財産分与に課せられる税金は?離婚時の不動産売却で損をしない方法

財産分与で課せられる可能性のある税金は、譲渡所得税、贈与税、不動産取得税の3つです。

財産を受け取る側と渡す側で課せられる税金は異なりますが、受け取る側に課せられる贈与税と不動産所得税は、通常の財産分与では支払い義務はありません。

また、譲渡所得税が発生しないケースもあるため、税金の課税条件も含めて考え、財産分与を行ないましょう。

執筆者 丹拓也執筆者 丹拓也
株式会社イエツグ代表取締役。
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

財産分与で課税対象となるものは?

財産分与では課税対象となる財産と、課税対象にならない財産が存在します。

基本的に現金や預金などには税金は課せられませんが、課税対象となる財産は次の4種類です。

・不動産(土地、建物)

・有価証券(株券など)

・高額な美術品

・会員権(ゴルフ会員権など)

上記4種類のうち、不動産以外には「譲渡所得税」が課せられます。

そして、不動産の場合は財産としての取得時に「譲渡所得税」「不動産所得税」「登録免許税」が課せられ、不動産を所有している間は継続的に「固定資産税」が必ず必要です。

また、都市計画区域内の建物を取得した場合は、固定資産税に加え「都市計画税」を納めなければいけません。

財産を渡す側に課せられる税金

財産分与で課せられる税金は財産を渡す側と、受け取る側で異なります。

まずは財産を渡す側に課せられる「譲渡所得税」についてご紹介しますが、譲渡所得税には「長期譲渡取得」の場合と「短期譲渡取得」の場合の2種類の計算方法が存在します。

財産を取得してからの期間によって税金の計算方法が異なるため、違いと計算方法を把握しておきましょう。

なお、不動産の譲渡所得税は分与の際に不動産購入時よりも価格が高い場合にのみ納税義務が生じます。

長期譲渡取得

長期的な譲渡所得税とは、「譲渡した年の1月1日時点で、財産の所有期間が5年超であること」を満たす長期譲渡取得の場合に該当します。

計算方法は、まず課税長期譲渡所得金額を算出するところからです。

・課税長期譲渡所得金額 = 譲渡価額 -( 取得費 + 譲渡費用 )- 特別控除

特別控除は後で解説しますが、居住用の住宅を譲渡した場合に、3,000万円が控除されます。

そして、課税長期譲渡所得金額が算出されたら「所得税」「復興特別所得税」「住民税」の3つの税金の金額を算出しましょう。

・所得税 = 課税長期譲渡所得金額 × 15%

・復興特別所得税 = 所得税 × 2.1%

・住民税 = 課税長期譲渡所得金額 × 5%

上記で算出された3つの税金の合計が、長期譲渡取得の場合の譲渡所得税です。

短期譲渡取得

短期的な譲渡所得税とは、「譲渡した年の1月1日時点で、財産の所有期間が5年以下であること」を満たす短期譲渡取得の場合に該当します。

計算方法は長期譲渡取得と同様ですが、納税額を算出する際に乗じる割合が異なります。

・課税短期譲渡所得金額 = 譲渡価額 -( 取得費 + 譲渡費用 )- 特別控除

長期譲渡取得と同様、課税短期譲渡所得金額を算出してから「所得税」「復興特別所得税」「住民税」の3つを計算します。

・所得税 = 課税短期譲渡所得金額 × 30%

・復興特別所得税 = 所得税 × 2.1%

・住民税 = 課税短期譲渡所得金額 × 9%

上記のようになり、短期譲渡取得の場合は長期譲渡取得よりも納税額が高額です。

譲渡所得税が課せられないケース

不動産を財産分与しても、譲渡所得税が課せられないケースがあります。

最初にご紹介したように、「購入時よりも不動産の価値が低下していた場合」と「3,000万円以下の不動産に特例を適用させる場合」の2つのケースです。

基本的に、譲渡所得税が課せられる不動産は購入時よりも価格が高くなっていた場合に限られるため、不動産としての価値が低下していた場合はそもそも課税対象とはなりません。

そして、もし購入時よりも価値が高くなっていた場合でも、特例を適用させれば3,000万円までの特別控除を受けることができます。

特別控除とは、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」という特例によるもので、居住用の不動産を譲渡した時に課税対象額から3,000万円を差し引きます。

つまり、特例の適用条件を満たしていれば、財産分与時に3,000万円以下の不動産には譲渡所得税が課せられないということです。

財産を受け取る側に課せられる税金

財産分与で財産を受け取る側に課せられる税金には「贈与税」と「不動産所得税」の2種類があります。

2つの税金は納税義務がない場合もありますが、条件によっては発生するので発生条件などを確認しておきましょう。

贈与税

そもそも、財産分与で受け取った財産には贈与税は課せられません。

財産分与は財産を贈られたわけではなく、もともと夫婦2人で所有していた財産を分け合うことだからです。

しかし、「財産分与としては多すぎる」とみなされた場合と「脱税のための離婚」だとみなされた場合には贈与税が課せられる可能性があります。

財産分与として多すぎる場合

財産分与の基本は夫婦で50%ずつ分け合うことです。

しかし、50%を大きく超過するような分与を行なった場合、割合が大きすぎる側に対して贈与税が課せられます。

例えば夫が15%で妻が85%の財産を取得するという場合、明らかに妻が受け取る財産が多すぎると考えられるでしょう。

どの程度の割合になったら課税対象となるのかという基準は明確ではありませんが、財産分与は財産を築いた時の夫婦の貢献度によっても変動するため、夫婦の全ての事情を考慮して検討されます。

全ての事情を考慮しても多すぎると判断された場合、50%から超過した分が贈与税の課税対象です。

脱税のための離婚だとされた場合

贈与税や相続税から逃れるために離婚をし、財産分与を行なったと判断された場合は、財産分与された財産の全てが課税対象とされます。

税務署に対して正当な離婚による財産分与であることを証明できない場合とされますが、実際には贈与税や相続税から逃れるための離婚であると判断されることは稀です。

通常の財産分与を行なっているだけであれば特に問題ない点でしょう。

不動産取得税

財産分与で不動産を取得した場合でも、基本的に不動産取得税は課せられません。

不動産取得税は、土地や建物を新しく取得した場合に発生する税金なので、すでに所有している土地や建物を譲り受けた時には発生しないからです。

しかし、離婚の際に慰謝料の代わりとして不動産を渡された場合には、不動産取得税がかかる可能性があります。

慰謝料という名目であれば、夫婦の財産を清算するための財産分与とはみなされないからです。

不動産の財産分与は税金に注意して

不動産の財産分与を行なう際には、譲渡所得税や贈与税、不動産取得税が課せられる可能性があります。

基本的には贈与税と不動産取得税は無税となりますが、譲渡所得税は発生する可能性がある税金です。

財産の中に不動産がある場合は、さまざまな税金が発生する可能性があり、損をしないためには不動産売却で現金に変えてから分与するほうが良いでしょう。

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