仲介手数料半額って大丈夫?不動産売買の仲介手数料が安くなる理由とは?

不動産売買取引においては、売買代金だけでなく、様々な諸費用がかかります。売却・購入のいずれにしても、諸費用をできる限り抑え、手元にできるだけ多くの資金を残したいというのが共通の想いでしょう。

不動産売買の諸費用の大部分を占める項目が、「仲介手数料」です。不動産会社によっては、「仲介手数料半額」「仲介手数料無料」などと宣伝しているところがありますが、利用して大丈夫なのか不安に思う方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、仲介手数料を半額や無料にできるからくりついて解説していきます。

この記事でわかること
  • 仲介手数料を割り引いても違法じゃないの?
  • 仲介手数料半額のからくりは?
  • 仲介手数料半額よりお得な「仲介手数料定額制」ってなに?
不動産の売却や購入を考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
イエツグくん
なんの不利益もなく仲介手数料が安くなるなら…とっても嬉しいよね!
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

そもそも「仲介手数料」とは?

不動産売買における仲介手数料は、売主と買主の間に入って交渉や契約手続きなどを行う(=仲介業務を行う)不動産会社に支払う成功報酬のことをいいます。

仲介手数料は、不動産売買の諸費用の中で最も高い金額となることも多いもの。金額については、不動産会社が自由に決められるわけではなく、宅地建物取引業法という法律によって上限金額が決められています。

売買代金 仲介手数料
200万円以下の部分 売買代金×5%+消費税
200万円超~400万円以下の部分 売買代金×4%+消費税
400万円を超える部分 売買代金×3%+消費税

たとえば2,000万円の物件を購入する場合の仲介手数料を計算すると以下のようになります。(税別)

  • 200万円以下の部分:200万円×5%=10万円
  • 200万円超~400万円以下の部分:200万円×4%+消費税=8万円
  • 400万円を超える部分:1,600万円×3%=48万円

仲介手数料:10万円+8万円+48万円=66万円

したがって、2,000万円の物件を購入する場合における仲介手数料の上限は66万円となります。

ちなみに、400万円以上の物件に対する仲介手数料の上限額は、以下の速算式で計算することもできます。

仲介手数料の上限額の速算式(400万円以上の物件)

物件価格×3%+6万円(税別)

仲介手数料は、決して安くない金額です。とはいえ、法律で定められているのは上限額のみ。下限については定められていないため、仲介手数料を半額にしたり、無料にしたりすることは違法行為ではありません。

下記の記事では不動産売買に必要な費用や仲介手数料を抑えるコツについてまとめていますので、不動産の売却や購入を検討している人は、こちらもご参照ください。

不動産売買の仲介手数料を半額にできるからくり

物件価格の3%以上にも及ぶ仲介手数料。半額になれば、諸費用の負担を大きく減らすことができます。

しかし残念ながら、仲介手数料は上限額いっぱいいっぱいに請求されるというのが、不動産業界の原則です。では、仲介手数料を半額や無料にしている不動産会社は、なぜ仲介手数料を安くできるのでしょうか?ここからは、不動産売買の仲介手数料を半額や無料にできるからくりについて解説していきます。

不動産会社が「売主」であれば仲介手数料はかからない

上記で解説したように、仲介手数料は「仲介業務を行った不動産会社への成功報酬」です。そのため、「仲介」にあたらない業務に対しては、仲介手数料は発生しません。つまり、仲介手数料が無料となります。

たとえば、不動産会社が直接売主となる物件を購入する場合。この場合は、売主と買主の間に入って業務を行う仲介業者が存在しないので、仲介手数料は発生しません。

「不動産会社が売主」「仲介」のどちらであるか見分ける方法として、不動産広告を確認することが挙げられます。ネットを含め、不動産の広告には必ず記載されている「取引態様」という項目を確認してみましょう。取引態様が「売主」となっていれば仲介ではありませんので、仲介手数料は発生しません。

なお、不動産会社が売主の場合でも、他の不動産会社が仲介会社として存在すれば仲介手数料が発生する可能性があります。不安な方は、売主や広告主に確認するといいでしょう。

売主がグループ関連会社などの場合は仲介手数料を減額してくれることも

分譲マンションや新築分譲地の中には、建設会社や建売業者が売主となり、同じグループの関連会社が仲介会社となって販売していることがあります。この場合の仲介会社は売主に近い立場にあり、物件販売を主目的としていることが多くあるのです。つまり、仲介手数料の収入よりも物件を売り捌くことを重視しているということ。このようなケースでは、販売物件の在庫を減らすために、仲介手数料を半額などに減額していることがあります。

また、新築建売住宅の販売を仲介するなどのケースでは、売主である住宅メーカーが仲介会社へ仲介手数料や紹介料を支払っていることがあります。売主からの収入があるため、買主からの仲介手数料を半額にできる、という仕組みも考えられるでしょう。

自社取り扱い物件の場合は仲介手数料を減額または無料としてくれることも

仲介手数料は、「仲介を依頼された相手」から受け取るものです。そのため、売主から仲介を依頼された不動産会社は売主から仲介手数料を受け取り、買主から仲介を依頼された不動産会社は買主から仲介手数料を受け取ることになります。

ここで、売主から仲介を依頼された自社取り扱い物件を、購入の仲介を依頼されている買主に紹介して不動産売買が成立したケースを考えてみましょう。

この場合、仲介会社は、売主・買主両方から仲介を依頼されていますので、両方から仲介手数料を受け取れることになります。つまり、「売主のみ」「買主のみ」の仲介の2倍の額が受領できるということです。そのため、自社取り扱い物件の成約の場合は、買主の仲介手数料を半額または無料とするケースがあります

仲介に関連するサービスを減らしていることも

不動産売買における仲介に関連する業務には、以下のようなものがあります。

  • 不動産査定
  • 物件調査
  • 不動産広告の作成
  • 物件案内
  • 購入希望物件を探す
  • 売主・買主の条件交渉
  • 契約業務
  • ローン相談
  • 司法書士などの手配
  • 引渡し・決済
基本的に、仲介業務を行う不動産会社の収入は「仲介手数料」のみ。したがって、仲介手数料を半額にするということは、一般的な不動産会社よりも仲介に関連するサービスを減らしている可能性もあります。不動産取引に馴染みがなく不安に感じる人は、該当の不動産会社のサービス内容を確認しておくとよいでしょう。
イエツグくん
続いて、仲介手数料を減額している不動産会社を利用するときの注意点を解説するよ!

仲介手数料半額ってお得?割引・無料の際の注意点

不動産という特性上、売買代金が大きくなりやすいため、売買代金から計算される仲介手数料は決して安くはありません。諸費用を抑えたいのであれば、仲介手数料が半額、もしくは割引・無料のところがお得だと感じる人がいるでしょう。

しかし、仲介手数料半額や割引・無料となっている場合には、次の3つの点に注意してください。

1.「仲介手数料」以外の名目で費用が徴収される可能性が

仲介手数料は安くなっていたとしても、「仲介手数料」以外の名目で費用が徴収されるケースもあります。

たとえば「宣伝費用」など仲介手数料と別に費用を請求されたときは、見積書などをもらい、項目や金額を確認するようにしましょう。基本的に「宣伝費用」は、仲介手数料に含まれています。不動産会社が別途、宣伝費用を請求できるのは、売主から依頼されて特別な販促活動を行った場合のみです。

請求された項目や金額に不安を感じる人は、不動産会社が所属する団体や、都道府県などの窓口に相談することもおすすめします。

仲介サービスの一部が受けられない可能性がある

仲介手数料半額や割引、無料とする代わりに、一般的な不動産会社が行う仲介サービスの一部を行ってもらえない場合が考えられます。

たとえば、「住宅ローンは自分で探してね。」「税金のことは全然わからないし関与しないから、税理士に聞いてね。」などと言われたら、困ってしまいますよね。不動産売買には、プロの知識が不可欠な工程が多くあります。そのため、仲介手数料を減額している不動産会社には、あらかじめ行ってもらえる仲介業務について確認しておくとよいでしょう。

取り扱う物件すべてが仲介手数料半額(割引・無料)とは限らない

「仲介手数料半額(もしくは割引・無料)」と宣伝している不動産会社でも、すべての物件を対象としているわけではないことがあります。

契約を希望する物件が対象であるか、事前に確認しておくことをおすすめします。

イエツグくん
「仲介手数料半額」よりお得な「仲介手数料定額制」ってなんだろう…?

交渉不要!半額よりお得な仲介手数料の「定額制」とは?

上記で解説したように、仲介手数料の上限金額は売買代金によって変動します。そのため、売買代金が高額であれば、その分仲介手数料も高額になってしまいます。仲介手数料が半額だとしても、物件価格が上がるにつれて仲介手数料が高くなる点は同じなのです。

そこで、弊社イエツグで提供しているのが、仲介手数料の「定額制」です。仲介手数料が定額制ということは、物件価格がいくらになっても仲介手数料は変わらないということ。つまり、半額以上にお得なサービスとなります。

ここからは、イエツグが仲介手数料を定額にできる理由やサービス内容についてご紹介します。

仲介手数料を定額にできる理由

イエツグでは、売買代金に関わらず仲介手数料を182,900円(税別)の定額制としています。

この182,900円という金額は、約410万円の売買代金に対する仲介手数料上限額に相当します。したがって、410万円以上の物件であれば、仲介手数料定額制のイエツグがお得だといえるでしょう。(仲介手数料を半額にしてくれる不動産会社では、売買金額1,000万円ほどの仲介手数料額に相当します。)

弊社では、仲介手数料定額制を実現するために、次のような企業努力を行っています。

  • 広告費の削減
  • 人件費の削減
  • リピーターの確保
  • 売主が販売業者であれば、売主から手数料を受け取れる
仲介手数料を極限まで安くさせていただいておりますが、一般的な不動産仲介業務については全力で行っております。しかしながら、次の3つのことに関してだけは致しかねますのでご容赦ください。
  1. ご自宅から現地までの送迎
  2.  スタッフによるご見学前の現地確認(下見)
  3.  弊社事務所以外での出張契約
3.については、弊社は「IT重説」の実験事業者ですので、遠方にお住まいの方や病気療養中の方はネット通信を利用してご契約のお手続きが可能です。IT重説については、下記の記事をご参照ください。
弊社では広告費の削減を行っていますが、お客様が検索している不動産情報サイトや折り込みチラシなどで見かけた物件でも対応することが可能です。気になる物件がある人は、お気軽にご相談ください。

仲介手数料定額制の不動産会社イエツグ

仲介手数料定額制のイエツグですが、いくらお得でも、サービス内容がわからないと不安に感じますよね。

ここでは、イエツグのサービス内容について、不動産の購入・売却それぞれのケースに分けて解説します。

不動産購入の場合

弊社お取り扱い物件をご購入の場合は、仲介手数料を最大無料としております。先述した通り、売主様・買主様が弊社のお客様であれば、売主様からの仲介手数料のみで業務をおこなうことができるため、買主様の仲介手数料を最大無料とできるのです。さらに買主様には、売主業者から受け取る手数料の55%を現金でプレゼントしています。

仲介手数料が無料とならない物件の場合でも、仲介手数料は一律182,900円の定額制。いずれにしても、他の多くの不動産会社よりも諸費用を抑えることができますので、浮いたお金は、住宅の価値を高めるリフォームや引越し代金などにぜひご活用ください。

不動産売却の場合

イエツグでは、不動産売却の場合でも仲介手数料が一律182,900円と変わりません。さらに、ホームインスペクションや既存住宅かし保証、確定申告代行、ハウスクリーニングも無料となっています。

仲介手数料定額制とお得でありながら、一般的な不動産会社と変わらないサービスを受けられることも特徴の1つ。物件の売却を検討している人は、ぜひイエツグにご相談ください。

まとめ:仲介手数料半額・無料・定額の不動産会社を賢く使おう!

大事な不動産を売却したり、新しく不動産を購入したりするときには、できる限り賢くお得に取引したいですよね。手持ちの資金をなるべく多く残すためにも、仲介手数料が半額や無料、定額の不動産会社を賢く利用しましょう!

イエツグでは、売買代金に関わらず仲介手数料を定額182,900円としております。仲介手数料など不動産売買に関連する費用を節約したいとお考えの方は、ぜひ弊社イエツグまでお気軽にお問い合わせください。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。 イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
監修者 亀梨奈美
監修者 亀梨奈美大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。株式会社real wave代表取締役。「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、機関紙から情報サイトまで不動産ジャンルのあらゆる文章を執筆・監修。

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