近年、不動産を売却する際に建物の状況診断であるホームインスペクションを実施する方が増えてきています。なぜなら、ホームインスペクションを行うことで、物件が売れやすくなる可能性があるからです。
ホームインスペクションは、2018年に不動産業者による説明が義務化されました。ただ、そもそもホームインスペクションがどのようなものなのかご存知ない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ホームインスペクションの内容や義務化された背景、実施にかかる費用など上詳しく解説していきます。
この記事を読んでいただくことで、ホームインスペクションについての理解が深まり、所有されている物件を希望の期間内に、希望する価格で売却できる能性が高まるはずです。
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
目次
ホームインスペクションは国土交通省認定の専門家が実施
ホームインスペクションとは、ホームインスペクターと呼ばれる国土交通省の所定の講習を受けた専門家が行う住宅診断のこと。建物を目視などで確認して欠陥の有無だけでなく、補修や修繕が必要な箇所などがないか診断します。
欧米では当たり前のように利用されていますが、日本ではまだあまり普及していません。
近年義務化された背景
ホームインスペクションは、2018年に宅地建物取引業法が改正されたことで、宅建業者(不動産業者)が売主や買主に説明する義務が生じました。
不動産会社は、売主や買主に対して、ホームインスペクションの存在や内容について説明をしなければなりません。また、買主に対して実施の有無や結果を正しく伝える必要があります。
ホームインスペクションが義務化された大きな理由は、中古住宅市場の活性化による空き家対策です。日本は中古住宅よりも新築物件の方が売れやすい国。なぜなら、中古住宅は物件によって品質や状態が異なり、買う側が安心して購入できないからです。
そして現在日本は、少子高齢化が進行し人口も減少していることから、住宅に住む人数は減っていきます。そのため新築住宅ばかりが売れてしまうと、中古住宅の数が増える一方で住む人が減っていき空き家が増加してしまうのです。
そこで、中古物件にホームインスペクション施すことで一定の品質や安全が保証されるため、買う側は安心して購入できます。その結果、中古物件を購入する人が増えて市場が活性化して空き家の数が減るとみられています。
ところでホームインスペクションって、具体的にどんな部分を検査してくれるんだろう?
ホームインスペクションでは不動産のどこを検査する?
ホームインスペクションでは、主に以下の3つの項目を確認されます。
確認内容 | 具体例 |
①構造耐力上の安全性に問題のある可能性が高いもの | 蟻害、腐朽・腐食や傾斜、躯体のひび割れ・欠損等 |
②雨漏り・水漏れが発生している、又は発生する可能性が高いもの | 雨漏りや漏水等 |
③設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているもの | 給排水管の漏れや詰まり等 |
※参考:国土交通省「既存住宅ホームインスペクション・ガイドラインについて」
そして、ホームインスペクションで確認される部分は、戸建住宅と共同住宅(マンション・アパート)で以下のように異なります。
戸建住宅 | 共同住宅 | |
① | 小屋組、柱、梁、床、土台、床組等の構造耐力上主要な部分 | 壁、柱、梁 |
② | 外部:屋根、外壁、屋外に面したサッシ等
内部:小屋組、天井、内壁 |
専有部分:天井、内壁
専有使用部分:外壁、屋外に面したサッシ等 |
③ | 給排水:給水管、給湯管、排水管
換気:換気ダクト |
※参考:国土交通省「既存住宅ホームインスペクション・ガイドラインについて」
※専有使用部分とは共用部分のうち区分所有者が専ら使用できる部分のこと
検査は、目視だけでなく計測装置の使用や触診、打診などを用いて行われます。ただし、床下や天井部分の検査は、目視で確認できる範囲のみ。穴を空けるなどの大掛かりな検査は行われません。
ここからはホームインスペクションの具体的なメリットをあげていくよ!
ホームインスペクションを行う2つのメリット
ホームインスペクションを行うメリットは大きく分けて以下の2つです。
● 取引後のトラブルが減少する
● 物件が売れやすくなる
それぞれについて確認していきましょう。
取引後のトラブルが減少する
物件を売却する前にホームインスペクションを行うことで、購入した後の買主からのクレームや、トラブルに発展するリスクを回避できる可能性が高まります。
売主と買主の間でトラブルが起こる主な理由は、物件に存在する瑕疵(欠陥)が購入後に発覚することによるもの。例えば売主が物件に雨漏りがあることを隠して販売し、購入後に買主が気付いた場合などですね。
ホームインスペクションが実施されていると、物件の状態がプロの第3者によって確認されるだけでなく、結果も買主に伝えられます。
そのため、買主は物件がどのような状態なのかを理解して購入でき、購入後のクレームやトラブルなどが発生しにくくなるのです。
物件が売れやすくなる
ホームインスペクションが実施された物件は、同じような特徴の競合物件と比べて売れやすくなります。
ホームインスペクションにおいて義務化されたのは、不動産会社による説明のみで、実施自体が義務化されたわけではありません。
そのため、実際にはホームインスペクションが実施されていない中古物件も数多く存在します。
ホームインスペクションが実施されている中古物件は、実施されていない物件に比べて一定の品質や安全が保証されているという付加価値が生まれて売れやすくなるのです。
ホームインスペクションをするにあたって気を付けることはあるのかな?
ホームインスペクションにおける注意点は費用と保証
メリットが大きく感じるホームインスペクションですが、注意すべき点が存在します。
● コストが発生する場合がある
● 100%品質が保証されるわけではない
ホームインスペクションを実施する際は、ここでご紹介する2つの注意点を理解した上で実施しましょう。
コストが発生する場合がある
一般的にホームインスペクションを実施する際には、所定の費用がかかります。そのため、物件を売却して、できるだけ多くのお金を手に入れたいという思いから、ホームインスペクションを実施しない売主も存在するのが実情です。
費用は業者によって異なりますが、相場は5~6万円ほど。物件によっては10万円以上かかることもあります。
いくらコストがかかるとはいえ、ホームインスペクションが実施された物件は信頼性が向上し、買い手がつきやすくなるということは事実。コストを支払ってでも実施する価値はあるといえるでしょう。
ホームインスペクションは「保証」ではない
ホームインスペクションが実施されたからといって、建物に瑕疵がないことが保証されているわけではありません。なぜなら、天井や床下などは目視でしか確認されないため、見えない部分に腐食などの欠陥が潜んでいる可能性があるからです。
ホームインスペクションを施しただけでは、瑕疵に対する対策が不完全だといえます。
そこで、必要に応じて瑕疵保険に加入したり、瑕疵保証を行っている不動産会社を利用したりすることで、瑕疵への対策をさらに万全なものにできます。
イエツグならホームインスペクションや瑕疵保証が無料です
不動産の売却には、ホームインスペクションや瑕疵保険の費用だけでなく、税金や仲介手数料などの多くの費用負担が発生します。
物件を早く、高く売りたいと思う一方で、費用負担はできるだけ抑えて、手元に多くのお金を残したいものですよね。
弊社イエツグでは、売却を依頼していただいた物件のホームインスペクションを無料で付帯。また、住宅瑕疵保証については無料で5年間付帯させていただいております。
さらにイエツグでは、物件の売却費用の中で多くの割合を占める仲介手数料が定額の182,900円(税別)。無料のサービスが充実しているだけでなく、売主様の費用負担を大きく減らすことが可能です。
物件を、少しでも高く、早く売りたいという方、また諸費用の負担をできる限り下げたいという方は、ぜひ弊社イエツグまでお気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、ホームインスペクションの内容について解説しました。
ホームインスペクションを実施することで、不動産に精通した専門家が物件を診断してくれるため、買主にとってはとても大きな安心材料となります。一方で、ホームインスペクションで物件の瑕疵を完全に防げるわけではない点に注意しましょう。
弊社にご相談いただくことで、物件の売却にかかるコストを抑えられるだけでなく、物件が希望の期間内に1円でも高く売却できるように従業員一同ご尽力いたします。
「費用は抑えたいけど信頼できる不動産業者を利用したい」という方は、是非イエツグのご利用をご検討ください。
大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。
・ホームインスペクションのメリットは何?
・ホームインスペクションするといくらかかるの?