この記事でわかること
- 住宅ローンの連帯債務とは
- 住宅ローンを連帯債務で組んだ場合のメリット
- 住宅ローンを連帯債務で組む前に知っておくべき注意点
執筆者 丹拓也

目次
連帯債務は現在の制度で「持分・実負担・控除」を確認する
連帯債務は借入可能額だけでなく、登記上の持分、実際に誰がいくら負担するか、住宅ローン控除の対象額が整合しているかを一緒に確認する必要があります。持分と資金負担が合わない場合は、贈与税など税務上の論点が生じることがあるため、契約前に税理士や税務署へ確認してください。
住宅ローン控除の対象となる借入金は、夫婦だから自動的に半分ずつになるわけではありません。国税庁の事例でも、持分と内部的な負担割合を踏まえて各人の対象額を計算しています。
- 登記: 家屋・土地の持分割合を確認する
- 負担: 頭金、毎月返済、諸費用を誰が負担するか整理する
- 控除: 現行の適用要件と各人の対象借入金を確認する
- 団信: 連帯債務者の死亡時の保障範囲は、金融機関・商品・加入内容で異なるため契約前に確認する
なお、本文に登場する「すまい給付金」は申請受付が終了しています。現在の住宅取得支援を検討する場合は、取得時期・住宅性能・所得などに応じた現行制度を別途確認し、過去制度の給付を資金計画に入れないようにしてください。
計算の考え方は国税庁の連帯債務の計算事例、住宅ローン控除の要件は国税庁の現行案内、「すまい給付金」の受付終了は国土交通省の案内をご確認ください。
連帯債務で住宅ローンを借り入れるメリット

連帯債務で住宅ローンを借り入れる3つのメリット
- 多額の借り入れが可能
- 債務者それぞれが住宅ローン控除を適用できる
- 債務者それぞれがすまい給付金を受け取れる
多額の借り入れが可能
連帯債務では、住宅ローンの審査時に債務者の年収が合算されて借入可能額が計算されます。夫婦のどちらかが単独で住宅ローンを組んだときよりも、多額の借り入れができるため、手が届かなかった物件を購入しやすくなるのです。 ただし連帯債務で住宅ローンを組む場合、夫婦それぞれが返済義務を負うため、連帯債務者にも安定した収入が求められます。また、妻が連帯債務者となった場合、育休や産休を取り、世帯の収入が減っても返済をし続けなければなりません。住宅ローン控除を債務者それぞれが適用できる
住宅ローン控除とは、住宅ローンを借り入れた人が利用できる、税負担の軽減制度です。年末時点における借入残高の1%分が、所得税から控除され、引ききれなかった金額は住民税から控除されます。 住宅ローン控除を受けられる期間は、最大で10年間ですが、所定の条件を満たすと控除期間が13年に延長されます。 連帯債務で借り入れた場合、夫婦それぞれが持つ住宅の所有権の割合(持分割合)に応じて、住宅ローン控除を受けられます。 たとえば、共働きの夫婦が、住宅ローンを半分ずつ負担する連帯債務で住宅を購入し、住宅の持分割合も1/2ずつであったとしましょう。年末時点の借入残高が3,000万円であった場合、夫と妻がそれぞれ15万円(1,500万円×1%)の減税を受けられます。 ただし住宅ローン控除の対象となる借入残高は、頭金を負担した割合や借入金を負担する割合、持分割合などによって変わります。夫婦それぞれがすまい給付金を受けられる
すまい給付金とは、住宅ローン控除による節税効果があまり得られない所得の方向けに実施されている支援制度です。給付額は、住宅ローンを組んだ人の収入額(都道府県民税の所得割額)で決まる給付基礎額に、持分割合をかけて計算されます。- 年収の目安:775万円以下
- 給付基礎額:10万〜50万円
「連帯債務」「連帯保証」「ペアローン」の違いと夫婦の役割

| 連帯債務 | 連帯保証 | ペアローン | ||||
| 夫 | 妻 | 夫 | 妻 | 夫 | 妻 | |
| 位置づけ | 主債務者 | 連帯債務者 | 主債務者 | 連帯保証人 | 主債務者 | 主債務者 |
| 契約 | 1本 | 2本 | ||||
| 住宅ローン控除 | ◯ | ◯ | ◯ | ☓ | ◯ | ◯ |
| 団体信用生命保険 | ◯ | △※ | ◯ | ☓ | ◯ | ◯ |
| 所有権 | ◯ | ◯ | ◯ | ☓ | ◯ | ◯ |
住宅ローンを連帯債務で借りるときは「持分割合」「離婚」「死亡」に要注意

連帯債務で住宅ローンを借り入れる際の3つの注意点
- 住宅の持分割合次第で贈与税が発生する
- 団信に加入できるのは主たる債務者だけ
- 夫婦が離婚をしても引き続き返済が必要
住宅の持分割合次第で贈与税が発生する
連帯債務で住宅ローンを組んで住宅を購入した場合、夫婦それぞれが所有権を持ちます。夫と妻が出資した割合と、住宅の所有権を登記する際の持分割合が異なると、贈与税が発生することがあるのです。 たとえば、以下のケースにおいて連帯債務で住宅ローンを組み、マイホームを購入したとしましょう。- 住宅の購入価格:3,000万円
- 持分割合:夫1/2・妻1/2
- 頭金:500万円
- 住宅ローン:2,500万円(夫:1,500万円、妻:1,000万円)
| 夫 | 妻 | |
| 出資金額 | 頭金500万円+1,500万円 =2,000万円 | 1,000万円 |
| 出資割合 | 2,000万円/3,000万円 =2/3 | 1,000万円/3,000万円 =1/3 |
連帯債務者が死亡しても団信による保障は受けられない
連帯債務で団信に加入できるのは、主たる債務者のみです。連帯債務者が亡くなった場合、主たる債務者は引き続き借り入れた全額を返済していかなければなりません。 連帯債務者に万一のことがあった場合の返済が心配であれば、夫婦連生型団信に加入する必要があります。しかし連帯債務と夫婦連生型団信の両方を取り扱う金融機関は少ないため、住宅ローンの選択肢が狭まってしまいます。住宅ローンを連帯債務で借り入たあとに離婚をしても引き続き返済が必要
連帯債務で住宅ローンを借り入れた場合、夫婦が離婚をしても連帯債務者の返済義務はなくなりません。 たとえば、主たる債務者が夫、連帯債務者が妻であったとしましょう。住宅を売却しないかぎり、元夫は離婚したあとも引き続き住宅ローンを返済していかなければなりません。もし元夫が返済を滞納すれば、戸籍上は他人となったはずの元妻に返済の義務が生じます。 「離婚したら住宅ローンの名義変更をすれば良いのではないか」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、住宅ローンの名義変更は、金融機関からの承認が必要であるため、困難であるケースが多いのです。 離婚したあとの住宅や住宅ローンの取り扱いについては多くの注意点があるため、以下の記事も併せてご確認ください。まとめ:住宅ローンを連帯債務で組む場合は慎重に検討する
連帯債務は、1人で組むよりも多額の借り入れが可能です。また、夫婦それぞれが住宅ローン控除やすまい給付金を利用できる可能性がある点もメリットといえます。 しかし、連帯債務には「贈与税が発生する場合がある」「団信は主たる債務者しか加入できない」「離婚しても引き続き返済が必要」といった注意点があります。 欲しい物件の価格や夫婦の収入にかかわらず、住宅を購入するときは、資金計画を慎重に立てることが非常に大切です。 イエツグには、FPや住宅ローンアドバイザーといった有資格者が在籍しています。無料でキャッシュフロー表も作成いたしますので、安心できる資金計画を立てたいと考えている方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。
イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
監修者 品木彰

大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。




























