※本記事は、2020年5月時点の国土交通省ホームページをもとに作成しております。併せてご確認ください。
2020年10月27日の日経で控除期間延長措置が「2年」延長する見通しだと報じられました!
住宅ローン減税(控除)は、住宅ローンを利用して住宅を購入した人が受けられる減税制度です。
令和元年10月の消費税増税時には、条件を満たすと控除期間が延長される特例措置も実施されました。住宅ローン控除制度や特例には入居期限が設けられており、所定の期日までに購入した住宅に住み始めなければ利用できません。しかし、新型コロナウイルスの影響によって工事の遅延や不動産業者の営業自粛等が起こり、入居が遅れてしまう可能性が出てきています。
そこで、新型コロナウイルスが原因で入居が遅れた場合でも制度や特例を利用できるよう、住宅ローン控除の適用要件が弾力化され、入居要件が緩和されることになりました。
本記事では、コロナウィルスの影響に伴う住宅ローン控除の入居要件の緩和措置の内容や必要な手続きについてご説明します。
- 住宅ローン控除の内容
- 住宅ローン控除の入居要件がどのように緩和されるのか
- 入居要件の緩和措置を受ける方法
【動画目次】
00:00 はじめに
01:59 住宅ローン控除期間延長の適用条件
03:56 コロナによる適用要件緩和の内容
06:07 2021年の税制改正案の内容
08:50 まとめ
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
目次
住宅ローン控除の内容をおさらい
住宅ローン控除とは、所定の要件を満たすと年末時点におけるローン残高の1%が、所得税や住民税の税額から控除される制度です。
住宅ローン控除の対象となる借入額の限度は、4,000万円(一定以上の環境性能を持つ長期優良住宅は5,000万円)。仮に、年末時点の住宅ローン残高が3,000万円で、所得税の額が20万円、住民税の額が30万円だとしましょう。控除額は3,000万円の1%である30万円ですので、所得税の20万円が0円となり、残った10万円が住民税額から差し引かれて20万円となります。ただし住民税から差し引かれる額は、所得税の課税総所得金額等×7%(最大13万6,500円)が限度です。
住宅ローン控除を利用できる期間は通常10年ですが、以下の条件を満たすと控除期間が13年に延長されます。
- 消費税率が10%を超える住宅を購入した場合
- 令和元年10月〜令和2年12月31日に入居した場合
このように住宅ローン控除を利用できるかどうかで、所得税と住民税の負担が年間で数十万円、合計で数百万円ほど変わる場合があるのです。
住宅ローンの内容や節税効果について、より詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご一読ください。
新型コロナで住宅ローン控除の入居要件が延期
住宅ローン控除は、購入した住宅に自ら居住する人のための制度です。
そのため住宅ローン控除制度や増税に伴う特例措置には、「この日までに購入した住宅に入居してくださいね」といった入居期限が設けられています。
しかし新型コロナウイルスの影響により、以下のような理由で期日までに購入した住宅に入居できない可能性があります。
- 住宅の新築や増改築に必要な設備・資材の部品供給が停滞して工事が遅延した
- 事業者が営業を自粛したり、購入者自身が外出を自粛したりすることで、工事の契約自体が遅れてしまった
- 増改築等の工事が完了するまで居住する予定であった仮の住居に、事態が収束するまで留まることにした
そこで新型コロナウイルスが原因で入居が遅れてしまう方でも、住宅ローン控除や特例措置を利用できるように発表されたのが今回の緩和措置です。
1.控除期間が13年に延期される特例措置の入居要件緩和
住宅ローンの控除期間を13年に延長するためには、令和2年12月31日までに購入した住宅に入居しなければなりません。
もし新型コロナウイルスの影響で入居が遅れた場合、以下の期日までに契約が行われていれば入居期限が「令和3年12月31日まで」に延長されます。
- 注文住宅を新築:令和2年(2020年)9月末
- 分譲住宅・既存住宅を取得する場合や増改築等:令和2年(2020年)11月末
2.既存住宅を取得したときの入居要件緩和
住宅ローン控除を利用するには、住宅を取得した日から6か月以内に居住を開始する必要があります。基本的に、既存住宅(中古住宅)を購入しリフォームをする場合にも、住宅購入から6ヶ月以内に工事を終わらせて住み始めなければ、住宅ローン控除の制度自体を利用できません。
しかし今回の緩和措置により、新型コロナウイルスの影響で増改築等後の住宅へ入居が遅れた場合には、以下のどちらか遅い日までに増改築等の契約が行われていると、入居期限が「増改築等完了の日から6ヵ月以内」となります。
- 既存住宅取得の日から5ヵ月後まで
- 関連税制法の施行の日(令和2年4月30日)から2ヵ月後(令和2年6月29日)まで
たとえば、令和2年5月20日に中古住宅を購入した場合、関連税制法施行の2ヵ月後である6月29日よりも、既存住宅取得の日から5ヶ月である令和2年10月19日の方が遅い日となります。そのため令和2年10月19日までに結んだ増改築等の契約が、緩和措置の対象です。
緩和措置の対象となった場合、増改築の工事が完了した日から6ヵ月以内に居住を開始しなければなりません。たとえば、増改築等の工事が令和2年8月5日に終了した場合、その6ヶ月後である令和3年2月4日が入居期限となります。
また耐震基準を満たさない中古住宅を購入した場合、上記の期限内に耐震改修を完了して入居すれば住宅ローン控除の利用が可能です。
住宅ローン控除の入居要件緩和措置を受ける方法
住宅ローン控除の入居要件緩和措置を受けるためには、確定申告時に確定申告書や年末残高等証明書など本来の提出書類に加えて、以下の書類を提出しなければなりません。
- 契約の時期を確認する書類(請負契約書の写し、売買契約書の写しなど)
- 入居が遅れたことを証明する書類
- 様式A:既存住宅の取得後に増改築等を行った場合の申告書兼証明書
- 様式B-1:要耐震改修住宅の取得後に耐震改修を行った場合の申告書兼証明書
- 様式C:控除期間13年間の特例措置の適用に関する申告書兼証明書
なお、確定申告で住宅ローン控除申告時の必要書類については、以下の記事も併せてご確認ください。
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新型コロナで次世代住宅ポイント制度の申請期限も延期
次世代住宅ポイント制度とは、省エネ性、耐震性、バリアフリー性能等が一定以上の住宅を購入したり、リフォームを行ったりした場合に、さまざまな商品と交換可能なポイントが発行される制度です。中古住宅は、購入時に一定の要件を満たしたリフォームを行うことで対象となります。ポイントは家具やインテリア、食料品などと交換できるため、住宅の購入に伴う諸費用やその後の生活費用などの負担を軽減できます。
次世代住宅ポイントは、本来、令和2年3月31日までの制度です。しかし新型コロナウイルスの影響で事業者から工事の受注・契約を断られた人や、事業者との工事の契約を解除した人など、次世代住宅ポイントを申請できない人がいました。
そこで新型コロナウイルスの影響により、令和2年3月31日までに契約できなかった人が令和2年4月7日〜8月31日の間に工事契約や売買契約を結ぶと、次世代住宅ポイントを申請できるようになったのです。
次世代住宅ポイントの申請できる期間や、ポイントを商品に交換できる期間は以下の通りです。
- 申請期間:令和2年6月1日から8月31日
- 商品交換申込期間:令和2年6月1日から11月30日
まとめ:コロナの影響による住宅ローン控除の適用要件弾力化は既存住宅取得も無関係ではない
新型コロナウイルスの影響で購入した住宅への入居が遅れても、所定の条件を満たせば緩和措置が適用されて、住宅ローン控除の控除期間が13年になります。また中古住宅を取得し、増改築等を行う場合も、緩和措置の条件を満たすことで住宅ローン控除を利用可能です。さらに購入時に一定の要件を満たすリフォームを行うことで制度の対象となる次世代住宅ポイント制度も、コロナの影響で期間が延長しています。先行き不透明な時期ではありますが、住宅ローン控除の延長や次世代住宅ポイント、住まい給付金(中古住宅は宅建業者売主のみ)などが利用でき、住宅ローン金利が著しく低下している今こそ、住宅の購入に最適なタイミングであるとも考えられます。
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大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。