マンション建て替えで住民はどうなる?費用・合意形成・購入前の確認ポイント

新築マンションが著しく高騰している昨今、中古マンションは、お手頃な価格で立地や広さなどの希望が叶うこともあり人気があります。 しかし中古マンションを購入するとなると、気になるのが建物の老朽化。もし購入したマンションが将来的に建て替えすることになれば、自己負担する費用が高額になる場合もあるため注意しなければなりません。 本記事では、マンションの建て替えについて詳しく解説します。次のような疑問をお持ちの方に、とくに読んでいただきたい内容です。
この記事でわかること
  • 築年数が古いマンションを購入しても大丈夫?
  • 建て替えはどのタイミングで発生するの?
  • 建て替えに必要な費用がいくらなのか知りたい
マンションを購入するときに確認すべきことについても解説しておりますので、ぜひご一読ください。
イエツグくん
イエツグくん
マンションは共同住宅だから、住人の独断で建て替えることができないんだ。 だからマンションを建て替える方法を知って、購入のときにどんなポイントを見ればいいかを把握することはとても大切なことなんだよ。
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役 不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。 保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・賃貸不動産経営管理士・外壁診断士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

マンションの建て替え事例は少ないのが現状

2020年10月から、渋谷にある「秀和青山レジンデンス」の建て替えが決まったと各メディアが報じています。
デベロッパーが老朽化したマンションの建て替えに力を入れている。野村不動産と旭化成不動産レジデンスは東京都渋谷区内で地上8階建ての分譲マンションを2025年春に26階建てのタワーマンションへ建て替える。東京建物も港区で14階建てを23年9月に32階建てへ建て替える。マンションの建替え等の円滑化に関する法律(マンション建替法)で容積率を増やす。 引用:日経新聞
建て替えが決まった秀和青山レジデンスは、人気が高い秀和レジデンスシリーズの第一号物件として、1964年(昭和39年)に建築され、現在、築56年を迎えています。 実は、我が国においてマンションが建築されるようになったのは1960年代に入ってからのこと。つまり秀和青山レジデンスは日本にある“初期”のマンションだということですね。 築50年以上のマンションは数が少ないため、今回のように建て替えが決まった事例も実はかなり少ないというのが現状です。 マンション建て替えの実施状況を示す推移グラフ 2020年(令和2年)時点で建て替えが完了しているマンションは、2542019年時点で、日本にあるマンションは約665.5万戸といわれていますから、いかにマンションの建て替え事例が少ないかおわかりいただけるかと思います。 事例が少ない以上、いつマンションが建て替えられるのか?建て替えにいくらかかるのか?建て替えにかかる期間は?ということは一概にはいえないというのは、あらかじめ認識しておいてください。

購入したマンションが建て替えられる年数と必要な費用

建て替え対象となるマンション マンションには寿命があるので、一定期間が経過すると、取り壊したり、建て替えたりする必要があります。 ここでは、マンションがどのタイミングで建て替えられて、どれだけの費用がかかるのかについて解説していきます。

マンションの建て替えがおこなわれるタイミング

マンションを建て替えるタイミングは、以下の理由で建て替えが必要と判断された場合です。
  • 電気・水道・ガスなどのライフラインを整備する必要がある場合
  • 耐震性が低く地震対策が必要な場合
  • マンションを構成するコンクリート自体が劣化した場合
基礎や構造、配管設備の部分の劣化が進むと修繕することが難しく、建て替えが必要だと判断されます。 マンションにおける税法上の耐用年数は、鉄筋鉄骨コンクリート造または鉄筋コンクリート造のマンションでは「47年」とされています。しかし税法上の耐用年数はあくまで帳簿上の資産価値が0になる年数のことで、必ずしも築47年で建て替えられるわけではありません。 実際に建替えられたマンション202件の寿命を、某不動産専門のデータバンクが2014年に調査したところ、全国平均で33.4年という結果がでました。 ただ築40年以上でも適正な管理や修繕がおこなわれているマンションは、取り壊されることなくいまだ多くの人が居住しています。 マンションの状況によって建て替えが必要になるタイミングは大きく異なるので、その点は注意しましょう。

古いマンションほど建て替え時期は早い

マンションの建て替えがおこなわれるタイミングは、古いマンションほど早いという特徴があります。その理由は、現在のマンションに比べて古いマンションに以下のような特長があるからです。
  • 旧耐震基準に基づいて建てられている
  • コンクリートの品質が低い
  • 修繕計画が作成されておらず老朽化しても放置されている
旧耐震基準は、現在の耐震基準に比べて地震に対する耐性が低く、大きな地震に耐えられないものがほとんどだといわれています。耐震工事などがおこなわれていない場合はとくに、建て替え時期は早まると考えられるでしょう。 お手頃な値段だからといって築年数が古いマンションを買っても、あとあとになって建て替えの費用負担が必要になる可能性があることを知っておかなければなりません。

マンションの建て替え費用

マンションの建て替えで居住者が負担する費用の相場は、1戸あたり1,000万円と言われています。ただし、マンションの資産価値や建て替えの状況によって大きく変動するため注意しましょう。 建て替え費用の内訳は、以下の通りです。
  • 解体費用
  • 建築費用
  • 設計費用
  • 事務経費
  • 借入金の利息
また上記の費用以外にも、マンションの建て替えがおこなわれている間の仮住まいへ引っ越し費用や、家賃なども負担しなければなりません。
イエツグくん
イエツグくん
次からは、マンションを建て替える場合の流れについて見ていくよ!

マンションが建て替えられるまでの流れ

マンション建て替えで住民の暮らしが変わるイメージ マンションの建て替えをおこなうかどうかは、マンションの住人(区分所有者)の意思によって決める仕組みです。 ここでは、マンションの建て替えをおこなうためにはどのような条件が必要で、どのような流れで建て替えが進められていくのかを解説していきます。

建て替えの必要性を検討する

マンションの建て替えを検討するときは、管理組合において「本当に建て替えが必要かどうか」が議論されます。マンション管理会社などの専門家の意見も交えて、建て替えではなく修繕で対応できないかということも含めて慎重に議論されるのです。 修繕には、以下のようなものがあります。
  • 外壁塗装
  • 給水管工事
  • 排水管工事
  • 屋上防水工事
修繕は、建て替えに比べて住民の費用負担が少ないため、マンションの耐震性に問題がない場合は上記のような修繕で対応します。修繕では対応できず建て替えが必要と判断された場合は、マンションの問題点を明確にした上で、具体的な建て替えの計画が練られます。

マンションの区分所有者のうち5分の4以上が賛成する

建て替えの計画が決まったら、「建て替えの決議」で区分所有者の5分の4以上が賛成すると、マンションの建て替えが実施できるようになります。つまり200戸あるマンションでは、160戸以上の賛成がないとマンションを建て替えることはできないということです。 この建て替え決議の可決要件は、区分所有法62条で法律的に決まっています。

マンションの権利関係を調整し建て替え工事を実施

建て替え決議が可決されると、マンションを建て替える前に権利関係が調整されます。ここで調整される権利関係とは、以下の2つです。
  • 所有権の持ち分
  • 抵当権の引き継ぎ
上記のうち抵当権とは、住宅ローンを組んで住宅を購入した場合に、土地や建物を担保にする権利のこと。ローンの返済が滞ってしまった場合、お金を貸した人(債権者)はお金を借りた人(債務者)の土地や建物をとりあげて、ローンの弁済にあてることができます。 建て替えを実施するときに住宅ローンが残っている住人がいる場合、建て替えられた新しいマンションに抵当権が引き継がれるのです。
イエツグくん
イエツグくん
マンションの建て替えに反対する人も一定数いるよね…。反対した場合はどうなってしまうんだろう

マンションの建て替えに反対した場合

マンション建て替えに悩む住民のイラスト 建て替えが決議されたにもかかわらず、「自分は断固として建て替えに反対したい!」としましょう。その場合は、半ば強制的に区分所有しているマンションを業者に時価で買い取られることになります。 さらに一度、決議が成立してしまうと、建て替えに反対の区分所有者には、売り渡しを拒否する自由はありません(区分所有法63条)。つまり正式に決議された建て替えに反対する場合は、区分所有しているマンションを売却して立ち退くしかないのです。 ただし、区分所有しているマンションを売り渡したことで、生活上著しい困難を生ずるおそれがある場合には、裁判所に対して明け渡しまでに1年以内の猶予期間を申し立てることが可能です(区分所有法63条5項)。

建て替えを反対した人の立ち退きは憲法違反ではない

建替えに反対した少数派の人たちの区分所有権が一方的に買い取られることは、財産権が侵害されているように感じるかもしれません。しかし過去に行われた裁判の結果は、憲法違反ではないとの判決が出ています(最高裁・平成21年4月23日判決)。 判決のポイントは、以下の2つです。
  • 「建て替えに反対する人が1人でもいると建て替えできない」というルールだと、良好な住環境が維持できない
  • 建て替えに反対した人は、区分所有している部屋を時価で買い取ってもらえるという経済的な手当がきちんとある
以上の点から、建て替えを反対したことによる立ち退きを不服に感じても、裁判で勝つことは難しいのです。

実際はマンションの建て替えが進まないことも多い

しかし実際は、マンションの建て替えは以下のような理由で実際にはなかなかおこなわれないケースがあります。
  • 建て替えに反対する人が多い
  • マンション住人の高齢化がすすみ建て替え費用を捻出できない
マンションの建て替えをおこなうためには、20%以上の住人に反対されると建て替えが実施できません。 また建て替えが必要なマンションは、建物自体の築年数の増加にともなって、住人の高齢化も進んでいるケースが多くなります。高齢者が年金暮らしの場合、建て替えに必要な1,000万円以上の費用を捻出することは難しい場合が多いでしょう。 以上の理由からマンションの建て替えが進まず、老朽化したまま放置されているケースも多くあります。
イエツグくん
イエツグくん
これからマンションを購入しようとしている人は、何に気を付ければいいのだろう?

マンションを購入する前に確認すべきこと

マンション建て替えを検討するときのポイント 終の住処としてマンションを購入するのではあれば、以下の3点については事前に確認しておきましょう。
  • 管理会社はどこに委託をしているのか
  • 定例総会や臨時総会の議事録ではどのような議題があるのか
  • 修繕計画や将来の建て替えの計画はどのようになっているのか
とくに修繕計画や建て替えの計画を事前に把握しておくことで、どのタイミングで建て替え費用が必要になるのかを予測できます。建て替えのタイミングがある程度分かっていると、あらかじめ費用を貯蓄しておくこともできますね。

中古マンション購入もイエツグにお任せ!

弊社イエツグは、仲介手数料を格安かつ定額の18万2,900円(税別)にて仲介させていただいております。不動産購入時にかかる諸費用を大幅に抑えることができるので、その分、将来のための費用として積み立てに回すことも可能です。 さらにお買い替えのお客様には、仲介手数料が定額になるだけではなく、住宅診断や既存住宅瑕疵保険、ハウスリーニングのサービスを付随させていただいております。 マンションの建て替えの知識だけではなく、購入する際の注意点などもしっかりお伝えさせていただきます。お客様が長年にわたって安心して暮らしていけるようにサポートさせていただきますので、ぜひご相談ください。

まとめ

中古マンションを購入する場合は、将来、建て替える可能性があることを認識し、以下のポイントを抑えておきましょう。
  • 建て替えの費用は1戸あたり1,000万円以上かかる場合がある
  • 建て替え工事を行うには住民の5分の4以上の賛成が必要
  • 建て替えに反対する場合でもマンションを売りわたさなければならない
不動産購入は、購入当初の見栄えや設備に目がいきがちです。しかし中古マンションを購入する際は今後の修繕計画や建て替え計画を確認し、長期的なスパンで物事を考え検討することが大切です。 参考文献:「マンションの判例解説」勁草書房・「土地家屋の法律知識」自由国民社
イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。 イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
不動産売却の仲介手数料定額サービス
不動産購入の仲介手数料無料または定額サービス

監修者 亀梨奈美
監修者 亀梨奈美大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。株式会社real wave代表取締役。「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、機関紙から情報サイトまで不動産ジャンルのあらゆる文章を執筆・監修。

【不動産を高く売るための本当の方法】

不動産売却を検討中の方は是非、下記サイトを参考にして高額売却を実現してください!

マンションを高く売るための方法を解説するサイト

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA