一戸建てとマンションの資産価値を維持していくためのポイント!メリット・デメリットを把握した住まい選びを

「夢のマイホーム」といえば、やはり一戸建てを想像しますか?それとも、管理が楽なマンション?

マイホームを購入する際には、まず「戸建てとマンションのどちらにするか」と悩まれる方が多くいらっしゃいます。

戸建てとマンションの違いは、「住居の形」だけではありません。どちらを選ぶかによって、毎日の生活習慣や資産管理など、家族の今後の生活が大きく変わる可能性があるのです。

そこで本記事では、戸建てがマンションかで悩んでいる方に向けて、両者の違いを徹底比較!住まいを選ぶためにはどんな点に気をつければよいのか?メリット・デメリットの面から解説していきます。

この記事でわかること
  • 一戸建てとマンションの「資産価値」の違い
  • 一戸建てのメリット・デメリット
  • マンションのメリット・デメリット
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士
イエツグくん
住居の形のメリット・デメリットは様々あるよ。まずは、一戸建とマンションの資産価値推移の「傾向」について見ていこう!

一戸建てとマンションの「資産価値」の推移

まず知っておくべきなのか、一戸建てとマンションが、購入後、どのように資産価値が変遷していくか。もちろん物件によって異なる部分ではありますが、その“傾向”については知っておくべきでしょう。

一戸建ての資産価値の推移

一戸建ては、「土地部分」と「建物部分」で資産価値の推移は異なります。

「土地」については経年劣化しないので、資産価値が維持しやすい資産だといえるでしょう。そのエリアで再開発が行われたり、地価が上がったりすれば、土地の資産価値が向上する可能性もあります。

そして一戸建ての「建物」部分については、経年とともに価値を落としていくのが基本です。一戸建ての建物部分は、「10年で価値が半分に」「20年で価値がゼロに」といわれることもありますが、実際には構造やリフォーム状況によります。とくに昨今では建築技術も向上しているため、「20年後に建物部分の価値がゼロになるか」といわれればそんなことはないはずです。ただやはり、築年数が古い戸建てほど、経年による価値の低下は避けられないといえるでしょう。

ここまでを踏まえると、一戸建ての資産価値を維持していくポイントは次の通りです。

一戸建ての資産価値を維持するためのポイント
  • 地価が落ちにくいエリアを狙う
  • できるだけ築年数が浅く、建築がしっかりした戸建てを選ぶ
  • 築年数が高い一戸建てはリフォームによって価値を維持・向上させる

マンションの資産価値の推移

一方、マンションもまた「建物」と「土地」に分かれている物件です。

しかし、マンションは、一戸建てのように所有者の一存で土地部分だけ売買することはできないので、土地の流動性が低いといえます。よって、土地と建物を分けて考えず、1つの物件としての資産価値を考えるのが基本です。

マンションは構造的に一戸建てより強く、資産価値の低下についても戸建てより遅いといわれています。一概にはいえませんが、一戸建てが築20~30年で価値がゼロになっていくのに対し、築20年前後で新築時の資産価値を50%以上維持しているマンションは少なくありません。

資産価値が維持しやすいマンションの特徴は、立地がいいこと。やはり土地と同様、マンションもまた資産価値の維持を見込むなら、立地の良さは欠かせなといえるでしょう。

さらに、資産価値が維持しやすいマンションの条件は以下のようなものです。

資産価値が維持されやすいマンションの特徴
  • 立地が良い
  • ビッグコミュニティ(戸数が多い)
  • 管理状態が良好
  • ブランドマンション

マンションと比較したときの「一戸建て」のメリット・デメリット

戸建ては「一軒家」とも呼ばれ、建物一軒全てが専有の居住空間となる住居の形式です。

独立した住居である戸建ては、マンションのような集合住宅にはないメリット・デメリットをいくつも持っています。

「一戸建て」のメリット

騒音問題が起きにくい

一戸建ては、1つの建物の中に家族のような限られた世帯だけが住むため、騒音問題が起きにくいというメリットがあります。

マンションなどの集合住宅において、隣家の騒音問題は、住まいにおけるトラブルやストレスの代表的なもの。上下左右、周囲の部屋から思わぬ音が聞こえてくることが気になるだけでなく、自分たちの部屋から出た音が周囲の迷惑になってしまうこともあります。

一方で、一戸建ては外からの騒音に悩まされることはなく、自分たちが発する音の影響を気にして生活する必要もありません。もちろん、戸建てでも、隣近所の家との距離に応じて音や話し声が迷惑にならないように注意する必要はあります。それでも部屋と部屋が密接しているマンションに比べれば、騒音によるトラブルが起きる危険性は低いといえるでしょう。

増築を伴うリフォームができる

一戸建てのマイホームは、自由に増改築ができるという点も大きなメリットの一つです。

長い人生の中で、子どもの成長や親の隠居など、生活スタイルが大きく変わる出来事は多くあります。それに伴い、自宅に求められる役割も変わっていき、住居の形を変える必要性が生じることもあるでしょう。

もし現在の住居よりも多くの部屋数が必要になった場合、マンションではリフォームはできても、部屋を増築することはできません。

その点、戸建てなら敷地の範囲内で必要な改修が可能。子ども部屋の建て増しや、バリアフリー化に伴うエレベーター設置など、家族のライフステージに応じた大胆な増改築ができます。ただし、その増改築が建築基準法や都市計画法など、建築物に関する法令に適している必要がありますので注意しましょう。

管理組合に加入する義務がない

分譲マンションに付きものである管理組合への加入義務がない点もまた、戸建てのメリットとして考えられるでしょう。

マンションの所有者は、そのマンションの住民で結成する管理組合への加入が義務づけられます。年に数回の定期総会への参加や理事としての活動などが発生するため、ある程度の手間をかけることが求められます。

しかし戸建てはその家のオーナーである家族が個別に管理するため、マンションのような管理組合は存在しません。戸建てのある地域住民で結成する町内会・自治会はありますが、原則として法的な加入義務はありません。

「一戸建て」のデメリット

マイホームという言葉のイメージがぴったりな戸建ての家。家族だけが住む空間である戸建てには多くのメリットがありますが、同時に戸建てならではのデメリットも存在しています。

修繕費は自前で用意しなければならない

マンションなら「管理」や「修繕の計画・実施」を管理組合任せにできますが、一戸建てでは自分たちで行わなければなりません。

戸建てもマンション同様、住んでいれば老朽化が進み、家のいたるところが傷んできます。一戸建てには徴収される管理費や修繕費などはないものの、それは“管理や修繕が不要”というわけではありません。住まいの快適性、資産性を維持していくためには、耐震補強や傷んだ外壁塗装の塗り直しなど、定期的な修繕は不可欠です。

不動産ジャパンの調査結果によれば、30年以上住んでいる戸建てに掛けた修繕費の合計は平均556万円に上りました。長年かけて少しずつ修繕しているとはいえ、非常に大きな金額が必要なことがわかります。

第三者が管理してくれることはないため、必要なタイミングで修繕できるよう、所有者自ら計画を立てて積み立てていくことが望ましいでしょう。

マンションと比較してセキュリティ面が弱い

独立した住宅である戸建てには、マンションエントランスのオートロック玄関や廊下の防犯カメラといった防犯設備は基本的にありません。不安を感じれば、必要に応じて所有者自らがセキュリティの設備やサービスを用意する必要があります。

個人住宅向けの監視カメラや人感センサーライト、警備会社との警備契約など、戸建てで用意できる防犯対策は豊富です。自分たちの家を守るために、どの程度の防犯設備やサービスを利用するのがよいか、しっかりと検討しましょう。

町内会・自治会が負担になる

一戸建てが建つ地域によっては、地域住民で結成される町内会・自治会の活動が負担になることがあります。とはいえ、マンションだとしても町内会・自治会への加入が“半強制”のようになっていることもあります。ただ一戸建ての住人の方が、隣人の方との交流や町内会への積極的な参加を求められることが多い傾向にあります。

地域の生活サポートや活性化に向けた活動を行う町内会は、その活動費用として住民から町内会費を徴収します。この会費は地域によって金額が異なっており、月数百円程度の地域もあれば、数千円を求められることもあります。経済状態が苦しい家庭にとっては、毎月数千円の町内会費は大きな負担です。

またイベント事の手伝いや、定例会議への参加が求められるなど、時間的な拘束が生まれることもあり、町内会への参加が様々な面で負担と感じる人も少なくありません。町内会への参加は法的な義務ではないため、参加を断ることは可能です。しかし周囲の住民との関係悪化や、町内会の催し物の参加拒否など、地域住民の輪に入れず孤立してしまう危険性あります。もし町内会への参加を断る際には、関係の悪化を招かないよう十分に配慮した対応が必要となるでしょう。

一戸建てと比較したときの「マンション」のメリット・デメリット

一方、何十、何百の世帯が一つ屋根の下に暮らすマンションには、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

「マンション」のメリット

セキュリティ面が充実している

分譲マンションは、戸建てに比べ、設備や管理面でセキュリティが充実しているというメリットがあります。

マンションの多くには、次のようなセキュリティ機能が標準設置されています。

  • エントランス部分のオートロック
  • 防犯カメラ
  • 複製できない鍵
  • モニタ付きインターホン

また、マンションの管理会社は警備会社と提携しており、何らかのトラブルが起きた際にも対応が期待できます。

修繕計画が立てられている

分譲マンションの修繕は、管理組合によって立てられた長期的な計画に沿って実施されています。また管理会社に管理を委託しているマンションでは、マンション管理士などの専門家による見解のもと修繕計画が立てられるものです。

長期修繕計画の遂行のため、分譲マンションに住む各世帯は修繕費を積み立てる義務を追っていますが、その積立金は管理組合が一括で管理しています。修繕の計画・実施・管理を自身で行わなければ一戸建てと比較し、安心して管理や修繕を任せられるといえるでしょう。

コミュニティが作りやすい

マンションに暮らす人たちは、同じ建物に住むため生活圏が非常に近くなります。また同価格帯のマンションの部屋を購入していることから生活水準や家族の年齢や構成が近いことも多く、経済的な価値観も近い人たちが集まりやすい環境です。マンションは住民同士に共通点が多くなることから、コミュニティが作りやすいという特徴があります。

また、マンションによっては住人が参加できるイベントが催され、交流が活発に行われることもあります。さらに同年代の子どもがいる家庭同士なら、悩みや相談ごとを共有できる母親同士のコミュニティも作りやすいでしょう。

「マンション」のデメリット

隣人トラブルが起きてしまいやすい

マンションはコミュニティが形成しやすい一方で、騒音などによる隣人トラブルが起きてしまいやすい住居だといえるでしょう。

集合住宅であるマンションでは、大きな音を立てないように生活しなければなりません。マンションの部屋は周囲の部屋と密接しているため、建物の遮音性によっては隣接した部屋同士で、部屋の中の音が筒抜けになってしまうということもあります。

話し声やテレビの音が隣に聞こえるだけでなく、歩行の振動が下の部屋に響くことも。自分では大きな音を立てていないつもりでも、相手にとっては大きなストレスとなり、住人同士のトラブルに発展することもあります。築年数が浅いマンションは防音対策も売りの一つですが、古めのマンションは構造によって音が響きやすい場合があります。中古マンションを購入する際には、音が響きにくい構造であるか十分に確認するのがよいでしょう。

また、家族構成が似ている世帯が多いからこその問題も起きやすいといえます。たとえば、ママ友トラブルや子ども同士の喧嘩、いじめなどが起きてしまったとき、一つ屋根の下のマンションに暮らす者同士だからこそ解決が難しくなることもあるでしょう。

管理費・修繕積立金が高額になりやすい

管理や修繕計画を管理組合や管理会社に任せられるという点は、メリットの1つです。ただやはり、そのための費用が高いのは難点だといえるでしょう。

マンションの管理は委託を受けた管理会社が行いますが、委託には費用が必要です。その費用は各世帯から毎月集められた管理費から、管理組合を通じて支払われます。また、計画的な建物の修繕のため、各世帯は毎月修繕費用の積み立てを行います。築年数が浅い間は大規模な修繕は必要ないため、積み立てる修繕費も少額です。しかし建物が老朽化すれば修繕の規模・回数ともに増加するため、年を追うごとに修繕積立金は高額になっていくのが一般的です。

管理費・修繕積立金は、ローン完済後も支払わなければなりません。そのためマンションに住み続ける間は、常に毎月の支払いが続くことは頭に入れておきましょう。

管理組合に参加する義務がある

分譲マンションに住むなら、そのマンションの住人で組織される管理組合に参加する義務があります。

管理組合は、分譲マンションの管理を行うための住人による組織。理事は月に1回ほど理事会を招集し、マンションの管理方針に従った業務を行います。また建物の管理を委託する管理会社との交渉や、住民が集まり管理方針を決める定期総会の運営など、マンション管理に関わる業務全般に関わらなければなりません。

理事にならない場合でも、区分所有者としてマンション管理へ参加する必要があります。年1回程度開かれる定期総会や、随時招集される臨時総会への出席など、住民としての責任を果たす義務が求められます。総会への出席は回数が多いわけではありませんが、出席義務がある定期的な会議に、煩わしさを感じる人もいるでしょう。

まとめ:一戸建てもマンションもメリット・デメリットを認識し、「資産価値」を維持することを考えて購入を

住まいの形の一つである一戸建て・マンションは、それぞれにメリットとデメリットを持っています。ただそれらは住まいが持つ特徴であり、優劣を決めるものではありません。

大切なのは家族の生活スタイルや性格などに応じて、適したメリットがある住居を選ぶことだといえるでしょう。さらに住まいの「資産価値」を維持できれば、将来的にも安心です。いずれの物件種別だとしても、この点は必ず意識して物件選びすることをおすすめします。

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監修者 亀梨奈美
監修者 亀梨奈美大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。株式会社real wave代表取締役。「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、機関紙から情報サイトまで不動産ジャンルのあらゆる文章を執筆・監修。

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