マンションは「管理」が重要!購入前に調べておくべきことは?

マンションは、ひとつの建物に複数の家庭が住む集合住宅です。多くの人々が住むマンションは、適切に管理されることではじめて長く安全に住み続けられます

管理状態の良さは、マンションの住みやすさと資産価値の維持にとって重要な要素。そのため、購入したいマンションの管理状況は必ずチェックするようにしましょう。

本記事では、マンション管理の仕組みと、マンション購入時の管理状態チェックのポイントを解説していきます。

この記事でわかること
  • 管理組合の役割
  • 管理組合と管理会社の関係
  • マンション購入前にできる管理状況のチェック方法
イエツグくん
マンションの管理状況は、購入後に快適に暮らせるか?資産価値を維持できるか?に関わる重要なことだよ!
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

マンションの管理は「管理組合」主体でおこなわれる

かつて、“秀和レジデンス”というマンション広告のキャッチコピーで「マンション買うなら管理を買え」というフレーズが話題となりました。今でもマンション購入時に、お約束事のように語られるこのフレーズ。つまりは、「管理が行き届いたマンションを買え」ということですよね。

マンションの管理は、「管理組合」という組織によって行われます。管理組合の活動は、マンション全体の施設管理だけではありません。住民が住みやすい環境を維持するルールの制定、住民同士の交流をうながすイベント開催など多岐に渡り、住民の生活に大きな影響を与えます。

管理組合の活動は、まさに「管理が行き届いたマンション」そのものを作る活動なのです。

管理組合とはマンションを維持・管理するための組織

管理組合は、マンションの住人で結成される「マンションの管理・運営を行う組織です。

分譲マンションの購入者は、そのマンションの「区分所有者」となり、建物全体を自分たちで管理する義務を負います。

しかし、個々の家庭でマンション全体の管理を行うことは非常に困難です。そのため、分譲マンションでは住人の集合体である「管理組合」を組織。住民の代表である「理事会」主導のもと、各々が当事者として次のようなマンション管理に関わります

共用部分の清掃

マンションは、各部屋の内部である「専有部分」と住民が共同で使用する「共用部分」に分かれます。廊下やエントランスホール、駐車場などの共用部分は、管理組合によって清掃され、きれいな状態に保たれます

設備点検・保守

マンションに備えられた各設備の点検・保守を行います。対象はエレベーターや消防設備、水道設備など、マンション全体の生活・安全に関わる施設全般におよびます。

トラブルの仲裁

集合住宅であるマンションは住民同士のふれあいも多く、時にはトラブルに発展してしまう場合も。当人同士での解決が難しい場合、管理組合が仲裁に入り、トラブルの解決を図ることがあります

修繕計画の策定・費用の管理

マンションは年月が経つごとに経年劣化が進むため、定期的に大規模な修繕を行う必要があります。その修繕費は区分所有者である各世帯が分担して負担する必要があり、長期にわたって「修繕積立金」として貯められます。

その修繕積立金を管理し、適切に運用するのも管理組合の重要な役割のひとつです。

マンションによって管理状態は千差万別!

マンションの管理は「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」「建物の区分所有等に関する法律」などのいくつもの法律によって、さまざまな形で義務づけられています。

しかし実際に行われる管理内容は、各マンションによって大きく異なります。管理会社に任せっきりにしているマンションもあれば、管理会社を入れずに自分たちで管理するマンションも。また将来的な修繕計画などに対する考え方もそれぞれです。

これらの管理状態についての情報は、販売図面や広告を見ただけではわかりません。今後の人生を大きく左右することもあるため、購入前の管理状態のヒアリングは怠らないようにしましょう

ちなみに、管理組合に似た組織に「自治会(町内会)」があります。自治会は、町内・区内といった地域に住む住民で結成される組織です。その地域に済む住人が住みやすいルール作りや管理を行う点が、管理組合と似ています。

ただし、マンションを購入した以上、管理組合へ参加は避けられませんが、原則的に自治会には加入義務がありません。しかし、マンションの管理組合によっては積極的に自治会へ加入する方針をうちだし、管理費と自治会費が同時に徴収されることもあります。

イエツグくん
管理組合だけでマンションを管理するのは大変。そこで頼りになるのが管理会社なんだ!

管理会社と管理組合の違い

マンションの管理には、管理組合だけでなく、多くの場合「管理会社」が関わっています。

マンション管理の責任をもつ管理組合に対し、管理会社はどのような役割をもつのでしょうか?

管理業務の委託先が管理会社

管理会社は、不動産会社の業態のひとつです。管理組合とマンションの管理委託契約を結び、マンション管理業務の実務を請け負います

管理会社による管理は、マンション全体の清掃や設備管理業務だけではありません。修繕積立金や管理費の会計処理、エントランスでの受付を行う管理人業務など、広範囲におよびます。

マンションの管理には、専門的な実務能力や法的な知識などが必要です。また、清掃業者や設備点検業者への委託や、会計などの業務も必要になってきます。管理会社は、管理組合だけでは不足する専門性や効率性を上げるための「サポート要員」という位置づけです。勘違いしてはいけないのが、「管理会社が管理をする」ではない点。マンションの管理は、あくまで「管理組合が主体となって行うもの」です。

管理会社が変わることもある

管理会社は、管理組合が決めた管理方針に従って管理業務を行います。もし委託している管理会社の働きに満足がいかないなら、管理組合の意向によって管理会社を変更できます。

管理会社に不満を抱く原因は、下記のようにさまざま。一つひとつの原因は小さくても、積み重なることで変更に踏み切ることもあるでしょう。

  • 管理人の対応が悪い
  • 手配された修繕工事の価格が高すぎる
  • 管理会社側からの管理に関する提案がない

築年数の浅いマンションは、マンション建築時に建築会社から指定されたグループの管理会社が入っている傾向が高いです。ただ名のある管理会社だからといって、管理体制が万全かといえば、そうとは限りません。担当者によっても変わる部分ですし、住人との相性もあるはずです。よって、マンション購入後に管理会社が変わる可能性があることは認識しておきましょう。とはいえ、マンション購入後はあなたも管理組合の一員となるわけですから、何も知らずに勝手に変更されることはありません。

「自主管理」のマンションとは?

マンション管理の仕事は、すべての管理組合が管理会社に委託しているわけではありません。

マンションの中には、管理会社を使わずに管理組合が「自主管理」を行うところもあります。

比較的古いマンションに多い自主管理は、管理会社に払う管理委託費がいらないため、毎月の管理費が安めです。さらに管理費の残余金は修繕費へ組み入れられるため、手厚い修繕が期待できます。

とはいえ、「管理費が安い」というだけで自主管理のマンションを選ぶのは危険です。自主管理が必ずしも悪いというわけではありませんが、管理会社が入っていないことによる“管理不行き届き”が見られる可能性があるからです。

たとえば、以下のようなことです。

  • 清掃頻度が低い
  • 専門的な知識を伴わずに長期修繕計画が立てられている
  • 一部の住人だけ意識が高い

やはり、見るべきは管理の質。管理費が高いのに満足な管理がされていないマンションはもちろん良くありませんが、逆に管理費が安くて満足な管理がされていないマンションもまた問題なのです。

イエツグくん
では、「管理の質」がいいマンションを探すには、どんなことを調べればいいんだろう?

管理費だけじゃない!マンション購入時に管理状態を調べるポイント

マンションを選ぶ際、毎月支払うことになる管理費の額は気になるところでしょう。比較するマンションによっては、管理費に大きな差があることも。しかし、管理費の差が必ずしも管理の質と比例するとは限りません。

自主管理のマンションは、比較的安い管理費で済む傾向があります。一方で築年数が高いマンションほど管理費は高額になりやすく、また総戸数が少ないマンションも、管理費の負担割合は増えがちです。

しかし、たとえ管理費が非常に安くても、手抜きの管理をされているマンションは多くの問題を抱えていきます。必要な管理が行われなければ、住み心地や将来の資産価値に悪影響が出てしまい、結果的に管理費以上に損をすることになるでしょう。

管理費は金額の大小だけでなく、次の点を確認し、金額に見合った適切な管理状況であるかを見極めることが必要です。

重要事項に係る調査報告書

中古マンション購入時に確認しておきたいのが、「重要事項に係る調査報告書」です。

この書類はマンションの管理状況を説明するための書類であり、修繕積立金総額などの財務情報や修繕の実施記録、マンションのルールといった情報が盛り込まれています。その中でも、とくに注意したい点がいくつかあります。

まずは、「滞納率・滞納額」です。住民からの管理費・修繕積立金が予定通りに徴収され積み立てられているかをチェックするため、確認しましょう。予定額よりも大きく下回っている場合には、定期的な修繕を行うことが難しいと判断できます。

次に「管理規約」です。共用部分の使い方や範囲、ルールなどが適切に規定されているか確認しましょう。

規約の内容が曖昧であったり、過去に起きたトラブルの原因のままとなっている場合には、適切に規約が管理されていないとみなせます。

また、分譲マンションに不可欠な「長期修繕計画」の内容も重要です。分譲マンションはおよそ10~15年の周期で大規模な修繕が行われます。その際に行う修繕の計画、また築60年超を迎えた後の方向性など、どれだけ入念な計画が組まれているかによって、長く住み続けられるか判断できます。

もちろんこれらの点は、あなたが見てもいまいちピンとこない部分だと思います。よって、仲介を依頼している担当者にしっかりチェックしてもらうようにしましょう。

エントランスの管理状態

あなた自身がチェックできるところは、マンションの“見た目”です。

エントランスは、マンションの玄関にあたります。マンションの「顔」でもあるエントランスは、常に清潔に保たれている状態が望ましいものです。

ゴミが散乱し、電球が切れたままになっている状態であれば、管理の質は期待できないと判断できます。

掲示物の内容

エントランスにある掲示板は、マンション住民のコミュニケーションに必要な設備のひとつです。この掲示物の期日が大幅に過ぎていたり、破れたままになっているようなら要注意です。

住民への情報伝達ツールである掲示板の放置は、管理が適切に行われていないというだけではありません。住民への情報伝達が行われてないと推測できることから、管理会社や管理人の質が良くない可能性があります。

外観の状態

外観の状態も、重要な判断基準のひとつです。

雨風にさらされるマンションの外壁は、年を経るごとに傷みが進んでいきます。大きな地震や台風などがあれば、壁にヒビがシミといった問題が出てしまうことも。外壁塗装は、見た目のみならず、耐震性や建物の強度を維持するためにも大切なことですので、著しく色が剥げていたりあちらこちらにヒビが見られたりすれば、マンションにとっていい状態とはいえません。また、草木の剪定が行われていなかったり、ごみ置き場にごみが散乱していたりする場合もまた、管理状態を疑うべきです。

まとめ:管理状態のよいマンションのご紹介はイエツグにおまかせください

マンションは、一生に一度の大きな買い物です。今後数十年にわたって住み続けるマンションだからこそ、購入前には管理状況を確認するようにしましょう。

とはいえ、専門知識がない個人のお客様が確認するにも、限界があることと思います。弊社イエツグでは、お客様に安心できる管理状態のマンションをご紹介できるよう、入念な物件調査を行っております。

イエツグの仲介手数料は、182,900円(税別)の定額制。また売主様より仲介手数料をいただける物件については、仲介手数料無料+キャッシュバックとさせていただきます。

いいマンションを、少しでも安く買いたい!とお考えの方は、ぜひ一度イエツグにご相談ください。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。 イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
監修者 亀梨奈美
監修者 亀梨奈美大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。株式会社real wave代表取締役。「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、機関紙から情報サイトまで不動産ジャンルのあらゆる文章を執筆・監修。

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