全国的な社会問題となっている空き家。超高齢化社会が進む現在、今後、相続や不要になった家屋の増加により空き家はさらに増加していくでしょう。最近では、そんな空き家を上手に活用し、収益化や社会貢献につなげる取り組みに注目が集まっています。
今回は、空き家活用の成功事例を複数紹介。使い道のない空き家を持っている方は、活用のヒントを見つけてみましょう。
- 空き家を活用しないと損失が発生する理由
- 空き家活用の成功事例
- 空き家活用に使える国や自治体からの補助金
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
活用しないまま置いておくと、いろいろな損失を生んでしまうんだ。
目次
空き家は活用しなければただの「金食い虫」?!
空き家は使わないまま所有しているだけでは、金銭面の負担が発生するだけでなく、社会的な損失につながってしまう場合もあります。
代表的な損失は、以下の通り。
- 固定資産税・都市計画税がかかる
- 住宅用地特例が外れて税金が跳ね上がる
- 景観を損ね、周辺住民とのトラブルが発生する
- 犯罪、事故のリスクを抱え続ける
使い道のない空き家が多くのリスクを生むのは間違いありません。
どんな活用事例があるのか見てみよう!
空き家の活用方法と成功事例
空き家の多くは、建物と土地がセットになっています。
よって、建物を残したまま活用したり、建物を解体して土地活用したり……アイデア次第でさまざまな形の活用が可能だといえるでしょう。とくに立地が良い空き家であれば、大きなビジネスチャンスにもつながります。
空き家の活用方法1.賃貸に出す
一般的な空き家の活用方法に、賃貸物件としての活用があります。
建物の傷みがないなら、そのまま賃貸物件として貸し出せる可能性もあるでしょう。一方で、ある程度傷みが進んでいたり造りが古いといったりした問題があれば、内装のリフォームにより住居価値を高めることで、高い賃料で貸し出せるようになるかもしれません。
近年ではリノベーションにより建物を大幅に改修し「シェアハウス」として運用するなど、一手間かけて収益性を高める方法も実践されています。
また、弊社イエツグでは空き家をリノベーションし賃貸物件として活用する「空き家再生事業」を展開中です。家族向けの戸建てだけでなく、単身者用のシェアハウスなど、住宅様式に合わせたさまざまな可能性をご提案したします。
【成功事例】栃木県宇都宮市のサイクリスト向け賃貸物件
栃木県宇都宮市は、プロロードレースチームをもつほどの自転車の街。ここではプロチーム「宇都宮ブリッツェン」が全面協力し、空き家をリノベーションしたサイクリスト向けのマンションルームを完成させています。
空き家の活用方法2. 民泊に活用
一般住居を宿泊施設とする「民泊」への活用が人気を集める中、空き家を改修し民泊施設として運用するケースが増えています。
単なる宿泊施設としてだけでなく、地方の古民家などは観光名所としても人気。国内の旅行者だけでなく、海外からも多くの観光客が集まっています。
なお、2018年6月15日に施行された住宅宿泊事業法により、民泊として活用するためのガイドラインが定められました。一定のルールに従った運用が求められますので、民泊を開業したい場合にはしっかりとガイドラインを確認しましょう。
【成功事例】静岡県伊豆の国市の古民家宿泊施設
引用:STAY JAPAN
静岡県伊豆の国市にある古民家宿泊施設「農家の古民家」は、築100年を超える古民家を活用した民泊施設です。隣接する納屋を流用したカフェでは、地方ならではの郷土料理も楽しめます。
空き家の活用方法3. 改装して商業利用
古民家のように外観・内装に特徴がある建物なら、カフェや博物館として利用してもよいでしょう。
もちろんある程度の改修、補修は必要ですが、建物の特徴を残した独特の空間を実現できれば、非日常を体験したい多くの利用客を呼び込めるかもしれません。
【成功事例】さいたま市緑区の古民家カフェ
引用:食べログ
さいたま市緑区の古民家カフェ「百福」は、漬物問屋だった家屋を移築して開業。コーヒーや軽食を楽しめる一方、アンティーク雑貨が所狭しと並ぶギャラリーとしての顔も持っています。
この「百福」は俳優・原田龍二さんのお父様が経営していることでも有名です。店内には原田龍二さん、弟の本宮泰風さん、その妻の松本明子さんにゆかりのある品々が並び、ファンならずとも長い時間ゆっくりと楽しめる空間となっています。
【成功事例】新潟県十日町市の宿泊体験型アート
引用:越後妻有「夢の家」
新潟県十日町市が主催し、地域活性事業としてスタートした美術イベント「大地の芸術祭」。地域の施設を活用した展示のひとつが、築100年を超える古民家を使った宿泊体験型アートです。
旧ユーゴスラビア出身のマリーナ・アブラモヴィッチ氏が手がけた「夢の家」は「自分自身と向き合うために、夢を見てほしい」というコンセプト。暖かさを感じさせる古民家で過ごす一晩は、ただの宿泊施設では味わえない、自分の内面と向き合う時間を与えてくれるでしょう。
空き家の活用方法4. 売却する
地域や建物の造りによっては、他の用途に使いにくい空き家もあります。将来的に住む予定もないようなら、空き家に強い不動産会社に仲介を依頼、もしくは不動産会社に買取してもらうとよいでしょう。
想像しているよりも安い価格にしかならないかもしれませんが、納税義務や倒壊などのトラブルから逃れられるのは大きなメリットです。
なお、相続した空き家を売却する際には「相続空き家の3000万円特別控除」を適用できる場合があります。適用には一定の要件を満たす必要はありますが、売却益に係る所得税を減らせるため、売却の際には確認しておきましょう。
相続空き家の3000万円特別控除が適用される要件は以下の通りです。
- 相続直前に相続人が住んでいた
- マンション以外の家屋
- 相続人が一人暮らしだった
- 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋
- 相続から譲渡(売却)までの間、誰も住んでいない
でも安心して!国や自治体からいろいろな補助金を受けられるよ!
リノベーションや解体に!空き家活用を後押しする補助金3選
リフォームによる再利用や、建物建て替えのための解体など、空き家を活用する前にはある程度の費用が必要になるケースがあります。
不動産にかかる費用はどんなケースであってもそれなりに大きな金額になりやすいもの。費用が心配な方は、ぜひ地方自治体や国による補助金を活用しましょう。
空き家を活用できる補助金1. リフォーム補助金
空き家問題を積極的に解決したい各地方自治体の中には、空き家の改修・修繕に対し補助金の給付を行うところがあります。
例として、千葉県木更津市では住居として活用するための工事を行う場合、「空家リフォーム助成制度」として対象経費の2分の1、かつ上限50万円までを助成。
神奈川県海老名市では「空き家活用促進リフォーム助成金」制度を実施。税抜10万円以上の工事に対し、2分の1(上限50万円)を助成しています。
また政府は2017年10月より「住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業」を含む、住宅セーフティネット制度を開始しました。
高齢者、低額所得者、子育て世帯等の住宅確保要配慮者専用住宅への改修工事費用として、改修工事費用の3分の1(上限50万円)を給付。さらにバリアフリー改修工事、耐震改修工事などの工事に対し、50万円までを追加で給付しています。
空き家を活用できる補助金2. 空き家解体補助金
空き家に頭を悩ませる地方自治体は、空き家を解体するための費用への補助も行っています。
これは地方自治体がそれぞれ独自に行っているため、制度の名称はそれぞれの自治体ごとに異なり、また補助の額もバラバラです。
例として、神奈川県横須賀市では「空き家解体費用助成事業」を実施。市職員による老朽度判定を行った上で、解体費用の2分の1(上限35万円)を補助します。
埼玉県川口市では「川口市空家除却補助金」として「補助対象工事に要した費用の5分の4相当額」または「床面積1平方メートルにつき2万円」のいずれか低いほう(上限100万円)と補助するとしています。
空き家を活用できる補助金3. 空き家事業補助金
空き家を住居として再利用、解体するだけでなく、空き家を活用した事業に対する補助を行う自治体もあります。
例として、神奈川県藤沢市では「藤沢市空き家利活用事業補助金」として、1年以上使用されていない一戸建ての空き家を活用した地域貢献事業に対し、経費の3分の2(上限100万円)の補助を受けられる制度が施行されています。
まとめ:空き家の活用方法はイエツグまでご相談ください
空き家は所有者にとっても地域にとっても頭痛の種になりやすい存在です。一方で空き家の存在をビジネスチャンスとしてとらえ、さまざまな取り組みに活用する動きが活発化。新しいアイデアにより、多くの可能性が生まれています。
弊社イエツグは「空き家再生事業」として、空き家を新しい形で活用できるようなリフォームをご提案しております。家を「人から人へ、継いでいく」のがイエツグのモットー。もしお手持ちの空き家にお悩みなら、ぜひイエツグまでご相談ください。将来的な活用プランのご提案を含め、誠心誠意対応させていただきます。