること、消防や警察・自衛隊など公の機関の助け、そして地域の住民同士の助け合いが大事だと言われているんですね。私は元消防士なのですが、大規模災害時には「公助」はあまり機能しないというのが正直なところです。公的機関はもちろん役目を果たしているわけですが、災害が大規模であればあるほど、全ての住人を助けることはできません。そこで重要になってくるのが、地域の助け・地域のコミュニティなのです。
コロナのようなウィルス蔓延もまた、大規模災害と同等に考えるべきだと思います。いまだ第二波、第三波が懸念されますし、諸外国のように日本でもロックダウンのような状態が開始されないとも限りません。もちろん可能性の話ですが、物流が滞ったら…治安が悪化したら…隣の人、地域の人がどんな方なのかわかっていることや日ごろから関わりを持てていることは、あなたの助けになることは間違いありません。
イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
町内会に加入するデメリット
続いて、町内会に加入するデメリットは以下の通りです。
- 付き合いをする頻度が増える
- 自治会費を負担しなければならない
- 町内会の活動に時間が割かれる
また、せっかくの休日に「ゴミ集積場の清掃」や「防犯パトロール」などの当番が周ってくると負担に感じることもあるでしょう。
町内会に加入したくない場合の対処法

町内会や自治会の加入は基本的に任意ですので、町内会費の支払いも強制ではありません。過去の判例においても、「町内会への加入は任意であり強制ではない」という判決が出ています。
そのため町内会に加入する必要性を感じない場合や、活動の方針に賛同できない場合などの理由で加入したくない場合は、加入を断ることが可能です。
ただし、町内会費を払いたくないからという理由だけで、町内会への加入を断ることはあまりおすすめできません。加入を断った場合も、町内会に加入している人たちと今後も同じ地域で生活していくことに変わりないからです。
生活に悪い影響が発生しないように、加入を断った場合に想定されるトラブルや断り方について事前に把握してから、本当に加入を断るのかどうかを慎重に判断しましょう。
町内会に加入しない場合はトラブルに発展する可能性も
町内会に加入しない場合、加入している人たちとの間でトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。
例えば町内会に加入していない人は、ごみ集積場所の掃除にも参加しないため、ごみ集積場所の使用を拒まれるなどの問題に発展する可能性があります。
また、町内会に加入するのが当たり前なほど加入率の高い地域で、町内会への加入を断ると、人間関係が悪化してその地域に住みにくくなってしまいます。
町内会への加入を断るときは、加入を断った場合にどのような影響が出るのかを想定したうえで、判断することがとても大切です。
加入を断る場合の注意点
町内会への加入を断る場合は、加入している人に対して角が立たないように、伝え方に気をつける必要があります。町内会に加入している人に対して無礼な態度を取るのではなく、真摯に気持ちを伝えましょう。
加入したくないという気持ちがある場合、町内会へ加入勧奨する人や、会費を集金する人にするひとに対してネガティブな態度を取ってしまいたくなることもあるでしょう。
しかし、町内会に加入している人との関係が悪化すると、せっかく購入したマイホームに住みにくくなり、自分や家族が辛く悲しい思いをする可能性があります。
せっかく購入したマイホームで快適に暮らしていくためにも、断り方には十分注意しましょう。
不動産を購入したいけど町内会費・自治会費が負担…という方はイエツグに相談を!

不動産購入直後には、町内会費として数万円支払わなければならない可能性があります。不動産購入には以下のような諸費用がある中、その負担は小さいものではありません。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 住宅ローン借入にかかる諸費用
- 固定資産税精算税清算金
⇒これらの諸費用は、購入物件価格の7%前後にもなるといわれています。
イエツグは、不動産購入時の仲介手数料が定額18万2,900円(税別)。買い替えのお客様には、仲介手数料が定額になるだけではなく、住宅診断や既存住宅貸保険、ハウスリーニングのサービスを付帯させていただいております。また、売主様より仲介手数料を受領できる物件については、「買主様仲介手数料無料+紹介者様仲介手数料55%キャッシュバック」というプランをスタートしました。
まとめ:町会費・自治会費は地域のコミュニティを形成するための費用
町会費とは、町内会の親睦や安全のために使われる費用です。住宅を持つとさまざまな初期費用やランニングコストが発生しますが、町内会費は、とくに今まで賃貸住宅だった方には馴染みがない諸費用でしょう。
町内会費は、固定資産税や都市計画税などの税金と比べると安いかもしれません。ただし地域によっては、家計を圧迫するほど町内会費が高いケースもあります。
町内会の活動や町内会費の負担に抵抗があり加入を断るときは、今後の生活への影響も考えた上で、伝え方や態度には十分に注意しましょう。

大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。