2020年12月の住宅ローン金利は、全体的にほとんど変化がなかったものの、10年固定期間選択型で意外な金融機関が最小値を更新しました。
また今後は、住宅ローンと同時に所定の商品やサービスを契約すると、金利を引き下げる金融機関が増えるかもしれません。
本記事では、2020年12月現在の住宅ローン金利や、2021年に実施予定のキャンペーンについて解説していきます。
- 2020年12月現在の住宅ローン金利
- 10年固定期間選択型の最小値を更新した金融機関
- 2021年に実施予定のキャンペーン
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
目次
2020年12月最新の住宅ローン金利を比較
2020年12月現在の住宅ローン金利は、以下の通りです。先月よりも金利が上昇した箇所は赤文字、下降した箇所は青文字で記載しています。
全期間固定金利 | 変動金利 | 固定期間選択型(10年) | ||
三菱UFJ銀行 | 店頭 | 1.81% | 0.575~0.725% | 0.74% |
ネット | – | 0.475% | 0.64% | |
みずほ銀行 | 店頭 | 1.15% | 0.625~0.875% | 0.80~1.05% |
ネット | 1.00〜1.10% | 0.475~0.725% | 0.65~0.90% | |
三井住友銀行 | ネット | 1.28~1.68% | 0.475~0.725% | 1.10~1.55% |
auじぶん銀行 | – | 0.41% | 0.53〜1.49% | |
ジャパンネット銀行 | – | 0.38% | 0.53% | |
住信SBIネット銀行 | 1.15〜1.57% (フラット35) |
0.44% | 0.66〜1.06% | |
ARUHI | 1.11〜1.26% | – | – |
※2020年12月時点の各金融機関のHPを参照し作成
※記載の金利は各金融機関が2020年12月時点で実施している割引プランを加味した数値
※住信SBIネット銀行以外の全期間固定金利はフラット35ではなく各金融期間が独自に取り扱っている商品を掲載
※ARUHIはスーパーフラット(団体信用生命保険加入)の数値を掲載
2020年12月は、住宅ローン金利に大きな変化はありませんでした。とくに変動金利は、どの金融機関も前月からの変更はないようです。
一方で、表には掲載されていない金融機関が、10年固定期間選択型の最小値を更新してきました。
三井住友信託銀行が10年固定期間選択型の最小値を更新
三井住友信託銀行は、10年固定期間選択型を0.52%に引き下げてきました。この数値は、ジャパンネット銀行やauじぶん銀行の10年固定期間選択型を下回っています。
2020年11月にジャパンネット銀行は、10年固定期間選択型を0.53%に引き下げて、auじぶん銀行の0.54%を下回り最小値を更新。そのため2020年12月は、auじぶん銀行がジャパンネット銀行に対抗して10年固定期間選択型を引き下げてくるとみられていました。
auじぶん銀行は、10年固定期間選択型を0.53%に引き下げて、ジャパンネット銀行と足並みを揃えてきています。そこに、これまでまったく注目されていなかった三井住友信託銀行が、10年固定期間選択型を0.52%に引き下げて最小値を更新しました。
ただし、三井住友信託銀行の10年固定期間選択型を0.52%で借り入れるためには、「住宅ローン家計応援プラン」で0.03%の金利引き下げを受けなければなりません。
「住宅ローン家計応援プラン」は、以下の条件を満たすと、住宅ローン金利が0.01〜0.03%引き下げられるプランです。
※画像引用:三井住友信託銀行
0.03%の引き下げが適用されるのは、三井住友信託銀行が指定する銘柄を毎月1万円以上購入する「投資信託自動購入プラン」を申し込んだ場合です。住宅ローン家計応援プランを適用しない場合、10年固定期間選択型の借入金利は0.55%となります。
auじぶん銀行は2021年に新たな金利引き下げプランを発表
2020年12月の住宅ローン金利に、大きな動きはありませんでした。しかし2021年に、住宅ローン金利を大きく引き下げると宣言した金融機関があります。
auじぶん銀行は、2021年3月から「au金利優遇割」を開始すると発表され、2020年12月1日から事前受付が開始されました。
au金利優遇割は、「auモバイル割」と「じぶんでんき優遇割」からなる金利引き下げプラン。住宅ローンの契約時に「auじぶんでんき」と「au回線」を契約すると、金利が最大で0.1%引き下げられます。
※画像引用:auじぶん銀行
仮に、2020年12月現在の金利にau金利優遇割が適用された場合、変動金利は0.31%、10年固定期間選択型は0.43%となります。
また、住宅ローン契約時にauじぶんでんきを契約しなくても、au回線の契約を結ぶと「auモバイル優遇割」が適用されて、金利が0.07%引き下げられます。auモバイル優遇割のみが適用された場合の借入金利は、変動金利0.34%、10年固定期間選択型0.46%です。
このように、auじぶん銀行は、住宅ローンと同時にKDDIグループのサービスを契約することで、金利を引き下げるキャンペーンを実施しています。他の金融機関も、グループ企業での契約を条件に金利を引き下げるキャンペーンを実施してくるかもしれません。
住宅ローンの金利だけでなく通信費も計算してキャンペーンの利用を検討する
au金利優遇割を適用できると住宅ローン金利を大きく下げられますが、au回線を契約することで家計の通信費が上がる可能性がある点に注意が必要です。
auは、大手キャリアであるため、格安SIMを提供するMVNOよりも通信料金は高額です。また、auのサブブランドで格安SIMを提供する「UQ mobile」の回線契約を結んでも、au金利優遇割やauモバイル優遇割は適用されません。
auじぶん銀行で住宅ローンを検討するときは、au回線の契約を結ぶことで、金利の割引以上に通信費が増えないかを、入念に検討する必要があります。
外出先で大容量の通信をする人は、MVNOで格安SIMを契約するよりも、auのような大手キャリアで契約をした方が、通信費を抑えられるでしょう。しかし、外出先であまり通信をしない人や長時間の通話をしない人は、格安SIMのほうが通信費は安くなります。
auじぶん銀行で住宅ローンを借り入れるかどうかは、ご自身の生活状況を踏まえて慎重に判断する必要があります。
まとめ:住宅ローンは借り入れたあとの家計の収支も考えて選ぶ
2020年12月の住宅ローン金利は、全体的に大きな動きはなかったものの、10年固定期間選択型では三井住友信託銀行が初の首位を獲得しました。
また、auじぶん銀行は、今月に10年固定期間選択型の金利を引き下げただけでなく、2021年3月から住宅ローンの金利を引き下げる新たなキャンペーンを開始予定です。
一方で、三井住友信託銀行の住宅ローンを最低の金利で借り入れるためには、投資信託自動購入プランを申し込まなければなりません。auじぶん銀行のキャンペーンを受けるためには、au回線やauじぶんでんきを同時に契約する必要があります。
これから住宅ローンを選ぶときは、金利が引き下げられる条件を確認し、ご家庭にとってプラスになるのかを慎重に判断することが大切になるでしょう。
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大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。