2020年8月現在、新型コロナウイルスの感染は収束しておらず、まだまだ景気が回復する兆しは見えません。日銀による金融緩和政策も、引き続き実施されています。
住宅ローンの金利は、先月に大きな動きがあったためか、今月はとくに変化はありませんでした。そんな中、住宅ローンをより魅力的にするために、金利以外の商品内容を変更してきた金融機関があります。
今回は、2020年8月の住宅ローン金利で変化したポイントについて解説します。
- 2020年8月現在の住宅ローン金利
- 2020年8月の住宅ローンランキング
- 住宅ローンの選ぶうえで大切なこと
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
目次
2020年8月最新の住宅ローン金利を比較
2020年8月現在における各金融機関の住宅ローンの金利は、以下の通りです。先月よりも金利が上昇した場合は赤文字、下降した場合は青文字で記載しています。
全期間固定金利 | 変動金利 | 固定期間選択型(10年) | ||
三菱UFJ銀行 | 店頭 | 1.82% | 0.625~0.775% | 0.84% |
ネット | – | 0.525% | 0.74% | |
みずほ銀行 | 店頭 | 1.14% | 0.625~0.875% | 0.85~1.05% |
ネット | 1.04〜1.15% | 0.525~0.775% | 0.75~1.00% | |
三井住友銀行 | 店頭 | 1.68% | 0.575~0.775% | 1.10~1.60% |
ネット | 1.28~1.68% | 0.475~0.725% | 1.10~1.55% | |
auじぶん銀行 | – | 0.41% | 0.55〜1.51% | |
ジャパンネット銀行 | – | 0.38% | 0.62% | |
住信SBI銀行 | 1.16〜1.57% | 0.41% | 0.76〜1.16% | |
ARUHI | 1.11〜1.26% | – | – |
※2020年8月時点の各金融機関のHPを参照し作成
※記載の金利は各金融機関が2020年8月時点で実施している割引プランを加味した数値
※ARUHI、住信SBI銀行以外の固定金利はフラット35ではなく各金融期間が独自に取り扱っている商品を掲載
※ARUHIはスーパーフラット(団体信用生命保険加入)の数値を掲載
みずほ銀行と三井住友銀行は、固定期間選択型(10年)の金利を0.05%引き下げました。全期間固定型の金利は、ARUHIをはじめとして0.01%ほど引き上げられています。
このように金利の値だけを見ると、あまり変化はありません。とくに変動金利型は、どの金融機関も据え置いていますね。
auじぶん銀行が団体信用生命保険の保障を拡充
auじぶん銀行は、金利の値こそ変えなかったものの、2020年8月3日より住宅ローンに付帯できる団体信用生命保険の保障内容を拡充しました。
団体信用生命保険は、住宅ローンを借り入れた人が、亡くなったり所定の高度障害状態に該当したりした場合に、保険会社からの保険金によって残債が0円になる保険
auじぶん銀行の住宅ローンは、所定のがんと診断された場合に、住宅ローンの残債が半分になる『がん50%保障団信』を無料で付帯できます。また金利を0.2〜0.3%上乗せすると『がん100%団信』や所定の11疾病も保障される『11疾病保障団信』などを付帯可能です。
今回の保障内容の拡充では、『がん50%保障団信』と『がん100%団信』で、月次返済保障が自動付帯となりました。
月次返済保障とは、すべての病気やけがで連続して31日以上入院したときに、住宅ローン返済月額(ボーナス返済額含む)と同額の保険金が支払われる保障です。以降、入院日数が継続して30日に達するごとに、引き続き保険金が支払われます。
また『11疾病保障団信』では、がん先進医療給付特約が追加されました。これにより、がん治療で先進医療を受けた場合の技術料が、1回につき500万円、通算1,000万円まで保障されます。
auじぶん銀行の住宅ローンの金利は、変動金利で0.41%と非常に低い値です。さらに、auじぶん電気とセットで契約すると、変動金利が0.38%となる通期優遇が受けられます。よってauじぶん銀行の住宅ローンは、団信の保障が手厚くなったことで、低金利と充実した保障を両立させたといえますね。
2020年8月の住宅ローンランキング
ここで、2020年8月現在の住宅ローンランキングを確認してみましょう。
金融機関 | 商品名 | 種類 | 金利の値 | |
第1位 | 住信SBI銀行 | ネット専用全疾病保障付住宅ローン <通期引下げプラン> |
変動金利 | 0.410% |
第2位 | auじぶん銀行 | 住宅ローン全期間引下げプラン | 変動金利 | 0.410% |
第3位 | ジャパンネット銀行 | 住宅ローン変動 | 変動金利 | 0.380% |
第4位 | 住信SBI銀行 | フラット35S(金利Aプラン)(買取型) 【自己資金10%以上】 |
固定金利 | 0.860% |
第5位 | 三井住友銀行 | WEB申込専用住宅ローンⅠ | 変動金利 | 0.475〜0.500% |
※出典:価格.com「住宅ローン人気ランキング」
※上記のランキングは8/5のものです
2020年7月は、固定金利と変動金利の両方で大きな変化がありました。とくにジャパンネット銀行が変動金利を0.38%に引き下げて最安値を更新しています。しかし、人気ランキング1位は、住信SBI銀行の変動金利型住宅ローンでした。住信SBI銀行の住宅ローンは、長期間にわたってランキングの1位を獲得している人気商品です。
2位は、auじぶん銀行の住宅ローンで、こちらも先月と順位は変わりません。月次返済保障とがん先進医療給付金の付帯されたことで、今後の順位はどのように変わるのでしょうか?
3位は、ジャパンネット銀行の住宅ローン。金利の最安値を更新したにかかわらず、先月と同じ順位のままとなりました。
ランキング上位3行は、保証料や事務手数料などの条件がほぼ同じです。そのため、住信SBI銀行が1位を獲得できたのは、金利の低さに加えて全疾病保障の団体信用生命保険が付帯されているためだと考えられます。
住信SBI銀行の住宅ローンの「全疾病保障」の注意点
住信SBI銀行の団体信用生命保険は、金利を上乗せすることなく、ほぼすべての病気やケガが保障されるため、お得に感じますよね。
しかし住信SBI銀行の団信は、病気やケガなどで12ヶ月以上働けない状態が続かなければ、保険金は支払われない点に注意が必要です。
全国健康保険協会の調査によると、病気やケガで働けなくなったときに公的医療保険から支給される傷病手当金を、61日以上受給した人は全体の約11.5%です。※出典:全国健康保険協会「現金給付受給者状況調査(平成30年度)」
また同調査によると、傷病手当金を受給した理由の1位が「精神および行動の傷害(29.09%)」で、第2位は「がんを含む新生物(18.99%)」でした。
以上の点から、精神障害以外の病気やケガで12ヶ月以上働けない状態が続くケースは、非常に珍しいのです。
加えて住信SBI銀行の団信は、がんについても12ヶ月以上働けない状態が続かなければ保障されません。契約者が女性である場合のみ、がんと診断された場合に30万円の診断給付金が支払われます。
他の金融機関の団信は、がんと診断された場合に住宅ローン残債の半分、もしくは全部が0円となるものがほとんど。そのため住信SBI銀行の団信は、がんの保障については他の金融機関の団信よりも劣るのです。
以上の点から、住宅ローンを選ぶときは、団体信用生命保険の保障範囲だけでなく、保険金が支払われる条件についても入念に確認しましょう。
住宅ローンは専門家の意見も参考に判断を
とはいえ、団体信用生命保険は保険商品ですので、専門用語も多く保険に詳しくない人にとっては、違いがわかりづらいはずです。
そこで住宅ローンを選ぶときは、FPや住宅ローンアドバイザーのような、お金の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
弊社イエツグでは、FPや住宅ローンアドバイザーの有資格者が、金融機関ごとの住宅ローンの違いに加えて、団体信用生命保険の保障内容や支払条件も丁寧に説明いたします。
またイエツグの仲介手数料は、定額制の182,900円。売主様から仲介手数料をいただける物件については「仲介手数料が無料+現金キャッシュバック」のキャンペーンを実施しています。
どの住宅ローンを選べばよいかわからない方や、よりお得に住宅を購入したい方は、弊社までお気軽にご相談ください。
まとめ:今後は住宅ローンの金利以外の内容にも注目しよう
2020年8月の住宅ローン金利に、大きな変化はありませんでした。そんな中、auじぶん銀行が団体信用生命保険の保障内容を充実させています。
今後も、金利以外で魅力的な内容の住宅ローンを提供する金融機関が増えると考えられます。そのため住宅ローンを選ぶときは、FPや住宅ローンアドバイザーといった専門家の力を頼るとよいでしょう。
コロナの影響により、今後も先行きが不透明な時代が続くと考えられます。そのような状況で住宅を購入する場合、ご自身が納得できる物件やローンを選んだうえで、少しでも費用負担を抑えることが大切です。
安心かつお手頃に住宅を購入できるのは、弊社だけ。住宅の購入を検討されている方は、FPや住宅ローンアドバイザーが在籍するイエツグまで、どうぞご相談ください。
大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。