物件見学の際、不動産会社の営業マンに「中古物件は現況引き渡しです」といわれた経験はありませんか?
中古物件の不動産を購入する場合は、あとで「こんなはずじゃなかった」とならないために、その中古物件が“どのような状態で引き渡しされるのか”を正しく理解することが大切です。
本記事では、現況引き渡しの意味や注意点について詳しく解説していきます。
安心して中古物件の購入を進めるため、基礎知識について学んでいきましょう。
- 現況引き渡しの意味
- 現況引き渡しに関する注意点
- 中古物件の定義とメリット
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不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
目次
そもそも中古物件の定義とは?
中古物件とは、すでに人が居住した住宅を指す言葉です。
また、住宅金融支援機構による全期間固定金利の「フラット35」を利用する際は、入居の有無にかかわらず、築後年数が2年を超えている物件を「中古物件」と呼びます。
不動産売買の流れ
各広告媒体(スーモ、ホームズ等)で検索し、不動産会社を通して気になる物件を見学。希望通りの物件があれば諸条件の調整をし、契約する流れが一般的です。
その後、物件の引き渡しとなります。
本記事では、中古物件を購入するまえの内見や、契約の際に参考となる内容が主です。全体的な契約のフローについて気になる方は、以下記事をご参照ください。
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中古物件を購入する際の注意点
中古物件を購入する際、注意すべき点はいくつかあります。
- リフォームやハウスクリーニングが行われているとは限らない
- 壁掛けテレビ等の設置により、壁に穴が開いているケースがある
すでに人が居住していた住宅は、リフォームやハウスクリーニングが施されているわけではありません。
リフォームやハウスクリーニングは売主様の任意によるものであり、物件は次章でご説明する「現況引き渡し」となるため、必ずしも最良の状態にはなっていない点に留意してください。
また、壁掛けテレビや、屋内タイプの自転車スタンド設置にともない壁に穴が開いているケースも、そのままの状態で引き渡されることとなります。
現況引き渡しは「退去時の状態で物件が引き渡される」こと
住んでいた売主様が退去したときの状態のまま、物件が引き渡されることを現況引き渡しといいます。
売主様によっては、退去・売却とともに清掃をするケースもありますが、清掃やハウスクリーニングは任意です。引き渡しの際に、売主様に清掃を強要することはできません。
引き渡される設備についてはどうなるの?
設備についても、現況引き渡しになります。性能が低下していたり、外観に傷が付いていたりする場合も、そのままの状態で引き渡されます。
ただし、取り外しできない設備以外は、基本的に売主様の負担・責任のもと撤去される場合がほとんど。たとえば、シーリングライトやエアコン、洗濯機や冷蔵庫が撤去される設備に該当します。
仮に、撤去される設備を譲り受けたい場合は、売主様に交渉して許可を得れば引き継ぐことも可能です。
設備保証について
事前に売主様から告知(ここが壊れています等の事前通知)がなかったにもかかわらず、引き渡された中古物件の一部に破損が見られたり、不具合があったりした場合にも、「中古物件は現況引き渡しだから」と泣き寝入りしなければいけないのでしょうか?
結論をいうと、泣き寝入りする必要はありません。
住宅を売買する際には、不動産仲介会社が契約書類等の発行をし、売主様・買主様に署名捺印を行っていただきます。一般的に、契約書類には下記を対象として「契約不適合責任」が定められています。
- 給排水管の故障
- シロアリの害
- 主要構造部の欠陥(雨漏れなど)
買主様が、引渡完了日から3か月以内に建物の契約不適合を通知した場合、売主様は定められた修補範囲にもとづいて修補を行います。
※ほとんどの不動産会社が、契約不適合責任を負う期間を3か月間としています。しかし、売主が個人の場合は任意事項となるため、期間は任意となります。
また、設備に関しては「引渡完了日から7日以内に、主要設備の故障・不具合の修復を請求した場合」を対象として、指定範囲にもとづき修補することを契約書で定めるケースが大半です。
個人・業者における契約不適合責任の違い
売主様が個人の方の場合、契約不適合責任を契約書上に盛り込むかどうかは任意になります。
一方、売主様が宅地建物取引業者のケースは義務になり、先程ご説明した3か月ではなく、少なくとも2年間とする必要があります。
中古物件を購入する場合、契約不適合責任は買主様にとって非常に重要な事項です。2020年4月1日から民法改正があり、「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変わっております。
買主様だけでなく、売主様にとっても大切な論点となるため、ぜひ以下をご参照ください。
中古物件を購入するメリット
中古物件の購入は、新築物件の購入と比べて以下のようなメリットがあります。
- 中古であるため低価格帯で購入できる
- 売主様より詳しく周辺情報を伺える
- 価格を抑えて、リフォーム代に充てられる
現況引き渡しについて理解しておけば、主に金銭的なメリットが期待できるため、物件購入時はぜひ中古物件の購入をご検討ください。
まとめ
中古物件は価格面で優れているものの、現況引き渡しとなり「修補が義務ではないこと」や「基本的には設備が撤去されること」など、ここまで解説したように複数の注意すべき点があります。
中古物件を購入する場合は、これらのポイントに考慮したうえで契約を決めるか否か検討してください。
弊社イエツグでは、物件ごとに変わる他社の仲介手数料とは異なり、仲介手数料定額182,900円です。仲介手数料の上限額が「物件価格×3%+6万円」の不動産会社と比べて、諸費用がかなりの程度、節約できます。
節約できたお金を住宅診断・建物の修繕に充てれば、別途大きな予算を用意せず不安・不満を完全に解消することが可能です。中古物件の購入をご検討の際には、ぜひ弊社にご相談ください。