直近の新築マンションの平均価格は6,000万円ほどと言われています。
参照:不動産研究所
2021年10月現在中古マンション市場においても、1都3県の首都圏では2020年の同時期より6.5%ほど価格が高騰しています。
なかなか一般的なサラリーマンには手が届かない水準で推移しています。
そこで、
なんとかお得に不動産を購入できないかとお考えの方も多いのではないでしょうか。
実は新築物件には少ないのですが、中古物件の中には、相場より安い掘り出し物件が出回ることがあります。
しかし、
相場より安いのは何かワケがあるんではないかと疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。
そこで、
本記事では相場より安く売られる掘り出し物件を見つけるコツと出回る理由をご紹介していきます。
素敵な新居をお得に手に入れる方法をご案内します。
目次
掘り出し物件とは
掘り出し物件とは相場よりもやや安い物件のことをいいます。
やや安いというのは、相場の物件価格から1割程度の安さのことを指しています。
例えば、
物件価格の相場が3,000万円の場合、2,700万~2,800万円の物件のことを、掘り出し物件と想像してみてください。
「掘り出し物件」が出回る理由
売主の都合で安く売り出される場合
掘り出し物件のほとんどは売主さんの都合によるものです。
売主さん都合で売却を急いでいるパターンは次の5つです。
- 相続税の納税対策
- 離婚に伴う遺産分割
- 買い替えに伴う早期売却の希望
- 資金難による早期の売却希望
- 任意売却
この5つについて解説をしていきます。
相続税の納税対策
相続税の納税の為に急いでいるというパターンです。
相続税が多いと納税額が高額になってしまいます。
もし現金が少なければ、不動産を売却した金額で納税しなければなりません。
相続税の納付期限は相続開始から10カ月となっています。
この間に相続額を全部把握して分割から売却までしなければなりません。
そのため、
早急に売却を希望している方が多いです。
離婚に伴う遺産分割
離婚に伴って売却される物件も価格が安くなることがあります。
離婚した後は家族で住んでいた大きな家が不要になったりします。
また、
夫婦共有の不動産を処分したくなったりするため、持ち家を売却する事が多いです。
財産分与をするとしても不動産を売却した方が分配しやすいので、早く離婚したいと思う夫婦は相場より安く売りに出すことがあります。
買い替えに伴う早期売却の希望
買い替えに伴い、新居の分の住宅ローンも支払うとなると2重でローンの支払いをすることになります。
そのため、
住宅ローンが重複する期間を少しでも短くしたいという売主さんがいます。
そのような売主さんは、相場よりも安めに価格設定をして早く売りたいと考えています。
資金難による早期の売却希望
今後多くなると考えられているのは、資金難による早期の不動産の売却希望です。
コロナ禍からアフターコロナにかけて、急な給与カット・ボーナスカット・契約更新不可などにより収入が減ってしまう人は増えていくものとみられます。
2021/12/10時点の厚生労働省による新型コロナウイルスに関した雇用調整の状況調査によれば、解雇等を見込む労働者は122,000人あまり、雇用調整の可能性のある事業者数は13万5千を超えています。
出典:厚生労働省
資金難に際して一番困るのは家計の大部分を占めている住居費用です。
収入が多少減った程度であれば、貯蓄などで乗り切れるかもしれません。
しかし解雇となれば、自宅を手放すことを余儀なくされる方も増えてきます。
そこで不動産を手放そうとしても、不動産はそう簡単に売れるものではありません。
平均的には4カ月から半年は掛かります。
少しでも不動産を早く売却して住宅ローンの負担をなくしたいと考えている方は、相場よりも1割ほど価格を下げて売り出すことも珍しくはありません。
すでに住宅ローンを滞納させてしまっている人や売却したお金で住宅ローンを返せないという方は、任意売却という少々イレギュラーな方法で不動産を手放します。
任意売却
任意売却とは、住宅ローンを借りている金融機関に許可をもらって不動産の売却をすることをいいます。
金融機関が債務を回収できる最善の方法と判断すれば、任意売却は許可されます。
しかし、
物件が売れないという事態は、金融機関からすれば最大のリスクになります。
そこで、
相場よりも少し安くして、早めに買い手を見つけるという手段を取ります。
このコロナ禍で任意売却の件数が増加傾向にあります。
物件相場より少し安いなと思ったら、その売主さんは資金難によるための不動産売却である可能性があります。
相場より安く売り出されている物件は売主さん側の都合によるものが多いです。
しかし、
中には何らかのトラブルによって相場よりも安く売りに出さなければならない物件もあります。
いわゆる事故物件や近隣トラブルを抱えている物件です。
相場より安い物件の注意点
ここでは相場より安い物件の注意点について具体的な例を交えてご案内します。
売主さんの都合以外で、相場よりも安い金額で売りに出されている理由の多くは、こちらの3つになります。
- 告知事項のある物件
- 隣近所がゴミ屋敷
- 近隣トラブルが多い
それぞれの注意点をご案内します。
告知事項のある物件
広告に告知事項ありと記載されている場合は要注意です。
事故物件である可能性が非常に高く、売主は買主に対してその事実を伝えなければならない告知義務がありますので、遠慮なく確認しましょう。
事故物件の主な原因は前住人が亡くなった場合を指します。
考えられる可能性はこちらです。
他殺
殺人事件があった物件は相場の半値近くで売りに出されることもあります。
高齢者の孤独死
事故物件といっても全て事件性があるとは限りません。
例えば、
高齢者の孤独死も発見が少し遅れると事故物件となってしまうこともあります。
購入前にはどのような経緯で事故物件になったのか、必ずその事実を確認しましょう。
隣近所がゴミ屋敷
隣近所がゴミ屋敷である場合は、異臭や害虫の発生など様々な問題が出てきます。
しかし、
近所のことまでは告知事項の義務ではありません。
物件を見に行った際には周囲の環境を確認することをおすすめします。
近隣トラブルが多い
最近では騒音トラブルや境界線でのトラブルなど、ご近所トラブルが絶えません。
入居後にそのようなことに巻き込まれないためにも、事前に確認しておきましょう。
これらに関する事は個人情報に関することなので、全てを教えてもらえるかは分かりません。
告知事項があれば、それは売主側が伝える義務がありますので
検討段階の初めから担当者に確認をし、現状を把握しておきましょう。
なぜ安いのか調べることが重要
相場より安い掘り出し物件を見つけた時は、むやみに飛びつくことは止めましょう。
なぜその物件が安いのかという理由を知ることが重要だと言えます。
相場通りの物件も「値引き」ができる?
さて、
不動産を購入するに当たって最も関心があるのが、値引き交渉という方も多いのではないでしょうか。
こちらでは、不動産は値切ることが出来るのかというテーマでご案内させて頂きます。
大幅な値引きは難しい
結論から言えば、大幅な値引き交渉は難しいです。
そもそも、
買主から迫られて大幅な値引きをするのであれば、売主さんは最初から安い金額で提示をしています。
値引きは物件価格の5%程度が妥当
相場の金額より値引きが可能な金額は物件価格の5%ほどです。
3,000万で売りに出ている物件ではせいぜい150万円程度が限度だと考えてください。
- 買主→安く買いたい
- 売主→高く売りたい
とお互いの考えは相反しています。
しかし、
あくまで物件所有者は売主さんです。
少し例を出すと、売主さんの立場だったらどう思うか考えてみてください。
提示金額が3000万円の物件に対し、買主さんが300万円値下げして欲しいと交渉をしてきます。
売主さんとしては、3000万から2700万に金額を下げ売却する選択肢もありますが、こうも考えられます。
いきなり300万円値下げするのではなく100万の値引きですぐに買い手が見つかるかもしれない。
このように考える売主さんが多いので、特段売却を急いでいる理由が無ければ、大幅な値下げの交渉するのは難しいでしょう。
また、
相場よりも10%も20%も安い金額で値引き交渉をされると、売主さんはそれをみて嫌な気分になる方もいらっしゃいます。
そんなに値引きをするんだったらもうこの人には売りたくない、という売主さんも中にはいらしゃいます。
あまりにも、相場よりかけ離れた金額での価格交渉は本当にその物件が欲しい場合はやめた方が得策でしょう。
さらに、
値段交渉において、近隣相場や過去の成約事例などの数字を根拠にして交渉するのはおすすめしません。
投資物件でもないのにロジカルに交渉をするのは逆効果です。
理由としては、既に販売活動をしているということは、どこかの不動産会社から査定書を貰っているということになります。
不動産会社から貰う査定書には必ず販売価格の根拠が記載されていますので、売主さんは承知の上で今の販売金額で販売活動をしているのです。
論理的に交渉するのではなく、売主さんの心情に訴えかけ、どうしてもその金額で購入したいと交渉する方が値引き交渉を成功させるカギとなります。
それでも値引き交渉がしたいという方におすすめの方法があります。
値引き交渉のコツは4つです
- 内見時から交渉の準備を始める
- 物件の良さを売主さんと共感し関係性を高める
- 物件が気に入った旨を伝え、低姿勢で交渉する
- お手紙を書く
ここでは売主さんとの関係が良好になるように値引き交渉のコツを解説していきます。
内見時から交渉の準備を始める
売主さんが居住中の物件では、内見の時から始まっていると言っても過言ではありません。
大事に住まわれていた物件をぞんざいに扱ったり、粗を探すような行動は慎みましょう。
売主さんのお気持ちの入った家です。
そのことを念頭に置いて失礼のない態度で内見するようにしましょう。
物件の良さを売主さんと共感し関係性を高める
大抵の家にはこだわりのある場所というものがあります。
売主さんのおすすめするポイントなどを拝聴し、もし自分が住むことになったとしても大切にすることをお伝えしましょう。
物件が気に入った旨を伝え、低姿勢で交渉する
内見をしていく中で物件が気に入ったのであれば、素直に売主さんに気持ちをお伝えしましょう。
お金を払うことで立場が上であるかのような態度では、売主さんの心情は悪くなるばかりです。
あくまで大事に住まわれていた売主さんがいて、今の物件があることを忘れないでください。
売主さんには低姿勢で、常に感謝を忘れることのないようにしてください。
お手紙を書く
契約を進めていく上で購入申込書を書く必要があります。
その時に一筆お手紙を添えるのも効果的です。
お手紙の具体的な内容としてはこのようなものが好ましいです。
「この物件を大変気に入りました。
こちらの都合で大変恐縮なのですが、少しでも交渉に応じていただけると助かります。
もしお値段のご譲歩いただいた暁には、家族みんなでこのお家を大切に住んでいきたいと思います。
どうか宜しくお願いいたします。」
このように素直な気持ちを伝えることが値引き交渉を成功させる肝になります。
内見の際に売主さんと話す内容についてはこちらの記事でもご紹介しております。
掘り出し物件を見つけるコツ
最後に掘り出し物件を探すコツについてご案内したいと思います。
掘り出し物件を見つけるコツはこちらの2つです。
- 転勤シーズン前に物件を探す
- 不動産会社をこまめにまわり、顧客リストに入れてもらう
それぞれのコツについて解説をしていきます
転勤シーズン前に物件を探す
本当の掘り出し物件というのは1月~3月くらいまでが狙い目となっています。
その理由としては、どんなによい物件でも転勤が決まった方は手放すことが多いからです。
その準備が始まるのが1月~3月となっています。
売主さんも早く売りたいという気持ちが出ており、次の買主さんを探している時期となります。
転勤シーズンが終わった頃に探し出すと人気の物件はすでに埋まってしまっている可能性が高いです。
少し早めに準備をすることをおすすめします。
不動産会社をこまめにまわり、顧客リストに入れてもらう
実は不動産会社はHPには載せないような、希少価値の高い優良物件を持っていることがあります。
不動産というのは大きな買い物になります。
不動産会社にとっても大きな取引となりますので、足繫く通ってくれたお客様に優先的に物件を案内をしてくれることがあります。
また、
こまめに通うことで希望の条件を事前に提示出来るので、物件の内見の際に希望の条件と離れたものを案内されるリスクも減ります。
不動産会社と良好な関係を築いて物件探しをしてみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「掘り出し物件」が出回る理由の多くは、売主の都合によるものです。
- 相続税の納税対策
- 離婚に伴う遺産分割
- 買い替えに伴う早期売却の希望
- 資金難による早期の売却希望
掘り出し物件を見つけても、なぜ安いのかを調べることが重要です。
売主さんの都合以外でも相場より安い物件で考えられることには注意を払いましょう。
- 他殺や高齢者の孤独死などの告知事項のある物件
- 隣近所がゴミ屋敷
- 近隣トラブルが多い
また、物件の購入において大幅な値引きは難しいです。
相場の5%程度が限度と考えてよいでしょう。
円滑に値引き交渉を進める方法としておすすめなのは、以下の4つです。
- 内見時から交渉の準備を始める
- 物件の良さを売主さんと共感し関係性を高める
- 物件が気に入った旨を伝え、低姿勢で交渉する
- お手紙を書く(一番効果がある)
最後に、掘り出し物件を探すコツもお伝えいたしました。
- 転勤シーズン前に物件を探す
- 不動産会社をこまめに回り、顧客リストに入れてもらう
特にこれから増えてくるとみられるのは資金難による不動産売却です。
相場よりも安く売り出すケースが増えてきます。
新型コロナウイルスまん延による不況は今後どんどん明るみになっていくことでしょう。
住宅ローンを滞納してしまった人や住宅ローンが完済できない人による任意売却も多くなると推察されます。
売主さんのお気持ちを汲んで交渉をすることをおすすめします。
ロジカルではなくエモーショナルに、最後に判断するのは人です。
売主さんとしてもその方が気持ちよく契約が出来ます。
売主さんとは良好な関係のまま契約に望むと、契約後のトラブルも起きにくいものです。
不動産は人と人同士の取引です。
売主さんは自分が売りたいと思う方に売ります。
値引き交渉をしたいという考えは良いと思いますが、あまり値引き交渉に戦略的になるのおすすめしません。
素直に自分の意向を伝えるというのが一番効果的です。
素敵な掘り出し物件に住めるよう、気持ちの良い取引を心がけましょう。
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弊社イエツグでは、不動産購入時にかかる諸費用である仲介手数料は定額の18万2,900円(税抜)となっています。
せっかく安い物件を見つけたのに仲介手数料で余計な出費をしては勿体無いです。
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