「親が施設に入居したので、実家を売却しないといけない…でも、何から手をつければいいの?」 「父が亡くなり、実家を相続したけど、兄弟もいるし手続きが複雑そうで不安…」
親の家の売却は、多くの人にとって初めての経験です。不動産の名義は親のまま、認知症を患っている、複数の兄弟で相続しているなど、状況は様々。法的な手続きや税金、家族間の合意形成といった大きな課題を前に、途方に暮れてしまうのも無理はありません。
ご安心ください。この記事を読めば、複雑で精神的にも負担の大きい「親の家の売却」というプロジェクトを、トラブルなく円満に進めるための、明確な道筋が見えてきます。
この記事では、不動産のプロが、あなたが置かれた「親の3つの状況(健在・認知症・相続後)」別に、やるべきことの優先順位を徹底解説。この記事を最後まで読めば、法的なリスクや家族間の揉め事を回避し、安心して売却手続きの第一歩を踏み出せるようになります。
目次
【最初に確認】親の家を売るための全8ステップとあなたの状況
親の家の売却は、通常の不動産売却とは異なる特有の手順を踏む必要があります。まずは、売却完了までの全体像を把握し、ご自身の状況がどのケースに当てはまるのかを確認することから始めましょう。
1. 親の家を売却するまでの全体ロードマップ
親の家の売却は、一般的に以下の8つのステップで進みます。状況によっては、不要なステップや追加で必要になるステップもあります。
- 親の状況を確認する【最重要】
- 親族間で売却の合意を得る
- 不動産の名義人を確認・変更する
- 不動産会社に査定を依頼する
- 売却活動を開始する
- 買主と売買契約を締結する
- 決済・引き渡しを行う
- 確定申告を行う
まずはこの全体像を頭に入れておきましょう。
2. まずはここから!あなたの状況は3つのうちどれ?
親の家の売却手続きは、親の状況によって、進め方が全く異なります。あなたがどのケースに当てはまるかによって、取るべき最初の一歩が変わります。
- ケース1:親が健在で、意思能力もはっきりしている
- ケース2:親が認知症などで、意思能力がない
- ケース3:親が亡くなった後に、相続人として売却する
この記事では、この3つのケース別に詳しく解説していきます。
3. 全てのケースで必要になる専門家との連携
親の家の売却は、法律や税金が複雑に絡み合うため、あなた一人ですべてを解決しようとせず、専門家の力を借りることが成功の鍵です。
具体的には、売却活動をサポートする「不動産会社」、登記手続きの専門家である「司法書士」、税金の専門家である「税理士」などとの連携が不可欠になります。信頼できる専門家をパートナーにすることが、スムーズな売却への近道です。
【最重要】親の状況で全てが変わる!3つのケース別・最初の手続きと注意点
ここが、親の家の売却における最も重要な分岐点です。あなたの状況に合ったケースを読み進め、最初に行うべき手続きと、特に注意すべきポイントを正確に理解しましょう。
ケース1:親が健在で、意思能力もはっきりしている場合
このケースが最もシンプルです。家の名義人である親自身が、売主として売却活動の中心になります。あなたの役割は、親のサポート役です。
【最初の手続き】:親の売却意思を最終確認し、親子で一緒に不動産会社を探し、査定を依頼します。
【注意点】:売買契約などの重要な手続きは、必ず親本人に行ってもらう必要があります。子どもが勝手に代理で契約などを進めると、後で「そんなつもりはなかった」とトラブルになる可能性があります。
ケース2:親が認知症などで、意思能力がない場合(成年後見制度)
親が認知症などで、不動産を売却するという法律行為の意味を理解できない(意思能力がない)場合、子どもであっても勝手に家を売ることはできません。
【最初の手続き】:家庭裁判所に申し立てを行い、「成年後見人」を選任してもらう必要があります。成年後見人が、本人に代わって契約手続きを行います。
【注意点】:成年後見制度の利用には、申し立てから選任まで数ヶ月かかります。また、売却には家庭裁判所の許可が必要で、「親の介護費用のため」など、本人にとっての必要性がなければ許可が下りない場合もあります。
ケース3:親が亡くなった後に、相続人として売却する場合(遺産分割協議)
親が亡くなった後、その家を相続した子どもたちが売却するケースです。
【最初の手続き】:まず、誰がその家を相続するのかを、相続人全員で話し合う「遺産分割協議」を行います。そして、その家の名義を相続人へ変更する「相続登記」を完了させる必要があります。
【注意点】:相続人が複数いる場合は、全員の合意がなければ家を売ることはできません。一人でも反対する人がいると、手続きはストップしてしまいます。売却代金の分け方も含め、事前にしっかりと話し合うことが最も重要です。
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【必須手続き】2024年から義務化!相続登記(名義変更)をしないと売却できない
親が亡くなった後に家を売却する場合、絶対に避けて通れないのが「相続登記」です。これは、亡くなった親から、家を相続したあなた(または兄弟姉妹)へ、不動産の名義を変更する手続きです。
1. なぜ相続登記が必要なのか?
不動産は、登記簿上の名義人でなければ売却できません。つまり、亡くなった親名義のままでは、子どもが売主として売買契約を結ぶことは法的に不可能です。
また、2024年4月1日から相続登記は義務化されており、正当な理由なく手続きを怠ると過料が科される可能性もあります。売却する・しないにかかわらず、必須の手続きだと覚えておきましょう。
2. 相続登記の手続きの流れと必要書類
相続登記は、主に以下の流れで進みます。
- 遺言書の有無を確認する
- 相続人を確定させる(戸籍謄本などを収集)
- 遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する
- 法務局へ登記申請を行う
戸籍謄本の収集など、手間と時間がかかる作業も多いため、早めに着手することが大切です。
3. 司法書士への依頼が一般的。費用はどれくらい?
相続登記は自分で行うことも可能ですが、手続きが非常に煩雑なため、登記の専門家である「司法書士」に依頼するのが一般的です。
司法書士に依頼する場合の費用は、報酬が10万円前後、加えて登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)などの実費がかかります。合計で15万円〜30万円程度を見ておくと良いでしょう。
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いくら税金がかかる?知らなきゃ損する「譲渡所得税」と節税特例
親の家を売却して利益が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税(所得税・住民税)」がかかります。しかし、使える特例を知っているかどうかで、納税額が数百万円単位で変わる可能性があります。
1. 親の家の売却でかかる「譲渡所得税」の計算方法
税金の計算は、まず利益である「譲渡所得」を算出します。
譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)
この譲渡所得に対して、不動産の所有期間に応じた税率(長期所有なら約20%、短期所有なら約39%)を掛けて納税額を計算します。
2. 【節税の切り札】最大3,000万円が控除される「空き家の特例」とは
相続した実家を売却する場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」、通称「空き家の特例」が使えます。
例えば、譲渡所得が2,000万円だった場合、この特例を使えば所得はゼロとなり、譲渡所得税はかかりません。非常に強力な節税策です。
3. 「空き家の特例」の適用を受けるための4つの条件
この強力な特例を使うには、以下のような細かい条件をすべて満たす必要があります。
- 相続開始直前まで親が一人で住んでいたこと
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家であること(新耐震基準を満たす場合は除く)
- 売却価格が1億円以下であること
- 相続が開始してから3年が経過した年の年末までに売却すること
これらの条件に当てはまるか、専門家としっかり確認することが重要です。
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家族の揉め事を防ぐ!兄弟姉妹がいる場合の円満な進め方
相続人が複数いる場合、親の家の売却は、家族間のトラブルの火種になりやすいデリケートな問題です。円満に進めるためには、事前の話し合いと明確なルール作りが何よりも大切です。
1. なぜ揉める?トラブルになりやすい3つのポイント
兄弟姉妹間でトラブルになりやすいのは、主に以下の3点です。
- 売却への賛否:「思い出の家だから売りたくない」など、売却そのものに反対する相続人がいる場合があります。
- 手続きの負担:誰が中心となって動くのか、手間や負担をめぐって不公平感から揉めることがあります。
- 代金の分配方法:法定相続分通りか、親の介護への貢献度などを考慮するかで意見が対立しがちです。
2. 全員の合意形成が必須!「遺産分割協議書」の重要性
これらの問題を解決し、相続人全員が売却に合意したことを証明するために、「遺産分割協議書」を作成します。これは、誰がどの財産を相続するかを明記した法的な書類で、相続登記の際にも必要です。
この書類に相続人全員が署名・捺印することで、後から「そんな話は聞いていない」といったトラブルを防ぐことができます。
3. 売却代金の分け方|3つの分割方法(換価分割、代償分割、現物分割)
売却代金の分け方には、主に3つの方法があります。
- 換価分割:家を売却して現金化し、その現金を相続分に応じて分ける最も公平な方法。
- 代償分割:一人が家を相続する代わりに、他の相続人に現金を支払う方法。
- 現物分割:土地を分筆して、それぞれが土地を相続する方法。
どの方法が最適か、家族全員で納得いくまで話し合いましょう。
家族間の話し合いもサポートします
デリケートな家族間の話し合いに、不動産のプロが第三者として加わることで、冷静かつ円満な解決に導ける場合があります。イエツグは、皆様が納得できる結論を出せるよう、話し合いの場からサポートします。
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【見落としがち】家の中はどうする?家財道具(遺品)の整理・処分方法
家の売却手続きと並行して、見落としがちですが非常に重要なのが、家の中に残された家財道具や遺品の整理です。家の引き渡しまでには、中を空っぽの状態にする必要があります。
1. 誰がいつまでに片付けるか決めておく
まず、相続人の中で誰が中心となって片付けを行うのか、いつまでに完了させるのか、役割分担とスケジュールを明確にしましょう。遠方に住んでいる兄弟がいる場合は、協力できるタイミングなどを事前にすり合わせることが大切です。
2. 貴重品や思い出の品の仕分け
処分を始める前に、現金や預金通帳、有価証券などの貴重品、そして写真や手紙といった思い出の品を丁寧に仕分けします。この作業は、後悔しないためにも、時間をかけて行うことをお勧めします。
3. 処分方法3パターン(自分で処分・不用品回収業者・遺品整理業者)
残った家財道具の処分方法は、主に3つあります。
- 自分で処分:費用は抑えられますが、時間と労力がかかります。
- 不用品回収業者:費用はかかりますが、分別不要で一気に片付きます。
- 遺品整理業者:貴重品の探索や供養なども含めて丁寧に対応してくれます。
物量や時間的な猶予を考慮して、最適な方法を選びましょう。
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親の家を売る手続きに関するよくある質問
最後に、親の家の売却に関してよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 売却にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. 状況によりますが、一般的に査定から引き渡しまで3ヶ月〜半年程度です。ただし、成年後見制度の利用や、遺産分割協議が難航する場合は、1年以上かかることもあります。
Q2. 親が住んでいた家の住宅ローンが残っています。どうすればいいですか?
A. 売却代金でローンを完済するのが一般的です。売却価格がローン残高を下回る(債務超過)場合は、自己資金で補填する必要があります。まずは金融機関に相談し、ローン残高を正確に把握しましょう。
Q3. 遠方に住んでいても、実家の売却はできますか?
A. はい、可能です。信頼できる不動産会社に依頼すれば、売却活動の報告や書類のやり取りなどを、電話やメール、郵送で行うことができます。ただし、売買契約や決済など、重要な場面では現地に行く必要がある場合もあります。
まとめ:親の家の売却は「状況判断」と「専門家との連携」が成功の鍵
親の家の売却は、単なる不動産取引ではありません。法律、税金、そして家族の感情が複雑に絡み合うプロジェクトです。成功させるための鍵は、以下の2点に集約されます。
- 親の状況(健在・認知症・相続後)を正確に判断し、取るべき最初の一歩を間違えないこと。
- 一人で抱え込まず、不動産会社、司法書士、税理士といった専門家と早くから連携すること。
特に重要なのは、あなたの置かれた状況を客観的に整理し、法的なリスクや家族間のトラブルを未然に防ぐことです。そのために、信頼できる不動産会社をパートナーとして見つけることが、何よりも最初のステップです。
手続きは大変ですが、一つ一つ着実に進めていけば、必ずゴールは見えてきます。この記事が、あなたのその長い道のりを照らす一助となれば幸いです。
複雑な手続きも、家族の想いも、私たちに託してください
親の家の売却は、手続きの不安だけでなく、ご家族の様々な想いが交錯する、心身ともに負担の大きいものです。イエツグは、そんなあなたの「一番の味方」でありたいと考えています。
私たちは、単に家を売るお手伝いをするだけではありません。あなたの状況を丁寧に整理し、必要な専門家と連携しながら、法的な問題も、家族間のデリケートな問題も、解決まで寄り添い続けます。まずは無料相談で、あなたの話をお聞かせください。そこから、新しい一歩が始まります。
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不動産業界の活性化・透明化を目指し、2018年仲介手数料定額制の不動産会社「イエツグ」を設立。お客様の「心底信頼し合えるパートナー」になることを目標に、良質なサービスと情報を提供している。
保有資格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・2級ファイナンシャルプランナー技能士・住宅ローンアドバイザー・既存住宅アドバイザー・防災士