自然災害で家屋が被災したときの対処法と防災対策について

災害が多い国である日本。地震や台風、津波や洪水被害など、深刻なニュースが後を経ちません。もし災害に遭った場合、生活を再建するために私たちは何をしていけばいいのでしょうか?

本記事では、自然災害で家屋が被災したときの対処法と防災対策について知るために、以下の内容をスッキリ解説いたします。

この記事でわかること
  • 家が被災したときはどうしたらいいの?
  • 家がなくなってしまってもローンは支払わなければいけないの?
  • 災害対策として何をすればいい?

災害から身を守るための方法を知っておきたい人は、ぜひ当ページを参考にしてください。

イエツグくん
残念なことに、日本では近年、自然災害が多発しているよね。。
自分の家と家族を守るために必要な知識をつけておこう!
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

自然災害で家屋が被災したときはどうしたらいい?


世界的にみても、自然災害が多い日本。

地形や地質、気象条件から、台風・地震・洪水被害など様々な災害が発生しやすい環境に置かれています。

中でも特に深刻なのが、二次災害。これまでにも、災害発生時に家具の下敷きになったり家屋が倒壊したりして、亡くなったやケガをした人が大勢いました。家の中の安全対策または災害によって住む家を失わないよう、住宅の災害対策は必須と言えます。

避けられない災害から家屋を守るためには、どんな災害でどのような被害が発生しやすいのか予測しておく必要があります。まずは、災害時が引き起こす家屋への影響と対策について学んでいきましょう。

台風被害と対策について

毎年「記録的な大雨」という警報をもたらす台風。2019年10月に発生した代風19号では3万棟以上の家屋が浸水し、1600棟以上の住宅が損壊の被害を受けました。

台風被害は、浸水や損害だけではありません。例えば、以下のような台風被害も報告されています。

  • 屋根がふきとぶ
  • 巨大な鉄塔や電柱が倒れてくる
  • 窓ガラスが割れる
  • 屋根瓦が隣家や通行人に被害を与える
  • 雨漏りが大きくなる

このような台風被害を最小限に食い止めるためには、事前のメンテナンスや災害防止設備の設置が重要です。修繕が必要な箇所はないかチェックし、必要があれば破損する前に「屋根の補強」「雨戸やシャッターの設置」「雨どいの詰まりを修復」などの修繕を加えておきましょう。

また、もし台風後に家屋に何らかの異常を発見した場合は、専門の業者に点検依頼をするか、被害が大きい場合は消防署に相談することをおすすめします。

地震被害と対策について

日本は地震大国と呼ばれ、世界的にも地震が多い国として有名です。世界で発生いたマグニチュード6以上の地震のうち、20%が日本で発生しています。

地震が発生した場合、家屋は以下のようなダメージを受け、最悪の場合は倒壊してしまいます。

  • 壁にヒビが入る
  • 家財道具が散乱
  • ドアが開かなくなる
  • 床が傾く
  • 地盤沈下で家が沈む・家が浮く

特に、旧耐震基準のもとで建築された昭和56年以前の住宅は被害が大きくなるものと予測されているため、耐震強化が必要です。被害をできるだけ少なくするための耐震強化方法としては、「屋根の軽量化」「接合部の補強」「特殊パネルで壁を補強する」などの対策があります。

水災被害と対策について

台風が引き起こす大雨や地震とともに発生する津波、ゲリラ豪雨などによる水災被害も深刻です。大きな揺れを伴う地震により地盤沈下が起こり、これまで洪水被害がなかった地域も浸水被害の危険性に晒される恐れが増えました。

浸水が家屋に与える影響には以下のようなものがあります。

  • 家具や床が水浸しになる
  • 室内に泥水が流れ込む
  • 排水溝の汚水が逆流する
  • 壁や柱が腐食する
  • カビの臭いが取れない

浸水の怖いところは、水がひいたあとのカビや細菌の繁殖です。こうした菌は家屋だけでなく住んでいる人にも、食中毒や感染症などの健康被害を及ぼします。水災被害を食い止めるためには「水のうの作成」「敷地のかさ上げ」「囲いの設置」が効果的です。

また、被災後は衛生対策として、床上・床下・貯水槽の洗浄や乾燥が重要になります。


イエツグくん
家が被災してしまったときに困るのは、住宅ローンのこと。
ここからは自然災害によって被災した家の住宅ローン返済がどうなるのかについて解説していくよ!

自然災害で家が無くなってしまった場合のローン返済について


「引き渡しされたばかりの家が倒壊してしまった」
「支払いが残っているのに津波で家が流されてしまった」

災害で家がなくなったにもかかわらず、多額の住宅ローンだけが残ってしまう「被災ローン」生活することすらままならない状況で高額な支払いを続けることは、非常に酷なこととです。被災者の生活再建の大きな壁となってしまう被災ローンにはどう対処していけばいいのでしょうか?

実は、購入したばかりの家が災害によりなくなってしまった場合、以下のような方法で住宅ローン軽減させることが可能です。万が一、自宅が被災し住宅ローンの支払いが残ってしまった人のために、個人債務者の私的整理ガイドラインという住宅ローン減額制度が制定されました。

個人債務者の私的整理ガイドライン

2011年に発生した東日本大震災では、40万戸以上の家屋が全半壊になるという未曾有の事態が発生。この大地震を受け、金融庁では「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」の運用をはじめました。

個人版ガイドラインに申し込むと、住宅ローンのほとんどが「免除」される可能性があります。

個人版ガイドラインとは

住宅ローンや事業性ローン等の既往債務を弁済できなくなった個人の債務者で破産手続等の法的倒産手続の要件に該当することになった債務者は、法的倒産手続によらずに、債権者(主として金融債務に係る債権者)と債務者の合意に基づき、債務の全部又は一部を減免すること等を内容とする債務整理を公正かつ迅速に行う

(参考 http://www.kgl.or.jp/guideline/pdf/guideline.pdf)

わかりやすく説明すると、「住宅ローンの支払いができなくなった人は、破産しなくても返済分を減免します」というものです。破産者にはならないけれど、破産者に行う債務整理をしてあげますよ!ということになります。

この法律が適用となった場合、個人信用情報の登録などの不利益を回避、つまりいわゆるブラックリストに載ることなく返済が免除されます。

免除される住宅ローン額は「貯金の500万円を超えた分」

債務整理の場合、「いくら免除されるのか」という考え方ではなく「いくら手元に残せるのか」となります。個人債務者の私的整理ガイドラインも債務整理の一種ですので、一定額以上の借金が免除となります。

つまりは、一定額のお金を除き、それ以外の借金は免除される仕組みです。

一般的な破産整理の場合は手元に残せる金額(自由財産)は99万円ですが、私的整理ガイドラインの場合は500万円まで残せるようになっています。さらに、自宅跡地を売却し返済金に充てなければいけません。

つまり、自宅跡地を売却後に貯金や義援金など多額の資産が500万円以上あった場合、500万円を超えた額は返済に回すことになります。

ただし、この制度は「東日本大震災で被災した人向け」の制度です。それ以外の災害で被災された人は、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を利用しましょう。

自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン

自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインも、個人債務者の私的整理ガイドラインと内容はほぼ変わりありません。

しかし、自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインでは、2019年台風15号や19号、北海道胆振地方中東部を震源とする地震も対象です。現在まで410件が債務整理成立となりました。

ただし、この個人版ガイドラインを適用させるには、一定の条件を満たす必要があります。場合によっては住宅ローン免除の対象とならないこともありますので、事前に確認していきましょう。

個人債務者の私的整理ガイドラインの適用条件は以下の通りです。

  • 自然災害により住宅ローンの返済ができなくなった人
  • 災害救助法適用の災害により被災したこと
  • 借入先の同意が必要
  • これまで住宅ローンの返済が滞ってないこと

支払いを免除、または減額することになりますので、融資を受けている金融機関の許可は必須です。まずは金融機関に相談し、債務免除の申請を行いましょう。

自然災害に遭った場合に家を補償してくれる制度


自然災害で被災したときに救済支援制度は、他にもまだまだあります。

被災者用の衣食住を補償する制度や支援金など、返済分だけでなく当面の生活を支えてくれる制度も。万が一のときのために、どんな救済措置があるのか事前にチェックしておきましょう。

災害救助法による支援

災害救助法とは、国が被災者の応急的な救助活動を行うことです。昭和22年に制定された昔ながらの法律になります。具体的には、以下の支援内容です。

  • 避難所の設置
  • 食料品や飲料水の提供
  • 寝具や衣服の給与
  • 救済や医療の提供
  • 学用品の支給
  • 遺体の捜索
  • 土砂や障害物の撤去

主に被災者の衣食住を保護する支援策です。救助活動は、一定数の家屋が損壊し、急助を必要とする人がいた場合に実施されます。

また、国だけではなく、民間企業が独自に行う支援措置もあります。ドコモでは速度制限を解除し、制限なくデータ通信が可能となりました。

このように災害時には国や民間企業が様々な支援策を行っています。

被災者生活再建支援制度

被災者生活再建支援制度とは、都道府県が被災者に対し支援金を支給する制度です。

支援額は、基礎支援金と加算支援金が合わさった額となり、10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村が対象地域となります。

基礎支援金 加算支援金
  • 全壊・解体・長期避難 100万円
  • 半壊 50万円
  • 建設・購入 200万円
  • 補修 100万円
  • 賃借 50万円

上記の表をみてわかるように、家屋の損傷状況によって支給額が異なります。基礎支援金は家屋の損壊に対し支給され、加算支援金は住宅の再建に対して支給される支援金です。

支援金を受け取るときは、自治体に補助金を申請する必要があります。支援金支給申請書や住民票、り災証明書などを用意し自治体に提出しましょう。

返済額の一部が免除される住宅ローン

自然災害が発生したときに、返済額の一部が免除される住宅ローンがあります。

このローンは「自然災害時返済一部免除特約付住宅ローン」と呼び、取り扱っている金融機関により異なりますが、事前に特約を設定すれば、「返済免除」「残高の半額免除」などの減免措置を受けることが可能です。

この特約は一部対象にならないこともあるうえ、金利がわずかだけプラスになってしまうことも。これから住宅ローンを組む人で自然災害時返済一部免除特約付住宅ローン特約を申込みたい人は、対応可能かどうか診断いたしますので、ぜひご相談ください。

イエツグくん
自然災害による救済策はいくつかあるけど、大事なのは自分自身でも”備え”をしておくことなんだよ。

事前の自然災害対策は必須!家の保険に加入するという方法も!

自然災害から身を守るためには、事前の対策は必須です。国が提供してくれる支援策だけでは、元通りの生活を取り戻せるとは限りません。

災害が起こった時に自分たちで生活を取り戻せるよう、保険加入を検討してみましょう。

自然災害は火災保険でも対応可能

災害時に対応する保険は火災保険です。火災保険は、保険の対象物が火災・台風・竜巻・浸水などで損害を受けたときに保険金がおります。

火災保険では、家屋だけでなく家財道具も補償の対象です。自動的に保険がおりることはありませんので、被災したときには自己申告をしましょう。

ちなみに、火災保険の基本プランに地震は含まれていませんので、別途申込みが必要です。安いもので数百円で追加の特約を申し込めますので、ぜひ加入しておきましょう。

複数と契約すると割合に応じて保険が下りる

もし火災保険を重複して申し込んだ場合、割合に応じて保険金がおります。

たとえば、「支払われる保険金が建物の評価額」という保険だった場合、2つの契約を交わしていても評価額の倍以上がもらえるわけではありません。数社かけていようとも、評価額以上の金額は下りない仕組みなのです。そのため、重複契約をしてしまうと損をしてしまう可能性もあるので、注意しましょう。

また、家屋を補償する保険内容であれば家屋に保険金がおり、家財補償の保険であれば家財の損傷に対して保険金がおります。

ただし、同じ内容の保険をかけても重複補償はされないケースもあるため、加入時に確認するようにしましょう。

まとめ:自然災害が明らかに増加している日本。必要な知識をつけ、自分の家と家族を守りましょう!

ここまで、いくつかの災害対策について紹介してきました。被災後に対処するよりも、災害前に対策を講じるいわゆる自主努力が重要です。

公的な支援策は一時的な補償でしかありませんが、生活再建のためにはより多くの資金が必要です。そしてもうひとつ、災害に耐えうる住宅を見つけたり修繕を加えたりしておきましょう。

災害に強い家探しについても、弊社イエツグにお任せ下さい。

住宅の耐震診断や災害の被害区域外の土地探しなど、ご要望に合わせた住環境をご提供いたします。弊社仲介の物件は、住宅診断(ホームインスペクション)を無料で実施させていただいているため、安心してご購入いただくことができます。また仲介時には、災害リスクやハザードマップの説明を、お客様の気が済むまでさせていただきます。

自然災害に耐えうる家をお探しの方や買い替えをご検討の方は、ぜひ弊社までご相談ください。

監修者 亀梨奈美
監修者 亀梨奈美大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
機関紙から情報サイトまで不動産ジャンルのあらゆる文章を執筆・監修。

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