住み替え時の資金計画はどう立てる?成功させるポイントを解説

住宅を購入したからといって、誰もがずっと住み続けるわけではありません。多くの方が「子供の人数が増えて家が狭くなった」「より老後のことを考えた住宅に引っ越したい」などのさまざまな理由で、住み替えをされます。

住み替える際は、物件の売却手続きと購入手続きの両方をしなければなりません。その分、かかる諸費用は高額に。さらに、売却と購入を行う順番によって、資金計画の立て方も大きく異なります

そこで今回は、住み替えを失敗したくない方のために、住み替えるときの資金計画の立て方について、わかりやすく解説していきます。

この記事で分かること
  • 住宅を住み帰るときに必要な諸費用や税金
  • 住み替える手順ごとの資金計画の立て方
  • よりお得に住み替える方法
執筆者 丹拓也
執筆者 丹拓也株式会社イエツグ代表取締役
不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士

家を住み替えるときに必要な手数料や税金

住み替えでは、物件の購入時と売却時で、手数料や税金などの諸費用をそれぞれ支払う必要があります。

諸費用のうち、仲介を依頼した不動産会社に支払う仲介手数料と、売買契約書に収入印紙を添付する形で税金を納める印紙税は、購入と売却いずれの場合も支払う費用です。

では、仲介手数料と印紙税以外の諸費用は、購入と売却でどのように違うのでしょうか?それぞれ確認していきましょう。

また、住み替え時の費用について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご確認ください。

住み替え(買い替え)にかかる費用を徹底解説!節約する方法とは?

不動産売却時に必要な諸費用

物件の売却時に必要な諸費用の目安は、売却代金の4%といわれています。具体的な内訳は、以下の通りです。

諸費用名

費用の目安

1 仲介手数料 物件価格×3%+6万円(税抜)
2 印紙税 契約金額によって異なる
こちらの表で確認できます
住宅ローンが残っている場合に必要な費用
3 抵当権抹消費用(司法書士への報酬含む) 2万円前後
4 ローン完済手数料 5千~5万円
売却益(譲渡所得)が発生した場合の税金
5 所得税(復興特別所得)・住民税 保有期間5年以下:譲渡所得の39.63%
保有期間5年超:譲渡所得の20.315%

物件を売却した結果、売却益(譲渡所得)が生じた場合、確定申告をして所得税や住民税を納める必要があります。

ただし居住用の物件を売却した場合は特別控除特例が適用になるので、3,000万円までの譲渡所得が非課税です。

「3,000万円特別控除」について解説!適用要件や申告時の必要書類とは?

加えて物件を売却して損失が発生すると、確定申告をして給与所得や事業所得などと損益通算することで、課税対象の所得を減らして税金の負担を減らせる可能性があります。

不動産購入時に必要な諸費用

次に、物件の購入時に必要な諸費用を確認しましょう。購入時の諸費用は、購入価格の7%が目安といわれています。

諸費用名 費用の目安
1 仲介手数料 物件価格×3%+6万円(税抜)
2 印紙税 契約金額によって異なる
こちらの表で確認できます
3 登録免許税 20万円前後
4 不動産取得税 土地(住宅用):固定資産税評価額×1.5%
建物:固定資産税評価額×3%
※令和3年3月31日まで
※固定資産税評価額は土地の場所や建物の規模、構造などをもとに各市町村が個別に決めている
5 火災保険料・地震保険料 10万~30万円前後
新たに住宅ローンを組む場合の費用
6 印紙税 契約金額によって異なる
こちらの表で確認できます
※軽減税率は適用外
7 抵当権設定費用 3万~10万円前後
8 ローン手数料・保証料 3万~40万円

新しい物件の所有者となるために、登録免許税や不動産取得税などを支払わなければなりません。また火災保険料は、建物の構造や補償内容、加入する保険会社などによって変わります

仮住まいに入居するための費用

住み替え時、物件を売却してから、購入した物件に引っ越すまで一定の期間が空く場合は、仮住まいに住まわなければなりません。仮住まいに居住する場合の費用は、以下の通りです。

諸費用名 費用の目安
1 引っ越し代金 20万円前後(荷物の量や運送距離により前後する)
2 賃料 契約期間や間取り、エリア、間取り等によって変わる
3 敷金・礼金 賃料の2~3カ月分(ウィークリー・マンスリー賃貸住宅は基本不要)
4 仲介手数料 賃料1カ月分が相場(ウィークリー・マンスリー賃貸住宅は不要なことも)
5 トランクルーム賃料 期間や容量による

このように、仮住まいに住むと数十万円~百万円単位の費用が別途で必要になります。

マンションや戸建てを住み替える「手順」ごとの資金計画の立て方

住宅を住み替える場合は、売却と購入のどちらを先に行うかによって、資金計画の立て方が異なります。そこで住宅を先に買った場合と、先に売った場合の資金計画の立て方について、それぞれ解説します。

買い先行時の資金計画の立て方

住み替え先の物件を先に購入する場合、居住中の物件を売却する前に新居を決めるため、あせらず物件を探せます

加えて、居住中の物件から新居の引っ越しが1回だけで済むため、基本的に仮住まいの費用が発生しません

しかし「買い先行」では、物件の売却代金を購入資金に充てられない可能性があります。場合によっては、居住中の物件と新居のローンを重複して払わなければならないダブルローンの状態になる恐れもあるのです。

また買い先行は、物件の売却額によっては想定の資金計画通りにならない可能性があります。とくに物件の購入と売却が同時に行えない場合や、購入資金が貯まっていない状態で先に物件を購入する場合に、つなぎ融資を利用する場合は注意が必要です。

つなぎ融資とは、物件の売却代金を受け取る前に、新居の購入代金を支払わなければならない場合に資金不足を補うための融資です。住み替え時には大変便利な融資制度ではありますが、つなぎ融資は金利が高いだけでなく、物件の売却価格が融資額を下回ると、預貯金で返済金を補填する必要も生じかねません

「買い先行」で住み替えを行うときは、資金計画を立てるため、住み替え先を購入する前に居住中の物件を不動産会社に査定してもらい、売却額を把握することが大切です。

売り先行時の資金計画の立て方

「売り先行」とは、今のお住まいを売却した後に、住み替え先の物件を探して購入する住み替え方法です。

売り先行では、先に物件を売るため、売却して得たお金を住み替え先の物件の購入費用に充てられます。また「物件が売れなかったらどうしよう」と心配になったり、買い先行のようにダブルローンの状態になったりするリスクもありません

ただし、物件を売却してから住み替え先の物件に引っ越しするまで期間が空く場合、仮住まいに住まわなければなりません。そのため仮住まいで住むために入居費用や引っ越し費用が余分にかかります

以上の点から、売り先行時の資金計画は、売却代金のうち新居の購入費用に充てられる金額や、仮住まいに必要な費用などを考慮して、念入りに立てることが大切だといえるでしょう。

多くの方が住み替え時に売り先行を選択する

住み替える方は、多くの方が売り先行を選択されます。なぜなら売り先行は、手持ち資金が少なくても住み替えが可能だからです。

買い先行では、手持ち資金から新居の購入資金を捻出する必要があるだけでなく、家が売れずダブルローンになるリスクもあります。そのため買い先行は、資金に余裕がある人やダブルローンを組めるだけの収入がある方向けの住み替え方法だといえます。

イエツグくん
今のお住まいの住宅ローンが完済できない場合には、「住み替えローン」を検討してみよう!

住み替えの資金計画を立てる上で検討したい「住み替えローン」おすすめ3選

住み替えローンとは、物件を売却しても住宅ローンを返済しきれない場合に、残債と新居の購入資金を併せて借り入れられるローンです。住み替えローンを活用することで、残債を一括返済するための資金がなくても住み替えられます。

新型コロナウイルスの影響などによって収入が著しく減少し、住宅ローンの返済が困難になった方は住み替えローンを活用して価格の安い家に住み替えるのも一つの方法です。

コロナショックで住宅ローンが返せないときの救世主!「任意売却」とは?

そもそも、なぜ物件の売却時に住宅ローンの残債を一括で返済しなければならないのでしょうか?

それは、ローン残債があると「抵当権」が外せないからです。

抵当権とは?
抵当権とは、住宅ローンの返済が滞ったときに金融機関が物件を強制的に競売にかけて債務を回収できる権利のこと。抵当権が抹消される条件は、原則的にローンの完済。
住み替えローンでは、物件を売却すると住宅ローンの残債が発生してしまう場合にも、住み替え先の物件のローンに組み入れられ、抵当権が抹消できます。

ここからは、おすすめの住み替えローンをご紹介します。

もし住み替えローンの利用を考えている方は、選ぶ際の参考にしてみてください。なお、住み替えローンのメリットやデメリットについては、以下の記事も併せてご確認いただくと、より理解が深まるはずです。

住み替えローンのメリットとデメリットとは?適用要件をプロが解説

みずほ銀行「みずほ買い替えローン」

(画像出典:みずほ買い替えローン

みずほ銀行のみずほ買い替えローンは、「増減できるライフステージ応援プラン」を利用すると、ライフイベントに応じて返済額を調整可能です。※事務手数料5,500円が必要です そのため子供の進学のようなライフイベントが発生して支出が増えたときに、返済負担が家計を圧迫する可能性を抑えられます。

ただし、みずほ買い替えローンの借入条件は「安定した収入がある」とされており、審査基準は公開されていません。そのため審査に通るかどうか判断しにくい点に、注意が必要です。

三井住友銀行「住み替えローン」

(画像出典:三井住友銀行住み替えローン

三井住友銀行の住み替えローンの特徴は、夫婦連帯債務で借り入れできる点です。さらに、金利を0.18%上乗せすると、夫婦のどちらかが亡くなった場合に、住宅ローン残高がゼロになる連生団体信用生命保険」を付帯できます。

一方で三井住友銀行の住み替えローンの借入条件は、「税込み年収500万円以上」といった厳し目の年収制限が設けられています。

りそな銀行「りそな住みかえローン」

(画像出典:りそな住みかえローン

りそな銀行のりそな住み替えローンの借入条件は「税込年収100万円以上」と比較的ゆるめです。そのため収入面で不安がある人でも借りやすいといえます。

一方でりそな住みかえローンは、固定期間選択型と変動金利型しか取り扱いがなく、全期間固定型は選択できません

住み替え時の資金計画を立てるときはプロに相談しよう

住宅ローン対策

住宅を住み替えるときに大切なのは、住み替えだけに目を向けないことです。たとえ居住中の住宅があなたや家族の暮らしと合っていなくても、無理して住み替えた結果、返済負担が増えてその後の生活が苦しくなるかもしれません。

またライフイベントは住宅の購入だけではなく、子供の進学資金老後の資金など準備すべき資金は他にもあります。そのため住み替えるかどうかは、現在の生活と今後のライフプランも踏まえて総合的に考えましょう

弊社イエツグでは、ファイナンシャルプランナーによる、無料のライフプランニングサービスを提供しております。あなたが住み替えるべきタイミングなのか、どのように住み替えれば良いのか、すべて無料でサポートいたします。

また事前に以下の記事をご確認いただくと、住み替えに対する理解が深まり、短時間で答えにたどり着きやすくなるため、ぜひご一読ください。

住み替え(買い替え)を相談する前に注意すべき2つのポイント!コスト削減するならイエツグへ

まとめ:高額な費用がかかる住み替えこそ、綿密な資金計画立て、諸費用の節約を

住み替えをする場合、先に新居を購入する「買い先行」と居住中の物件を先に売却する「売り先行」という方法があり、それぞれ資金計画の立て方が異なります。どのような方法で住み替えるのかは、手持ち資金や今後のライフプランをもとに、不動産会社の意見も参考にして判断しましょう。

住み替える場合、売却時と購入時で、それぞれ諸費用を支払わなければなりません。とくに仲介手数料は物件価格に応じて決まることが多いため、売却時と購入時の両方で支払うと数百万円になることもあります。

住宅は、ただでさえ高額な買い物です。できるだけ金銭的な負担を抑えて、住み替えたいものですよね。

弊社イエツグの仲介手数料は、定額182,900円。物件価格が高くなっても仲介手数料まで高額になる心配はありません。さらに売主様から仲介手数料を頂ける物件の買主様は、「仲介手数料無料+現金キャッシュバック」となるキャンペーンを実施しております。

イエツグで物件の売却いただく場合には、瑕疵保証インスペクションハウスクリーニングなどのサービスを無料で付帯いたします。

また仲介手数料を「物件価格×3%+6万円」いただき、弊社負担でキッチンや浴室交換を含めたリフォームを実施するリフォーム付き売却プラン」ご用意しております。

お得に、安心してお住み替えされたいとお考えの方は、ぜひ一度イエツグにお問合せください。

イエツグは、住宅とともに想いを”人から人に継ぐ”という願いから付けた社名です。仲介手数料を格安・定額にすることで、節約できた費用を住宅の質を向上させるために使っていただきたいと考えております。住まいを”継ぐ”には、耐震性や価値を向上することが不可欠だと思うからです。
イエツグ代表の私、丹は、元消防士。東日本大震災で多くの家屋が倒壊し、大切なものを失った方々を目の当たりにしたことにより、既存住宅の価値を上げ、良質な住宅を流通させることがこの国の急務なのではないかと考えるようになりました。小さな会社ではありますが、社員一同、同じ志を持って対応させていただいております。ぜひ一度ご相談ください。

監修者 品木彰
監修者 小林だいさく金融ライター、ファイナンシャルプランナー。
大手保険会社で培った知識と経験から、保険、不動産、税金、住宅ローンなど幅広いジャンルの記事を執筆・監修。