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なぜ2年?リースバックで「更新トラブル」が多発する本当の理由
リースバックで自宅を売ってから2年後、「出て行ってください」と言われたり、「家賃を今の倍にします」と言われたりするトラブルが増えています。
多くの人が「ずっと住み続けられる」と信じて契約したはずなのに、なぜ2年という短い期間でこんなことになってしまうのでしょうか。実は、不動産会社のビジネスの仕組みと、契約のルールにその原因があります。
1.「ずっと住める」は口約束?会社が2年契約を好む裏事情
不動産会社にとって、リースバックで買い取った家は「商品」です。
実は、人が住んでいる家よりも、誰も住んでいない空っぽの家として売るほうが、高く早く売れるというのが不動産業界の常識なのです。そのため、会社としては「2年〜3年」くらいで住んでいる人に退去してもらい、空き家にしてから売りたい、というのが本音です。
営業担当者の「長く住めますよ」という言葉は、あくまでその時の気持ちにすぎず、将来を約束するものではないと知っておく必要があります。
2.「更新」と「再契約」は似て非なるもの
トラブルの最大の原因は、契約書に書かれている「再契約」という言葉の意味を誤解していることです。
一般的な賃貸契約の「更新」とは違い、リースバックでよくある「再契約」は、一度契約を終わらせて、またゼロから新しい契約を結び直すという意味です。つまり、貸主である会社には、もう一度契約する義務はありません。
「会社の方針が変わった」「そろそろ家を売りたい」といった会社側の都合だけで、「もう契約しません」と断ることができてしまう仕組みなのです。
3.手数料や更新料による「お金の負担」で住めなくなる
たとえ再契約ができたとしても、お金の問題で住み続けられなくなることもあります。
再契約のタイミングで、「事務手数料」として家賃の1ヶ月分や、保証会社の更新料、火災保険料などを一度に請求されることが多いからです。これらは2年ごとの再契約のたびに支払わなければならず、年金暮らしの方には大きな負担になります。
さらに、再契約は「新しい契約」扱いになるため、家賃を相場以上に引き上げられてしまうリスクも常にあります。
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【重要】トラブルの9割は「定期借家契約」!普通借家との違い
リースバックで「安心して住み続けられるか」は、契約書の表紙に書かれた契約の種類で決まります。
トラブルになっている人のほとんどが「定期借家契約(ていきしゃっかけいやく)」を結んでしまっています。これから契約する人や、今トラブルになっている人も、まずは自分の契約書を見て、この2つの違いを確認しましょう。
1.借りる側の権利が弱い「定期借家」と強い「普通借家」
定期借家契約は、決まった期間(2年や3年)が終わると、契約が完全に終了します。借りている人がどれだけ「住みたい」と願っても、貸す側が「ダメ」と言えば出て行かなければなりません。
一方で普通借家契約(ふつうしゃっかけいやく)は、借りる側の権利が法律で守られています。借りている人が住み続けたいと思う限り、契約は自動的に更新されていきます。貸す側からの「出て行って」は、簡単には認められません。
2.【比較表】2年後の運命を分ける「正当な理由」の有無
2つの契約の決定的な違いは、契約を終わらせるために「正当な理由」が必要かどうかです。
- 普通借家契約:貸す側が更新を断るには「正当な理由(自分が住む必要がある、立ち退き料を払うなど)」が必要。ハードルはとても高く、単に「売りたいから」では認められません。
- 定期借家契約:期間が終われば契約も終了するため、理由は必要ありません。期間が来れば退去となります。
3.口頭の説明と契約書が違う?ここをチェック!
営業担当者が「再契約できるので安心してください」と言っていても、契約書に次のような言葉があれば要注意です。
- 「借地借家法第38条に基づく定期建物賃貸借」
- 「契約の更新はなく、期間の満了により終了する」
もし裁判になった場合、信用されるのは口約束ではなく契約書の内容です。「騙された」と訴えても、ハンコを押してしまっていれば覆すのは難しいのが現実です。
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リースバック「2年後の悪夢」よくある3つのトラブル事例と対処法
実際に相談が多いトラブル事例を知っておくことで、いざという時に落ち着いて対処できるようになります。
1.突然の「再契約お断り」で退去を迫られたケース
「再契約できる」と言われていたのに、2年後に突然「契約終了」の手紙が届いたケースです。
多くの場合、家の持ち主が別の人(投資家など)に変わっていて、新しい持ち主が「自分で使いたい」「建て替えたい」と言っているパターンです。定期借家契約だと対抗するのは難しいですが、もし契約書に「再契約の予約」などの特別な約束が書かれていれば、交渉できる可能性があります。
2.再契約の時に「家賃倍増」を言われて払えなくなったケース
再契約の条件として、今までの家賃10万円を15万円に上げると言われたケースです。
定期借家契約の再契約は「新しい契約」なので、貸す側は自由に家賃を決められるというのが建前です。しかし、周りの相場と比べてあまりにも高い家賃アップは、借りている人を追い出すための「不当なやり方」とみなされることもあります。
この場合、すぐにサインをせず、「供託(きょうたく)」などの法的な手続きを考えるべきです。
3.「いつでも買い戻せる」はずが…約束が守られないケース
「2年後にお金ができたら買い戻せる」という口約束を信じていたが、いざ買い戻そうとしたら高すぎる金額を言われたり、すでに別の人に売られていたりしたケースです。
確実に買い戻すためには、登記簿(とうきぼ)という公的な記録に「買い戻す権利」や「売買の予約」を仮登録しておく必要があります。単なる契約書の約束だけでは、家が別の人に売られてしまった時に「返して」と言えなくなるリスクがあります。
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泣き寝入りしない!更新拒否や無理な要求への「法的な対抗策」
「契約書にハンコを押したから終わり」ではありません。
実は、不動産会社の手続きにミスがあれば、契約の内容をひっくり返して、住み続けられる可能性があります。
1.「説明不足」を突く!手続きのミスがあれば住み続けられる
法律では、定期借家契約を結ぶとき、貸す側は「契約書とは別の紙」を渡して、「更新がなくて期間が終わったら終了します」ということを事前に説明しなければならないと決まっています。
もしこの手続きがなかったり、説明の紙をもらっていなかったりした場合、裁判所の判断(判例)により、その契約は「更新のある普通借家契約」とみなされます。これなら、堂々と「更新します」と言って住み続けることができます。
2.不当な家賃値上げには「供託」で対抗する
不当な家賃値上げを言われて、会社側が「値上げに応じないなら家賃を受け取らない」と言ってきた場合、「供託(きょうたく)」という制度が使えます。
これは、自分が「これが妥当だ」と思う金額(今までの家賃など)を法務局に預けることで、法律上、家賃を払ったことにする手続きです。これをしておけば、「家賃を払っていないから出て行け」と言われるのを防ぎながら、粘り強く交渉を続けることができます。
3.一人で悩まない!専門家や相談窓口を使う
会社との話し合いがうまくいかない場合は、第三者を入れましょう。
裁判はお金も時間もかかりますが、ADR(裁判外紛争解決手続)なら、弁護士などの専門家が間に入り、裁判よりも安く、非公開で解決を目指せます。また、国民生活センターや、都道府県の不動産担当部署へ相談することで、業者に対して指導が入ることもあります。
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これから契約する人へ|2年後に後悔しないための「契約チェックリスト」
トラブルを防ぐ一番の方法は、契約前の「業者選び」と「契約書の確認」です。
目先の買取価格だけでなく、将来の生活を守るために、以下の3点を必ずチェックしてください。
1.一番安全なのは「普通借家契約」を選べる会社
長く住むつもりなら、「普通借家契約」でのリースバックを提案してくれる会社を選びましょう。
定期借家契約しか扱わない会社は、基本的に「短期間で転売して利益を出したい」と考えています。多少家賃が高くなったり、買取価格が安くなったりしても、安心して住み続けたいなら普通借家契約を選ぶのが一番です。
2.契約書に「再契約の約束」や「権利を守る特約」があるか
やむを得ず定期借家契約を結ぶ場合でも、特別な約束(特約)を入れることが大切です。
- 「借りている人が希望する限り、正当な理由なく再契約を拒否できない」という一文を入れる。
- 買い戻しを希望する場合、第三者に売られても権利を主張できるよう、「仮登記」を行う。
これらの要望に応じない会社は、最初から長く住ませる気がない可能性が高いので、避けたほうが無難です。
3.「家賃の合計 vs 売却価格」で損得を計算する
最後に、冷静なお金の計算です。
例えば、家が2,000万円で売れて、毎月の家賃が15万円の場合、約11年住み続けると支払った家賃の合計が売れた金額を超えてしまいます(15万円×12ヶ月×11年=1,980万円)。
固定資産税などがなくなるメリットを考えても、長期間のリースバックはお金だけで見ると「損」になる可能性が高いです。「終の棲家」として本当に合っているのか、FPなどの専門家に計算してもらうことを強くおすすめします。
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リースバックの2年更新に関するよくある質問
Q. 定期借家契約でも、交渉すれば長く住み続けられますか?
A. 可能です。ただし、あくまで貸す側との合意が必要です。
貸す側にとっても、家賃をしっかり払ってきれいに使ってくれる人に長く住んでもらうことは、空室になるリスクを避けられるメリットがあります。契約期間が終わる半年以上前から「また契約したい」と伝え、早めに交渉を始めることをおすすめします。
Q. リースバック契約後に運営会社が倒産したら、どうなりますか?
A. 基本的には住み続けられますが、条件が変わるかもしれません。
運営会社が倒産し、家が競売などで別の人に渡った場合でも、今まで通りの契約で住み続ける権利は守られます。しかし、敷金が返ってこなかったり、次の更新の時に条件変更を迫られたりする可能性があるので注意が必要です。
Q. 高齢の親が勝手に不利な契約をしてしまいました。キャンセルできますか?
A. 条件を満たせば「クーリングオフ」できる可能性があります。
不動産会社が「事務所ではない場所(自宅など)」で契約を行った場合、書類を受け取ってから8日以内であればクーリングオフ(無条件キャンセル)が可能です。ただし、自分から業者を呼び出した場合などは対象外になることもあるため、すぐに消費生活センターへ相談してください。
Q. リースバックの2年更新の時に、仲介手数料はかかりますか?
A. 一般的に、更新や再契約に「仲介手数料」はかかりません。
リースバックは貸主(買主)との直接契約となるケースが多いためです。ただし、「再契約事務手数料」という名前で、新しい家賃の0.5〜1ヶ月分くらいの費用を請求されることが一般的です。契約書に手数料の金額が書かれているか確認しましょう。
まとめ:リースバックは「魔法の杖」ではない。契約を理解して身を守ろう
リースバックは「お金を受け取りながら住み続けられる」という便利な仕組みですが、「家の持ち主ではなくなる」という大きなリスクも伴います。
特に「2年ごとの定期借家契約」は、安心して暮らせる日々を脅かす可能性があります。トラブルを防ぐためには、口約束を信じず、契約書の中身(特に契約の種類と特約)を自分の目でしっかり確認することが大切です。
「普通借家契約」を選べる誠実な会社を選ぶこと、そして万が一トラブルになった際は「説明義務違反」などのルールを武器に交渉すること。これらを知っておくことで、あなたの大切な住まいと生活を守ってください。
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不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士