(本記事は令和4年度税制改正に伴い、住宅ローン控除の内容を大幅に改編しております)
マイホーム取得者の金利負担を軽くしてくれる住宅ローン控除。マイホームを買い替えるたときも、この住宅ローン控除は適用になるのでしょうか?
本記事では、住宅ローンの控除制度に関するお悩みについて解説いたします。
適用できれば、かなりお得になる住宅ローン控除。弊社イエツグが、新生活を応援するために住み替え時でも受けられる住宅ローン控除と適用条件について紹介します。これから住み替えを行う人は、ぜひ参考にしてください!
- 住み替え時に使える住宅ローン控除はどんなものがある?
- 住み替えで住宅ローン控除を受けるための条件は?
- 住み替え時の住宅ローン控除を受ける手続き
目次
住み替え時に使える国税庁が定めた「住宅ローン控除」まとめ
国税庁では、住み替えを含む「住宅取得者」に様々な控除制度を設けています。どんな控除があるのか、適用になるとどのくらいお得になるのか、それぞれ詳しくみていきましょう。
適用されるととてもお得な「住宅ローン控除」
まずは、住宅ローン控除の仕組みについておさらいしていきましょう。
住宅ローン控除をひとことで言うと、住宅ローンを組んでマイホームを購入した人が受けられる還付される制度です。住宅ローン減税、または住宅借入金等特別控除とも言います。
特例の名称 | 適用条件 |
---|---|
住宅ローン控除 | 住宅ローンを組んでマイホームを購入すること |
この住宅ローン控除がどのくらいお得になるのか、ここから詳しく解説したします。
住宅ローン控除は還付金額と適用期間について
住宅ローン控除は、最大で10年間適用され続けます。
ただし、令和4年度税制改正により、住宅の性能によって住宅ローン控除の期間が最大13年となります。
- 長期優良住宅・低炭素住宅等認定住宅:2025年末まで
- ZEH水準省エネ住宅:2025年末まで
- 省エネ基準適合住宅:2025年末まで
- 一般住宅:2023年末まで
更に、年間最大控除額についても令和4年度で変更がありましたので下記に記載いたします。
具体的に令和4年度の住宅ローン控除でどのくらい控除されるのかというと、住宅ローン残高の0.7%。例えば消費税非課税物件、一般住宅で住宅ローンの残高が1,500万円だった場合、最大で10.5万円が控除されます。
もちろん、住宅ローンの借入額によって上下はしますが、消費税非課税物件で一般物件の場合、控除限度額は年間14万円です。
1年で数十万円も戻ってくるのですから、これは家計にとても嬉しい制度ですよね。
所得税<控除額だったら損をするのでは?
住宅ローンを組んでいる人の中には、控除額よりも所得税額が低い人もいるのではないでしょうか?
「所得税<控除額」の関係性であった場合、住宅ローン控除の恩恵を受けきれず損をした気分になってしまいますよね。
このように所得税よりも控除額が大きかった場合は、代わりに住民税から控除されます。住宅ローンを組んだ人の納税状況を市町村で把握していますので、所得税から控除しきれなかった分は市町村が自動的に天引きしてくれます。特別な申請をする必要はありませんので、安心してくださいね。ただし住民税の控除額の上限は、97,500円/年(前年課税所得5%)となっています。
いつ還付金を受け取れるの?
住宅ローン控除を受け取るためには、確定申告が必要です。
住宅ローン控除が適用になると、年度末の確定申告時に納税した所得税の一部が戻ってきます。適用してから約1カ月で還付され、3月に所得税を納税すると4月に還付金が受け取れます。
確定申告の方法については、このページの下部にて詳しく解説しております。ぜひ最後まで読んでいってください。
住宅ローン控除以外に受けられる「譲渡所得を控除する3つの特例」
住み替えするとなると、家を売却する人がほとんどだとは思いますが、家を譲渡(売却・譲る)して利益が出た場合、税金がかかることをご存知でしょうか?
これを譲渡所得税と言い、譲渡所得の控除制度を適用させると譲渡所得税がお安くなります。
譲渡所得税は「譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)- 特別控除額(一定の場合)= 課税譲渡所得金額」で計算されますが、以下の条件を満たすと譲渡所得に関しても控除を受けることが可能です。
特例の名称 | 適用条件 |
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マイホームを売ったときの特例 | 自分が住んでいる家を売る |
長期譲渡所得の特例 | 5年以上所有した不動産を譲渡する |
特定居住用財産の買い換え特例 | 自分が住んでいる家を売る |
上記の3つの特例は、マイホームを買い替えた人ほとんどが適用となるお得な制度です。上記の特例の詳しい適用条件や控除率については、下記ページで詳しく解説しています。
しかし、この譲渡所得の控除にも、ひとつだけ注意点があります。
上記の3つの特例は、住宅ローン控除と併用することができません。譲渡所得を控除する特例にはある種の規制がかけられており、住宅ローン控除を適用してから前後5年間はこの特例が使えません。
では、住宅ローン控除を受けた人は譲渡所得税を安くすることはできないのでしょうか?いいえ、実はとても良い方法があります!
住宅ローン控除を受けた人が適用できる「控除の特例」もある!
住み替えした人の中には「マイホームがそんなに高く売れなかった」という、いわゆる売却損をした人も少なくありません。このような場合、住宅ローン控除と一緒に「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」という特例を受けられます。
ちょっと長い名前ですが「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」とは、住宅ローンの残高を下回る価額でしか売却できなかった場合に、譲渡損失を他の所得から控除できる制度です。
特例の名称 | 適用条件 |
---|---|
マイホーム買換えの譲渡損失 | 自分が住んでいる家を売る |
わかりやすく言うと、買い替えで損をしてしまった場合に、損失を取り戻せる(控除する)というわけです。この特例の便利なところは、控除制度を適用させても損失を取り戻せないときは、売却の翌年から3年間控除制度を繰り越せます。
この制度は住宅ローン控除と併用できますので「もしかして、わが家が該当するかも」と感じたら、弊社の担当者が適用可能かどうか詳しくご案内いたします!ぜひご相談ください。
住宅ローン控除対象外の人が受けられる「特別控除」
「住宅ローンを組まずに新居を一括購入した」「借入期間が短い」など、住宅ローン控除の適用対象外のため、住宅ローン控除を受けることができない人もいるでしょう。
このような場合は、「認定住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除」を受けることが可能です。適用になった場合は、最大で65万円の控除が受けられます。
特例の名称 | 適用条件 |
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認定住宅の所得税額の特別控除 | 新築した家が省エネ認定されること |
ただし、この認定住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除を受けるためには、該当住宅が認定長期優良住宅か認定低炭素住宅であることが条件です。
認定長期優良住宅 |
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認定低炭素住宅 |
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このほかにも「住宅の床面積は50㎡以上」「所得金額の合計額が2,000万円以下」など適用条件があります。こちらについても、適用となるか診断いたしますので、お気軽にご相談ください。
ここからは、住宅ローン控除の適用要件についてみていこう!
住み替えする人が住宅ローン控除を受けるための条件とは?
ここまで紹介してきた住宅ローン控除ですが、住み替えする人もこの制度を使うことはできるのでしょうか?
実は「住み替えするかどうか」という点はあまり問題ではありません。下記の条件が満たされていれば、住み替えであっても住宅ローン控除が適用となります。
そこで、住宅ローン控除の適用条件を紹介していきますので、ご自分の状況と照らし合わせてみてください。
住宅ローン控除適用条件その1.「居住条件」
- 自ら居住すること
- 床面積が50㎡以上
- 耐震性能を有している(中古住宅の場合)
- 築年数が一定年数以下であること(中古住宅の場合)
住宅ローン控除が適用になるのは、取得者が日常的に住むことが前提条件です。家族が住む、従業員が住む、別荘など一時的に住むという場合は適用になりません。
また、住み替え先の床面積が50㎡以上でなければいけませんが、50㎡とは各階すべてを合わせた面積です。床面積については、登記事項証明書を見ればすぐに確認できます。
住み替え先が中古住宅の場合、上記2点以外に「昭和57(1982)年以降に建築された新耐震基準適合住宅」という条件が追加されます。
ちなみに、令和3年度の税制では、木造であれば築20年以内、鉄筋構造であれば25年以内であることが条件でした。
令和4年度税制改正により、築年数の適用要件が大幅に緩和され、中古住宅を検討する方がより住宅ローン控除を受けやすくなりました!
さらに、今回の改正では、築年数の確認書類は登記簿謄本上での新築年月日に基づき判断する点も大きな改正の一つです。
住宅ローン控除適用条件その2.「所得条件」
合計所得が年2,000万円以下の人のみ住宅ローン控除を受けられます。住宅ローン控除を受け始めてから10年以内に合計所得が2,000万円を超えてしまった場合は、その年以降は住宅ローン控除を受けることができなくなります。
合計所得とは、以下の通りです。
- 給与
- 退職金
- 株などの配当金
- 利子
- 事業
- 山林
- 土地や建物を売却した額 など
これらの所得が合計額を超えないよう注意しましょう。
また、令和4年税制改正により新築物件に限り延べ床面積40㎡以上あれば住宅ローン控除が受けられることになりました。
しかし、新築物件の延べ床面積40㎡以上の物件で住宅ローン控除の適用を受けるためには、年間の所得金額が1,000万円以下となります。
2,000万円以下ではないことに注意が必要です。
住宅ローン控除適用条件その3.「借入条件」
- 借入期間が10年以上であること
- 工事費が100万円以上(リフォームの場合)
住宅ローン控除は、名称通り住宅ローンを受けていることが条件です。また控除期間が10年という設定上、借入期間が10年以上でなければいけません。
住宅ローン控除適用条件その4.「特例利用歴」
- マイホーム取得の前後5年間を以下の特例を受けていないこと
- マイホームを売ったときの特例
- 長期譲渡所得の特例
- 特定居住用財産の買い換え特例
「譲渡所得を控除する3つの特例」の項目でも触れたように、譲渡所得を控除する特例をうけていた場合は住宅ローン控除の適用ができません。ただし、上記の3つの特例を受けてから5年が経過していた場合は、住宅ローン控除の適用が可能です。
このように、住宅ローン控除制度を適用させるためには、これらの条件を満たしている必要があります。お客さまの現状やこれからの住み替えプランが住宅ローン控除の条件を満たしているかどうか、弊社の担当者が診断いたします。お気軽にご相談ください。
住み替え時の住宅ローン控除を受ける手続きはどうしたら?
住宅ローン控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。
通常、会社員や公務員であれば会社で年末調整を行ってくれるため、確定申告は不要です。しかし、住宅ローン控除を受けるためには、取得者が税務署に確定申告を行わなければいけません。
なぜ、年末調整だけではダメなのでしょうか?
実は会社が行う年末調整は、事業者が給与所得者に対してもらい過ぎた所得税の還付を行うものです。しかし、住宅ローン控除は会社で調整することができないため、取得者の確定申告が必要になるからです。
マイホーム買い替え後に住宅ローン控除を受けるための確定申告方法
住宅ローン控除を受けるためには、住宅ローンを組んだ初年度のみ確定申告を行います。2年目以降は申告は不要ですが、以下の2つの書類の提出が必要です。
- 税務署から送付される「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」
- 金融機関から送付される「残高証明書」
確定申告は、毎年2月中旬~3月中旬の間に税務署で行われます。なお還付申告に関しては、上記の期限外でも受付可能で翌1月1日~5年間まで有効です。
住宅ローン控除を受けるためには、以下の書類を準備しましょう。
- 確定申告書
- 源泉徴収票
- 住民票
- 住宅ローンの借入金残高証明書
- 土地・建物の登記簿謄本
- 売買契約書(建築請負契約書)
上記の書類を準備し、申告を行います。記入方法がわからないときは、税務署の職員が書き方を教えてくれます。またe-taxというウェブサイトから申告を行うこともできますので、時間に余裕がない人は自宅で申告してみましょう。
まとめ
住宅ローン残高の0.7%(最大)が還付される住宅ローン控除。何かともの入りになる年度明けにこのような多額の還付金があると、とても助かりますよね。
ただし、この得な住宅ローン控除を受けるためには「家の面積」「合計所得」「特例適用履歴」をしっかり確認する必要があります。これらを確認するためには、税務署などから書類を取得しなければいけないため、何かと手続きが面倒なもの。
弊社には、住宅ローンアドバイザーや既存住宅アドバイザー、FP資格の有資格者が在籍しているので、控除特例の適用要件や適用となる物件や、お得な住み替についてアドバイスさせていただくことができます。
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「住宅ローン控除が適用できるのか?控除金額はいくらになるのか?」
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結局、私たちがあの物件を買う場合、住宅ローン控除は受けられるの?
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