不動産売却を相続物件でする時の注意点と節税の方法について

相続した財産の中に不動産が含まれている場合は、相続税の支払いや相続登記の申請に伴う登録免許税の発生、遺産分割協議の際の他の法定相続人への配慮など難しい問題が多く存在します。

そのため、不動産売却で現金化したほうが遺産分割協議がスムーズです。

売却益は所得税の課税対象となりますが、優遇措置の特例も用意されているため早めに売却したほうが損をしません。

執筆者 丹拓也執筆者 丹拓也
株式会社イエツグ代表取締役。
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

不動産を相続する時の流れと注意点

財産の中に不動産が含まれている場合は、その他の財産と異なり取得のための手続きが必要です。

相続の流れを確認してから不動産ならではの注意点について解説します。

相続の流れについて

相続の流れ
1.相続発生

2.遺言書を確認

3.法定相続人の確認

4.相続財産の調査

5.遺産分割協議

6.遺産分割協議書作成

7.不動産の相続登記申請

不動産を相続する場合の流れは、その他の財産の相続とそれほど違いはありません。

ただし、遺産分割協議で他の法定相続人に対する配慮が必要となることと、不動産の名義を変更するための相続登記が必要なこと、税金が発生することの3点に注意してください。

注意点について

不動産を相続する時の注意点は、遺産分割協議での不動産の分割方法と相続登記の必要性と税金の発生です。

それぞれについて詳しく解説していきます。

相続登記の必要性について

不動産を取得する流れの最後になるのが相続登記の申請です。

申請を行なわなければ不動産の名義は被相続人のままになってしまうため、不動産の所有権を移転させます。

登記の申請は不動産の登記事項証明書を取得してから、遺産分割協議書を作成、盗賊登記申請を作成し最後に法務局で申請を行ないます。

相続登記には必要書類の発行費用、登録免許税などが必要で、司法書士に依頼した場合は司法書士報酬も発生します。

合計額は評価額3,000万円の不動産の場合、約14万円、司法書士報酬も含めると約24万円です。

税金について

不動産を相続した場合には、「相続税」と「登録免許税」という2種類の税金が課せられることに注意が必要です。

不動産以外の財産であれば相続税のみですが、不動産の登記の変更には登録免許税が発生します。

登録免許税の計算式は次のとおりです。

登録免許税の計算式
登録免許税=固定資産税評価額×0.4%

登録免許税は不動産の評価額によって変化しますが、とても簡単に計算することができます。

対して、相続税の計算式は少々難解で法定相続人の人数によっても変動します。

相続税の計算式
基礎控除額 = 法定相続人の人数 × 600万円 + 3,000万円

課税対象額 =(遺産総額-基礎控除額)× 法定相続の割合

相続税額 = 課税対象額 × 税率 – 控除額

法定相続の割合というのは、財産をどれだけの割合で譲り受けたかという割合のことです。

また、税率や控除額は課税対象額によって変化するため、国税庁が公表している速算表に従って算出します。

遺産分割協議での分割方法

不動産は小さく分けることができないため、遺産分割協議で問題になる可能性があります。

例えば、不動産しか遺産がなく法定相続人が複数存在する場合は、その分割方法でトラブルに発展する可能性も考えられます。

不動産の分割方法には、「現物分割」「代償分割」「共有」「換価分割」の4種類があります。

「現物分割」は、法定相続人の中の1人が、不動産をそのまま取得する方法です。

「代償分割」は、法定相続人の中の1人が、不動産をそのまま取得し、他の相続人に現金などで相続相当額を支払います。

「共有」は、法定相続人同士で不動産を共有する方法。

「換価分割」は、相続後に不動産売却を行い、売却益を相続人で分け合う方法です。

上記のどれかを選択することになりますが、最も現実的でシンプルなのは不動産売却を利用した「換価分割」による分割方法でしょう。

相続後の不動産売却のメリットとデメリット

相続後の不動産売却をすることにはメリットが多いですが、少なからずデメリットも存在します。

メリットとデメリットの両方を比較して、より良い選択をすることが大切です。

メリット

  • 固定資産税や都市計画税を支払わなくて良い
  • 現金化できる
  • 法定相続人同士で分割しやすい
  • 管理の手間がかからない
  • 修繕費やメンテナンス費が不要
  • 資産価値が低下する前に売却できる
  • 相続後に不動産売却をする最大のメリットは、不動産を所有していることによる負担を軽減することができるという点です。

    固定資産税や都市計画税などの毎年発生する税金を支払う必要はなくなり、管理や修繕、メンテナンスの手間も費用も省くことができます。

    また、すぐに不動産売却をすることで、不動産の資産価値が低下する前に現金化することができ複数の法定相続人間で簡単に分け合うことができるようになる点もメリットです。

    不動産は例え使わずとも毎年資産価値が低下していくため、売却を考えているのであれば、早めに売却したほうが高額で売ることができます。

    デメリット

  • 相続登記手続きが必要
  • 売却益は課税対象となる
  • 不動産売却をするには、まず売却するためには必ず相続登記手続きをしなければなりません。

    相続登記をしていないと不動産の名義人が被相続人のままになり、売却することができないからです。

    登記申請は先に解説したように14~24万円程度の費用が必要ですが、さらに売却で発生した売却益は課税対象となり確定申告をしなければなりません。

    相続登記費用と売却益で発生する税金は、不動産売却のデメリットとなり得ますが、不動産を所有していれば固定資産税などが毎年課税されるためトータルで考えるとデメリットとは言えないでしょう。

    相続した不動産を売却する時のコツ

    不動産売却で売却益が発生した場合は、所得税の課税対象となり税金が発生してしまいます。

    しかし、相続で取得した不動産を売却した場合には売却益に課せられる所得税を節税することが可能。

    所得税を節税するための特例が「相続財産譲渡における取得費の特例」です。

    「相続財産譲渡における取得費の特例」を適用させれば、不動産を取得したことによる相続税を支払っている場合、その一部を所得税として計上することができます。

    つまり、税金が二重に課せられることがないようにとの公的な優遇措置です。

    「相続財産譲渡における取得費の特例」を適用させるためには、相続開始の翌日から10ヶ月以内に相続が完了しており、相続税申告期限の翌日から3年以内に不動産売却を完了させていなければいけません。

    そのため、相続後の不動産売却を考えている方は、早めに売却を始めることをおすすめします。

    不動産を相続した時は早めに売却を

    不動産を相続するということは、高額の税金が課せられ登記申請の手続きが必要となり、その後の不動産の管理もしなければならないため、相続人にとっては負担が大きくなりがちです。

    また、不動産は細かく分けられないため他の法定相続人との分割が難しく、トラブルに発展する可能性も考えられます。

    そのため、不動産売却を利用して現金化してしまったほうが、複数の相続人間で分け合うことも簡単になり固定資産税の納税など将来的な負担も軽減されます。

    イエツグは不動産相続の相談も対応できますので、いつでもご連絡ください。

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