この記事でわかること
- 「代理人」ってなにをする人?
- どんなときに代理人は必要?
- 代理人を立てるための委任状の書き方
不動産売買手続きを代行してくれる代理人。
どんなとき、どうやって依頼するものなんだろう?
執筆者 丹拓也

目次
不動産売買における「代理人」とは所有者に委任された人

- 売買物件(土地、建物など)に関する情報
- 売買価格・条件交渉・契約締結・代金受領など、任せる範囲と条件
- 委任状の有効期限
- 委任者(不動産の所有者)および代理人の住所氏名 など
不動産売買で代理人が必要となるケース

ケース1.所有者の移動が困難なとき
売買では契約内容・本人の意思・本人確認が重要ですが、売主と買主が必ず同じ場所に集まる方法だけとは限りません。 しかし物件が遠方にある場合や、所有者が高齢のため移動が難しい場合などには、選任された代理人が手続きを代行できます。 売買の「IT重説」は、国土交通省の案内のとおり、2021年3月30日から本格運用されています。現在は社会実験の登録事業者だけに限る仕組みではありません。(2026年9月12日確認) ただし、IT重説は重要事項説明の方法です。契約・本人確認・融資・登記まで自動的にオンラインで完結するわけではなく、本人対応と代理対応の範囲を仲介会社・金融機関・司法書士と調整します。 遠方の物件売買では、まずご本人が対応できる手続きと、委任が必要な手続きを整理しましょう。イエツグにもご相談いただけます。ケース2.複数人の共同名義
夫婦での共同購入や相続などで共有する不動産全体を売る場合は、原則として共有者全員の同意が必要です。ただし、同意や代理権の確認と、全員が同じ場所に立ち会うことは別です。 しかし権利者の人数が多ければ多いほど、全員が同時に立ち合うのは困難になっていきます。こうしたケースの場合には、全員が1人もしくは数人の所有者に委任できれば、所有権者が一同に集まる必要なくなり、手続きを進められます。ケース3.所有者が未成年・成年被後見人
18歳未満の所有者が売買契約をする場合は、原則として親権者など法定代理人の同意を得るか、法定代理人が適切に代理する形を確認します。未成年であることだけで、意思能力がないと決めつけるものではありません。 成年後見・保佐・補助も同じではありません。成年後見人は財産に関する法律行為を代理しますが、保佐人・補助人の代理権は審判で定められた範囲です。被保佐人の不動産売買は原則として保佐人の同意が必要で、被補助人は同意を要する審判の内容を確認します。「本人は一切手続きできない」と一括りにはできません。
「法定代理」…難しい言葉がでてきたね。代理人によって、立場や役割もさまざま。どんな基準で選んだらいいんだろう?
不動産売買における代理人の種類

任意代理
多くの不動産取引においては、所有者が任意で代理人を選べます。- 遠方に住んでいるから息子に契約を委任したい
- 怪我をして入院中だから共有者の1人に委任したい
法定代理
法定代理では、法律上・審判上の権限と、売却に必要な手続きを確認します。親権者と、家庭裁判所が選任する未成年後見人・成年後見人を同じ選任方法として扱うことはできません。- 親権者などが未成年者を代理する場合は、利益相反の有無を確認する
- 成年後見人が本人の居住用不動産を処分する場合は、家庭裁判所の許可を確認する
- 保佐人・補助人が代理する場合は、審判で付与された代理権の範囲を確認する
「任意代理」で代理人を選任するには委任状が必要だよ!
希望の形で取引にするために、委任状の内容にも注意しておこう。
不動産売買で代理人を立てるための委任状の書き方における注意点

委任状を準備した後の名義変更や申請については、不動産登記を自分で進める手順と必要書類も確認しておきましょう。
しかしその一方で、高額な不動産を扱うことからトラブルにもつながりやすいため、委任状の内容には十分に注意する必要があります。登記事項証明書、登記済権利証の内容と合致しているか確認
委任状の紙面上の物件情報は、登記事項証明書や登記済権利書といった書類と売却を行う不動産の表示項目に違いがないように記述しましょう。 物件の特定に疑義があると、代理権の確認や手続きに支障が出ます。表記の不一致だけで一律に無効と決めつけず、登記事項と照合して訂正しましょう。委任内容を明記する
代理の効力・権限の終了は、e-Gov法令検索「民法」第99条・第111〜113条等も参照してください。個別の契約や争いの判断は弁護士等へ確認しましょう。(2026年9月12日確認)
代理人が権限内で本人のためにすることを示して行った契約は、原則として本人に効力が生じます。代理人が不当な内容での取引を行わないよう、委任内容を限定して明記しておきましょう。 委任内容を限定し、必要な内容にのみ代理権を設定しておくことで、所有者が知らないうちに望まない取引が進められることを防ぎます。白紙委任をしない
委任事項が空欄である「白紙委任」は、所有者以外の他者が自由に内容を書き加えられます。署名押印があるだけで、無断の追記や権限外の行為がすべて有効になるわけではありません。ただし、代理権の有無や相手方の認識をめぐる紛争になり得ます。 信頼できる代理人への委任だとしても、第三者に不要な項目を書き加えられるリスクを抱えてしまいますので、白紙委任は行わないようにしましょう。有効期限も明確に
期限がないから代理権が永久に続くわけではなく、委任の終了等により消滅します。ただし、終了を知らない相手方との取引では責任が問題になる場合があります。撤回・終了時は、代理人や関係者への通知と委任状の回収も確認してください。 所有者に売る気が無くなった物件をいつの間にか売られてしまったり、買う気が無くなった物件を買われてしまうといったトラブルにつながるため、有効期限を設けて代理人の権利を制限しておきましょう。最後を「以上」で締めくくる
署名押印があっても、無断の追記が当然に有効になるわけではありません。追記の余地を減らし、確定した委任内容を本人・代理人双方で保管しましょう。 追記を防止するためにも、委任事項の最後は「以上」で締めくくっておきましょう。物件や所有者の事情によっても、適切な代理人は違うよ!
最後に代理人選びのポイントをチェックしておこう!
不動産売買で代理人を選ぶ際の注意

信頼できる人を選ぶ
本人から与えられた権限の範囲で取引を行う代理人は、なによりも信頼できる相手であることが大切です。 任意代理の依頼先は、信頼関係だけでなく、本人の意思を正確に伝え、権限の範囲を守れるかで選びます。親族でも本人確認や委任内容の確認は必要です。専門家へ依頼する場合は、契約交渉・登記などの業務範囲と費用を事前に確認しましょう。常に連絡できるようにしておく
代理人が委任される権限は委任状によって定められており、その記載内容の範囲内でのみ代行が可能です。 しかし時には委任状によって取り決められていない事項に対し、所有者と代理人の間で確認を行う必要性が生じます。たとえば、売り出し中には、予期していなかった物件の価格の変更や内覧方法の変更などが必要になるケースもあるかもしれません。 スムーズな確認のためには、所有者と代理人の双方が常に連絡を取り合える環境が必要です。些細なことでもすぐに確認できるよう、複数の連絡方法を確保しておきましょう。まとめ:不動産売買の代理人擁立は慎重に
不動産売買は高額になりやすく、法的な制限も受けやすい取引です。代理人制度は物理的、法的に不動産取引が難しい人にとっては大変便利なものですが、適切な形で委任し、代理人を擁立しなければ、思わぬトラブルにも発展しかねません。 弊社イエツグでは、ご所有者様と代理人の方がスムーズなお取引ができるよう、最大限サポートさせていただきます。また重要事項説明をオンラインで行う「IT重説」にも対応可能です。 なんらかの制約によって売買手続きが難しいという方も、どうぞ弊社イエツグまでご相談ください。
イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。



























