相続により所有者となった空き家。
「住むつもりはない」「使い道もない」「どうすればいいかわからない」
と、お困りではありませんか?
空き家は、放置してしまうととさまざまな問題を生み出します。税金や修繕費用といった経済的な負担が増えるだけでなく、事件や事故に巻き込まれる社会的なリスクも無視できません。
本記事では、空き家を相続したらまずすべきこととともに、空き家を所有しているときのリスクやそれを回避する方法をご教授いたします。
- 空き家を相続する方法(登記)
- 相続税・所有してる間・売却するときの税金
- 相続した空き家の売却方法
忘れずに手続きを済ませよう!
目次
空き家の相続したらまずは「登記」を
空き家を相続したら、まずは「相続登記」を行いましょう。
登記とは、不動産の所有者を明確にするための手続きです。
相続登記の重要性
所有者が死亡した不動産物件の所有者を相続人に移す手続きが、「相続登記」です。
相続登記は原則として「相続人(相続した人)」が行うとされています。しかし2020年末の時点において相続人による相続登記を義務とする法律はなく、相続登記をされなかった空き家が所有者不明となるケースが少なくありません。
こうして所有者不明となった空き家であっても、国や地方自治体が勝手に処分はできません。そのため傷みが進行した家屋や使い道のない土地が増加する大きな問題になっています。
こうした所有者不明空き家の問題解決のため、現在では相続登記を義務化する動きが進行。現在も具体的な法案策定のための議論が進んでいます。
相続登記の方法
相続登記はひとつの不動産の権利者が複数人となる場合があるため、一般的な登記よりも複雑になりがちです。相続登記は以下のケースに分類されます。
1.法定相続分どおりに遺産分割
不動産を法定相続分どおりに分割して相続するケースです。
不動産の持ち分を法定相続分どおりに設定した内容で登記を行います。原則として相続人全員での登記手続きが必要です。
2.遺産分割協議による割合決定
不動産を法定相続分とは異なる内容で相続するケースです。
各相続人がどのような割合で相続するかを話し合い、作成した遺産分割協議書を元に登記手続きを行います。法定相続同様、相続人全員での登記が必要です。
3.遺言書に基づいた遺産分割
被相続人が遺した遺言書に従って相続するケースです。
法定相続分とは異なる割合での相続であっても、遺産分割協議書の作成は必要なく、代わりに遺言書を法務局に提出する必要があります。
なお、相続人全員が遺産分割協議による合意を求める場合には、遺言書の内容よりも遺産協議分割書が優先されます。ただし相続人ひとりでも遺言書の内容を支持するなら、遺言書の通りに相続しなければなりません。
「空き家だけ」の相続放棄はできない
空き家は処分するにしても手間や費用がかかるため、相続したくないと考える人もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし残念ながら、相続はすべての財産を相続するか、すべて相続しないかのどちらかしか選べません。どうしても空き家を相続したくないなら、その他の財産もすべて放棄する必要があります。
また、空き家を含む不動産の相続を放棄したとしても、以下のケースの場合には空き家に対する管理責任が残ります。
- 相続人が自分しかいない
- 複数人いる相続人が全員相続放棄した
管理責任を負った場合、相続税や固定資産税の納税義務はありませんが、修繕や清掃などの管理を自費で行わなければならなくなります。
不動産の所有や移転に必要な税金は何かな?
空き家相続にかかる「税金」は?
資産として扱われる空き家は他の不動産と同様に、「相続」や「所有」に対して納税が必要です。一方で空き家は税金に影響する特殊な制度が設けられており、正しく制度を理解しないと大きく損をするかもしれません。
【相続時】相続税
相続される財産の価値に応じて課せられる税が相続税です。相続税は空き家だけでなく、相続の対象となるすべての財産の合計に対し、一定額を控除された上で課税対象額が決められます。
相続税の基礎控除額は以下の計算式で求められます。
ここで、夫A、妻B、子C、子D、Aの父Eの5人家族で、夫Aが亡くなった例を考えてみましょう。
死去した夫Aの財産は、妻Bと第1順位の子C、子Dの3名が法定相続人となります。Aの父Eは第2順位であるため、第1相続人がいる場合は法定相続人に含まれません。
この家族における基礎控除は
3,000万円+【B、C、Dの3人】×600万円 =4,800万円
となります。
仮に夫Aが遺した財産が8,000万円であるなら、基礎控除4,800万円を差し引いた3,200万円が相続税の課税対象です。
相続税は、法定相続分を基準に計算されます。この家族の場合は妻Bに2分の1、子C・Dに4分の1ずつが按分され、相続にそれぞれにおける相続税が計算されます。
引用:国税庁「相続税の税率」
- 妻B 3,200万円 × 1/2 × 15% - 50万円 = 190万円
- 子C 3,200万円 × 1/4 × 10% = 80万円
- 子D 3,200万円 × 1/4 × 10% = 80万円
ここで算出された法定相続分の合計が、この相続にかかる相続税の総額です。
【所有中】固定資産税
空き家を含む不動産は、市区町村が定める「固定資産評価基準」に応じて固定資産税および都市計画税がかかります。ただし、住宅用地として使われている土地建物に対しては「住宅用地の特例」が適用。固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1まで減免されます。
しかし国土交通省では空き家対策の一環として2015年5月から「空き家対策特別措置法」を施行。一定の基準を満たした空き家を「特定空き家」に指定すると定めました。
特定空き家は、主に以下の基準に該当した家屋が指定されます。
- 倒壊など保安上の危険性がある状態
- 著しく衛生上有害な状態
- 著しく景観を損なっている状態
- その他周辺の生活環境の保全に悪影響がある場合
特定空き家に指定されると、行政からの修繕や撤去の指導、助言を受ける対象とされます。
この指導、助言の時点で問題が改善されれば問題ありませんが、改善が見られない場合には「勧告」に発展。この勧告と同時に住宅用地特例から除外され、固定資産税および都市計画税の減免が解除されます。
また税金面だけでなく、放置した空き家が倒壊すれば周囲への損害賠償が発生し、犯罪に使われれば管理不足として法的な責任が問われる恐れもあります。空き家の放置はさまざまな面でデメリットを生み続けるため、早期に対処をしなければなりません。
【売却時】譲渡所得税
不動産を売却して出た利益は譲渡所得となり、課税の対象になります。ただし一定の条件を満たした空き家の売却には「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」が適用され、譲渡所得から3,000万円が控除されます(以下、3,000万円控除)。
3,000万円控除は以下の条件を満たした空き家売却に適用されます。
- 相続開始直前に被相続人がひとりで居住していた
- 昭和56年5月31日以前に建築された
- 相続開始直前に被相続人住居用家屋の敷地になっていた
- 相続時から譲渡までの間に事業、貸付、居住などに使われていなかった
- 対象の家屋・土地を相続した相続人にのみ適用
- 相続から3年後の日が属する12月31日までに譲渡
- 譲渡額1億円以下
- 建物付きの場合は現行の耐震基準を満たしている
また、相続時に納税した相続税を売却時の「取得費」に加算することで、結果的に税金を引き下げる特例も。この「取得費加算の特例」もまた、相続開始の翌日から3年10ヶ月以内に売却という適用期限があります。
そのため、相続した空き家を節税しながら売却したい人は、売却時期にも気を付けるようにしましょう。
いろんな制度を利用して上手に手放しちゃおう。
相続した空き家を売却する方法
いざ空き家を売却しようと思っても、いつでも思うようなタイミングで売却できるとは限りません。空き家の売却には通常のマイホーム売却とは異なる、いくつかのパターンがあります。どんな方法なら高く早く売れるかを検討してみましょう。
そのまま売却
建っている家屋をそのまま売却できるなら、もっとも売却前の手間がかかりません。家の状態がよければそのまま居住用住宅として売却できます。またある程度の傷みなら、近年増加傾向にある不動産投資家のリノベーション対象として売却できるかもしれません。
ただし建物の築年数や傷み具合によっては、家屋に価値がつかない場合もあります。土地にしか値段がつけられないだけでなく、家屋の解体費用として値下げを要求される場合もあるでしょう。
リフォームして売却
傷みが激しい、耐震基準を満たしていないといった問題があるなら、リフォーム後に売却するとよいでしょう。おしゃれな内装やバリアフリー化など、改装により資産価値の大幅アップを狙えます。
弊社イエツグでは売主様の負担ゼロでリフォーム付きの不動産売却を行っております。築年数が古く、設備の交換時期が過ぎているような空き家でも問題なし。早期売却、高額売却を実現できるようイエツグがお手伝いいたします。
売れない相続空き家の売却方法
残念ながら、空き家はどんな家でも必ず売れるとは限りません。そのまま住むには厳しい家屋や不人気の住宅エリアなどでは、家として売却するのは難しい場合もあります。
家としての売却が難しいようなら、家を解体して更地としての売却を目指してみましょう。新築の家を建てる用地としての需要や、商用地としての価値を見出されるケースも少なくありません。
相続後に更地にして売却する場合、空き家譲渡の3,000万円控除の対象となる場合があります。また空き家解体費用を一部助成する自治体もありますので、費用負担は小さくできるでしょう。
弊社イエツグでは、処分に悩まれる空き家の売却のご相談も承っております。買取なら一都三県内に対応が可能。解体も含めた最善の方法をご提案いたしますので、ぜひイエツグまでご相談ください。
そんな空き家の活用はイエツグにおまかせ!
相続した空き家を売りたくない方へ
現在は使っていなくても空き家を手放したくないという方も大勢いらっしゃいます。しかし放置しているだけでは多くのトラブルに見舞われ、金銭的にも社会的にも大きな負担を強いられてしまうかもしれません。
空き家を残したまま活用したいという方は、ぜひ弊社イエツグの「空家再生事業」をご利用ください。
イエツグでは、使わなくなった空き家をリフォームし、賃貸物件として活用するプランをご提案いたします。リフォームにあたりオーナー様のリフォーム費用負担はゼロ円。さらにその後の入居者募集から管理まで、すべてイエツグで対応いたします。
思い入れがある家を残したまま収益につなげられる空家再生事業をぜひご検討ください。
まとめ:相続した空き家の対策は早期に確実に
空き家を使わないまま放置していると、多くのトラブルの要因となるデメリットが生まれます。
空き家は国や地方自治体にとっても大きな問題。それだけに所得控除や補助金など、問題の解決に向けた制度が充実しています。
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もし相続した空き家が負担になるようなら、これらの制度を利用することも考えて上手に手放しましょう!