せっかく物件を見学する日に天気が雨だとガッカリ、という方は多いのではないでしょうか。
雨の日というのはただでさえ気が滅入ってしまいます。
コロナ禍のステイホームが長引くとさらに気が滅入ることでしょう。
不動産の内見も一緒で雨の日の見学は避ける方が多いです。
多くの方は物件の選ぶ時に陽当たりを重視して選ぶ傾向があります。
物件選びで絶対に譲れない条件にランクインしている陽当たりは雨の日では確認できません。
そして、陽当たりの加減の好みも様々です。
例えば、
- 南向きで洗濯物が乾きやすく、冬でも暖かくなるほどの陽当たりを好む方
- 陽当たりが良すぎると夏場のエアコンの効きが悪くなり、電気代が高くなるので、ほどほどの陽当たりを好む方
- 夜勤のため昼間は就寝しやすいように陽が入るのを必要としない方
など、本当に日当たりへの関心は十人十色です。
そのため、現地で陽当たりを確認するために雨の日は内見をしたくなくなってしまう方も多いでしょう。
確かに、雨の日では陽当たりの具合を確かめることはできません。
しかし、晴れの日にしか内見をしていないがために、入居後に雨漏りをしていたことが判明したら、入居後のテンションがかなり下がります。
その他にも、日本の年間降水日数は東京では2020年で年間107日もあり、年間を通して約1/3は雨の日です。
そんな雨の日でも快適に過ごせるように雨天時の内見はとても重要です。
この記事は、雨の日にこそ内見で確認すべきポイントについてまとめた記事となっています。
不動産はよく結婚に例えられます。
最初のうちはお互いの良いところだけが見えていますが、日が経つにつれ、お互いの嫌なところに目がいってしまうこともあるでしょう。
不動産も同じです。
晴れている日には気付かないが、雨の日には気になる点が隠れているかもしれません。
雨天時に内見することで、入居後に雨の日でも快適な生活が出来るのかをしっかり確認しましょう。
また、どうしても現地に行くことが出来ないという方やコロナ禍で直接人と会いたくないという人にはオンライン内見という方法があります。
オンライン内見の方法とメリット・デメリットも併せてご紹介します。
ポイントをおさえて後悔しない物件を選びをしましょう。
不動産を購入する際に内見当日に売主様から聞くべきことやオンライン内見に関連したIT重説についてはこちらの記事でまとめています。
目次
雨の日こそ内見でみるべきポイント
雨の日の内見で確認したいポイントは3つです。
- 周辺の環境
- 物件の外部
- 物件の内部
内見をする際には室内の様子をチェックしますが、意外と見落としがちなのが物件の周辺環境です。
雨の日の内見は室内と合わせて周囲の環境を確認するのが大事となってきます。
雨の日だからこそ確認出来るポイントを押さえて、後悔のない物件選びをしていきましょう。
ここからはポイントごとに注意すべき点と解説をしていきます。
周辺の環境(物件周辺の道路について)
水はけの確認
雨の日によく通る道で水たまりが出来ていた時、長靴を履いた子供でもない限り、水たまりを避ける必要が出てきます。
革靴で防水スプレーをしていても心許ないでしょう。
砂利道や未舗装の道路は晴れの日でも目視で歩きづらいことや水たまりができやすいこと、車が傷つきやすいことなどが確認出来ます。
しかし、アスファルトで舗装されている場合は注意が必要です。
一見綺麗に舗装されている場合でも、表面上の凸凹が原因で雨の日には水たまりができやすくなっていたりします。
アスファルトの舗装にくぼみがあるかや流水を側溝へきちんと誘導できているかなどの確認が必要です。
雨の日には周囲の道路状況をよく確認しておきましょう。
歩道幅員の確認
車をお持ちの方は駐車がストレスなく行えるかや物件の前面道路の車道幅の確認をされると思います。
とても素晴らしいです。
しかし、雨の日の内見では、特に歩道に注視してください。
歩道まで確認される方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。
商店街などご自宅の近くに歩道が思ったよりも狭い所があるかと思います。
内見する物件周囲の歩道を確認する時に、雨の日特有の注意すべきポイントがあります。
それは傘を差した時に不都合がないかです。
コロナ禍なので、傘を差して自動的にソーシャルディスタンスができるという話は置いておきます。
- 傘を差しながら人とすれ違う時にぶつからないか、傘をすぼませる必要がないか
- 道路標識のポールが歩道上で邪魔となり、傘をたたむ必要がないか
大人用の傘のサイズの平均は直径で1mです。
歩道の幅によっては、すれ違う時にどちらかが傘をすぼめる必要が生じます。
折り畳み傘だと形状からして、畳むと全身が濡れてしまいます。
そのことを考慮して雨の日に問題なく歩道を歩けるか、別のルートがあるかなどを注視してみてください。
ちなみに車道幅で気をつけて欲しいことは、こちらの記事でご説明しております。
駅までの所要時間
不動産の広告に表示されている駅までの所要時間は80メートルを1分で換算しており、どんなルートでも80メートルは1分と算定されます。
そのため、400mあれば徒歩5分という表記になります。
しかし、この計算には次の事情は含んでいません。
- 坂道や歩道橋
- 横断歩道や踏切などの信号の待ち時間
- 地下鉄などのホームから地上までの距離
そのため、実際に歩いて掛かる時間とではズレが生じることがあります。
徒歩5分の場所へ実際に歩いたら10分も掛かったなど、読者の方もご経験があるかと思います。
平坦な道400mと急坂や信号機の連続、歩道橋、地下を通じての400mの道も徒歩5分と同じ表記です。
さらに、雨天時には向かい風や足元が悪いことで予想を大きく超えて時間を要することもあります。
そのため、雨の日の駅から物件までの通勤通学時間があなたの許容できる範囲なのか、実際に歩いてみるのがおすすめです。
駅までの所要時間については、こちらの記事でご説明しております。
道路の渋滞
駅までの所要時間を確認する際に、駅までの道路の渋滞や道路の状態なども併せて確認するとよいでしょう。
雨の日には渋滞が起こりやすいです。
「渋滞しているので、会社を遅刻します」という日はほとんど雨の日ではありませんか?
晴れの日には普段徒歩や自転車、バイク通勤している人でも、雨の日には車通勤をする方が増えます。
自転車やバイクも注意散漫となり、急な飛び出しなども想定されます。
小学生などのお子様がいらっしゃれば、通学路の危険が増す所もあるでしょう。
また、道路の状態が良くないと水はねなどの被害も考えられます。
その他にも、ラッシュ時間の電車やバスなどの混み具合も確認することをおすすめします。
雨天時には大変混み合うからです。
雨の日に慌てずに行動出来るようにラッシュの時間帯である朝と夕方に周辺道路の状況は確認しておきましょう。
物件の外部
周囲の環境の確認が出来たら、次は物件自体の確認をしていきます。
ここでも雨の日の内見ならではのチェックポイントがあるので、きちんと確認していきましょう。
直接雨にさらされる部分のチェックしたいポイントは3つです。
- 敷地内の水たまり
- バルコニーと廊下の水はけ
- 排水管
それでは、チェックすべきポイントを細かく解説していきます。
敷地内の水たまり
周囲の環境にも通じるのですが、敷地内の水たまりも確認しておく必要があります。
水はけが悪い場合はコンクリートの劣化や害虫が発生する原因になったりします。
害虫で代表的な蚊に刺されると、年を取れば肌にもダメージが残りやすいです。
通常、宅地内は外構と呼ばれる道路側に向かって緩やかな坂になっており、雨水が排水される構造になっています。
しかし、中には施工不良や経年劣化で水はけが上手くできていない物件もあります。
こういった水はけが良いかどうかはやはり、雨の日でないと分かりません。
物件の内部であれば家の傾きを確認するために、ビー玉やスマホアプリなどで確認する方はいらっしゃるのですが、家の外で外構の傾きを確認する方はいらっしゃいません。
バルコニーと廊下の水はけ
バルコニーやマンションの廊下の水捌けが悪いと、履物が濡れてしまうだけはなく、コケやカビが生えたり、変色してしまったりします。
マンションによっては共用部分は自分で管理・清掃を要する場合があります。
雨のたびに掃除をしたりするのは大変です。
また、コケやカビのアレルギーをお持ちの方であれば、風通しが良くなく、多湿になるとカビが繁殖しやすくなり症状が悪化してしまいます。
そのため、物件内だけでなく共用部分の確認も必要になってきます。
さらに、雨天時でも洗濯物を干したいという人は、バルコニーの屋根の長さの確認もしておく必要があります。
バルコニーの屋根の長さがある程度あれば、雨の日にも洗濯物を干すこともできます。
雨の日に洗濯物なんか干さないという方でも、急な夕立などでも屋根の長さが十分あれば、折角干した洗濯物をまた乾かす必要がなくなります。
排水管
特に戸建てでの話になりますが、建物の屋根に降った雨は雨どいを通して地面に排水されます。
雨の日に排水管の横部から水漏れをしていたり、水が噴き出していることなどを確認できます。
こういった場合は雨どいの破損や異物が詰まっていることが考えられます。
入居後にそのような欠陥が見つかった場合には、現状引き渡しという理由で売主さんが修理を引き受けてくれないこともあります。
そうなると自己負担で修理をしなければなりません。
雨どいの欠陥が見つかった場合は、他にも欠陥があるかもと思って住宅診断を考えることもできます。
住宅診断については、こちらの記事で詳しく解説しております。
晴れの日に雨どいにわざわざ水を流すお客様はいらっしゃいません。
雨の日でしか、雨どいの不具合を確認できないのです。
物件内部
続いては物件内部のチェックです。
物件内部では間取りや内装に気を取られがちですが、雨天時の内見でしか確認出来ないポイントもありますので、合わせてご確認ください。
雨天時、特有の気を付けるべきポイントは3つです。
- 雨漏り
- 雨の音
- 雨の日の洗濯
雨漏り
定番な雨漏りは致命的な欠陥といってもよいでしょう。
ポタポタと目に見える雨漏れだけではなく、建物の内部での雨漏りがないかの確認もしておくとよいでしょう。
「天井裏から雨音がする」
「天井の壁にしみが出来ている」
「室内がかび臭い」といった場合には雨漏りの可能性が大きいです。
人間と同じで、外から見て出血はないが、内出血はしていることはよくあり、不動産でもあります。
表面上雨漏りがない=絶対安心ではないということを念頭にいれて確認をしましょう。
雨の音
雨の音は一度気になるとずっと気になってしまい、ストレスにもなります。
屋根に振り付ける雨音だけではなく、車が雨水を撥ねる音がうるさくないか、カエルなどの声が気にならないか、一度会話を止めて許容範囲の騒音であるか耳を澄ましてみることをおすすめします。
また、築年数が20~30年経った物件になると断熱材の劣化などにより防音が出来ていない場合もあります。
断熱材は本来、室内と外気温の温度差をやわらげるものですが、副産物として防音の効果もあります。
断熱材が劣化すれば、必然的に防音性能も弱まっている可能性があります。
屋根に使用している材質や形状だけで判断せず、断熱材の状態も確認しておくことが大事です。
音が気になる方は、防音効果を高める方法として次の5つが有効です。
- 断熱材を新しくする
- 防振材を入れる
- 塗装を防音仕様にする
- ペアガラスにする
- 二重サッシにする
このような方法を試してみることをおすすめします。
ちなみに、不動産業者は契約する時に契約者が不利益を被る情報は伝える必要があります。
しかし、こういった音などの情報は調査項目にもありませんので、教えてもらえません。
雨の日に音についても気にしてみましょう。
雨の日の洗濯
先程ご説明した雨天時の洗濯もシュミレーションしておくことも大事です。
外に干せない時に洗濯物をどこに干すのか。
浴室なら浴室乾燥機や24時間換気システムが付属しているか。
室内でどう場所を確保するのか。
雨の日が続いた時はコインランドリーに持っていくのかなど、具体的なイメージをしておくと安心ができます。
どうしても現地にいけない人はオンライン内見も考えよう
どうしても内見の日にちの確保が難しい場合やコロナ禍で直接の対面が怖い方などは、オンライン内見を使う方も増えてきています。
オンライン内見とは現地で直接内見が出来ない方向けのサービスです。
お客様に代わって不動産会社のスタッフが現地へ出向き、お客様のスマホやPCを通して動画や音声で物件を紹介するサービスとなります。
ここからはオンライン内見のやり方やメリット・デメリットについてご案内致します。
オンライン内見やり方
オンライン内見では、不動産会社によって少し仕様は異なりますが、ここでは標準的な流れをご紹介します。
①オンライン内見の申し込み
不動産会社のHPや電話で申し込みをします。
この時に条件を伝えることが一般的です。
事前に希望のエリアや間取り、予算などについてある程度絞っておいた方が担当の方との商談がスムーズに進みます。
②内見の希望日の調整をする
近年オンライン内見の需要は高まってきており、急な申し込みでは対応出来ない場合などがあります。
少し日にちの余裕を持って申し込みするようにしましょう。
③オンライン内見の準備をする
不動産会社によっては事前にオンライン内見をする準備が必要な場合があります。
アプリのインストールが必須だったり、ミーティングルームのURLからID・PWを入力して参加することが必要な場合があります。
オンライン内見当日にバタバタしないように、事前に動作チェックやログイン方法の確認をしておくことをおすすめします。
④オンライン内見開始
予定の時間になったら、指定の方法でオンライン内見に参加してください。
この時、通信環境のエラーなどで上手くいかない場合があります。
事前に担当者の連絡先を確認しておくと慌てないで済みます。
オンライン内見のメリット
直接現地にいけないものの、オンライン内見のメリットはいくつかあります。
- 遠隔地にある物件でも自宅にいながら見学できる
- 現地へ行く時間や交通費がかからない
- 写真だけでは確認できない所を確認できる
- 離れた場所にいる家族や友人と一緒に物件を見学できる
オンライン内見デメリット
これに対して、オンライン内見にもデメリットがあります。
- 直接目視確認が出来ない
- 通信費が掛かる
- 通信環境によっては映像や音声が不安定になる
- 事前の設定やID・PWの管理が必要な場合がある
メリット・デメリットをきちんと理解してオンライン内見に挑戦してみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
以上で雨の日の内見で注意すべきことの説明を終わります。
雨天だからといって、ガッカリせずに内見に臨んでみてください。
雨の日の内見で注目する3つのポイントとチェック項目はこちらです。
- 周囲の環境・・・水はけの確認、道路の幅員の確認、駅までの所要時間
- 物件の外部・・・敷地内の水たまり、バルコニーと廊下の水はけ、排水管
- 物件の内部・・・雨漏り、雨の音、雨の日の洗濯
また、どうしても現地へ行けない方やコロナ禍で直接対面したくない方はオンライン内見という方法もあります。
雨の日は晴れの日と大きく環境が変わっています。
雨天時でも快適に過ごせるように内見でしっかり確認してみてください。
入居後に、こんなはずじゃなかったという事態を避けるためにも、各項目で抑えておくべき箇所を確認して、素敵な物件探しをしてみてください。