この記事でわかること
- 住宅ローンに付帯できるがん団信とは
- がん団信の検討時に比較すべきこと
- がん団信と保険会社のがん保険の違い
執筆者 丹拓也

目次
2026年時点でがん団信を確認するときの注意点
がん団信は、加入していれば「がんと診断されたら必ず住宅ローン残高がゼロになる」という仕組みではありません。保険金が支払われるかは、契約した商品の保障対象、診断確定の定義、保障開始前後の期間、免責事由、告知内容などによって変わります。
住宅金融支援機構の新機構団信でも、3大疾病付の保障は所定のがんなどについて一定の要件に該当した場合が対象です。加入できる年齢や保障内容、金利への上乗せなども商品によって異なります。民間金融機関の団信はさらに取扱条件が違うため、申込時の契約概要・注意喚起情報を確認してください。
団信と民間のがん保険は、住宅ローン残高の弁済と医療費・生活費への備えという役割が異なります。公的保険の保障も含めて必要な保障を考え、具体的な支払事由は金融機関・保険会社または募集人に確認しましょう。
住宅ローンの団信にはがん保険を付帯できる!若いから不要とは限らない

がんに罹患する確率
「がんは高齢者がかかる病気」と思われている方もいらっしゃるでしょう。たしかに、がんは年齢の上昇とともに罹患率が上がるため、間違いではありません。 しかし、若い方でもがんに罹患する可能性があります。国立がん研究センターの統計によると、30歳の人が10年後や20年後にがんと診断される確率は、以下のように0%ではありません。 ◯30歳の男女のがん罹患リスク| 男性 | 女性 | |
| 10年後 | 0.6% | 1.6% |
| 20年後 | 2.2% | 5.6% |
| 30年後 | 7.4% | 11.8% |
| 40年後 | 21.7% | 20.7% |
住宅ローンのがん団信を選ぶ際は上乗せ金利や支払要件の比較が必要

がん団信の保障対象外であるがんも存在する
がん団信に加入しても、すべてのがんに備えられるわけではありません。 がん団信の保障の対象となるのは、原則として「悪性新生物」です。「上皮内新生物」は保障の対象とならないケースがほとんど。また、悪性新生物であっても「悪性黒色腫以外の皮膚がん」などは、保障の対象外となります。 また、がん団信の保障が開始されてから90日に以内に発覚したがんについては、保障の対象外です。がん団信と保険会社のがん保険は保障の趣旨が異なる

公的医療保険でカバーされる範囲
日本は「国民皆保険」を導入しているため、所定の要件を満たす人は公的医療保険(健康保険)に加入し、健康保険証を所持しています。 病気やケガになり、医療機関で治療を受けたときに健康保険証を窓口に提示すると、かかった医療費のうち3割の負担で済みます。※年齢によっては1割負担または2割負担 また、ひと月(毎月1日〜月末)に同じ医療機関で支払った医療費のうち、一定の上限額を超えた部分は、自己負担をする必要はありません。高額療養費によって、上限額を超過した分が払い戻されるためです。 公的保険制度の対象である診療を、保険診療といいます。がん治療の際に実施される手術や抗がん剤治療、放射線治療の多くが保険診療です。がんの治療を受けても、公的医療保険制度によって医療費の自己負担はある程度緩和されます。がんになると経済的に大きな負担が発生することがある
では、公的医療保険制度があるにもかかわらず、なぜがん保険は販売されているのでしょうか?それは、がんと診断されると、公的医療保険制度を利用しても経済的に大きな負担が発生する恐れがあるためです。 がんに限らず、入院したときの差額ベッド代や食事代などは全額自己負担となります。差額ベッド代とは、他の患者との相部屋を避けて個室に入った場合に徴収される費用です。 また、国内未承認の抗がん剤治療を用いた薬物治療は「自由診療」扱い。自由診療を受けると、保険診療分も含めた医療費の全額が自己負担となります。患者申出療養制度を申請すると、保険診療のみ3割負担にできますが、自由診療が全額自己負担である点は変わりません。 重粒子線治療や陽子線治療などの「先進医療」を受けた場合の、技術料も全額自己負担。陽子線治療の技術料は約270万円、重粒子線治療は約300万円と高額です。※出典:厚生労働省「第81回先進医療会議」 がんの入院治療や通院治療が長期化した場合、治療費の自己負担が膨らんだり、収入の減少が続いたりします。医療費の支払いや収入の減少によって毎月の生活が赤字となり貯蓄が減ると、今後の家族の生活や子どもの進学などに影響が出るかもしれません。がん保険に加入すると医療費の自己負担や収入の減少に備えられる
がん保険では、がんと診断された場合や、がん治療で入院・手術をした場合、先進医療を受けた場合などに給付金を受け取れます。 また、がんと診断されたときに受け取れる給付金は、再発や転移が発覚した場合も所定の条件を満たすと、複数回受け取れるタイプがあります。放射線治療や抗がん剤治療を受けた月ごとに、給付金を受け取れるがん保険も増えてきました。 がん保険の給付金と世帯の収入だけでは、住宅ローンの返済が厳しい場合、がん団信に加入する必要があります。がん団信とがん保険の両方に加入している人は、珍しくありません。 もし、がん保険の給付金と世帯の収入で返済できるのであれば、無理にがん団信に加入する必要はないといえます。 このように、がん団信とがん保険は、保障内容が大きく異なります。がん団信とがん保険のどちらか一方に加入しても、もう片方が不要になるわけではありません。まとめ:住宅ローンの団信に付帯できるがん保険の必要性は人それぞれ
がん団信に加入すると、住宅ローンの返済を開始したあとに、がんと診断されると残債が0円になります。ただし、がん団信に加入する際は、一般的に保険料の支払いが必要で、金融機関によって支払要件が異なるため、よく比較して選ぶことが大切です。 また、がん団信でカバーできるのは、がん診断時の住居費のみ。治療費や収入の減少には、貯蓄やがん保険、医療保険で備えなければなりません。がん団信やがん保険に加入するかどうかは、ご自身の状況や希望に合った選択をすることがもっとも大切です。 がん団信がご自身にとって必要かわからない場合は、ファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。 弊社イエツグには、ファイナンシャルプランナーが在籍しており、家族構成や家計の収支、資産状況などから、がん団信・がん保険の必要性をわかりやすく説明いたします。住宅購入の資金計画なども一緒に考えますので、お気軽にご相談ください。
イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
監修者 品木彰

大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。


























