手ごろな価格でマイホームを手に入れたいと考えて、中古住宅でのリノベーションを検討している方も多いのではないでしょうか?しかし中古住宅のリノベーションには、メリットだけではなくデメリットもあるため、費用を抑えられる点だけで選んでしまうと後悔する恐れがあります。
本記事では、中古住宅をリノベーションするときのメリットだけでなく、デメリットや後悔を防ぐ方法まで幅広く解説します。
- 中古住宅をリノベーションするメリットとデメリット
- リノベーション済み物件のメリットとデメリット
- 中古住宅のリノベーションで後悔を防ぐ方法
【動画目次】
00:00 はじめに
01:14 1.中古住宅をリノベーションするメリット
04:04 2.リノベーションの失敗事例
07:30 3.中古住宅のリノベーションで後悔を防ぐ方法
09:24 まとめ

不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・賃貸不動産経営管理士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
目次
中古住宅をリノベーションするメリット3選

リノベーションとは、間取りや内装などを作り直して、新築時よりも性能を高めたり新たな価値を付加したりする工事のことです。住宅を元の状態に戻す工事であるリフォームよりも、大規模な工事を行います。
中古住宅をリノベーションするメリットは、以下の3点です。
- 新築住宅を購入するよりも安価で済む
- 物件の選択肢が増える
- ライフスタイルに間取りや内装を合わせて変更できる
1.新築住宅を購入するよりも安価で済む
中古住宅を購入してリノベーションすることで、新築住宅と同等の住まいを手ごろな価格で入手できます。
では、新築住宅と中古住宅にはどれくらいの価格差があるのでしょうか?2020年9月における、首都圏の新築マンションと中古マンションの価格相場を比較してみましょう。
新築マンション | 中古マンション | |
㎡単価 | 87.7万円 | 55.98万円 |
70㎡の価格 | 6,139.0万円 | 3,918.6万円 |
※出典:株式会社不動産研究所「首都圏のマンション市場動向(2020年9月度)」東日本レインズ「月例速報(2020年10月度)」
このように首都圏では、新築マンションと中古マンションに約2,200万円の価格差があります。
リノベーションの費用は、物件の広さや間取り、使用する建材のグレードなどによって異なりますが、1㎡あたり10〜20万円が相場。70㎡のマンションにおけるリノベーション費用は、700万〜1,400万円が目安です。
そのため新築マンションを購入するよりも、中古マンションを購入してリノベーションをしたほうが、費用を抑えられる可能性があります。
また住宅の資産価値は、築年数の経過とともに年々低下していき、築15〜20年で0円になるといわれています。築15〜20年の中古住宅を購入すると、将来的に住宅の資産価値が下落するリスクを軽減できる点も魅力的です。
2.物件の選択肢が増える
中古住宅を選択肢に入れると、新築住宅のみで検討したときよりも、予算内で希望の立地や間取りの住宅が見つかりやすくなります。
駅近や都心部など、一般的に立地が良いといわれる場所には、すでに戸建てやマンションが建っています。新築住宅に絞って探しても、予算内で見つけにくいのです。
リノベーションでは中古物件も選択肢に入るため、駅近や都心部などであっても予算内で希望に合う物件が見つかりやすくなります。
3.ライフスタイルに合わせて間取りや内装を変更できる
リノベーション工事では、柱や梁がむき出しになるまで解体することもあります。「子どもが潜りこむような死角をなくす」「ペットと暮らしやすいような間取りにする」など、生活スタイルに合った改装が可能です
とくに戸建て住宅は、マンションと違って工事の制限が少ないため、窓の位置や水回り(キッチン、浴室など)を、ご自身や家族が住みやすい間取りにアレンジしやすいです。
マンションでも、お部屋の構造と管理規約次第では、間取りや床材、壁紙などをある程度自由に変えられます。
中古住宅をリノベーションするデメリット3選

中古住宅をリノベーションするデメリットは、以下の3点です。
- 工事が制限される場合がある
- 費用を安く抑えられないこともある
- 居住開始できるまでに時間がかかる
1.工事が制限される場合がある
リノベーション工事は、建物の構造やマンションの管理規約によって制限を受けることがあります。
中古マンションでは、お部屋がコンクリート壁で仕切られていると、間取りを変更できません。
キッチンや風呂場などの水回り設備は、管理規約によって工事が制限されるケースがほとんど。また遮音性の観点から、変更できるフローリング材に制限が設けられていることもあります。
加えて、マンションの外壁や窓などの共用部分は、所有者の判断で改修できず管理規約に従う必要があります。
2.費用を安く抑えられないこともある
中古住宅を購入してリノベーションをしても、立地や建物の状況などによっては、必ずしも新築物件よりも費用が抑えられるとは限りません。
たとえば、好立地にある戸建て住宅は、土地部分の代金が高いため購入費用が高くなりやすいです。
また、柱や梁といった躯体の老朽化が進んでいると、修繕工事や補修工事がかさんんで、工事費用が高くなることもあります。
3.居住開始できるまでに時間がかかる
リノベーション工事をしない場合、住宅の売買契約を結んでから1ヵ月程度で入居が可能です。しかし購入した中古住宅でリノベーション工事を行う場合、居住の開始までに3ヶ月ほどかかる場合があります。
また、建物の解体中に追加工事が必要な場所が見つかった場合や、施工会社または近隣住民とトラブルが発生した場合は、工期がさらに伸びてしまうかもしれません。
加えて2020年現在は、新型コロナウイルスの影響によって、工事に必要な資材や建材の入荷が遅れて、工期が延びることもあります。
「リノベーション済み物件」にもメリットだけでなくデメリットもある

すでにリノベーションされている中古物件は、お部屋が完成された状態であるため、入居後の生活を想像しやすい点がメリットです。工事の必要がないため、入居までに時間がかかりません。
しかしリノベ済みの住宅は、躯体や排水管設備、断熱性能など、目に見えない部分がきちんと工事されているかを、ご自身の目で確認できない点はデメリットといえます。
またリノベ済みの物件は、ご自身や家族のライフスタイルに合わせて間取りや設備にこだわりたい方には不向きです。
リノベーション済みの物件は、見た目の綺麗さと価格のリーズナブルさだけで判断するのではなく、デメリットも踏まえて慎重に検討しましょう。
- 即入居も可能
- 入居後のイメージがしやすい
- 目に見えない箇所まで確認できない
- 自分好みのリノベーションができない
- 自分でリノベーションするより高額になる傾向も
中古住宅のリノベーションで後悔を防ぐ方法

中古住宅でのリノベーションを予定している方は、ここでご紹介する方法を実践することで失敗するリスクを減らせます。
マンションの管理規約を確認して購入する
中古マンションを購入する場合は、管理規約を必ず確認しましょう。管理規約には工事可能な箇所や資材の搬入経路、管理組合への届出方法など、リノベーション工事に関する詳細な規定が記載されているためです。
管理規約を確認していないと「キッチンを希望の場所に配置できなかった」「フローリングを希望のものに変更できなかった」などの支障が発生する恐れがあります。
マンションの管理規約は、不動産会社に取り寄せてもらえるので、購入前に目を通しておきましょう。
資産価値の落ちにくい住宅を選ぶ
住宅を購入するときは、将来的に住み替える可能性も視野に入れて、資産価値が下落しにくい物件を選びましょう。
駅や病院、公園、スーパーなどの施設が近くにあり利便性の高い場所にある住宅は、資産価値が下がりにくいといわれています。また再開発の予定があるエリアに立っている住宅は、将来的に資産価値の上昇が見込めるでしょう。
マンションの管理がきちんと行われていなければ、将来的に資産価値は下落してしまいます。「マンションは管理を買え」といわれるほどですので、修繕計画や修繕積立金の残高などを確認して購入することが大切です。
物件の仲介とリノベーションを同時に依頼できる不動産会社を選ぶ
中古住宅でリノベーションをする場合は、物件の仲介とリノベーション工事を同時に提供する不動産会社に選ぶのがおすすめです。
物件の仲介と工事の施工を別々の業者に頼むと、物件を仲介する不動産会社がリノベーションの知識に乏しく、希望通りの間取りとならない住宅を仲介される恐れがあります。
弊社イエツグは、実績が豊富なリフォーム業者と提携をして「中古住宅×リノベ」プランを提供しております。このプランを適用して中古住宅を購入いただいた場合、仲介手数料は無料です。
仲介手数料は、一般的に「物件価格×3%+6万円(税別)」です。2,000万円の住宅購入時には、税込みで72.6万円の高額な仲介手数料がかかります。
イエツグでリノベーション工事をご依頼いただければ、高額な仲介手数料を無料にして工事費用にお金をかけていただきやすくなります。詳細は、以下の特設ページにて解説しておりますのでぜひご覧ください。

まとめ:中古住宅でリノベーションをするときはメリットとデメリットの両方を確認する
中古住宅をリノベーションすると、ご自身や家族が暮らしやすい住宅を予算内で入手しやすい点がメリットです。
しかしリノベーションには「工事が制限される場合がある」「費用を安く抑えられないケースもある」「居住開始までに時間がかかる」といったデメリットに注意が必要です。
価格や立地だけではなく、管理規約や今後の資産価値なども考慮して、リノベーションをする住宅を選ぶと失敗を防げるでしょう。

大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。