不動産会社の乗り換えって今からでも間に合う?いつまでならできるの?

不動産会社によって、取り扱っている物件情報にあまり差はありませんが、仲介手数料や無料付帯で利用できるサービスなどは異なります。そのため、携帯電話会社を乗り換えるように、より有利な条件の不動産会社に切り替えられる方も多いです。

不動産会社を乗り換える方法や乗り換えるときの注意点は、アンケートの記入後や物件を見学した後など、状況に応じて異なります。

本記事では、不動産会社を乗り換える方法や注意点を状況別に解説しています。ご自身の今の状況の部分をご覧いただくことで、不動産会社を乗り換えて目的の物件の購入するときのリスクを回避することができるはずです。

この記事でわかること
  • 不動産会社を乗り換えられるタイミング
  • 不動産会社を乗り換えるときの担当者への伝え方・断り方
  • 不動産会社を乗り換えるときにトラブルにならないための注意点
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執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

売買契約の締結前であれば仲介手数料の安い不動産会社へ乗り換えられる

不動産会社を乗り換える場合は、物件の売買契約を締結する前に行わなければなりません。乗り換えるタイミングによっては不動産会社から嫌がらせを受け、物件を契約できなくなってしまうケースもあります。

せっかく良い物件を見つけたのに、購入できなかったらもったいないですよね。そのため不動産会社を乗り換えるときは、乗り換え方や注意点を理解することが大切です。

不動産会社を乗り換える方法や注意点は、以下5つのシチュエーションによって異なります。

①不動産会社に訪問し、アンケート用紙記入後
②物件見学の予約後
③物件見学後
④住宅ローン仮審査申込後
⑤購入申込書記入後

それぞれ詳しく解説していきます。

1.「不動産会社に訪問しアンケート用紙を記入した後」の不動産の乗り換え

不動産会社のアンケートに答えた段階では、問題なく不動産会社を乗り換えが可能です。

多くの不動産会社では、お客様アンケート用紙があり、氏名や住所、年収、自己資金、お探しの条件など記載します。アンケートを記入したからといって、その不動産会社で物件を購入しなければならない義務は一切ありません。

とはいえ、アンケートを書いたことで営業電話が毎日しつこくかかってくる場合があります。これは、不動産会社は歩合制の会社が多く、成果を上げることに必死になる営業担当者が多いためです。

アンケートを記入した不動産会社と今後お付き合いをしたくなく、今後連絡をしないでほしい場合には、断り方に秘訣があります。

それは、”契約に至る可能性が限りなく低い状況になった”と伝えることです。

このとき「他に良い物件が見つかった」と言って断ると、「それならうちで紹介できますよ!?」と粘られて、余計にしつこく営業される可能性があります。

そのため「親族の家を相続してその家に住むことになった」のように、営業担当者が解決しにくい理由を伝えると効果的です。

2.「物件の見学を予約した後」の不動産の乗り換え

物件の見学を予約した場合でも、見学を断って他の不動産会社に乗り換えられますが、断りの連絡はできるだけ早めに入れましょう。

なぜなら、お客さまが物件の見学を希望された場合、鍵の手配や売主様との日程調整など、少なからず営業担当者がすでに動いている状況だからです。

また売主が居住している物件の見学を予約している場合は、前日や当日のキャンセルは禁物。売主からの印象が悪くなってしまい、今後2度とその物件を購入できなくなるかもしれません。

直接媒介契約を締結している不動産会社の断り方

不動産会社と売主が直接媒介契約を締結している不動産会社を「元付業者」と呼びます。一方で、売主と直接の関係性がなく、レインズから元付業者に問い合わせをして買主を紹介する不動産会社は「客付業者」です。

見学申し込みをした不動産会社が元付業者の場合、なるべく早いタイミングで断った方が、後々気まずい思いをしなくて済みます。

元付業者は、売主が居住中の物件を購入希望者が見学する場合、必ず立ち会わなければなりません。断りを入れる不動産会社が元付業者だと、不動産会社を変更した後に物件を見学した際、断った不動産会社と顔を合わせて気まずい思いをする可能性があるのです。

見学を申し込みしている不動産会社が元付かどうかは「御社は売主さんと直接媒介契約を締結していますか?」「御社が元付ですか?」のように率直に聞くと教えてくれます。

営業担当者に色々動いてもらったにもかかわらず、最後の最後に断りをいれると、気まずい雰囲気になるかもしれません。そのため、今お付き合いしているその不動産会社で、物件を購入する意思がないのであれば、できるだけ早いタイミングで断りましょう。

3.「物件を見学した後」の不動産の乗り換え

物件を見学した後でも不動産会社を切り替えられます。実際に、物件を見学した後に仲介手数料や諸費用が想定していた金額よりも高いといった理由で、不動産会社の切り替えを希望される方は多いです。

物件見学後に不動産会社を切り替える場合は、見学を依頼した不動産会社が元付業者か客付業者かによって対応方法が変わります。

不動産会社が客付業者であれば乗り換えは比較的簡単

客付業者で見学をしている場合の不動産会社の乗り換えは、比較的簡単です。乗り換え先の不動産会社から、元付業者に対して事情を説明してもらえばスムーズに契約まで手続きを進められます。

例えば弊社イエツグであれば、以下のように元付業者に説明して、ご理解をいただいております。

「お客様が他の不動産会社と比較して検討した結果、弊社の仲介手数料が定額で安いため、少しでも手持ち資金を残してリフォーム費用に充てたいとの思いから弊社経由での購入を希望されています」

元付業者は、売主から仲介手数料をもらえるため、客付業者がどこであっても問題はありません。そのため乗り換えたい不動産業者が客付業者である場合、比較的容易に乗り換えられます。

不動産会社が元付業者の場合、乗り換えは少し難しい

一方、元付業者で見学をしている場合、不動産会社の乗り換えは難しい場合があります。なぜなら、元付業者が仲介手数料を売主と買主の双方から得られるどうかによって、売上が大きく変わるからです。

元付業者は、物件の売主と媒介契約を締結しているため、物件が売れた場合、売主から最大で成約価格×3%+6万円(税別)の仲介手数料を得られます。

仮に成約した物件の価格が5,000万円だったとしましょう。購入希望者も元付業者が見つけると、以下の図のように両手仲介となり、買主からも仲介手数料を得られて売上が312万円となります。

一方で弊社イエツグが購入希望者を見つけて客付業者となった場合、以下の図のように片手仲介となり、元付業者は売主側からしか仲介手数料をもらえず売上が半減します。

このように元付業者は、両手仲介をできるかどうかによって売上が大きく変わるため、営業担当者も必死になるのです。

元付業者から別の不動産会社へ乗り換える方法

あなたが物件を少しでも安く購入したいとの思いで、元付業者から仲介手数料の安い不動産会社に乗り換えたい場合、その気持ちを正直に話してみましょう。

住宅を購入する予算には限りがあります。仲介手数料を抑えて浮いたお金でリフォームをしたい、耐震工事をしたい、家具を新調したい、などの理由を誠意を持って担当者に話すと、乗り換えを認めてもらいやすいものです。

しかし営業担当者も会社の売上によって生活をしているため、簡単に引き下がってくれるとは限りません。そこで、もし営業担当者から乗り換えをしないように説得された場合は、乗り換え先の不動産会社の仲介手数料を具体的に伝えましょう。

例えば弊社イエツグの場合、お客様が現在お付き合いしている不動産会社に、弊社の仲介手数料の金額を伝えてもらった結果、9割以上のケースで乗り換えを認めてもらえました。

それは弊社イエツグの仲介手数料が一律18万2,900円の安価な定額制で、ここまで仲介手数料を値引きできる不動産会社が少なかったからです。

また仲介手数料を伝えたところ「半額程度なら値引きできます」のような譲歩案が不動産会社から提示されることもあります。仲介手数料を弊社と同額まで下げてくれたり、弊社よりも安くしてくれたりする場合もあるかもしれません。

ただし、あまり話がややこしくなるようであれば、見学した不動産会社から提示された仲介手数料が妥協できる金額であれば、そのまま契約する方が良い場合もあります。

いずれにしても、物件の見学を終えたタイミングでは、すでに不動産会社の営業担当者に動いてもらっている状態ですので、謙虚な姿勢で断りを入れることが大切です。

4.「住宅ローンの審査を申し込んだ後」の不動産会社の乗り換え

住宅ローンを不動産会社経由で申し込んでいる場合、審査が完了しているかどうかにかかわらず、不動産会社を乗り換えられます。

「3.物件購入後」のときと同じように、不動産会社を切り替えたい理由を担当者に誠意を持って正直に伝えましょう。

また、このタイミングで不動産会社を切り替える場合、以下の2点を住宅ローンの審査申込をした不動産会社に依頼しましょう。

● 身分証明書や収入証明書などの個人情報に関する書類を返却してもらう
● 乗り換えることを伝える前に住宅ローンの承認用紙や承認通知書など借入可能額や借入期間、金利などが分かる書類をもらう

不動産会社によっては個人情報の取扱いが雑な会社もあります。個人情報漏洩の観点から、個人情報に関する書類はコピーも含めて必ず返却してもらいましょう。

また住宅ローン承認用紙は、物件を契約する際に必要になることが多く、承認用紙がないと再審査となるケースがあります。

しかし住宅ローン承認用紙を受け取る前に、不動産会社を切り替えることを伝えると、嫌がらせを受けて承認用紙をもらえないことがあるのです。

そのため住宅ローンの審査が完了しているにもかかわらず、住宅ローン承認用紙が手元にない場合は、不動産会社の切り替えを伝える前に担当者から書類をもらってください。

5.「購入申込書を記入した後」の不動産会社の乗り換え

物件の購入申込書を記入したあとでも不動産会社を乗り換えられます。しかし状況によっては、売主から損害賠償を請求される場合もある点に注意が必要です。

民法によると、物品の売買契約は売主と買主の双方が合意するだけで成立するとされています。しかし不動産の売買契約は、他の売買契約とは違って口約束では取引が成立せず、買主が支払った手付金を売主が受け取らないと成立しません。

不動産は価格が高額で、売買契約時には売買金額や引き渡しの時期、保証の内容、引渡し状況など多くの事項を決める必要のある商品だからです。

つまり、購入申込書を記入して購入する意思表示をしたとしても、手付金を売主が受け取っていなければ法的拘束力はないため、不動産会社を切り替えても法律的に問題はありません。

契約締結の直前で契約を断るには正当な事由が必要

売買契約の前であっても、正当な事由が無く契約締結直前で契約を拒絶すると、民法の不法行為もしくは契約上の過失に基づき、相手方へ損害賠償責任が生じる可能性があります。

正当な事由とは、例えば以下の通りです。

● 売買契約締結前に住宅ローンの審査が通らなかった
● 不動産購入前の重要事項説明を聞いて不安を感じたためキャンセルした

正当な事由のないキャンセルは、民法の信義則誠実の原則に反する行為にあたります。そのため売主は、物件の購入を正当な事由なくキャンセルされたことによって生じた損害の賠償を、購入申込者に請求できるのです。

例えば長期間にわたって売主と買主の間で物件の購入に向けて交渉をした結果、買主が物件のリフォームを条件に双方が契約の締結に合意したとしましょう。

売主がリフォームの工事を行ったにもかかわらず、買主が正当な事由もなく物件の購入をキャンセルすると、リフォームにかかった費用を購入希望者に損害賠償請求できます。

このように手付金を支払っていなくても、場合によっては契約のキャンセルによって損害賠償を請求される可能性があります。従って、不動産会社を乗り換えるかどうかは、状況に応じて適切に判断しましょう。

契約預り金や申し込み証拠金を求める不動産会社は利用しない

不動産会社で購入申込書を記入した際に、契約預り金や申し込み証拠金などを請求する不動産会社は悪徳である可能性が高いです。

また申込のキャンセル時に、契約預り金や申し込み証拠金を返金できないといわれた方もいらっしゃいます。しかし宅地建物取引業法では、預り金や申込証拠金は、不動産の売買が成立しなければ返金しなければならない決まりです。

そのため預り金や申込金を請求する不動産会社では、最初から申し込みをしない方が良いでしょう。

まとめ:不動産会社の乗り換えは謙虚な姿勢で正直に

不動産会社を乗り換えるときは、物件購入のお話がどこまで進んでいるかによって、対応の仕方や注意点が異なります。

①不動産会社に訪問しアンケート用紙を記入した後に乗り換える場合
・問題なく乗り換え可能
②物件見学の予約をした後に乗り換える場合
・問題なく乗り換え可能
・ただし不動産会社は鍵の手配や売主様との日程調整などをする必要があるため前日や当日のキャンセルはなるべく避ける
③物件を見学した後に乗り換える場合
・乗り換える理由を誠意をもって正直に話すことで問題なく乗り換えられる
・営業担当者にある程度動いてもらっている状況であるため謙虚な姿勢で断りを入れる
④住宅ローンの審査申込後に乗り換える場合
・問題なく乗り換え可能
・個人情報に関する書類を不動産会社に預けているのであれば返却してもらう
・住宅ローンが承認されている場合は不動産会社を乗り換えることを伝える前に承認通知書を不動産会社から入手する
⑤購入申込書記入後に乗り換える場合
・手付金を支払い売主が受け取っていなければ基本的に乗り換え可能
・ただし手付金を支払う前であっても契約を締結する直前に正当な事由なく購入をキャンセルすると売主から損害賠償を請求されることもあるため慎重に判断する

実際に弊社でも、お客様から仲介手数料を比較した結果、どうしても不動産会社を変えたいという相談をよく受けます。

基本的に不動産会社を乗り換えるときは、不動産購入について前向きであり、切り替える理由が売主にきちんと伝われば問題ありません。

弊社イエツグにおいても、不動産会社を乗り換える際にトラブルが発生しないようにお手伝いさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。



監修者 品木彰
監修者 小林だいさく金融ライター、ファイナンシャルプランナー。
大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。