不動産売買にかかる仲介手数料は、消費税の課税対象です。しかし仲介手数料の計算は簡単ではありませんから、どの部分にどのように課税されるかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では仲介手数料の消費税に関する疑問を持つ人のために、以下の3つのお悩みについて回答していきます。
- 仲介手数料の消費税の計算方法って?
- 土地と建物にかかる消費税額は同じ?
- どのタイミングで増税の対象になるの?
増税すると、さらによくわからなくなる消費税。ここから仲介手数料の消費税を計算するときの注意点とともに、消費税増税のタイミングについてもわかりやすく解説します。
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
目次
仲介手数料の消費税の計算方法
まずは、消費税を含めた仲介手数料の計算方法について知っていきましょう。
仲介手数料の上限額
計算方法の前に、少し仲介手数料の仕組みをお話します。
法律の規制により、不動産会社が受け取れる仲介手数料には上限があります。
不動産会社が上記の上限額を超えた仲介手数料を請求した場合は、違法行為です。
仲介手数料は「上限額さえ超えなければいい」のであって、下限については定められていません。しかし多くの不動産会社では、当たり前のように上限額いっぱいいっぱいをお客様に請求しています。少しおかしな話ですよね。
仲介手数料は消費税を上乗せして計算する
仲介手数料は、消費税の課税対象です。
ほとんどの不動産会社が仲介手数料を「税抜き価格」で表示しており、実際には消費税を上乗せした額が請求されますので注意してください。
仲介手数料は不動産売買価格によって請求額が変動するため、計算し間違えると予算オーバーとなるかもしれません。
物件自体に消費税が課税されている場合の仲介手数料は、少しややこしい計算が必要になりますが、そちらの計算方法については後述で詳しく説明しています。
仲介手数料が税込表示の可能性も
一般的には「税抜き表示」である仲介手数料ですが、ごくたまに「3%税込」などとしている不動産会社もあります。
ただこのような表示方法は業者間取引に多く、一般消費者が目にすることはあまりないといえるでしょう。
不動産売買にかかる消費税は土地と建物で大きな違いがある
今回は「仲介手数料」にかかる消費税にフォーカスしていますが、ここで「不動産」にかかる消費税について説明させてください。
不動産には、消費税がかかる物件とかからない物件があります。これは仲介手数料の消費税の計算にも影響することですから、ここから詳しく解説していきます。
土地の売買は非課税取引
国税庁のウェブサイトでは、以下のものは消費物と判断されないため非課税取引になると記載されています。
非課税取引 |
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引用元 消費税のしくみ|国税庁
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消費税の課税対象は、「消費されるもの」。上記の表をみてわかるように、土地は消費されないという考え方のため土地の売買には消費税がかかりません。土地の売主が個人であろうと事業者であろうと、土地に消費税はかからないというわけです。
建物はケースによる
しかし、建物の場合は少しだけ考え方が複雑です。
原則として建物は課税対象ではありますが、「売主は誰になるのか」によって非課税かどうかが変わります。この辺りを詳しく解説します。
建物の売主が不動産会社や法人などの課税事業者であれば、消費税の課税対象です。反対に、売主が個人であった場合は非課税となります。
新築物件を販売するのは、不動産会社や工務店などの課税事業者であることが多いため「新築の建物購入=消費税の対象」と考えて間違いないでしょう。
しかし中古物件の場合は、「個人がマイホームを売る」「個人が相続した家を売る」など売主が個人であれば非課税となります。
ただし事業者でも中古物件を売ることはあるので、その場合には建物部分のみ課税対象となるので注意が必要です。
消費税の取り扱いに注意!仲介手数料計算シミュレーション
- 土地は非課税
- 建物は事業者が売主の場合は課税対象
上記のことを踏まえると、仲介手数料は必ずしも「物件表示価格×3%+6万円」+消費税とはなりません。
具体的に、シミュレーションを見てみましょう。
- 「3,000万円×3%+6万円」+消費税 が上限となる
個人が売主の場合は、土地、建物、いずれも消費税が非課税ですから、「物件表示価格×3%+6万円」に消費税を乗じるだけで算出できます。
※この場合の仲介手数料は「4,000万円×3%+6万円」+税 ではない
- まずは土地と建物価格がいくらか確認
- 土地の価格が2,380万円、建物の価格が1,620万円の場合、建物を税抜き価格に戻す
- 物件価格は土地2,380万円+建物1,500万円で3,880万円。この数字で「売買価格×3%+6万円」にあてはめる
- 「3,880万円×3%+6万円」+税で計算
- 不動産業者が4,000万円(税込)のマンションを売却した場合の仲介手数料は「1228,800円(消費税8%の場合)」となる
事業者が売主の場合は、土地は非課税、建物は課税されて物件価格が表示されており、このまま消費税を乗じてしまうと建物だけ消費税がダブルでかかってしまう計算になります。
そのため事業者がマンション等を売却する場合は、建物にかかっている消費税を税抜き価格に戻してから計算する必要があります。
不動産取引に不慣れな人は、このような仲介手数料の消費税計算はかなり複雑で面倒でしょう。
「気になる物件の仲介手数料の金額が知りたい!」とお悩みの人は、ぜひ弊社にお気軽にご相談ください。
ここからは気になる増税の影響についての話だよ!
消費税増税時の仲介手数料の経過措置について
仲介手数料は消費税の課税対象なので、消費税増税の影響を大きく受けます。
「契約した日が増税前であれば8%のままでいいの?」
「引渡し前に増税になったときは追加分を払わなければいけないの?」
など、取引の途中で消費税が引き上げされた場合は増税後の税率が適用されるのか、不安な人も多いのではないでしょうか?
基本的な考え方として、消費税が課税されるのは「引渡し」のときです。2019年10月1日より消費税が10%に引き上げられるため、引渡し日が9月30日以前であれば、増税前の消費税8%のままで計算されます。
しかし、以下の条件を満たした場合は「経過措置」制度が適用となり、引渡しが10月1日以降でも8%のままで計算されることになります。
経過措置対象の取引 |
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経過措置とは、一定期間条件を満たした場合のみ新しい規定を緩くするシステムです。消費税増税の影響を緩和するために、このような経過措置制度が導入されていることを覚えておきましょう。
意中の不動産が経過措置の対象になるのか不安な人も、ぜひ弊社にお気軽にご相談ください。
まとめ
仲介手数料は、消費税の課税対象です。100万円の仲介手数料に対する消費税は、8万円。今後は10万円になりますから、決して安いものではありませんし、増税による影響も大きいといえるでしょう。
取引不動産の価格によって仲介手数料の上限額も増えていくため、高額な物件であればあるほど仲介手数料、消費税ともにさらに高額になります。
弊社イエツグでは、仲介手数料を定額182,900円(税別)とさせていただいております。消費税は、8%のときは14,632円。10%に増税しても、18,290円と一律です。
弊社は、取引物件によって仲介手数料の金額を変えることはありません。仲介手数料も、消費税も、これ以上請求することはないということです。
また弊社取り扱いの物件を購入されたお客様には、仲介手数料を最大無料とさせていただいております。
「仲介手数料が高すぎる」「増税してさらに高くなるなんて御免だ」とお感じの方は、ぜひイエツグの仲介をご利用ください。