【売主必見】査定価格で売れない理由を不動産売買のプロが解説

不動産を売却する前にには、不動産会社による査定が行われます。その不動産物件がもつ価値を表す査定価格ですが、実際には、必ずしも査定価格どおりの金額で売れるとは限りません

なぜプロの不動産会社が算出した査定価格どおりに売却できないのでしょうか。今回は査定価格どおりに売却できない理由と、適正な価格で売却するための心構えをご紹介します

この記事でわかること
  • 査定価格と売却価格の関係
  • 査定価格通りに売却できない2つの理由
  • 適正価格で売るための心構え

執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
イエツグくん
不動産のプロが算出したはずの査定価格。
どうしてこの金額通りに売れないんだろう?

不動産の「査定価格」=売却価格ではない

不動産の査定価格はプロの不動産会社によって算出された金額ですが、その価格どおりに売却できるとは限りません

ではなぜ、査定価格と売却価格にズレが起きてしまうのでしょうか?

不動産売買は値引きありきの慣習

一般的な商取引では、提示された商品の販売価格そのままで取引されます。

しかし不動産売買おいて提示された販売価格は参考価格」として扱われる慣習があり、そのままの価格で売れることはほとんどありません。

査定価格を基準に適切な値付けをしたつもりでも、購入申し込み後に値引き交渉されたり、なかなか反響が得られず値下げを余儀なくされたりすることで、当初の売り出し価格よりも安い価格で取引されるのが一般的です。

査定価格で売れない理由は2つ

不動産は査定により大まかな価値を算出されますが、実際に売却される際には査定価格よりも安い金額で取引されるケースが多いといえます。

不動産の査定はプロの目によって行われているにもかかわらず、その査定価格どおりに売れることはほとんどありません。

その価格のズレが生まれる背景には、次の2つの理由が挙げられます。

  1. 不動産会社に問題がある
  2. 物件に問題がある
イエツグくん
査定価格を出すのは不動産会社だけど、その不動産会社が原因で査定価格通りに売れない場合があるんだ。

1. 不動産会社が原因で査定価格で売れない

査定価格よりも取引価格が安くなる理由のひとつには、不動産会社が原因となるケースがあります。

1.査定価格が適正価格からかけ離れている

査定価格は、あくまで査定を行った不動産会社が一定の判断基準に独自の判断を加えて算出したものです。そのため不動産会社ごとに査定結果は異なり、中には適正価格から大きくかけ離れた査定価格を出す場合があります

多くの売主は不動産売買の経験が少ないため、査定価格と適正価格が異なることを知りません。

悪質な不動産会社は、そのような売主の知識不足につけこみ、高い査定価格を提示他社よりも高く売れるとアピールし媒介契約を結び、契約後に売却価格を下げる場合があります

売主は、査定価格はあくまで参考価格程度であることを認識しておき、悪質な不動産会社の口車に乗らないように自衛しなければなりません。

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2.広告の掲載方法に問題あり

物件には問題が無くても、広告の掲載方法が悪いために売れない場合があります

売りに出された不動産物件は、大手ポータルサイトなどに物件情報が掲載され、購入希望者からの問い合わせを待ちます。

しかし、物件情報が適切に掲載されていない場合には問い合わせが増えず、売却のために値下げしなくてはなりません。

物件情報で問題になりやすいのが、物件に関する写真の掲載方法です。本来は日当たりがよく、日差しがよく入る部屋であっても、撮影した時間帯や撮影の角度が悪ければ、暗くジメジメした印象を与えてしまうでしょう。

もし掲載されている写真の印象が悪いようなら、適切な時間と角度で撮影した写真に交換するだけで、値下げの必要なく問い合わせを増加させる可能性があります

3.売却先をえり好みしている

契約期間中になかなか物件が売れない場合、不動産会社が売却先をえり好みしている恐れがあります。

専属専任媒介契約または専任媒介契約を結ぶと、契約期間中はその不動産の売買取引は1社だけが行えるようになります。

問い合わせが多い物件は、不動産会社にとって優良見込み客を連れてきてくれるチャンスメーカーのような存在です

少しでも長い期間優良見込み客を集め、他の物件に紹介できるよう、わざと売却せずに手元に置いておくように考えるかもしれません。

契約期間中に多くの見込み客を集めた後、最後にはその物件を売却して仲介手数料をとります。その際には確実に売却を成立させるため、査定価格よりも安く売りさばいてしまう場合もあるでしょう。

このように不動産会社の都合で物件の売却時期を調整する手法は「囲い込み」と呼ばれ、業界内でも大きな問題とされています。

イエツグくん
頼れる不動産会社が正確な査定価格を出してもまだ安心はできないよ!
物件そのものの問題が理由で、値引きされちゃう場合もあるんだ。

2. 不動産が原因で査定価格で売れない

査定価格より安く売買される理由には、不動産そのものに原因があるとも考えられます。

1.強力な競合物件がある

物件の近くに競合物件がある場合、査定価格通りの売却は難易度があがります。

購入する不動産を決める要素のひとつに、物件の場所があります。もし売りたい物件の近くに条件が近く、価格が安い物件があるようなら、その競合物件が優先して売れていくでしょう。

高い物件が先に売れるのは稀です。近くに価格が安い競合物件があるようなら、その競合物件が売れるまで待たねばならず、早期に売りたいなら値下げをしなくてはならないでしょう。

2.心理的瑕疵がある

心理的瑕疵(しんりてきかし)とは、買主・売主が精神的に負担を感じるような事柄を指します。

仮に対象の物件の周囲に、次の様な問題があるとしましょう。

  • 騒音
  • 臭気
  • ご近所トラブル
  • 過去に近所で重大な事件が発生した

これらの問題が事前にわかっていたとしても、不動産会社は問題による影響を査定価格に反映させません。

しかし実際の売買時には、これらの問題を理由にした値引き交渉は発生します。どうしても早期に売却したいなら、心理的瑕疵を理由にした値引きを受けざるを得ない場合もあります

3.余計な費用がかかる

売買する不動産の状態によっては、物件の修繕費や設備の交換費用、リフォーム費用といった追加の費用がかかります

不動産本体の代金、手続き関連の費用の他に必要なこれらの支出は、交渉次第では購入者が負担し、その代わりに物件代金の値引きが必要となるケースもあります。

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イエツグくん
査定価格どおりには売れなくても、少しでも高く売りたいのが売主さんの希望。
しっかり適正価格で売却するためには、次のポイントを抑えておこう!

不動産を「適正価格」で売却するためには

査定価格どおりの売却は難しくても、適正価格での売却を目指すなら、いくつかのポイントを抑えることで十分に実現可能となるでしょう。

1.依頼する不動産会社はサービスで選ぶ

査定はそれぞれの不動産会社が主観で行うため、ある程度のズレが生まれます。中には不動産会社の利益を優先し、不当に高い査定を出す会社もあるため、高い適切価格を出す会社がよい会社とは限りません

その物件がもつ適正価格は、どんな査定金額を出されたとしても変わりません。仲介を任せる不動産会社を選ぶなら、真摯に物件売却に協力し、サービス面でも手厚くフォローしてくれる不動産会社を選ぶとよいでしょう

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2.一般媒介契約で囲い込みを防ぐ

1社とのみ媒介契約を結ぶ専属専任媒介契約および専任媒介契約は、不動産会社側の権利が非常に強い媒介契約です。

不動産を売るも残すも不動産会社の腹づもりひとつで決まるため、契約期間中の囲い込みを防ぐ方法はないと考えてよいでしょう

囲い込みを防ぎたいなら、複数社と同時に交渉できる一般媒介契約を結ぶとよいでしょう。しかし他社との競争を嫌い、積極的に販売活動しない不動産会社もあるため、万能の契約方法ではない点は肝に銘じておきましょう。

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3.ある程度の値下げ、長期戦は覚悟しておく

査定価格通りに売れない理由は不動産会社にあるばかりでなく、物件が問題を抱えているケースも少なくありません。

設備や備品といった物件本体に関わるものだけでなく、近隣の競合物件の存在や社会的動向など、対策の取りようがないものもあります

そのため確実に売却を成功させるためには、買主の希望に応じたある程度の値下げや競合物件が売れるのを待つなど、ある程度の妥協点を想定しておく必要もあるでしょう

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まとめ:「査定価格」は絶対ではない!信頼できる不動産会社を選ぶのが第一歩

不動産取引に臨む多くの売主は、取引に対する知識が少ないことがほとんどです。そのため不動産会社が圧倒的優位な立場にいることが多く、悪質な不動産会社相手では、会社の利益を最優先にした取引が進められる場合もあります。

不動産取引を適切に行うには、不動産売買に関する仕組みの勉強と、信頼できる不動産会社の選択が必要です

不動産会社を見極めるポイントは、提示される査定価格だけでなく、サービス内容や実績、売主重視の姿勢などさまざま。親身になって取引に協力してくれるか、不動産会社の特性をしっかりと見極めたパートナー選びを行いましょう

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。