不動産売買時に支払う仲介手数料は適正?シミュレーションして確かめてみた!

仲介手数料は、住宅購入時の諸費用の中でも大きな割合を占めるため、できるだけ安く抑えたいものです。しかし実際は、ほとんどの不動産会社が仲介手数料を、国土交通省が定めた上限額に設定しています。

仲介手数料の上限額は、物件の価格が400万円超の場合、物件価格×3%+6万円です。たとえば5,000万円の物件を購入する場合、156万円もの仲介手数料を支払わなければなりません。

しかし仲介手数料を上限額に設定することは、果たして妥当なのでしょうか?そこで本記事では、現役不動産会社経営者が適正と考える仲介手数料について解説していきます。

この記事で分かること
  • 仲介手数料を物件価格×3%+6万円に設定するのは妥当なのか
  • 仲介手数料を最低いくらにすれば会社は経営できるのか
  • イエツグの仲介手数料182,900円は破格なのか

これから不動産購入を検討されている方だけでなく、不動産会社を起業したいと考えていらっしゃる方は、ぜひご一読ください。


執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

不動産売買時における仲介手数料の金額に疑問を持つお客さまもいる

仲介手数料を上限額に設定している会社では、お客さまが支払う仲介手数料が、100万円を超えるほど高額になることも珍しくありません。そのため、お客様から「仲介手数料の細かい内訳を教えてほしい」と言われることがあります。

実際に弁護士や税理士、司法書士といった士業は、お客様にお金を請求するときに、出張費や郵送代などの経費と報酬額がそれぞれいくらであるかを示してくれます。

しかし不動産取引における仲介手数料に、細かな名目はありません。仲介手数料は、不動産営業マンの業務にかかる手間や時間で決まるのではなく、物件価格×3%+6万円の計算式で求められているだけだからです。

さらに取引する物件の規模が大きくなっても、不動産会社の業務内容に大きな違いはありません。マンション一室を仲介しても、マンション一棟まるごと仲介しても、取引に必要な手間や時間はほぼ同じなのです。

不動産会社の業務が同じであれば、物件の価格が違っていても、仲介手数料は同じ金額であるのが自然ですよね。しかし多くの不動産会社が、仲介手数料を物件価格×3%+6万円としていまます。そのため5,000万円の物件では156万円、1億円の物件では306万円と、物件の価格によって仲介手数料が変わるところが多いのです。

不動産営業マンの業務内容が変わらないにもかかわらず、件の成約価格が高いと仲介手数料も高くなる仕組みは、果たして妥当なのでしょうか?

もちろんお客様の中には「仲介手数料の金額が高い、安いは関係ない」という方もいらっしゃいます。また不動産会社の中には、高額な仲介手数料に見合ったサービスを提供している会社もあるはずです。

そのため、仲介手数料を上限額にしている不動産会社がすべて悪いわけではありません。一方で、仲介手数料の金額に疑問を持っている方も、少なからずいらっしゃるのです。

仲介手数料の設定は事業スタイルによって異なる

不動産会社を経営するうえでは、さまざまなコストがかかります。そのため会社にとっての収入である仲介手数料は、会社の経営を維持できるような金額に設定しなければなりません。

ここで、下記の不動産会社Aと不動産会社Bは、どちらの方が会社の経営コストが高いか考えてみましょう。

不動産会社A 不動産会社B
事務所 駅近の一等地に立派な事務所 不便にならない場所に最低限の広さ
社用車 営業マン一人ひとりに1台ずつ 店舗に1台のみ
集客 CM+ラジオ+チラシ ブログのみ

考えるまでもなく、不動産会社Bの方が会社経営にコストがかかりませんよね。一方で不動産会社Aは、会社の経営コストが高くなるため、仲介手数料の設定を高くしなければ、経営は難しいでしょう。

このように適正な仲介手数料は、不動産会社の事業スタイルによって異なります。さらに事業を見直して無駄なコストをカットすることで、仲介手数料を安くできます。

イエツグくん
ここからは、法律で規定された仲介手数料の上限額が適正なのか、細かくシミュレーションして確かめていくよ!

不動産を売買するときの仲介手数料が妥当なのかシミュレーション

では実際に、仲介手数料3%+6万円の上限いっぱい報酬をもらっている不動産会社は、本当にその金額分の価値を提供しているのでしょうか。

ここで、仲介手数料の適正金額を、3つの手順に分けて計算していきます。

1.固定費を計算する

まずは会社経営における固定費を計算します。社長1人で東京に事務所を構えて、不動産会社を経営する場合の固定費は、以下の通りです。

  • 店舗の賃料:10万円
  • 集客に必要な費用(広告費+法人携帯の通信費):1万円
  • 消耗品・火災保険・事務用品・印刷代などの雑費:3万円
  • 合計:14万円
事務所を東京にかまえる場合、社長1人の個人店舗なら月10万円でも、それなりの店舗が借りられます。

また都内に店舗があれば車が無くても営業できるため、社用車は所有しないことにします。

集客は、HP(ホームページ)と電話、SNSがあれば十分に可能です。HPやSNSを使い、お客様にとって価値のある情報発信をしていれば、集客に困ることはありません。

ただしHPで集客をするためには、サーバー代やドメイン代、インターネット料金などを支払う必要があります。法人携帯の通信費と合わせると、集客に必要な費用は毎月1万円ほどです。

またHPは、知識が無い人でも簡単に作れるので、外注せずに自分で作ることにします。実際に弊社イエツグは、ブログと紹介のお客様だけで集客していますので、広告費は0円です。

2.社長の人件費と毎月契約できるお客様の数を計算する

人件費は、社長1人の給与である500万円のみとします。では500万円の収入を得るためには、何人のお客様と契約を結ぶ必要があるのでしょうか?お客様集めから契約の締結までにかかる時間をもとに、毎月何人のお客様と契約できるか計算してみましょう。

労働時間は、月160時間(1日8時間労働×週5日×4週)として、みなし残業は月10時間までです。

集客は、ブログを利用します。ブログを通じてお客様にとって役立つ情報を発信し続けてGoogleに認知されれば、アクセス数は増えていきます。

その結果、ゆくゆくは集客にかける時間を半分に減らしても、年収500万円を稼げるほどの集客が可能になるのです。

具体的には、2,000文字の記事を月に20記事投稿します。1,000文字書くのに大体1時間とすると、2,000文字のブログを書くのに2時間、20記事投稿してするためには、2×20記事=40時間が必要です。つまり集客に必要な時間は40時間となります。

次に、お客様1人あたりの物件の見学から、契約の締結までにかかる時間を計算しましょう。

アットホームがインターネットで行ったリサーチによると、お客様1人あたりの物件見学数は、平均で8.6件です。また物件を1件見学するために必要な時間は、平均で18.1分となっています。

これらのデータと私の実務経験をもとに、物件の見学から契約の締結までに必要な時間を計算すると以下のような結果となりました。

内訳 お客様1人あたりに費やす時間
物件の案内 ・移動時間:2時間
・見学時間:1時間
・物件見学数:8.6物件
(移動時間+見学時間)×物件見学数
=(2時間+1時間)×8.6物件
=25.8時間
売買契約
の締結
・物件の調査:1日
・不動産売買契約書、重要事項説明書の作成:1日
・重要事項説明書の読み合わせと売買契約の手続き:1日
3日(24時間)
残務 ・住宅ローンの手続き
・金銭消費貸借契約の準備・物件の引き渡し
2日(16時間)
合計 約65時間

営業に充てられる時間は、労働時間の160時間から集客に必要な40時間を差し引いた120時間です。みなし残業の10時間も加えると、営業に割ける時間は合計で130時間となります。

契約の締結までにかかる時間は、上記の表の通り、お客様1人あたり約65時間ですので、ひと月で契約を結べるお客さまの人数は2人です。

また物件の案内時に、お客様1人につき1回の物件見学で往復2,000円の交通費がかかるとしましょう。仮に1人のお客様に対して、物件見学を8回実施する場合、お客様1人あたり合計で16,000円の交通費が発生します。※実際の交通費はそこまでかかりません。シミュレーションしやすい値に設定しております。

さらに物件の調査時には、法務局に行って登記簿謄本などの書類を取得するために、2万円の調査費用が発生します。

3.仲介手数料の損益分岐点を計算する

最後に、仲介手数料の損益分岐点を計算しましょう。損益分岐点とは、売上から経費を差し引いてちょうど0円になる値のことです。ここで計算した損益分岐点が、会社を経営していくうえで最低限必要な仲介手数料を求められます

損益分岐点の計算式は以下の通りです。

損益分岐点:売上=経費

お客様から頂く仲介手数料をXとすると、ひと月に2人のお客様と契約締結ができるため、得られる売上は2Xとなります。

一方でひと月あたりの経費は、以下のように人件費や交通費、調査費、固定費を足した金額です。

  • 人件費:年収500万円を12カ月で割り約41万円
  • 交通費:お客様1人あたり16,000円なので2人で32,000円
  • 調査費:1物件2万円なので2物件で4万円
  • 固定費:インターネット料金や家賃などで14万円

では実際に計算してみましょう。

損益分岐点:売上=経費

2X=410,000円+32,000円+40,000円+40,000円
2X=622,000円
X=311,000円

計算結果は、311,000円となりました。つまり、お客様1人あたり311,000円の仲介手数料を貰えば、社長は年収500万円を稼げるのです。

しかし実際の会社経営では、税金などの支払いに充てるための資金も貯めておく必要があります。そのため税金を支払った後に、会社に利益が出てさらに資金を貯められるように、売上に10%程度上乗せして、より現実的な数値を求めます。

311,000円×110%=342,100円

以上のように、お客さまから342,100円の仲介手数料を貰えれば、社長の年収を確保でき、会社も安定して経営できることがわかりました。

物件価格×3%+6万円の仲介手数料は高額な可能性がある

仲介手数料を物件価格×3%+6万円にしている会社は、物件価格が1,000万円以上あれば、仲介手数料を36万円貰えます。仲介手数料の適正額が342,100円ですので、ひと月に1,000万円の物件を2つ成約すれば、不動産会社は十分に経営できるはずです。

一方で東京都内では、5,000万円を超えるタワーマンションや億越えのマンションも多く存在します。そのため仲介手数料を物件価格×3%+6万円にしている不動産会社は、物件を成約するたびに百万円以上あるいは数百万円の仲介手数料を得ているのです。

高額な仲介手数料から、適正額である342,100円を差し引いた部分は、果たして何に使われているのでしょうか?

適正な仲介手数料との差額が、お客さまに提供するサービスを充実させるために使われていたのであれば、問題ないでしょう。しかし社長や営業マンの給与に回されているだとしたら、その不動産さん会社との取引は考えた方が良いかもしれません

弊社イエツグの仲介手数料は定額の182,900円

弊社イエツグは、無駄なコストを徹底的にカットすることで購入時の仲介手数料を物件価格に関係なく定額182,900円に設定いたしました

仲介手数料をこのような低価格に設定すると、同業者からは「そんなに安い仲介手数料ではまともな仕事ができるはずがない」と言われます。

しかし仲介手数料は、事業の工夫次第でいくらでも下げられます。「イエツグの仲介手数料は安すぎる」と非難する人は残念ながら経営を理解していないといえるでしょう。

弊社イエツグは、広告費や人件費を徹底的に削減するだけでなく、多くの投資家様がリピートしてくださることで、仲介手数料182,900円を実現しています。決して、サービスに自信がないから仲介手数料を低くしているわけではありません。

そのため、あなたが「仲介手数料を抑えて住宅を購入したい」と考えているのであれば、ぜひ弊社イエツグまでご相談ください。物件によっては、仲介手数料が無料になり現金をキャッシュバックさせていただいておりますので、よりお得にマイホームを購入いただけます。

まとめ:イエツグは法律で規定された不動産売買の仲介手数料の上限額は「適正ではない」と判断

今回は、不動産会社の仲介手数料の適正額をシミュレーションしました。この記事の要点は以下の通りです。

◯この記事の要点
  • ①仲介手数料は事業所を構える場所や社用車の台数、集客方法などを見直して安くできる
  • ②お客様1人当たり約34万の仲介手数料をいただければ社長の年収500万円を越える
  • ③イエツグの仲介手数料は安すぎると非難するのはその人が経営を知らないから

もし不動産を購入する機会があれば、仲介手数料の適正額342,100円に基づいて値引き交渉してみると良いでしょう。

ただし、仲介手数料を物件価格×3%+6万円にしている不動産会社の全てが悪いわけではありません。これから不動産の購入を検討されている方は、支払う仲介手数料に対してしっかり見合うリターンがあるかどうかを検討してみましょう。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。



監修者 品木彰
監修者 小林だいさく金融ライター、ファイナンシャルプランナー。
大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。