- ローン解約
- 手付解除
この記事でわかること
- ローン解約ってなに?
- 手付解除とは?
- 解除になったときの仲介手数料や手付金はどうなる?
執筆者 丹拓也

目次
2026年に確認したいポイント:仲介手数料とローン特約は契約書で確認
この記事には過去の実務説明が含まれます。現在の取引でそのまま当てはめるのではなく、媒介契約書と売買契約書の条項、契約時点の国土交通省の案内を確認してください。
- 仲介手数料は、国土交通省告示の上限額の範囲で、媒介契約時に合意した金額が基準になります。「3%+6万円」がすべての取引にそのまま適用されるわけではありません。
- 令和6年7月1日以降、売買価格800万円以下の宅地・建物は、使用状態を問わず「低廉な空家等」の特例対象になり得ます。依頼者の一方から受け取れる上限は税込33万円以内で、事前説明と合意が必要です。
- ローン不成立時の仲介手数料は、「停止条件」か「解除権留保」か、媒介契約書に返還条項があるかで確認箇所が変わります。「半額が相場」と一律に決めつけず、個別の契約書と実際の業務内容を確認しましょう。
詳しくは、国土交通省の不動産取引に関する案内、宅建業者が受けられる報酬額の告示、標準媒介契約約款を確認してください。個別の紛争や契約解釈は、宅建士、司法書士、弁護士などにも相談するのが安全です。
手付解除とは手付金放棄や手付金の倍額を支払って契約を解除すること

民法557条1項
買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
手付金の種類
そもそも手付金には、次の3つの意味合いがあります。解約手付
手付金の支払いによって不動産の売買契約を解除できる権利が売主と買主の双方に与えられています。 日本の不動産の売買契約における手付金とは、多くの場合で解約手付を指します。証拠手付
不動産の売買契約が成立した証拠としても、手付金は大きな役割を果たします。違約手付
当事者の債務不履行によって売買契約が解除された場合、違約金としても手付金は使われます。売主・買主それぞれの手付解除方法
不動産売買の当事者が手付解約する場合、売主は買主に対して手付金の倍返しを、買主はすでに支払った手付金の放棄をしなければなりません。 「売主は倍返しで不公平」ではなく、すでに買主から受領した手付金を変換してさらに同額を支払うということなので、結果的には売主も買主も手付金額を相手に支払うという点は同じです。ローン特約とは買主の融資がおりなかったときの白紙解除を約定したもの

ローン(融資)特約条項の種類
ローン特約条項には、当然失効型と解除権行使型の二種類があります。 当然失効型の文例としては、「融資の全部又は一部の承認が得られない場合、本契約は自動的に消滅する。」となります。そして、当然失効型の場合は、ローンの成立により売買契約が有効になる停止条件付売買契約(停止条件のイメージは、これまで停止していた売買契約の効力が一定の事情の発生により生じるというもの)ですから、融資の不成立により解除が確定します。 一方、解除権行使型の文例としては、「融資の全部又は一部の承認が得られない場合は、契約書記載の期限内であれば買主は本契約を解除できる」となります。そして、解除権行使型の場合は、契約はいったん成立し、ローンの不成立を理由とする解除権の行使により、契約が解除される解除条件付売買契約となります。(解除条件のイメージは、売買契約締結により発生した契約の効力が一定の事情の発生により消滅するというもの)したがって期限内に解除権の行使をしなければ契約は存続することになります。手付解除やローン解約のとき支払った仲介手数料はどうなる?全額返還される?

不動産会社が仲介手数料を請求するための要件
そもそも仲介手数料とは、不動産物件を不動産会社の仲介で購入又は売却するときに、不動産会社に支払う成功報酬のことをと言います。 諸費用の一部として、一般的に物件価格の3%+6万円と消費税の仲介手数料が発生します。解除になったときの返金や請求を考える前に、仲介手数料の支払い時期と契約時・決済時の扱いも整理しておきましょう。
仲介手数料が請求される条件は契約内容や媒介の実施状況で変わるため、不動産会社の違反行為と確認ポイントも確認しておきましょう。
(以下では、仲介と媒介は同義。)- 不動産会社が宅地建物取引業の免許を受けていること
- 依頼者と媒介契約が成立していること 依頼者と不動産会社の間で媒介契約が成立していなければ、不動産会社は仲介手数料を請求することは出来ません。媒介契約は、口頭のみで成立しますが、争いを防止するため一般的には書面にて契約します。
- 媒介行為が存在していること 不動産会社が、売買契約成立に要求される行為を行うことが必要です。
- 売買契約が成立したこと 仲介手数料は成功報酬です、依頼した売買が成立しなければ仲介手数料を支払う必要はありません。多くの紛争が生じる要件です、後ほど検討します。
- 不動産会社の行った行為と売買契約等の成立に相当な因果関係があること たとえ不動産会社が成約に向けて努力しても、売買契約が不動産会社の行為とは無関係に成立した場合には仲介手数料を請求することはできません。
ローン特約解除の場合の仲介手数料の考え方
当然失効型のローン解約の場合には、ローンが成立しなければ売買契約も成立しないことになり、不動産会社が仲介手数料を請求するための要件「売買契約が成立した」を充たしませんので、仲介手数料を支払う必要はありません。 一方、解除権行使型の場合には当初から売買契約は成立していますから、不動産会社は仲介手数料を請求するための要件である「売買契約が成立したこと」を充たします。では、買主が解除権を行使した場合に、契約は遡って効力が消滅しますがこの時、仲介手数料を請求するための要件「売買契約が成立した」も遡って充たさなくなるのでしょうか。 この場合、仲介会社に落ち度がない場合には、仲介手数料を請求することが出来ると考えるのが一般的です。しかし、売買契約は成立したものの引渡しを含めた「完了」まではしていないことを考慮し仲介手数料の全額の請求は困難であると考えられています。(半額ぐらいが相場です。) もちろん、媒介契約書に「ローン特約解除の場合には仲介手数料は発生しない」と定められていればそれに従うことになります。 特に買主の立場になる場合にはまず、不動産売買契約書のローン特約解除の条項が、当然失効型なのか解除権行使型なのかを確認し、また不動産会社との媒介契約書を確認しローン特約解除をした場合には仲介手数料を支払う必要があるのか確認し思わぬトラブルを避けましょう。手付解除の場合の仲介手数料の考え方
手付解除の場合、実は判例でも仲介手数料の請求を認めるべきか否か、認められるとすればいくらか等さまざまで統一されていません。 全額認めるべきだという考えの根拠は、締結された売買契約にはなんら問題はないということにあり、不動産会社が仲介手数料を請求するための要件「売買契約が成立した」を充たすというものです。 仲介手数料は請求できないという考えの根拠は、はじめから手付解除がありうるかもしれないという不完全な売買契約であり、不動産会社が仲介手数料を請求するための要件「売買契約が成立した」を充たさないというものです。 裁判によっても結論がさまざまですので、不動産会社との媒介契約に手付解除の場合に仲介手数料を支払わなければばらないのか必ず確認しましよう。手付解除で仲介手数料請求を認めた裁判例

まとめ:手付解除・ローン解約時の仲介手数料の支払いで揉めないように媒介契約・売買契約をチェック!
裁判所における不動産関係の争いは毎年1万件とも言われます(訴訟にならないものも含めると10万件程度はあるのではないかと言われています。)。 不動産会社に不動産売買の仲介(媒介)の依頼をする場合には必ず媒介契約書を締結しましょう。 不動産会社は媒介契約書に基づき依頼者の不動産の購入、売却に向けて真摯に努力をしますから、前記裁判例のように場合によってはそれに応じた報酬を請求されることもありえます。 契約書類に分からない条文を見つけた場合には必ず質問をし、争いを未然に防ぐことも大切です。
イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。
監修者 亀梨奈美



























